澪ちゃんとりっちゃんがきてからは無言の時間もまったくなく、時間はどんどん過ぎていっていた。
「……それで律がバンドみんなにキレちゃってさー」
「もぅー。止めろよ、澪ー!」
「泣いて飛び出してったんだよ」
「それでそれでー?」
「扉をでたところあたりでビターンッ!てこけちゃってね」
「みーーーーーおーーーーっ!!」
二人は同じバンドで活動してる。
喧嘩とかしながらも結構かみ合ってるらしい。
ただ喧嘩の度に澪ちゃん電話してくるんだよね。いや、嬉しいけどね。結局最後は自分のバンドの自慢話になるところがなぁ。変わってないなぁって昔を思い出すことも多い。
私が音楽室にきてから3時間。12時30分になった。
き~んこ~んか~んこ~ん
という懐かしい鐘の音が聞こえてくる。
ふと、私は疑問になったので聞いてみた。
「ねぇ、さわちゃん」
「な~に?」
「なんで平日で、生徒もいるのに3時間もここにいられるの?」
「もしかして授業なくなっちゃったとか?」
りっちゃんがフザケ半分でそんなことを言う。
「実は………そうなのよ」
「えっ!?」
「えっ!」
「えっ?」
「な~んて、冗談よ~。………なんでそんなにまじ?みたいな顔、全員がしてるのよ」
「いや、だって、なんかありえそうで…」
ギロっとさわちゃんがりっちゃんを睨み付けていた――――ような気がした。
「なんでもありません」
さわちゃんはなんでもなかったかのように、
「ねぇ、みんな。この時期、あなたたち、どこにいってたか忘れちゃった?」
時期……時期……う~ん。あ!
「修学旅行に行った!!」
「「あ~」」
「そうなのよ~。3年生この時期修学旅行でね~。暇なのよ~」
「え、さわちゃん、お留守番?」
「あ、あなたたちのせいでもあるのよ?」
さわちゃんは少し頬を染めながら目を細くしてこちらを見て
「あのとき、教師としてちゃんとできなかったから……うう」
「そんなことないって。さわちゃん。そんなに気にしちゃ駄目だよ!」
「ううう」
結構精神ダメージがひどかったみたいだ。まぁ、たしかに考えてみるとかなり怒られていた気もする。
「梓ちゃんの時もーやっちゃったし」
あ、やばい。さわちゃん、卑屈モードはいってる……。
「あ、そうだ、梓は?」
りっちゃんが私に聞いてきた。
「私もあんまりわからないかなぁ」
「律、梓、結構大変なことになってるらしいぞ」
「「え?」」
私とりっちゃんの声が重なった。
「梓のお父さん、バンドやってたろ?」
「あ~そういえば、そうだね」
「詳しくは知らないけどな!」
「律、それ別にドヤ顔で言うことじゃないぞ。あとちょっと黙ってような」
澪ちゃんはドヤ顔でドヤ顔できないことを言うりっちゃんを封じて先に進める。
「梓のお父さんのバンドが解散しちゃったらしくて」
「え!!なんだって!?」
「まじ黙れ律」
なんだか澪ちゃん、キャラ変わった?