ジェネリック藍染が生き足掻く話   作:榛眞

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サブタイトル「射場鉄左衛門の誕生日は7月18日。因みに可城丸秀朝の誕生日は10月21日で、国際反戦デーです」


活動報告にコメントを送って下さった皆様、本当にありがとうございます。作者には考えつかなかったネタばかりで本当に助かる。次の話で一つ書きたいな……!




毎月18日は防犯の日だという事を知っているね?

 

 陽光が木々を黄金色に染める午後、志波海燕に誘われた可城丸秀朝は修行に打ち込んでいた。

 鯉伏山の頂近く、開けた場所で相対する二人は、軽いストレッチをしながら体を慣らしていく。しばらくの沈黙の後、海燕が何気なく口を開いた。

 

「そういえばよ、卍解出来るようになったぜ」

「へぇ。……ん? ……は!?」

 

 まるで天気の話でもするかのように軽々しく言い放たれたその言葉に、可城丸は絶句する。

 海燕は、親友の驚愕の表情を見て、どこか愉快そうに口角を上げた。

 

「いや〜大変だったぜ。都が力を貸してくれなきゃ無理だったろうな」

 

 軽く肩をすくめてやれやれと首を振る海燕に、可城丸は自身の目元を押さえて呻く。

 

「大変どころの騒ぎじゃないだろ! 一体いつの間に……」

「試しにやってみたら出来たんだよ。んな驚くことか?」

「尸魂界に名を残せるほどの偉業だと思うよ!?」

 

 

 メタスタシアに、己の斬魄刀である捩花を奪われて以降、妻である志波都の斬魄刀を振るっていた海燕。

 都自身が既に始解を会得していたため、それを引き継ぐ形で海燕も始解を使えるようになった(斬魄刀の引き継ぎなんて可能なのだろうか? 可城丸は訝しんだ)のだが、なんと海燕はその借り物の斬魄刀で卍解へと至ったのだ。

 

 他者の斬魄刀を用いて卍解を会得すること自体は、東仙要の例があるため、不可能ではないのだろう。しかし、問題はそこではない。元々の主が存命である斬魄刀が、他者を使い手として認めた事が異常なのだ。

 

 そんなことが出来るのだろうか? というより、出来てしまって良いのだろうか? ……それがアリなら、斬魄刀がNTRし放題になるんじゃ……? と嫌な思考を巡らせた可城丸は、佩いていた相即不離を一撫でした。残念ながら、可城丸には脳破壊を悦ぶ趣味はない。

 

 志波都と婚姻関係にある海燕だからこそ出来たのか? と考えてみたものの、結局、明確な結論は出なかった。

 

「これ以上考えんの止めよ。コイツの規格外っぷりは今更だし」と、早々に思考を放棄した可城丸は目元に当てていた手を下ろす。

 

 そうして目線を上げた可城丸は、正面に立つ海燕がニッコリと笑っていることに気がつく。不気味なその笑みに思わず後退る可城丸へ海燕は穏やかに告げた。

 

「てなわけで、ちょっくら腕試しに付き合えや」

 

 いつの間にか始解へと移行していた海燕は、指揮者のように手に持つ王笏をくるりと回転させる。

 その瞬間、海燕の周囲を取り囲むように、無数のイルカが出現した。

 宙に舞うイルカの大群が、陽光を反射して煌めいている。その幻想的かつ威圧的な光景に、可城丸は冷や汗を垂らした。

 

「い、イヤイヤイヤちょっと待ってくれ海燕、僕は何も準備ができてな「じゃ、秀朝。──死ぬなよ」待て、ホントに待っ……ウワーーーッ!

 

※この後めちゃくちゃボコボコにされた

 

 

 

 

 

 

 

 

・・

・・・

・・・・

・・・・・

 

 

 

 

 

 久しぶりの非番の日、俺は原作で可城丸秀朝が着けていたピアスを求め、瀞霊廷内にあるアクセサリーショップへと足を踏み入れた。

 

 ここは二番隊副隊長、大前田希ノ助のご家族が営むお店らしい。俺が今身に付けている装飾品も、大前田家が関わっているお店で買ったものである。どれだけ幅広い商売を展開しているんだろうあの一族は……

 

 そんな事を考えつつ、店内を右往左往してピアスを吟味していると、俺の視界に、一際大きな人影が飛び込んできた。あの特徴的な鉄笠は……間違いない、狛村隊長だ!

 

 俺の視線に気がついたのか、狛村隊長はこちらを振り向くと「む、貴公は確か、十三番隊の……」そう低い声を発する。

 

 隊首会で会って以来の俺の事、覚えててくれたんだ!

 内心で小躍りしながら、俺は満面の笑みを浮かべて挨拶を返す。

 

 どうも〜、十三番隊第三席兼副隊長代理の可城丸秀朝ッス! こんなところで何してるんですか? もしかしてアクセサリーを買いに?

 

「うむ、実は近々、鉄左衛門の誕生日でな……」

 

 どこか重苦しく答えた隊長のその言葉に俺は思わず目を丸くする。

 ほーん、つまり射場副隊長の誕生日プレゼントを買いに来たってことですか。自分の副隊長に誕プレを……狛村隊長めっちゃ優しいな。

 ほっこりとした気持ちで微笑む俺に、どこか照れ臭そうに咳払いをしてから、狛村隊長は腕を組んで真剣な声音で問うてきた。

 

「急に済まない。貴公に聞きたいのだが、贈り物に適した装飾品はあるだろうか? ワシはあまり詳しくなくてだな……」

 

 ああ~、確かに。人への贈り物って悩むよな……特に装飾品は。

 単純にその人の好みがあるし、俺達死神は虚との闘いに、日々の訓練もあるからね。せっかく貰っても、無くしそうになるから普段使いは出来ないし。人によっては邪魔に思うのかな? 

 

 ……まあ、こんなにゴテゴテ着飾ってる俺が言うことじゃないんだけど(眼鏡にリストバンド、数珠にネックレス、そして今選んでるピアス)。

 

 うーん、狛村隊長のことを敬愛している射場副隊長なら何を貰っても喜ぶと思うけどなぁ……あっそうだ、アンクレットとかはどうですか?

 

「あんくれっと……?」

 

 狛村隊長の声音から、アンクレットという言葉に馴染みがないことが伝わってくる。カタカナじゃなくてひらがなで読んでるよね? ちょっと可愛い。

 

 えーと、足首に付けるアクセサリーのことです。アンクレットなら足袋で隠せますし、戦いの最中で失くすこともないんじゃないかなって。

 

「なるほど、あんくれっとか……うむ、貴公がそう言うならそれにしてみよう。助かった、可城丸殿」

 

 狛村隊長は納得したように深々と頷いた。鉄笠に覆われた顔からは表情が見えないが、どこか満足げな雰囲気が漂っている。いいえ〜力になれたようで良かったです。

 

 ──ああ、そうだ。射場副隊長にこれを渡しておいてもらえませんか?

 

「む、これは?」

 

 俺は懐から一つの紙袋を取り出し、狛村隊長へと手渡した。

 袋の中には、この店に入る前に立ち寄った銀蜻蛉で購入した眼鏡拭きが入っている。あの人はいつもサングラスを掛けているし、きっと役に立つだろう。

 

 これは俺から射場副隊長への誕生日プレゼントだ。正直、あまり接点はないけれど、これも何かの縁ってことで。自分用に買ったものだからラッピングも何もしていない紙袋のままだけど、まあそこは勘弁してほしい。

 

 俺の言葉を聞いた狛村隊長は、ゆっくりと頷いた後、「うむ、分かった。渡しておこう」と言った。

 

 サンガツ!

 

「三月? 今は七月だが……」

 

 あ、間違えた。

 何でもないです、気にしないでください!

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 ──可城丸秀朝の精神世界。

 

 

「どんどんパフパフ〜! 尸魂界篇での俺達の動きを決めよう!!」

 

【そうだね、今のうちにある程度の作戦を立てといた方が良いだろう】

 

 俺の言葉に頷く相即不離。

 うんうん、備えあれば憂いなしとも言うからね。

 

「ででーん! 俺の作戦は「流れに任せる」です。はい終わり、閉廷、解散!」

 

【集合】

 

 

 強制的に相即不離の目の前へと正座させられた俺。

 相即不離は社殿に続く階段に腰を掛けているので、俺は自然と石畳に正座をする羽目になる。砂利が膝に食い込んで地味に痛い。

 

【待ってくれ、なにも計画を立てずに本番を迎えるのは無謀……いや、君には何か考えがあるんだね?】

 

 何か言いたげな眼差しで俺をじっとり見つめる相即不離。反論する前に他者の意見をちゃんと聞こうとするその姿勢、尊敬に値するよね。さっすが俺の斬魄刀~!

 

【茶化さないで早く答えてくれ】

「うっす」

 

 良く考えてみよう。

 

 俺こと可城丸秀朝は、尸魂界篇にも、破面篇にも登場せず、なんなら千年血戦篇で初めて姿を見せた直後に退場したキャラだ。こんな風に出番がほとんどなくて、役割も存在しない俺たちが無駄に動き回ったら、奇跡のようにバランスが取れていた尸魂界篇の流れが崩壊してしまうかもしれない。

 

 まあ、結構やらかしてきた俺が今更こんなこと言うのもなんなんだけど。

 

 とにかく、尸魂界篇はメタ的に言えば一護のレベリング回だ。更木隊長や朽木隊長との戦いがその代表例であり、ここで手を加えすぎると、黒崎一護のレベルが不足して、今後の展開に影響が出てしまう可能性がある。

 

 ……そもそも、高校生に戦闘経験を積ませるってのが土台おかしな話なんだけど。……まあ、俺の感傷なんてどうでもいいか。

 

 そんな俺の考えを聞いた相即不離は、眉をしかめながら唸る。

 

【……少し、良いかな】

「ん? どうぞ」

 

【更木剣八は、本能的に霊圧に枷をかけ、敵に合わせて実力を調整しているのは知っているね?】

「うん」

 

 いきなり何の話? 更木隊長がどうかした?

 

【……最近、君は眼帯を取った更木剣八と闘うことが増えただろう?】

「そうだね」

 

 いつからだっけ……俺が卍解を会得してからかな?

 更木隊長、俺と試合(死合)する時は、眼帯を外すようになったんだよね。なんで俺ごときに枷を外すのかなぁ……おかげさまで毎回ズタボロにされるんだけど。

 

【……野生の勘とでも言えば良いのか、更木剣八は君が溜め込んだ霊圧を感知しているみたいだ】

「……ん?」

 

 額に手を当てながら、悩ましげに言葉を絞り出す相即不離。

 ……つまりそれって、更木隊長が「まだこんなもんじゃねぇよなぁ!?」なんて挑発を頻繁に繰り出してくるのは、単にノリに乗っているわけじゃなくて、俺がこっそり貯めているへそくり霊圧を野生の勘で見抜いているってこと? え、めちゃくちゃ怖い……

 

 恐怖でブルブルと震える俺に、ゆっくりと頷いた相即不離は、さらに言葉を繋げる。

 

【──もし、更木剣八が黒崎一護の潜在能力を見抜き、最初から容赦なく斬りかかってしまったら?】

「……え?」

 

 更木隊長の手加減無しの攻撃が、霊圧に栓をかけた状態のチャンイチヘ? ……それは、不味くね?

 

【ああ。黒崎一護が更木剣八に殺される事になるかもしれない。─尸魂界篇で主人公が死ぬかもしれないんだ】

/(^o^)\

 

 

 

 

 






主人公のせいで原作 ガ バ ガ バ
作者のプロットも ガ バ ガ バ

志波都の斬魄刀登場(捏造)
神話に詳しい読者の皆様なら、すぐに元ネタ分かりそう。

斬魄刀異聞篇を書くにあたり、アンケートというより質問があります。本エピソードは破面篇の途中で挟まれたアニメオリジナルですが、私の執筆技量ではそのような高度な構成は難しいと感じています。そこで、尸魂界篇の後、破面篇の後、あるいは物語完結後の番外編として書く案を考えているのですが、読者の皆様としてはどのタイミングが最適だと思われますか? ぜひご意見をお聞かせいただけると幸いです。

  • 尸魂界篇後
  • 破面篇後
  • 本編終了後
  • 斬魄刀異聞篇を書かない
  • 他に何かご意見があれば活動報告の方へ
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