ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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アラムと豊久

アラムは鋭い目つきで豊久を睨みつけ、その冷たい声を響かせた。「ドリフよ、、我らオルテの邪魔をするか。」彼の背後には、エルフの村を惨劇へと導く兵士たちが構えている。

 

豊久は冷静にエルフの村の惨状を見渡し、アラムに対して厳しく言い放った。「何言ってるか分からん。このクズが。お前の首はいらん。」

 

村人たちは、これから始まるであろう2人の戦いに息を呑み、その場を見守っていた。村長の子供であるシャラも、その一人であった。そんな中、豊久たちが助けた二人のエルフの少年、マーシャとマルクが駆け寄った。

 

「兄ちゃん!」と声を上げるマーシャに、シャラは驚いて振り向く。「マーシャ、マルク!生きてたのか!」

 

マーシャは興奮気味に答える。「そこのドリフの人に助けられたんだ。」

 

シャラはその言葉に半信半疑ながらも希望を抱く。「ドリフ、、俺たちの味方なのか?」

 

豊久は静かに刀を構え、決意を見せる。「さて、始めるか。」

 

アラムは剣を振りかざし、冷笑を浮かべながら返す。「何を話すかも分からぬ蛮族め、来るがいい。言葉は分からずとも剣で語るとしよう。」

 

間髪を入れず、シャラが豊久に向かって叫ぶ。「気をつけろ、ドリフ。アラムは代官付きの本当の騎士武官だ!」

 

豊久はその忠告にかすかに微笑を浮かべ、「何言ってるか、知らんが忠告ありがとな!」と感謝の言葉を返す。そうして、彼は突然勢いよく刀をアラムに向かって投げた。

 

アラムは、その行為に一瞬戸惑ったものの、冷静さを取り戻す。「他愛なし!蛮族め、剣の使い方も分からぬのか。先ほどの戦闘はたまたまか?」彼は飛んできた刀を剣で簡単に弾き、豊久に武器がない状況を見て勝ちを確信した。しかし、その瞬間を突かれ、豊久が一気に距離を詰めて彼に覆いかぶさった。

 

驚きの声を上げるアラム。「なっ、お前。卑怯だ!剣を使え!」

 

豊久はその言葉に耳を貸さず、アラムを地面に押さえつけた。「どっこいしょ!」と、力強く言い放ちながら、アラムの無力さを感じ取った。

 

「他愛なか。」豊久はそう言うと、アラムの顔を刀の鞘で何度も殴打し始めた。アラムは抵抗も虚しく、顔を殴られ続けるだけであった。

 

少し離れた場所でその光景を見守っていた信長は、感心したように口を開く。「刀の鞘で組手甲冑術とかおっかねーな。」

 

ユウスケは信長に同意し、「首を取れたらどんな方法でもいいんですね。」と呟いた。

 

信長は頷きながら、「そうよ、所詮剣で戦っても死ぬのは変わらん。方法が違うだけじゃ。」と語る。

 

与一は冷静に答える。「おっかないですね。」

 

ユウスケは与一に振り返り、「与一さん。十名以上いた気がしますがもう?」と尋ねた。

 

与一は平然と答える。「当然です。木に隠れもせず真っ直ぐ逃げてるだけでしたから、鴨を射るより簡単でしたよ。」

 

信長は笑いながら言う。「お前も大概におっかねーな。それはそうと、豊久はどうする気だろうな。」

 

豊久は、無抵抗になったアラムを見下ろし、一瞬の静寂の後にアラムから離れ、その場に立ち上がった。そして、落ちていた自分の刀を拾い上げ、周囲を見渡す。彼の視線の先には、失った子供のために涙を流す父親の姿があった。

 

豊久はその父親の元に歩み寄り、無言のまに彼の手に刀をそっと渡した。彼の言葉は通じなかったが、その意思は明瞭だった。「殺れ、殺るんだ。」とアラムを指差して示す。

 

村人は驚いて刀を受け取ることを拒もうとしたが、豊久はくったくのない笑顔で、無惨に殺された我が子の遺体を指し示した。「殺れ!殺らねばならぬのだ。ここがどこでお前が誰か知らぬが、この亡くなった子が仇を撃てと言うておる。」

 

「この子が応報せよと言っているんだ!」豊久の声には、ただの殺意ではなく、正義と復讐を遂げるための覚悟が込められていた。

 

村人は数秒間震えていたが、やがてその震えが止まると、目に確信を宿しながら刀をしっかりと握りしめた。周りの他のエルフたちも、その決断の瞬間を見て、農機具や倒れた兵士から剣を拾い、アラムに向かって進み始めた。

 

アラムは、迫り来る村人たちに気づき、余裕が消え去った焦燥感を露わにし始める。「やめろ!お前ら。私は代官付きの騎士だ。こんなことしてどうなるのか分かってるのか!オルテを敵にする気か!」と脅しの声を井上げるが、その大きさだけが空虚に響く。

 

恐れを覚悟に変えた村人たちは、彼の言葉に耳など貸さず、復讐の刃を彼に向けて次々と突き刺していった。アラムの声は、やがて命乞いに変わる。「待て、止めて!止めてけれ俺が悪かった!命令なんだ!痛い!」しかしその声は、村人たちの決意の前に焼け消えてしまう。

 

アラムは、村人たちの手に背かれて命を落とす。その最後の瞬間、彼は自分の非情な行いが招いた報いをその身で受けることとなった。

 

豊久はその様子を見届けて、村人たちを見て静かに笑みを浮かべた。「良か。」彼の一言は、村人たちの勇気と正義を称賛するものであった。

 

すべてが終わったと感じた与一、信長、そしてユウスケは、豊久の元へ歩み寄る。

 

信長は元気に声をかけた。「よう!豊久!」

 

豊久は彼らを迎えながら苦笑した。「お前ら、よくも一人でやらせたな。そしてなんじゃ、こちとら疲れとるぞ。」

 

信長は微笑みながら応じる。「まー、いろいろとな。それより疲れんなら座れよ。椅子を特別に用意してやろう。」

 

与一とユウスケも声を揃えて、「スワレヨー、スワレヨー。」と勧めた。

 

豊久は疲労感を覚えつも、その場に椅子代わりに倒れた丸太の上に腰を下ろし、周りをユウスケたちが囲むように立った。

 

その全体を少し離れた場所から眺めている者がいた。オルミーヌだ。彼女はその光景を見て苦笑を浮かべていた。「ヤバいですよ、お師匠様。あいつら本当に村を取りました。これ以上の野放しは危険です。そちらに連れて行きましょうか?」

 安倍晴明「ダメだ!来ても間に合わん。お前もこちらに来るな。」

 

 オルミーヌ「もしかしてもう?」

 

 安倍晴明「ああ、始まってしまった。」

 

 

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