飛龍にいる豊久たちは、スキピオからこれからの動きについて説明を受けていた。
豊久が尋ねた。「南蛮人、作戦はどうなっておるのか?」
スキピオは自信を持って答えた。「奴らには明確な弱点がある。食糧だ。そこを突くつもりだ。」
菅野が不満げに反論する。「そりゃねえぞ、ガリ勉野郎。アイツは食糧を無限に作れるのを忘れたのか?手かざしで無限よ!」
その様子を事前に耳にしていた多聞は、スキピオの評価をさらに高めることとなった。
多聞(彼の史実を知っているが、それを差し引いても化物だと言うことを痛感させられる。あっという間に二千年の知識を吸収して作戦を立てた。私の知恵すら既に追い抜いているだろう。)
スキピオは指を振りながら、「ノンノンノン。黒王軍には普通ではあり得ないことが起きている。前線は食糧に溢れ、後方地では飢えに苦しんでいるのだ。」
菅野は驚いたように言った。「普通逆だろうに。」
スキピオは続けた。「突如として農業を始めましたで、簡単にはいかない。農業は技術と経験が必要で、未来でも同じだろう?」
豊久が真剣に頷き、「確かに、武士が次の日から農民やれと言われても無理だな。」
スキピオは力強く言葉を続けた。「つまり、化物たちの文明ごっこはただのパフォーマンスに過ぎない。」
豊久が首をかしげながら言った。「南蛮の言葉は分からん。一度首置いておこうか?」
菅野は冗談交じりに言った。「イタリア人はパスタ以外のことは喋るな、馬鹿野郎!」
スキピオは焦った様子で、提督に向けた。「提督!この野蛮人を止めて!」
多聞は穏やかに言った。「大丈夫、続けて。」
スキピオは説明を続けた。「前線から後方への補給は普通以上に膨大なはずだ。しかし、彼らはその補給を止めるわけにはいかない。化物が国を作るという名目があるからな。」
スキピオは力強く強調する。「まるで息子に食糧をせびる浪費の親のようだ。馬鹿なことに、これは1つの占領地を増やすことになる。」
「そして、その補給路を潰す。」スキピオの表情は真剣なものになった。「食べるに困らないから人に代わるなどとは言えるが、飯が無くなれば獣に戻るのだ。その日のことしか考えられぬ獣となる。」
スキピオが説明を終えると、豊久と菅野は拍手し合った。
豊久は賛同して言った。「よくそげか、鬼畜な策が出るのう。」
菅野も同意し、「鬼畜さはイギリス以上だな、この野郎。」
その後しばらく、豊久と菅野による後方補給路の妨害が続いた。彼らはスキピオの指導のもと、敵の補給線を断つことで、戦局を自分たちのものにしようと躍起になっていた。
一方、サルサデカンにて勝利した黒王軍はヴェルリナを占領した後、会議を開いていた。
光秀は心の中で複雑な思いを巡らせていた。「戦には勝利し敵の首都を占領。ここまでの進展は問題ないが…」
ラスプーチンが続けた。「土方や源義経は行方不明。ジャンヌとアナスタシアは寝返り、先の報告によると廃城に入城したとのことだ。」
光秀は内心で思った。「全く、これではこちらの負けだ。」戦況が急速に悪化しているのを実感していた。
黒王が冷静に言った。「さらに問題なのが北では補給路の襲撃を受けている。」
ラスプーチンは不安げな表情で続けた。「これでは北壁より北の地の住民が飢え死にしてしまう。」
光秀が提案した。「それならば黒王様を中心とした移動国家を形成するのがよろしい。それならば補給の問題は解決できる。北を捨てる選択肢も考えるべきです。」
黒王は毅然として言った。「光秀、我らは人類皆廃滅した後、文明を作るつもりだ。捨てる選択肢などありはしない。」
ラスプーチンは焦りを感じて口を開いた。「時間がない。光秀君の指揮により廃城を攻め滅ぼすのだ。奴らを殲滅できれば事態は好転する。」
光秀は考え込む。「無茶な。エンズが四人もいなくなっていては、固められた火縄を突破することは難しい。こちらは指揮官もいない今、兵士の平押ししかない。」
黒王が鋭い目を光らせた。「光秀よ。廃城攻めを命じる。出来るか?」
光秀は少し考えた後、「兵糧攻めを行うのはいかがでしょうか。幸い廃城には大量の民がおります。いくら蓄えがあろうとも長期間は持たないはずです。」
ラスプーチンはそこで口を挟んだ。「君は能力を持ってないから知らないだろうが、能力を使いすぎると限界が訪れる。黒王様についてはジャンヌのお陰で補給できたが、それでも永くは持たない。」
「攻め滅ぼせ。出来ぬ場合はお主の処遇も考える。」黒王の言葉は厳しい命令として響いた。
光秀は心の中でゾッとした。「これは死刑宣告ではないか…。」思い悩む彼の表情は暗く、次の行動をどうするか、決断を迫られることとなった。
会議が終わり、部屋を出た光秀は思案を巡らせていた。
光秀は心の中で状況を整理し、つぶやいた。「先の野戦では勝利したのに、エンズらは裏切りこちらには化物どもの軍勢のみが残されている。もしこのま進めば負ければ命の保証はない。なれば、信長を討ち取るほかに道はない。」
その思考に頭を悩ませながら、彼は廊下を歩いて行った。今の状況は彼にとって圧力となり、信長を打倒するための決意を固めさせていた。
一方、光秀が去った部屋にて、黒王とラスプーチンは密かに話し合っていた。
ラスプーチンが黒王を見つめ、「黒王様、光秀の処遇についてはどうお考えですか?」と尋ねた。
黒王は冷静に答えた。「奴は今、信長打倒のみに集中してこちらに仕えている。それを達成した後、どうなるかは分からん。故に、ドリフを根絶やしにした後は葬るつもりだ。」
ラスプーチンはその考えに同意した。「確かに、光秀が目的を達成したら、我々にとって脅威となる可能性が高いですものね。」
黒王は続けた。「信長を打倒することは、我々にとっての利益でもある。しかし、光秀の力がどれだけのものかを見極める必要がある。彼を利用するか、それとも早めに排除するか、状況を見つ判断しよう。」
ラスプーチンはうなずき、「分かりました。ならば、今は光秀の動きを注視し、その動向に応じて対策を考えるとしましょう。」
二人はそれぞれの思惑を胸に秘めながら、その場を後にした。光秀が信長を討つことが実現すれば、彼らの計画にも大きな影響を与える可能性があった。しかし、勝ち目を見出だせず信長を討つことを思う光秀と勝利を望む黒王らエンズらの間には思いの交差が起こり始める。
更新落ちてごめんね。
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