ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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黒王軍来る

サルサデカダンにて、信長らが決戦の地として土木事業を進めていた。堀に土塁、木の柵に逆茂木を設け、兵士たちの差を地形で縮めようと皆が懸命に働いていた。

 

信長は熱心に作業員たちを激励した。「急げよ!その深さと高さが命運を分けるぞ。掘り返した土の量が命の量と思え!」

 

豊久は思わず口を開く。「長篠か。」

 

信長は肯定し、「そうだ。俺らは大半が寄り合いの軍だ。百姓一揆に毛が生えた程度にすぎん。弱兵がマトモに戦うのなら、血と土で支えねばならん。」と力説した。

 

与一は状況を補足する。「避難民の連合も右手の山上に布陣して普請してるよ。」

 

信長は頷いて「いいぞ。どんどんやらせろ。」と指示を出した。

 

豊久は微笑みを浮かべ、「フン。」と短く答えた。

 

信長は豊久の変わった様子に気づき、「どうしたトヨ。変わった笑みをしおって。」と尋ねる。

 

豊久は照れ隠しで「いや良かじゃ。良か。」と返した。

 

信長は続ける。「黒王軍は大軍の典型だ。ただ進み押しつぶす。大兵に軍略要らずとはこのことよ。」

 

信長は少し考え、さらに「だがそれもまた弱点になりえる。アレは1つの塊よ。後備も何もない。」と言った。

 

オルミーヌが疑問を投げかける。「そんなことあるんですか?あれ程の大軍ですよ?」

 

信長は自信を持って答えた。「黒王軍の補給は黒王の生み出すそれのみに頼ってる。だから、人間の領土を荒廃させながら進む。」

 

「だから黒王から軍は離せん。あの大軍の殆どは黒王の側以外では戦えん。」

 

信長は続けて強調した。「黒王は個軍だ。個軍は一度敗走せると再建できん。だからここですり潰す。」

 

豊久は慎重に言った。「まあ、負けたら終わりはこちらも同じよ。」

 

信長は苦笑しながら、「嫌なこと言うねこの子。」と返した。

 

与一も冗談交じりに、「まあ、これまで全部負けたら終わりでしたからね。」と肯定した。

 

ユウスケは真剣に言った。「黒王が来るまで少しでも時間が欲しい。」

 

その時、ドリフたちが働く中、久しぶりにキッドとブッチが訪れた。

 

ブッチが元気に声をかける。「久しぶりだなおっさん達。」

 

信長は二人に気付き、「南蛮人達ではないか。何用だ?」と尋ねた。

 

キッドは少し緊張しながら言った。「俺達は黒王の軍の監視だ。」

 

信長は頷いて「そうか、よろしく頼む。あとユウスケからプレゼントがあるぞ。」と笑顔で紹介する。

 

ユウスケはブッチに向かい、「これ。弾丸は多めに作れたから。リボルバーは返すよ。」と述べつ、以前信長に渡したリボルバーと弾丸を手渡した。

 

ブッチは驚いて、「作ったのか?スゲェな。」と感心する。

 

ユウスケは注意を促す。「黒色火薬なので、黒煙が出るのは注意して下さい。」

 

ブッチは笑顔で答えた。「俺らならそれ位問題ねぇよ。期待してなかったが間に合うとはな。やるじゃねえか。」とユウスケの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

ユウスケは少し照れながら、「ガトリングは借りていい?返せるか分からないけど。」と確認する。

 

 

キッドは指を振りながら、「俺達の今の任務では使わないからいいぞ。出来たら戦後に返してくれ。日本人達、勝利を祈ってる。」と温かく答えた。

 

ブッチとキッドは、信長たちに別れの挨拶をし、背を向けて任務に向かうため去っていった。

 

信長はその後に続けて言った。「さて、俺らもやることやるか。」

 

豊久が気を引き締めて言った。「そうだな。戦に備えなければならん。」

 

信長は再び皆の注意を引き、「まず、堀や土塁の作業を急がせよう。敵の到着が早まる可能性を考えると、もっと防備を固める必要がある。」と指揮した。

 

 サン・ジェルマンは少し考えながら言った。「私はやる事あるから行くわよ。」

 

ユウスケは彼女を振り返り、「サン・ジェルマン、例のものはあるよな?」と尋ねた。

 

サン・ジェルマンは少し眉をひそめて、「あるけど、アンタ私から幾ら奪うつもりよ。口紅の件は許さないからね。」と警告した。

 

ユウスケは笑いながら、「そう言うなよ、サン・ジェルマン。戦争終わったらシャラとデートさせてやる!」と提案した。

 

サン・ジェルマンは冗談っぽく答え、「あら、それならいいわよ。」と心を許した。

 

与一は苦笑しながら、「勝手に売られるシャラ君可哀想。」と呟く。

 

信長は興味深げに尋ねる。「それで何を貰ったんだ?」

 

ユウスケは自信満々に「サン・ジェルマンの無駄に大きい馬車を貰った。古代中国の戦車程度にはなる。これにガトリングを積めば、、、」と期待を込めて説明を続けた。

 

「そうすれば、敵に対して強力な火力を持った防衛拠点ができる。動きも素早く、敵の進行を妨げることができるはずだ!」と声を高めた。

 

 数日後、普請作業を終えた頃、戦場の遠くから教室のような声が聞こえてきた。

 

ユウスケは首をかしげ、「なんだ?」と疑問を抱いた。

 

その時、水晶玉が光り、キッドとブッチからの連絡が入る。

 

キッドの声が緊迫して伝わる。「黒王だ。国境を越えてついに来た。」

 

ブッチも続けて、「ヤベーぞ。スゲェ数いる。一万や二万じゃすまねえぞ!」と興奮気味に言う。

 

近くで聞こえる足音は初めは御経のような低音だと思ったが、次第にその音は大きく、迫り来る大軍の気配を感じさせた。

 

信長は冷静に宣言した。「来るぞ。」

 

足音は留まることを知らず、ます大きくなっていく。コボルト、巨人、ドラゴン、ケンタウロスなど、数え切れない異形の者たちが大軍をなして段々と戦場に姿を現していった。

 

ユウスケは恐れを抱きながら尋ねる。「大軍勢にエンズ勝てるのか、、、」

 

信長は力強く言った。「あれを潰す。潰せねば全て終わる。」

 

豊久はその光景を見て驚愕し、「どえらい軍じゃの!」と声を上げた。

 

与一は周囲の状況を確認しながら言った。「竜に巨人に大軍勢、報告通りだ。」

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