ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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廃城合流

ユウスケ、ジャンヌ、アナスタシアの3人は逃げ続け、廃城付近にたどり着いた。

 

アナスタシアが周囲を見て言った。「黒王の陣は見えないけど、それでも大軍ね。」

 

ジャンヌは決然とした声で続ける。「それでも行かねばなるまい。廃城に入らないと本当に孤立する。」

 

ユウスケは心配そうに言った。「水晶玉は突撃前に晴明に渡したから連絡手段が無いんだよな。悔やまれる。でも、信長ならタイミングを見て扉を開けてくれるだろう。」

 

ジャンヌは冷静に分析した。「こちらの戦力は銃兵が30名ほどにガトリング。能力なしの私とユウスケに加えアナスタシアか。全員騎馬なのは救いかもしれないが、まあいい。戦闘は私がやる。」

 

ユウスケは言い返そうとしたが、ジャンヌが制止する。「馬鹿。お前は役に立たないから後ろからアナスタシアとついて来い。」

 

ユウスケらは騎馬に乗り、全力で廃城を目指して駆け始めた。

 

「神よ!我らに導きを与え給え。」ジャンヌは祈りを捧げた。

 

その頃、黒王軍では休憩していた軍が突撃の気配を感じなかったが、突如として騎馬兵が迫っていることに気づいた。

 

コボルトたちは各々武器を取り始めたが、陣形を解除していたため、突撃を許してしまった。

 

ユウスケは喜びの声を上げる。「よし!入った。」

 

ユウスケたちが黒王軍に突撃している最中、廃城の中ではエルフの見張りが信長に報告をしていた。

 

「大変です。ノブさん!黒王軍に動きあり!敵陣中からいきなり姿を現して騎馬兵がこちらに向かってきます!」

 

信長は眉をひそめ、「全軍が動いている様子はないが、コボルト兵もか?」と問い返した。

 

エルフは答えた。「いえ、でも西門の方向からコボルトたちが動き始めています。」

 

与一も難しそうに続ける。「おかしいですね。他の門からは特に動きは入ってきていないですが。」

 

信長は考え込み、「指揮官の単独か、妙だな。直接見てくる。」と言い、与一と共に高台へ急いだ。

 

高台から双眼鏡で動く軍を見守る与一が言う。「遠目ですが、あの敵騎兵、コボルト兵らの中をわざわざ走っているような。それにこの音、、、。」

 

信長は不思議そうに顔をしかめながら、「どういう事だ?」と呟いた。

 

与一は心配そうに訊ねる。「何かありましたか?」

 

信長は双眼鏡で再度確認し、「あの騎兵が銃兵なのは間違いない。オカマのとこの兵だ。ユウスケの指揮下に居たはずだが。」

 

与一は思案しながら、「合流のため来たんですかね。」と言った。

 

信長は双眼鏡を与一に渡し、「貸してやるから見ろ。先頭の騎馬、廃城を燃やした女騎士だ。」

 

与一は驚きながら、「ホントだ。エンズと銃兵が一緒にいる。」と確認した。

 

信長はさらに考えを巡らせる。「どういう事だ?コボルト兵らを討っているということはエンズが黒王を裏切った?いや、違うな。」

 

与一は急かすように言った。「ノブ。思案している所悪いけど、もう一回今度は後方の騎馬を見てください。」

 

信長は双眼鏡を返され、再度確認する。「あれは、、、ユウスケ!生きとったんかワレ!すぐに門を開けて少数の救援部隊を出せ!」

 

信長はユウスケたちが敵軍に突撃している姿を見て、彼らを助ける決意を固めた。状況は理解することができなかったが、少なくとも知っている仲間が生きていることを知った今、迷っている余地はなかった。

 

与一は信長の指示に従い、素早く動き出す。「分かりました、すぐに行動します!」

 

廃城内では、信長の命令が迅速に実行に移され、少数の騎兵と銃兵が準備を整え始めた。信長は高台から敵の動きを見届けながら、あらゆる可能性を想定していた。

 

一方、ユウスケたちは黒王軍に突撃し、その混乱の中で敵の隙を突いて進んでいた。ジャンヌが前方で指揮を取り、銃兵たちがその後を追う。

 

「前へ進め!敵を押し返せ!」ジャンヌは戦法を指示し、ユウスケは一緒に走りながら状況を見守った。彼らの進攻は瞬く間に敵の陣形を崩し、混乱を引き起こしていた。

 

ユウスケは心を奮い立たせ、自らの存在の意味を感じながら、「ここまで来たら、何としても信長たちと合流しなければ!」と決意を新たにした。

 

後方では、アナスタシアが迫る敵に注文をつける。「敵の射撃に気をつけて!狙われてるわよ!」彼女の呼びかけに、ユウスケたちも必死に頭を下げた。

 

 敵の矢が降り注ぐ中、アナスタシアはすぐに自身の能力を発揮し、氷の壁を作り出した。矢は壁にぶつかり、無力化された。

 

ユウスケたちは必死に門に辿り着いたが、扉は開いていなかった。

 

「おい!開けろ!」ジャンヌが強く門扉を叩いたが、中からは返事がなかった。

 

その時、門の上からエルフが叫ぶ。「エンズがいる!何故ここ連れてきた?」

 

「話してる時間はない!後ろからコボルトたちが来ている!」ユウスケは焦って呼びかける。

 

エルフは疑念を持って応じた。「お前ら開けたら攻め込むつもりだろ!もう裏切りはこりごりだ!」

 

アナスタシアは提案した。「どうする?階段を作ってもいいけど。」

 

ユウスケは即座に首を振る。「それは不味い、コボルトも一緒に入れてしまう。」

 

口論が続く中、コボルトたちが後ろから迫ってくる音がはっきりと聞こえてきた。

 

「開けろ!開けてくれ!」ユウスケは必死に頼むが、エルフたちは緊張し、ユウスケらに弓を引いていた。

 

絶体絶命かと思われたその瞬間、扉が突然開いた。そこに立っていたのは信長であり、彼は火縄兵を構えて準備していた。

 

「嘘だろ、信長。」ユウスケは驚愕した。

 

「勘違いするな!早く入れ!」信長は急かす。

 

ユウスケたちは信長の指示に従い、すぐさま中に入った。信長は動くコボルトたちに命じて、火縄兵に射撃を開始させた。

 

コボルトたちは信長の射撃に対して慌てふためき、ジャンヌらを捕らえられないと悟り、諦めて撤退していった。

 

 信長はじっとユウスケを見つめ、「生きてたかユウスケ。」と声をかけた。

 

ユウスケは肩を竦め、息を整えながら答えた。「ギリギリな。」

 

信長はすぐに続けた。「豊久は?」

 

「分からん。戦の途中で離れた。」ユウスケは目を伏せ、複雑な心境を語った。

 

信長は眉をひそめ、「何があったか話せ。後ろの女たちについてもな。」と厳しい口調で指示した。

 

 ユウスケは話を続け、「〜ここまでが合流までにあったことだ。」と話をまとめた。

 

信長は頷きながら言った。「であるか。エンズを連れてきたのにも驚いたが、黒王の正体が偽物であるとは。しかし、彼が本当の黒王を食べたことで、本当のような能力を得たということか。」

 

ジャンヌがその言葉を補足する。「そうだ。それで私の能力も取られた。」

 

アナスタシアは少しほっとしたように言った。「私はなんとか能力を保持して逃げられた。でも、次に黒王と対峙するとき、また失うかもしれない。」

 

与一は眉をひそめながら続けた。「エンズにそんな過去があるとは思わなかった。黒王は何を考えているんだ?」

 

信長は深刻な表情で言った。「しかし、問題は黒王だ。アイツ、銃撃も効かないとはどんな体してるんだよ。」彼は今後の戦闘にどう立ち向かうかを真剣に考えていた。

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