廃城より遠方の地にて、オルミーヌが興奮した様子で叫んだ。「師匠!手紙が来ました!」
安倍晴明は真剣な表情で尋ねる。「結果は?」
オルミーヌは元気よく答えた。「黒王軍が包囲を解き北壁へ!防衛成功との事です!」
その報告を聞いた十月機関のメンバーたちは喜び合った。「よし!勝ったか!」晴明は満面の笑みを浮かべる。
しかし、オルミーヌは続けた。「それと、、、彼らは少数にて黒王軍へ追撃を出したようです。」
晴明はその言葉を噛み締め、決意を新たにする。「黒王に追撃、、、黒王を討ち取るまたとない機会だ!我らも向かう!ブッチとキッドにも連絡しろ!」
「はい!」オルミーヌは迅速に応じ、仲間たちに指示を飛ばした。
次はグ=ビンネンの地で、報告が入る。小間使いが興奮気味に言った。「提督!廃城は防衛成功!少数ながら追撃を出しているとの事です!」
山口多門はその言葉に頷き、「勝ったか、、我らも少数ながら援軍を送るか。今稼働出来る鷹は?」
廃城防衛成功の報を伝えられた各地のドリフたちは、黒王打倒に向けて動き出すきっかけを得た。彼らの心には共通の目的があり、運命を変えるための戦いに向かう準備が整っていた。
義経は穏やかな笑顔を浮かべつ言った。「じーさん。廃城勝ったってよ。」
ハンニバルは驚きの声をあげる。「マジか!外部軍なしでやりおったのか。ワシラは間に合わなんだが、その代わり北壁より北は今急ぎで制しておる。」
義経は少し肩をすくめながら話す。「化物どもの村々を適当に燃やしたが、逃げ出したガリガリの痩せこけた家族どもの幾つかは黒王のとこに辿り着くだろうな。」
ハンニバルはその話を聞き、悪い顔をする。「そうなれば黒王は北壁の帰還を諦め、マモン間原にて待機せざるを得なくなる。」
義経は疑問を抱いて尋ねた。「こっちには来ないのか?」
ハンニバルは知ったかぶりして答える。「お主も聞いておろう?ドリフの補給路妨害にて今北壁より北は腹ペコの弱兵しかおらん。そんなの数日しか持たんのを黒王も悟るじゃろ。」
ハンニバルは少しの間、遠くを見つめながら続けた。「ワシも昔、敵地に10年もいて戦い続けた。そこで故郷がつぶれたなんて聞いたら、胸が痛む。」
義経は力強く頷き、「兵はもう軍どころではなく。散り散りに家族を探しに出るって事か。」
ハンニバルは同情の念を込めて返答する。「そうじゃ。戦の影響は時に軍を超えて、民の生活までを根本から揺るがす。そうなると、彼らの苦痛はさらに深まる。」
撤退を行っていた黒王軍は、マモン間原に辿り着き、一度休息を取っていたところに、コボルト達の故郷からの避難民が続々と辿り着いた。
避難民の一人が、涙を浮かべながら叫ぶ。「黒王様!ご無事でしたか!」
黒王は彼らの様子に驚き、問いかける。「お前らは確か北に残った民、、どうした?」
避難民は息を整えながら答えた。「故郷がドリフに襲撃され、村々が荒らされ、逃げ惑う者は殺されていたのです。私達は補給路が潰れ、飯もない状態でしたので、黒王様を頼りここまで、、、」
ラスプーチンは驚いた顔をし、「まさかここまでとは」と呟く。
黒王たちはガリガリに痩せこけた避難民を見て、状況の厳しさを理解する。コボルト兵士らは、逃げてきた者たちに駆け寄り、自分たちの故郷の状態を熱心に尋ねる。だが、まだ無事な地域の者は、軍から抜けて家族の安否を確認したいと思っていても、ラスプーチンの恐怖により逃げ出すことができなかった。
そんな結束に綻びが見え始めた瞬間、山口多門が出撃させた鷹が黒王軍に火炎樽を投下した。爆発の音と共に、少ないながらも死傷者が現れた。
兵士達の間では、軍を無断で抜け故郷へ向かう者が現れ始め、不安が広がる。現実を突きつけられた彼らは、少しずつ士気が低下していく。
ラスプーチンは冷静に状況を分析しながら、「ついに脱走兵か。」と呟いた。彼は、この流れがさらに大きな波になっていくことを予感していた。
少数で始まった脱走兵の数は、次第に増えていった。黒王のもとを離れ、食料も持たない彼らが果たして故郷に辿り着けたかは定かではなかった。
黒王は心中で悶々としながら呟く。「何故分からぬ?軍を抜けても行く当てなんてないはずだ、民ども。」
ラスプーチンは苦笑いを浮かべて、「バカには分からないようですね。」と皮肉を込めて答えた。
その時、黒王はあることに気づく。「ラスプーチン。気づいているか?」
ラスプーチンは既にその気配を察していた。「はい。ドリフ達ですね。」
黒王は確信を持って言った。「そうだ。少数だがこちらに来る気配を感じる。再度、マモン間原にて奴らを対決し、首を取り再起を図る。」
ラスプーチンはその指示に即座に従う。「承知!」
一方、ドリフ側では、与一が状況を見て、「敵さん弱ってきているようですね。」と一言。
信長も賛同しながら言う。「あ。他のドリフが今だ今だと攻撃をしている。」
すると、豊久が少し不安げに言った。「なあ、それはよかだが。なしてユウスケ。再会したのは嬉しかだが、そやつらを連れておる?」
豊久は警戒心を抱き、刀を構えていたのだ。それはユウスケが元エンズのジャンヌとアナスタシアを連れていたためだった。
ユウスケは、豊久の疑念を払拭しようと、自分の立場を説明しながら答える準備をしている。
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