【完結】ヤンデレ気味のゲキカゼに愛されるやつ   作:LEIKUN0227

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第8話

 

 

 

─────

 

すっかりお昼ご飯を食べる時間を過ごした俺とカゼヒキとゲキヤク、ゲキヤクはとりあえず家内に設置しているテレビで時間を潰してもらい、その間にカゼヒキと共に庭で運動する事に。

 

カゼヒキはもうそれはそれは病弱で、

最低限動かなければもっと酷くなるとお医者さんに言われた位だ。

 

なので最低限の運動をさせ、

これ以上の体力低下を阻止する為に少し鬼になる必要がある。

 

これは俺の転生特典でも対処出来ない問題であった為、

有識者から聞いてその通りにやっている。

 

正直に言って辛い。

 

カゼヒキ「ぜぇ…ゼェ…はぁ…ハァ…

 

カゼヒキが息を絶え絶えにさせながら俺を見ている、

この時は鬼を見るかのような怯えた目をされる為、

大変心にくる。

 

カイト「あと二セット!頑張ってカゼヒキ!」

 

カゼヒキ「ぜぇ…ぜぇぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ハァ…

 

カゼヒキが頑張って走ってくれるのを見て

心の中で謝罪しながら転生特典で氷を形作ると、

それを削って丁度いいサイズにしてコッブに入れ、

持ってきていたただの緑茶をそのコップに注ぐ。

 

ついでにカゼヒキの風邪に対する粉末状の抗生物質にして混ぜる。

 

カゼヒキ「ハァハァ…ハァハァ…走り…終えた…ハァハァァ…ハァ

 

注いで即座に冷えた緑茶を持ってカゼヒキの所まで駆け足で駆け寄る。

 

カイト「お疲れ様、緑茶飲んでゆっくり休んでね。」

 

カゼヒキ「うん…………んぐっ…んぐっ…んくっっはぁ…」

 

カゼヒキはそれを飲み込むと、少し顔が歪む。

 

カゼヒキ「苦い…」

 

カイト「…ごめん…」

 

カゼヒキ「カイトは…悪くないよ、僕が、薬が嫌いだから味を分からなくさせる様に…緑茶にしたんだよね…?」

 

…どうやらカゼヒキには見破られていたみたいだ。

 

カイト「…ごめんな、こんな騙すようなやり方で…」

 

俺は目頭が少し熱くなる、

緑茶に薬を混ぜるという

カゼヒキを騙す様なやり方をやって、

カゼヒキはそれに気付いて、

でも心配かけさせないと飲みきってくれて、

それで謝らせてしまった。

 

ごめん、ごめんなさい。

その言葉が何度も脳内を駆け巡る。

自責の念に駆られ、俯いて目を背けたくなる。

 

カゼヒキ「…」

 

カゼヒキ「カイト…」

 

カイト「…なん」

 

俺がそう言いかけた時、

背中が暖かくなる、

カゼヒキの体温が背中伝いに伝わってくる。

 

優しく、だけど何処か物悲しく感じる、

普通の人よりもやや高い体温。

 

カイト「…急に抱きついて来て、どうしたの?」

 

カゼヒキ「ごめん、は言いたいのは僕たちの方だよ…何時も深夜まで僕の体調の変化が無いように見張ってくれたり、いつもご飯を作ってくれたり…ぐす」

 

カゼヒキのしゃっくりが小さく聞こえてくる。

 

カゼヒキ「僕たちを…"養子"の僕たちをいつも助けてくれるお父さん…これ以上…"無茶"…しないでよ…"心配"かけさせないでよ…

 

小さく絞り出したその言葉に俺は目頭が更に熱くなる感覚を覚える、俺はカゼヒキがこれ程まで思い詰めていた、

心配を掛けさせていたのだと。

 

カイト「…ごめん。」

 

不器用で行き当たりばったりでやっていた

カゼヒキ達を思っての行動が

カゼヒキを心の内で苦しめていた。

 

泣かせてしまったのだと、

思わずごめんと出てしまう。

 

カゼヒキ「グズッ…ごめんじゃないよぉ…うぅっ……」

 

嗚咽を漏らすカゼヒキ。

弱々しかった抱きしめる力が強くなる、

背中に顔を埋めているのか、背中が涙で濡れる。

 

カイト「…カゼヒキ。」

 

俺はカゼヒキの腕に右手を添える。

 

カイト「心配かけさせて、本当にごめん、ごめんなさい。」

 

カゼヒキ「ごめんっ…てぇ…グズッ」

 

カゼヒキの抱きしめる力が弱まる。

俺は体を回してカゼヒキと向かい合うと

そのまま抱きしめた。

 

今まで沢山の人を助けられず、見殺しにしてきた。

助けようとして、だけど間に合わず殺された人、

ファンにさされたアイドル、人の良い詐欺師に騙され全てを失い、酒に溺れるクズに成り下がっていき、最終的に死んだ人、人々を守ろうとしただけなのに、見た目のせいで誤解され、殺された英雄。

 

今まで沢山の人や、

世界を救いきれなかった過去の自分が、

今更人を幸せに出来るのか、人を助けれるのか、

それが不安で、怖くて、それを紛らわせようと、

自分は出来るんだと思い込む為、

利用する為に偶然見つけた

カゼヒキ達を養子()として迎えた。

 

カイト「俺は、不安だったんだ、迎え入れた二人を救えるかって、今度こそ誰かを幸せに出来るかなって、けどその結果がこれだった、結局は救えてない、心まで笑顔に出来なかった、カゼヒキを苦しませてしまった。」

 

俺は悪だ、殺されても文句を言われないような…

 

カイト「心配をかけて、本当に██████。」

 

カゼヒキ「…うん…」

 

カイト「ちゃんとした親にはなれないかもだけど、心配は…もしかしたらかけさせるかもしれないけれど…それでも頑張るから。」

 

カイト「養子と親、じゃなくて、家族として、これからも仲良くしたい…」

 

カゼヒキ「グズッ…うん。」

 

悪人だ。

 

─────

 

 




主人公(鬱キャラ)

カゼヒキ(鬱キャラ)

ゲキヤク(鬱キャラ)

ずんだもん(賑やかしキャラ?)

足立レイ(賑やかしキャラ?)
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