ジェネリック藍染が生き足掻く話   作:榛眞

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息抜きに書いたものなので、クオリティには期待しないでください。ほぼ殴り書きです。




物語の始まりは大抵、主人公の一人語りから始まると知っているね?

 

 俺には令和の時代を生きた記憶がある。

 

 前世の俺は、どこにでもあるような中小企業の営業マンで、毎日の晩御飯をスーパーで半額になった惣菜で済ませてしまうような、世間に溢れる平凡な人間だった。給料日前になると財布の中身を気にしながら、コンビニのおにぎりを数えるように買う日々。そんな日常が、ある日突然に終わりを告げたのだ。

 

 俺は交通事故で死んだ。

 スーパーの帰り、仕事に疲れヨロヨロと歩いていた俺は、暴走車に撥ねられそのまま命を落とした。

 創作の導入としてはありきたりだろうが、それでも俺にとっては間違いなく人生最大の悲劇で、これ以上ないほどの深い絶望を味わった出来事だった。実際、その瞬間の記憶は、今でも鮮明に覚えている。

 

 ドクドクと、まるで耳鳴りのように脳に響き渡る心臓の音。痛みを訴え続ける体躯はピクリとも動かせず、意識が朦朧としていく中で、段々と自分の大切なものが損なわれていく喪失感。死にたくない、死にたくないと願いながら、俺は一人で孤独に死んだ。

 

 

 そんなでっけぇトラウマを脳みそに携えたまま、オギャーと産声を上げて誕生したNew俺。

 

 羞恥心などどこ吹く風とばかりに、マッマの乳を吸い、眠り、泣き、排泄し、また眠る。赤ん坊としての自堕落を極めながら、スクスクと成長した俺は、一歳未満にして悟ったのだ。

 

 

 ──この世界が、俺の生きた令和の日本と全く異なる世界だと。

 

 

 日常会話にポンポンと出てくる尸魂界(ソウル・ソサエティ)やら、流魂街(ルコンがい)やら、瀞霊廷(せいれいてい)やらと……前世じゃ馴染みのない単語とその特徴的な読み方。

 そうして極め付けは、両親の稼業の御得意様が護廷十三隊(ごていじゅうさんたい)()()ときた。

 

 

 はいはいもう分かりましたよ、流石に分かりますよ。

 この世界、BLEACHですよね。ウケるwww マヂムリなんですケド……

 

 

 ──BLEACH。

 某ジャンプにて2001年から2016年まで連載された久保先生による漫画。悪霊を退治する死神の代行者になった高校生・黒崎一護と仲間たちの物語だ。俺の前世でも人気を博した作品の世界に、まさか自分が転生するとはね。事実は小説より奇なりってのは間違いじゃないらしい。

 

 さて、このBLEACHという漫画。主要キャラもモブキャラもわりと容赦なく死ぬ、もしくはリョナられる結構ハードな作品だ。そんな世界で俺が生き残れる確率は、半分どころか底辺である。戦いが日常茶飯事の世界で、か弱い人間が長生きできるわけがないだろいい加減にしろ!

 

 ハーッ俺の今世はおしまいです、来来世に期待。運命の女神よ、次はもう少しマシな世界に転生させてくれ!

 ウソウソ、死にたくない。死にたくないので生き足掻きますよ! ……生き足掻きたいんですけどね?

 

 俺、早々に悟っちゃったんです。自分の人生がどうしようもなく詰んじゃってるって。

 

 「どういう意味か」って?

 ハハハ。まあ両親の会話でも聞いててくださいよ。その甘々とした声色で話される内容のギャップに吐き気すら覚えますから。

 

 

「可愛いわね……」←母

「ああ、本当に可愛いな……」←父

 

「この可愛さは尸魂界、いえ、三世界全ての宝ね……」

「ああ、霊王様に献上されるべき至宝だね……」

 

「こんなに可愛い子が存在してて良いのかしら……」

「可愛税で100億環を納めなければならないね……」

 

 

 スミマセン、そろそろ愛でるのを辞めて貰って巻きでお願いしても良いですか? 過剰な愛情の嵐に窒息しそうになるんで。

 

 

「ああ、愛しい秀朝。お前は私達の、可城丸家の宝ですよ……」

「ああ、母さんの言う通りだよ……」

 

 

 可城丸家(かじょうまるけ)秀朝(ひでとも)

 可城丸(かじょうまる) 秀朝(ひでとも)

 

 ……もうお分かりですね? この名前の意味が。

 

 

ハァイ! ジェネリック藍染ですねぇ!

 

 

 

 

 

✳✳✳

 

 

 

 

 

 マッマとパッパがおねんねしてる間に、人生詰んでる俺の現実逃避を聞いてください。

 

 

 ──可城丸秀朝。

 ジェネリック藍染。cv羽多○渉。三席みたいな顔をしている六席。自意識過剰丸。鏡花水月の具象化説。

 

 後半に至っては理不尽な暴言込みの渾名と、強火の幻覚が入り交じってるが、大体そんな感じの印象を読者に持たれている可城丸秀朝。

 そんな彼は、護廷十三隊の十三番隊に所属し、六席に座している。因みに実家の稼業は彫り師だ。

 そして、イモ山さんの後輩たちにご高説をたれた後、ハッシュポテトに可土/成丸されてしまったモブキャラでもある。

 

 そう、何の因果か、運命か。

 俺は、登場した瞬間に瞬殺された可城丸秀朝として生まれてきちゃったってワケ。

 この事実を知った時の俺の感情は分かってくれるね? 

 

 

 ……「そんなに瞬殺でもない」?

 じゃあ一緒に数えてみようか。キルゲさんの表紙が特徴的な、単行本BLEACH56巻を開いてください。

 可城丸秀朝は、初登場時から計五十四ページを挟んだ後に、ハッシュポテトに真っ二つにされていますね。

 この五十四ページの間にアヨンVSキルゲ、侘助死す、ナナナVS鼓膜、ワンちゃんVSバンビetc……してるので、実際、可城丸秀朝が登場したページ数は15ページだけです。

 瞬殺じゃねえか!!

 

 

 神様、いや霊王様。100万歩譲ってBLEACHの世界への転生は許します。しかし、この仕打ちだけは許せません。

 「死にとうない、死にとうない!」と喚く無力な俺に、貴方様が用意したのはFate/死亡確定キャラへの転生。

 霊王様、それはあんまりじゃないですか。俺が一体、何をしたというんですか!?

 

 

 

 ……「死神にならなければ良い」って? それは俺も考えたよ。けどさぁ、この世界って滅却師の他に、身近で強大な敵が居るじゃんか。──虚だよ、虚。流魂街(俺の居住地)に時折出現する虚くん。

 

 本来なら、死亡フラグが立ちまくりの死神なんて職業、避けるべきなんだろう。でもね、力をつけていないと、尸魂界じゃ滅却師に殺される前に虚に殺されかねない。

 戦闘を避けても、流魂街のモブとして死ぬルートしか見えないんだわ。この不条理感、BLEACHを感じて笑えますね~! ホントに終わってる。

 

 

 しかし、それでも生を諦めきれなかった俺は、無い知恵を絞ってひとつの作戦を立てた。それは──、

 《虚と一般滅却師に殺されない程度には強くなりつつ、席官は貰わないようにする》

 というチキン戦法です。……みっともないとか言うな! 弱い俺に残された道はこれしかないんだよ!!

 

 

 そういう訳で、情けない決意を抱きつつも、真央霊術院入学に向けて一生懸命頑張りたいと思います。

 まあ、俺はまだ産まれて一年も経っていない無力な赤ちゃんなので、全然先の話なんですけどネ……あと数年は自堕落生活を続けられるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はまだ知らなかった。

 今後、自身に降りかかる厄災を。

 オリジナル(藍染惣右介)に目を付けられたり、コイツも裏切るんじゃないかと疑われたり、黒崎一護の師匠になったり、ハッシュヴァルトと熱い激闘を繰り広げたりすることを──

 

 そんなこと想像できるワケねぇだろボケ!

 

 

 

 

 






続きを書こうにも、公式からの情報が少なすぎて、捏造のオンパレードになってしまうのは分かっているね?

斬魄刀異聞篇を書くにあたり、アンケートというより質問があります。本エピソードは破面篇の途中で挟まれたアニメオリジナルですが、私の執筆技量ではそのような高度な構成は難しいと感じています。そこで、尸魂界篇の後、破面篇の後、あるいは物語完結後の番外編として書く案を考えているのですが、読者の皆様としてはどのタイミングが最適だと思われますか? ぜひご意見をお聞かせいただけると幸いです。

  • 尸魂界篇後
  • 破面篇後
  • 本編終了後
  • 斬魄刀異聞篇を書かない
  • 他に何かご意見があれば活動報告の方へ
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