転生ミレニアム生徒がエデン条約編を生き残れない話   作:実力と発想が見合わない人

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命の火はいつかは消える。違いはそれが早いか遅いかだけさ・・・


命の灯

◇トリニティ・第五ゲート

 

 

「どいてください!急患なんです‼」

 

 

トリニティの5番ゲート。先生が導き出した病院までの最短ルートにそこは入っていた。

このゲートを通らなければ一番近い病院へはたどり着けない。

しかし、そこを封鎖するように、大勢のトリニティ生徒が集まっていた

ゲヘナ風紀委員会が道を開ける様に呼びかけるが誰も応じない。それどころか今にも戦闘になりそうなほど空気が張り詰めている。

 

 

「なんでゲヘナの車両がここに?」

 

「救急車?冗談じゃない、今の状況分かっているの?」

 

 

一人のトリニティ生徒が車両に蹴りを入れる。

もし、この場でトビシが健在ならこの生徒は間違いなく殴られているだろう。自身の整備した物が足蹴にされるのは耐えられない性分だからだ。しかし、そのトビシは現在重傷だ。

 

 

「もういいです。運転席から引っ張り出してでも―――”待って‼”――?」

 

 

トリニティ生徒が車の扉付近に集まりだした時、後ろから降りてきた先生が止めに入った。

 

 

”本当に緊急事態だから、道を開けてほしい。”

 

「ねぇ、あれってシャーレの先生じゃない?」

 

「ほんとだ何でゲヘナの車両からシャーレの先生が?」

 

「シャーレの先生なら従った方が良いのかな?」

 

 

先生の登場で、多くのトリニティ生徒が道を開けようとした。

しかし、まだ多くの生徒が道をふさいでいた。

 

 

”お願い!道を―――「ダメですわっ!」―――え?”

 

「シャーレの先生が居ようが変わりません。ゲヘナはゲヘナよ!」

 

「そうだわ!ゲヘナの負傷者ならあなた達だけで何とかしなさいよ!」

 

「私たちがゲヘナの為にする事なんて何も無いわ!」

 

 

大勢が声を上げながら救護車両の前を塞ぐ。

しかし、この頑固者たちを説得する時間は無い。ゲヘナでは無くミレニアム生徒だと言っても信用しないだろう。

運転席のセナは自身の愛銃、救急用突入キット(グレネードランチャー)を取り出した。

 

 

「・・・・このっ!」

 

”ダメだよセナ。”

 

 

しかし、その手を先生が止める。

 

 

「しかし!」

 

”今ここで戦闘になれば後ろのトビシが危ない。他の方法を―――”

 

「風紀委員長の呼びかけは?」

 

「焼け石に水どころかむしろ面倒になるわ。」

 

 

誰もが焦りを覚えていたその時だった。

 

 

「やめて下さいっ!」

 

 

一際大きな声が辺りに響き、全員の視線がそこに集まる。

そこには救護騎士団のセリナとハナエがこちらに近づいて来ていた。

 

 

「・・・セリナさん!」

 

「どうして負傷者が乗っているのに攻撃をしようとするんですか!?そんなの救護騎士団が許しません!」

 

「負傷者を攻撃するなら、その前に私たちがお相手します。・・・ミネ団長がこの場にいらっしゃったら、きっとこの状況を悲しんだはずです。」

 

 

車両をトリニティ生徒から庇う様に間に入り込む二人。

しかし、ミネ団長の名を出しても相手の対応は変わらなかった。

 

 

「だから何よ!「ミネが壊して救護騎士団が治す」のミネでしょ?・・・筋金入りの問題児じゃないの!?」

 

「いえ、団長は問題児では無く、ちょっとだけ時代錯誤と言いますか・・・」

 

「先輩、なんで逆効果何でしょう?・・・あ!ちょっと退いてください!言う事聞かないと注射打っちゃいますよ!?」

 

 

さらにヒートアップした生徒が、救護車両に近づこうとする。

手には銃。明らかに危害を加えるつもりだ。

そんな時だった。

 

 

 

 

「すみません。閃光弾投擲します!」

 

 

 

 

辺りを真っ白な光が包み、その場の全員が目を塞ぐ。

そして一人の生徒が突っ込んできた。

 

 

「申し訳ありません、手荒な真似を・・・それにこんな状況になってしまい・・・」

 

「あなたは・・・・自警団のスズミさん!?」

 

 

そこには大量の閃光弾を持ったスズミの姿があった。

 

 

「学園は違えど、負傷者は負傷者です。手荒な真似をさせるわけにはいきません。」

 

「自警団・・・場合によっては正義実現委員会と真っ向から対立するあの・・・」

 

「またヤバい奴じゃん・・・」

 

「もうこれ以上は付き合っていられません。行きましょう。」

 

 

そう言って道を塞いでいたトリニティ生はその大半がどこかへ行ってしまった。

いまだに残っている者はいるが、それも遠巻きに見ているだけだ。

 

 

”ありがとう、スズミ。”

 

「あ、シャーレの先生・・・ご無沙汰してます。」

 

”おかげで助かったよ。”

 

「いえ、私にできることは少ないですが、自警団としてやるべきことはやらねばなりませんから。・・・おっと?」

 

 

スズミの携帯から着信がなる。どうやら救援要請の様だ。

 

 

「すみません。救援が必要なようですので、私はこれで・・・」

 

”うん、気を付けてね。”

 

 

スズミは先生に一礼すると、あっという間ににその場を去っていった。

 

 

「行ってしまいました・・・相変わらず風の様な方ですね。」

 

「ご協力感謝します。セリナさん。ハナエさん積もる話もありますが、今は急がないといけないので。」

 

「どなたか怪我をされたんですか?」

 

 

セリナの問いかけに、セナは苦しそうな表情で答える。

 

 

「トビシさんが・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左腕を失う重傷です。」

 

 





今回はここまでです。

果たして、トビシは助かるのか否か・・・分かるのは次回を読む人だけです。

それではまた次回・・・
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