転生ミレニアム生徒がエデン条約編を生き残れない話 作:実力と発想が見合わない人
遅れてごめんちぃ・・・
◇カタコンベ
「はぁ・・はぁ・・・」
「うぅ・・・くっ・・・・」
古聖堂の地下、薄暗いカタコンベの奥にある広場。
そこでは二人の少女が戦闘を繰り広げていた。
口元だけを覆うマスクを付けたアリウススクワッドのリーダー・錠前サオリ。
真っ白な翼を持つ元アリウスの生徒・白洲アズサ。
因縁浅からぬ二人の戦闘能力は殆ど互角であり、両者ともボロボロになるまで続いた。
サオリは持ち前の身体能力と戦闘経験をフルで活かし、アズサは先生たちのサポートをその一身に受け戦闘を進めていた。
しかし、先に限界を迎えたのはサオリの方だった。
「・・・あ、ずさ・・・」
音を立ててその場に倒れ込むサオリ。意識はあるようだが、もはや一人で立ち上がる力は残っていない様だった。
「せんせい・・・・」
”アズサっ!”
しかし、アズサの方も限界だった。度重なる戦闘により酷使された肉体は、自身の足で立つことすら敵わないほどに疲れ切っていた。
今のアズサは、先生に抱えられその身をゆだねる事しかできなかった。
「・・・・・・」
そしてボロボロの二人に一人の少女・・・秤アツコが近づいてきた。
仮面の半分が消し飛び、そこから見える真っ赤な目がアズサを見つめる。
「アツコ・・・」
「姫!どうして・・・!」
咳き込みながらも、アツコの身を案じるサオリ。
しかし、アツコは止まることなくアズサに近づいていく。
「私たちの負けだよ・・・アズサ。」
「姫、ダメだ・・・しゃべると彼女が・・・」
「大丈夫・・・それにどちらにしろ彼女は私を生かしておくつもりはないはず。だから良いの。」
「それは・・・どういう?」
「もうやめよう、サオリ。」
「やめる・・・アリウスに帰ると言う事か?だが、帰ったところで私たちは殺されるだけだ。」
「うん、だから――――
戦おう、一緒に。」
「戦う?・・・それは一体―――」
『そこからは俺が説明しよう。』
「お前は・・・」
”トビシ⁉”
『イエスッ!みんなのトビシだよー!』
サオリの疑問に答えながらカタコンベの奥から突然飛び出してきたトビシ。
驚く先生をよそにハイテンションで説明を始める。
『
”ちょっと⁉ここにいて大丈夫なの⁉”
『まず秤アツコ、お前は儀式の生贄にされて確実に死ぬ。』
「あなた・・・どうして儀式について知ってるの?」
『気にするな!・・・そして残りのスクワッド!お前らはアツコを回収した後に処分されるぞ。』
「・・・・そうだろうな。」
『そこでだ。全員仲良く死にたくなかったらあの赤ババァを皆で「完璧~☆」にぶっ飛ばそうぜ、ってことだ。』
「・・・できるのか?そんなことが。」
『出来るか出来んで言えば・・・出来る、だな。あとはあんたらのやる気次第だ。』
「私たちの・・・やる気?」
「サオリ・・・」
そう呟いたアツコは未だに膝をつくサオリに近づく。
「私は戦うよ。」
「姫・・・でも、どうやって・・・」
「
「・・・信用できるのか?」
「少なくとも嘘はついてないと思う・・・それに、私達はもう選んでいられないよ。」
「しかし・・・」
「ねぇ、サオリ・・・この憎しみは本当に私たちの物なのかな?」
「・・・・・・」
「マダムに憎しみを習ってから、ずっと
「・・・・あぁ。」
「アズサは色々な事を学び、様々な経験を得た・・・ふふっ、良い大人に出会えたんだね。」
アツコは壊れたマスクを外し、足元に捨てる。
「だから、サオリ。・・・戦おう。この憎しみを断ち切るために・・・アリウスの過去に向き合う為に。」
「過去・・・か。」
『話の途中で悪いが、どうやらゆっくりできるのはここまでの様だ。』
トビシが突然サオリの話を遮り、カタコンベの奥を睨みつける。
その直後にカタコンベ全体が揺れ始め、暗闇の奥から獣とも思えぬほどの恐ろしい・・・形容し難い咆哮が鳴り響く。
「こ、これは・・・」
「まさか・・・〈教義〉が完成した?」
咆哮の正体に気付き動揺するアズサとアツコ。
その存在を認知し、苦い顔をする先生。
「まずい・・・逃げないと!」
”どうやら・・・〈反則〉みたいだね。”
アズサが退路を探そうとしていると、先生が懐からカードを取り出しながら前へと出る。
「先生!」
”私に任せて、アズサ。”
先生は輝くカードを掲げ、姿を現した存在と対峙する。
ヒエロニムス
赤い司祭服の様なローブを被った異形。
4本の腕を持ち、その内の2つを体の目の前で祈るように組み、残り2つは装飾のついた杖を持っている。
フードの中は黒一色で、その顔を拝むことはできない・・・いや、そもそも顔が存在しているのかすら怪しい。
まさに怪物。
天井に届きそうなほどの大きさで圧倒的な威圧感を放ち、先生以外は恐怖で動く事すら難しいほどだ。
一人を除いて・・・
『へー・・・こんな感じだったんだ。こいつ。』
”えっ?・・・トビシ⁉”
『水臭いですぜ、先生。こんな面白そうな敵を相手に声すらかけてくれないなんてよ。』
”ダメだよ⁉いつもならともかく、今のトビシは大怪我してるでしょ⁉”
『大丈夫!アドレナリン注射とスティムをありったけ撃ち込んでいるから!』
”だからさっきからずっとハイテンションだったの⁉”
『もう一本・・・・くぅー!体が軽い!力が!湧いてくるようだ!』
”それ大丈夫なの⁉”
突っ込みを入れる先生をよそに、トビシは背中のブレードソードと大型拳銃を取り出す。
軽く首を鳴らし、先生の前へと出る。
『仕方がないので、今回は援護に徹しますよ。今あのデカブツの相手をするのはさすがにきついので・・・』
”私としては援護すら控えてほしいけど・・・そこまで引き下がってはくれないよね?”
『さすが先生!私の事をわかってるー!』
”まったく・・・それなら、早く終わらせないとね!”
先生の持つカードの輝きが増し、周囲を光で包み込む。
光が収まると、そこには6人の生徒が立っていた。
超常的な奇跡に内心で驚きながらも、トビシはすぐに戦闘態勢に入る。
先生は手元のタブレットを起動し、戦闘指揮を始める。
”さ、始めようか!”
『おうよ!』
今回はここまでです。
原作では地味に強いユスティナのせいで、当時レベル46以下の私はボッコボコにしばかれてましたわ。
この世界線のヒエロニムス戦では、先生の部隊+NPCトビシみたいな感じです。
ユスティナは大体トビシがしばき回してくれます。
それではまた次回・・・