転生ミレニアム生徒がエデン条約編を生き残れない話 作:実力と発想が見合わない人
必死;その事態の中で必ず死ぬと覚悟すること。全力をそそぐこと。
◇大聖堂
”こほッ!こほっ!・・・ばっ、爆発!?”
エデン条約の調印式、その最中に突如起こった二つの爆発。
一つはトリニティ上空、もう一つは市街地のビルの屋上付近だ。
前者は大した被害を出さなかったものの、後者の爆発は少なからず怪我人を出しているはずだ。
どうやら至る所で謎の武力集団や幽霊の様な者が攻撃を始めているらしい。
”と、とりあえず誰かいないか探さないと。”
先生は端末の情報を頼りに生徒のいそうな方向へと進み始めた。
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◇トリニティ市街地
戦場と化した市街地、その中でも一際大きな崩れ方をしたビルがあった。
それは調印式の中で起きた大きな爆発、その一つの爆心地だったのだ。
『まさか俺をマークしていたとはな・・・やられたぜ。』
「本当はもっと早く仕留めるつもりだったが・・・こっちもやられたよ。まさか巡航ミサイルを撃墜するなんてな。」
その崩れかけのビルの中で二人の少女が対峙していた。
一人は作業服の上から追加の装甲とパワードスーツを取り付けた少女・・・トビシである。彼女は左腕が肘の少し上から先が無くなっている。
対する少女は白いコートに黒いガスマスクを着けており、ガスマスクは左目の部分が破損しており、そこから見える赤い目はギラギラと獲物を前にした肉食動物のようにトビシを見定めている。
『はっ!アリウス生徒が自分を犠牲にしてまでこれだけの爆発を起こすなんてな。びっくりだぜ‼』
「私だってここまでの爆発を起こすつもりはなかったさ。投げた爆弾がお前の置いたそれに誘爆しただけだろ。」
アリウス生徒の言う通り、彼女の使った爆弾には本来ビルを半壊させるほどの威力は無かった。
しかし、トビシの用意したオーパーツを使用したジェネレーターが爆弾により誘爆し、想像以上の威力の爆発を起こしたのだ。
そのためアリウス生徒もトビシほどではないにしろ少なくないダメージを負っているはずだ。
「巡航ミサイルと言い・・・大聖堂の爆弾を解除したのもお前だろ?」
『おう、そうだぜ。あんなに仕掛けるなんて・・・ほんとに驚きだったぜ。』
「おかげでこっちの計画はかなり狂っている。本来なら、お前はここで処分するつもりだったが・・・マダムからの指示で生きたまま連れていくことになった。」
『ほー、怪我してるとは言え、この俺を・・・か?おかしいな、寝言は寝て言うもんだぜ?』
「ほざけ、片腕風情が・・・楽勝で捕らえられる。」
アリウス生徒はナイフと拳銃を構え、走り出す。
トビシはすぐさま拳銃を撃ち、距離を取った。しかし、片腕を失った影響は大きく、バランスが取れずにふらつく。それを見逃すほど相手は甘くはない。アリウス生徒は素早く懐に潜り込み、ナイフを突き出す。トビシはとっさに蹴りでナイフを弾き、逆にタックルを食らわせる。
アリウス生徒との距離が開くが、相手も分かっているのかすぐに接近戦を仕掛けてきた。
急接近する相手にトビシは拳銃を向けるが、すでに弾切れだった。
破損したガスマスクから見えるアリウス生徒の赤い目は勝利を確信していた。
「もらったぁ‼」
無防備に立ち尽くすトビシにアリウス生徒は拳銃を向けた。
しかし、トビシは全く動じずに静かに言った。
『こっちがな。』
直後、トビシの左側の腰の辺りから二つの物体が射出され、アリウス生徒が引き金を引く前に命中する。腹部と頭部で大きな爆発が起き、吹き飛ばされるアリウス生徒。そのヘイローは消え、意識が無くなったことを告げている。
『備えあればうれしいな・・・ってね。』
腰部グレネードランチャー。
脳波によりコントロール可能な外部武装であり、身体の欠損に関係なく前方の敵を容赦なく爆散させるトビシのびっくり兵器の一つだ。
トビシは敵の沈黙を確認すると、すぐに外へと向かった。
『しっかし、片腕なのも不便だし、何より戦闘が出来ないな。何か補助できる兵装は・・・あ、あれがあったな。』
何かを思い出したのか、右腕についているデバイスを起動する。
音声入力で、ミレニアムから一つの兵器を要請した。
『要請、XS-1 goliath』
直後、トリニティの上空から一つの支援物資が落ちてきた。
今回はここまでです。
ちなみにアリウス生徒は調印式当日のトリニティに入ってきた時からトビシを監視していました。
それではまた次回・・・