【オバマス】 クライ・アンドリヒは帰りたい 作:嘆きのラジオ
すいませんでしたぁぁぁぁぁぁあ!!!」
我が生涯の中でも指折りと言えるであろう渾身の謝罪が玉座の間にて響き渡る
完璧な姿勢、完璧な角度、もはや一種の美とさえ思えるほどの芸術的というほど昇華された僕の土下座が効かなかった者は今の今まで存在しない
そして物事は全て先手必勝、あらゆることにおいて受動的である僕であっても謝罪だけはその通りではない
咎めらる前に謝罪すれば怒っている相手の溜飲も下がるというものだ
目の前のアンデッドが怒っているであろうと予想されるであろうことを謝る、ぶっちゃけ僕は何も悪くない気もするが
まぁ仕方ない誰だっていきなり我が家に土足で侵入された怒るだろう
「どうやら恭順を示しているようだな」
アンデッドは唐突の謝罪に戸惑っているようだ、これはチャンスと言っていい
なんせ普段であればどんなに謝ろうが問答無用で攻撃されてきたが猶予があるのであれば弁明を叩きこめる時間がある
「実は僕にも何が起こったのかさっぱり、、、」
「よい」
僕が弁明するよりも早く目の前のアンデッドの王はまるで全て理解していると言わんばかりに僕の言葉を遮った
「クライだったか?此度の件に関してはこちらにも非があるだろう」
「帰還手段の目処こそ立ってはいないだろうが、それまでは我がナザリックの庇護下に入るのであれば衣食住、そして身の安全は保証しよう」
「本当にですか!!」
どうやら王様というのは種族どころか生死を問わず寛大なようだ僕の不法侵入案件を自分が悪い、というだけでなく僕の生活すら担保してくれるというのだ無能の僕でも分かるとても器が大きいらしい
是非彼のような王様にも常に怒っている(理由は分からないが)フランツさんも仕えさせるべきだろう
「あぁだが勿論ただと言うわけには行かないがな、なに少しばかり混沌獣の処理の手伝いをしてほしいと思っていたが、どうやらそれも難しいようだ」
さすが超越者といったところなのだろう、僕の脆弱性を一目で見抜くとはいや、ゼブルディアではランク8という肩書きが悪さをしていただけなのでこれが普通のようだ
「掃除でも溝浚いでも雑用なら何でもできます!」
僕には出来ることは少ないが危険がない掃除程度なら流石に出来る
みせてあげようじゃないか毎日朝昼晩あらゆる宝具を磨いてきた僕の掃除術を
「あ、あぁ、そうか、うむ、クライには戦闘能力は一切皆無のようだ、デミウルゴスよ」
「はっ!」
「クライには戦闘以外の業務を割り振るようにしてくれ」
「承知致しました」
「うむ、それでクライよ、お前の世界の魔法やアイテムについいても聞きたいことがあるのだが、、、」
先程の会話と打って変わりモモンガさんの瞳が鋭くなる(アンデッドなので目とかないのだが)
ナザリックでの僕の仕事が決定された後に僕が元居た世界、ゼブルディアについて探索者協会、魔法や宝物殿についてなどの情報提供を求められた
まぁ別に僕にとって隠しておくこともないし僕が知る知識は元の世界では砂浜にある砂粒以下の知識でしかない正直話してしまっても問題はないだろう多分
きっとこちらのほうが本命だったのだろう、質疑応答が終了した際にはモモンガさんの表情はアンデッドなので正直喜怒哀楽を読み取ることは出来ないのだが心做しか満足したように感じた
尚帰還する手段が見つかるまでの僕の仕事は魔獣の餌やり、ナザリック内部の清掃に決まり、食事やデザート、ベッドも柔らかくクランハウスよりもずっと快適な生活をさせて貰った
あれ?もしや周囲が怪物しかいないだけであちらよりも数十倍安全では?飯も上手いしベッドも柔らかいなんの不自由のない生活、、、
もうこっちでよくね?ここに住もうかな?
「………いや、駄目か、、」
「リィズ、ルーク、シトリー、ルシア、アンセム、、ティノについでにガークさん」
幼馴染がいるんだ、流石の僕でも僕の事を待ってくれている仲間がいる、ずっとここに居たい、、はないかなぁ
あ、でもガークさんには会いたくないなぁ謹慎の約束があるし、、、
「仕方ないか、モモンガさんも手伝ってくれるって言ってたし、頑張るかぁ」
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