転生ミレニアム生徒がエデン条約編を生き残れない話 作:実力と発想が見合わない人
◇トリニティ病院・手術室前
「・・・・」
”・・・・・”
誰もしゃべらない静かな空間。
先生も私も何かを話す気にはなれない。ただ、自身の
「・・・っ!」
無限にも思える時間が過ぎて、ついに〈手術中〉のランプが消えた。
中からは暗い顔をしたセナやセリナが出てくる。
”セナ!トビシは・・・どんな状態?”
「先生・・・その・・・」
「セナ、教えて。」
「ヒナさん・・・分かりました。ですが、覚悟して聞いてください。」
セナの案内で一つの病室に移動する。
この部屋には私とセナ、そして先生しかいない。
”それで、トビシの状態は?”
「今のトビシさんの容態ですが、ひとまずは安定しています。ですが、意識が戻りません。それと、左腕が切断されていますので、これからの生活にも支障が出るかと・・・」
「どれくらいで目を覚ますの?」
「それは分かりません。出血や大量の怪我に加えて左腕の欠損です。しばらくは起きないかと。」
”そっか・・・”
「私は他の負傷者の治療もあります。先生、彼女を見ていてくれませんか?」
”うん、任せて。”
案内されてた病室には、未だに眠り続けるトビシがいた。
左手があるはずの場所には何もなく。何も通していない患者衣の袖が平べったくなっているだけである。
「それでは私はこれで・・・彼女をお願いします。」
そう言って病室を去っていくセナ。
先生は改めてトビシに視線を向ける。
治療が終わっており、パワードスーツを着ていたおかげか、見える範囲では大きな傷や火傷は見受けられない。左腕以上の怪我は無かったようだ。
では、なぜトビシはあんなにボロボロだったのか。そもそもどうやって左腕を欠損していたのか。
状況を推測すると、トビシの乗っていたパワードスーツに左腕が付いていたことから、恐らくは欠損した後にパワードスーツを装着したのだろう。その他の怪我も、その時に着いた可能性が高い。
そして、それほどの怪我をした原因だが・・・恐らくはトリニティの市街地で起こったと言うあの2つの爆発だろう。その内の一つが原因である可能性が高い。
犯人も見当はつく。ほぼアリウスと言ってもいい。だが、欠損するほどの爆発となると、相手は殺害するつもりで攻撃したのだろう。そしてそれだけの攻撃をするには準備が必要だ。計画されていたと言っても過言では無いだろう。
そして今回の黒幕についてだ。
もし、襲撃を企てたのがアビドスの時と同じように悪い大人なら放ってはおけない。
子供を苦しめる奴は許せない。なんとしても捕まえてやる。
「先生・・・・」
”ッ!・・・ヒナ、どうしたの?”
黒幕に対する怒りはあるが、今はそれ以上に生徒を優先するべきだ。犯人を捕まえることに集中しすぎて生徒を蔑ろにすることはできない。
「ちょっと・・・行ってくる・・・」
”・・・ヒナ?”
ヒナはゆっくりとした動きで立ち上がり、ふらふらながら部屋を出ようと歩き始める。
”行くって・・・どこに?”
「あ・・ら・・・」
”・・・え?”
「アリウスを捕まえる。」
”捕まえるって・・・”
「あいつらだけは絶対に許せない。殺そうとした・・・・私の友達を!」
”それは―――『そいつはダメだぞ、ヒナ。』―――え?”
二人分の声しか聞こえなかった病室に、突如3人目の声が響く。
その声の主は、先ほどまで眠っていたはずのトビシだった。
『恨みを持って戦いに行くのはやめた方が良い。正常な判断が出来ないどころか最悪の事態を招きかねない。』
目が覚めたトビシは、ヒナの元へ行こうとベッドから起き上がろうとする。
しかし、片腕を失ったせいかうまく動けない様だった。
”トビシ!?無理しちゃダメだよ!”
『こんなの・・・なんてことない・・・』
「ダメ!今すぐセナを呼んでくるから・・・」
『いや、奴らがすぐに来るぞ。』
”え?”
『アリウスが来る。あっちも必死だからな。』
”トビシ・・・君は何を・・・いや、どこまで知っているんだい?”
『話はあとだ。まずは戦力を集めるのが先だ。ヒナも行った方が良い。』
”・・・・・・わかった。けど、トビシはここにいて。私達で何とかするから。”
『・・・・まぁ、しゃあないか。わかった、じっとしてるさ。』
「絶対に動かないでよ・・・セナも呼ぶから。」
『・・・・あぁ。』
病室を出ていく先生とヒナ。その背中をじっと眺めるトビシ。
彼女は、深呼吸をした後に隠していた端末を取り出し操作する。
まだ戦いは終わってはいない。
今回はここまでです。
最近モチベ下がるし忙しいしで投稿遅くなっちゃう・・・誰か何とかしてくれ!(他力本願)
それではまた次回・・・