アルバイトスタッフの電脳日常   作:ヴィルヘルム星の大魔王

13 / 16
6カ月ぶりですね。長らくお待たせしました。



ご注文はおじさんですか?

 

 梅雨が明け、猛暑日が続く現代日本。地球温暖化の弊害が種族問わず襲いかかる。

 道行く人々は、木陰のあるベンチに座り、イートイン可能な飲食店やコンビニが近くにあれば、涼を求めていた。

 

 ニジタウンにある花畑チャイカが営む喫茶店も例外ではない。冷房ガンガンで空調機を作動させ、熱中症対策を徹底していた。パタパタと団扇を仰ぎながら、涼を取るチャイカ。

 

 「暑ぃ、今日も素敵な一日が始めようってのに、客が誰も来ねえ」

 

 しかし、チャイカの予想とは裏腹に、お客は少なく、店内に居るのは近所に住む老夫婦のみであった。その理由は明確である。店内の一角に夥しい瘴気が蔓延しているからだ。その現場を目撃し、瘴気に当てられた新しいお客さんは、眉をひそめて30秒もせずに店を出てしまう。

 

 その件の席には、ジョー・力一、舞元啓介、社築、ベルモンド・バンデラスといったにじさんじ内で高年代の男性ライバーが揃っていた。しかし、どこか物憂げな様子である。

 

 『はぁ〜』

 

 彼等が溜息を吐く度に、新たな瘴気が放たれる。

 店主のチャイカは、皿やコップを拭きながら青筋を立て、静かにキレた。

 

 「おい、オッサン共。爽やかな土曜日にどんよりな雰囲気を醸し出して、溜息を吐くんじゃねえ。客が逃げるだろうがよ。てか、絶賛逃げられてるんだよ」

 

 「でもよぉ〜チャイカ。そうは言ってもさ」

 

 力一が話すタイミングでカランカラン、とドアベルが鳴る。お客さんが入って来た合図だ。チャイカは、コップを置き、来客に挨拶をする。

 

 「あ、お客だ。いらっしゃい」

 

 「チャイカさん、遊びに来たぜ〜」

 

 「六道じゃん。おひさ〜」

 

 来店してきたのは、にじさんじ・ホロライブ・あおぎりのアルバイトを兼務する六道理央だ。彼は、浅葱色の作務衣姿でやってきた。理央は、カウンターの適当な席に座る。チャイカは、理央へメニュー表を手渡した。

 

 メニュー表を受け取った理央は、さっと目を通し、注文を開始する。

 

 「小腹が空いたから寄ってきた。取り敢えず⋯烏龍茶にベーコンレタスチーズサンドをお願いするわ」

 

 「烏龍茶にベーコンレタスチーズサンドね。マスタードは付けるか?」

 

 「お願いしまーす」

 

 「あいあい。ちょっと待ってな」

 

 チャイカは、ベーコンをフライパンでカリカリになるまで焼く。そして、ホットサンドメーカーに入れた食パンに粒マスタードを塗り、その上にカリカリベーコンとチーズを重ね、蓋を閉じる。適度に両面焼きを繰り返し、程良い焼きめが付いたら、皿に乗せる。

 食べやすいように三角形の形に切り分ける。

 そして、冷蔵庫に冷やしてある烏龍茶をコップに注ぎ、理央の元へ運ぶ。

 

 

 「ほい。ベーコンチーズサンドと烏龍茶ね」

 

 「ありがとう。では、頂きます」

 

 サンドイッチを手に取り、咀嚼する。マスタードの辛味が鼻を突き抜ける。

 

 「うむ、美味い。マスタードの辛さと瑞々しいレタスのシャキシャキ食感がなんとも」

 

 理央は、サンドイッチを齧りながら、店内の一角で落ち込んでいる男達を眺める。その男等が他人なら見知らぬフリをしていたが、全員が知人である為、悩みを聞くことにした。

 

 「それで、おじさんじの面々は、どうしてそんなに落ち込んでいるんだい?」

 

 「聞いてくれるかい?六道さん」

 

 「ああ、少しでも力になればいいけど」

 

 「実は―――」

 

 力一達は、理央に事の顛末を話し、自分達の現状について相談する。

 

 

 「成程⋯人気になりたいのか。若年層に限らず、中年層にも人気があるじゃないか」

 

 「違うんだよ六道さん!俺達は、最若年層からの人気が欲しいんだよ!」

 

 舞元の悲痛な叫びに、他の面々も激しく頷く。

 最若年層。つまり、小中学生からの人気が少ない現状を嘆いている。

 

 

 「力一は、見た目は子供ウケしそうだよな。見た目だけは」

 

 「喧しいわ!」

 

 舞元からのイジりにツッコミを入れる力一。

 舞元力一の漫才を余所に、社は自分達に足りないモノを冷静に分析する。

 

 「メジャーなゲームの配信とかやっている時は、視聴者数が増える。だが、少しCEROが高いゲームやホラーゲームを配信している時は、殆どが若年層なんだよな」

 

 「まあ、FPSは小学生の間で人気だけど、基本的に配信の時間帯が夜遅いからね」

 

 「今の時代、小中学生は自分用のスマホを持っているらしいが、それとこれとはまた別の話になる」

 

 「はぁ、中々良い案が思い浮かばねぇな」

 

 皆それぞれがアイデアを出し、試行錯誤する中、一匹のケモノが来店してきた。

 

 

 「こんにちは〜。お腹が空いたので来ちゃいました〜」

 

 ドアが開くと同時に、ゆるふわな癒しボイスが店内に響き渡る。

 

 「るんちょま!」

 

 「お人間さん!お久しぶりです」

 

 現れたのは、にじさんじユニット『あやかき』の猛獣担当ルンルン。愛くるしい見た目とは、裏腹に博識である。

  

 「るんちょま。実は斯々然々の事情で―――」

 

 「ふむふむ。先輩方が暗い理由が最若年層からの人気が不評ですか」

 

 ルンルンは、オレンジジュースを飲みながら、理央の話を聞く。ん〜と、顎に手を当て、悩むちょまは自身の考えを告げた。

 

 「ちょまは、気持ちが沈んでいる時、パーっとした明るくて楽しい事がやりたいですねぇ。例えば、お祭りとか」

 

 「明るくて楽しいお祭りみたいな⋯それだ!」

 

 理央は、脳内でとある企画を思いつく。チャイカに注文分の会計を払い、速やかに店を出た。

 

 全員が理央の行動に疑問を浮かべる。理央が店を出てから三十分後。帰ってきた理央は、汗だくになった状態で一枚の書類を皆に見せる。

 

 「喫茶店前の道路使用許可を警察署に申請してきた」

 

 「行動はやっ!?」

 

 理央の携帯から着信音が鳴る。携帯に出た理央は、通話先の相手と会話をする。

 

 

 「はい⋯はい。本当ですか!?よろしくお願いします!はい、失礼します!よし、許可が通った。」

 

 「だから早いな!?許可の申請通過は、普通一週間以上掛かるぞ!?」

 

 社は、申請通過に対してツッコミを入れる。通常なら、交通課へ道路使用の許可申請に一週間以上は掛かる。さらに、使用区域内の警察署長からの許可が必要だ。

 にじさんじの常識人である社の不安がる顔を見た理央は、彼を落ち着かせる。

 

 「大丈夫大丈夫。電脳界は、何かと都合良い展開へと動いているから」

 

 「メタ発言やめーや」

 

 社は、ツッコむ気力も無くなり、ぐったりと疲れ果てる。理央は、ルンルンに近寄り、小声でとある案を囁く。

 

 「ちょまには、コレを着て、お店を手伝ってくれないか?」

 

 「コレは⋯まさか!?」

 

 ルンルンは、理央の手に持つ品物を見て驚愕する。

 理央から思わず受け取ったルンルンは、目を白黒させ、頭上に大量の疑問符を思い浮かべた。

 

 「メ、メイド服ですか!」

 

 「あぁ、メイド服姿のちょまが給仕をすれば、若い女性や子供達が店にやってくる。是非、集客に協力してくれないか?」

 

 「お人間さんのお気持ちは嬉しいのですが。これでも、ちょまは意外と忙しくて――」

 

 「それにピチピチギャルのお姉さんに会えるぞ」

 

 「ぎゃうに会えるのですか!?やります!ちょま、メイドになります!」

 

 「(計画通りっ!)」

 

 「アンタは、どこの新世界の神だよ」

 

 舞元は、理央による某新世界の神のしたり顔に苦笑いする。お構い無しの理央は、拳を突き上げ、作戦開始の音頭を取る。

 

 「いざ、おじさんじイメチェン作戦開始だ!」

 

 チャイカは、落ち込んでいた社達の気分転換になるだろうと口出しはしなかった。それどころか、チャイカ自身がイベント好きな為、誰よりも乗り気である。

 

 

 翌日、花畑チャイカの喫茶店がある道へと歩く少女達がいた。

 

 「お出掛けお出掛け〜余余余の余〜」

 

 「前を見て歩かぬと怪我をするぞ」

 

 ルンルン気分で進む白髪の鬼娘を優しく注意する

 

 「此処が話題の喫茶店だ余!」

 

 「ここは、花畑の喫茶店ではないか」

 

 竜胆尊と百鬼あやめは、鬼娘同士で気が合い、こうして時々二人で出掛けている。

 

 「何だろうアレ?」

 

 店の外では、力一による大道芸ショーが披露されていた。フリーランスのピエロである力一の特技を活かしたイベントである。

 

 社築と舞元は、ゲーム大会の進行を務め、子供達と盛り上がっていた。

 

 

 「頓痴気な催しじゃな。彼奴らは、一体なにをしておるのだ?まぁ、よい。早く店に入ろうじゃないか」

 

 扉を開けた竜胆たちは、店内の賑わいに驚く。

 今の客層として、若い女性が多かった。普段来るお客といえば、近所に住む老人ばかりだ。

 

 竜胆とあやめの元に一人の青年が近づいてきた。

 

 「いらっしゃいませ。何名様ででしょうか?」

 

 「二人じゃ⋯六道!?」

 

 「人間様だー!」

 

 あやめは、好きな人である彼を見つけた瞬間、激しい勢いで彼の足に抱きつく。理央は、抱き着いてくるあやめの頭を撫でて落ち着かせる。

 

 「二名様を奥の席へご案内します」

 

 案内された席に座る竜胆とあやめ。

 竜胆は、賑やかな店内をぐるりと見渡す。そして、店のある一点を見つめた竜胆の瞳孔が開く。

 視線の先には、見覚えのある一匹の柴犬が女性客に撫でられていた。

 

 「しばさん!?何しとるんじゃ!」

 

 

 事務所の同僚である柴犬黒井しばの姿を目撃した竜胆は、女性客が去った後、しばに詰め寄る。

 

 「あ〜竜胆さ〜ん!今、臨時のバイト中〜」

 

 

 「ちょまもいるよ」

 

 しばの向いた方向に顔を向ける竜胆。そこでは、ルンルンが揉みくちゃにされていた。

 

 「きゃー!可愛い!お人形さんみたい!」

 

 「やばみざわ!るんちょまっち、マジカワなんですけど!」

 

 「えへへ〜。ちょま、ぎゃうに憧れてましてぇ。お姉さん達みたいな綺麗なギャルにちょまはなってみたいです」

 

 可愛い自称猛獣からの媚びのないつぶらな瞳と甘カワボイスによる褒め言葉に思わず胸を押さえ、キュン死するギャル。

 

 「ルンルンまでじゃと!?」

 

 「お待たせしました。季節のパンケーキです」

 

 ベルモンドは、チャイカの店で接客に従事していた。本人の希望としては、酒類の屋台販売をしたかったらしいが、彼は夢世界の住人である為、現実世界での戸籍を就籍申請中とのことでウェイターに変更された。

 

 竜胆とあやめは、それぞれ飲み物とスイーツを頼み、穏やかな時間を過ごす。

 

 

 大きなテーブルでは、メンバーカラーのような服装の集団六人がワイワイと会話に花を咲かせていた。

 

 「おい店主!カレーお代わり!」

 

 「マーベラスさん、よく噛まないで食べると喉に詰まりますよ?」

 

 黒い眼帯に赤いコートの男―マーベラスは、豪快な食べっぷりで一心不乱にカレーにがっつく。食べ終えた瞬間、お代わりをお願いした。隣にいた桃色のドレス風コートの女性―アイムは、マーベラスの食い意地を心配して注意する。このやり取りから、彼女のお人好しな気質が読み取れる。

 

 「アイム、マーベラスが素直に言うことを聞くはずないでしょ」

 

 「まぁ、マーベラスらしいよ」

 

 「確かにな。仕方のない奴だ」

 

 「いや〜!しっかし、不思議な星ですね!同じ地球なのに、オレの知らない種族が沢っ山います!」

 

 ルカは、世話焼きなアイムを優しく見守る。

 ハカセは、ルカの意見に賛同する。

 ジョーは、毎度のやり取りである為、諦観している。

 伊狩鎧は、自分がいた宇宙とはまた違う地球に住む人々に胸を踊らせていた。そんな六人がいるテーブル席に一人の男が近付く。

 

 

 「あの⋯すいません。もしかして、貴方達は、海賊戦隊ゴーカイジャーの皆さんですか!?」

 

 休憩中の六道理央である。理央の言葉に、マーベラス一同は顔を向ける。

 マーベラスは、食事を一時中断し、紙ナプキンで口を拭う。ジョー達も初対面の理央に対して、不信感が拭えない。

 

 「お前⋯新手の賞金稼ぎか?もしくは、ザンギャック残党の手先とかじゃないだろうな?」

 

 マーベラスの言葉を皮切りに、警戒を強めるジョー達。怪しまれてることを理解した理央は、誤解を解き始める。そこに、一人の男が理央の擁護に回った。

 

 「ちょーっと!皆さん、落ち着いて下さい!」

 

 ゴーカイジャーの六人目の戦士にして、ゴーカイシルバーの伊狩鎧である。自分と同じくスーパー戦隊好きのシンパシーを感じた彼は、理央の援護に乗り出した。

 

 「」

 

 「俺、ゴーカイジャーのファンで!その⋯よろしければ、皆さんの花押(サイン)を頂けますか!」

 

 「君、俺達を知ってるの?」

 

 「はい!伊狩鎧さん!ジョー・ギブゲンさん!ルカ・ミルフィさん!ドン・ドッゴイヤーさん!

 アイム・ド・ファミーユさん。そして、ゴーカイジャーの船長であるキャプテン・マーベラスさん」

 

 

 

 

 『キャー!?』

 

 外から悲鳴が聞こえ、理央は店を出る。その跡を正義感の強い鎧が追い掛けた。現場に駆けつけると灰色の宇宙人ゴーミンと二つの鋏を生やした青い宇宙人スゴーミンが、逃げ惑う人々を襲い、イベント会場を滅茶苦茶に荒らしていた。

 

 

 

 「ゴッゴッゴッ!」

 

 「うぇええ!?アンタたち誰!?ちょちょちょ!」

 

 ステージでは、力一がゴーミンの集団に襲われていた。攻撃を間一髪で避け、モップで応戦するもステージの隅に追いやられた。

 

 

 「力一!うわあああ!?」

 

 社は、ゴーミンによって、ステージから投げ飛ばされる。絶体絶命のピンチと本能が感じ、目を瞑る。しかし、痛みがやってこない。横抱きで理央に受け止められていた。

 

 「おっと、大丈夫すか?社さん」

 

 理央は、社を降ろした後、力一の救出に向かい、その場にいる全てのゴーミンを倒した。

 

 

 「六道君!」

 

 「社さん!力一さんと共にお客さんの避難をお願いします」

 

 「わ、分かった!六道君も気を付けて!」

 

 社が頷き、各自で避難誘導を始める。理央は、ゴーミンの集団を前に構える。そこへ鎧が追い付き、理央を庇う様に前へ出る。

 

 「ここは、危険だから離れて!あとは、俺達に任せて!え?あれ?あ、ちょっと!」

 

 理央は、鎧の忠告を無視する。理央を助けようと動く鎧。だがしかし、その心配は杞憂に終わる。

 

 理央は、最初に目を付けたゴーミンの腹部を肘打ちで突き飛ばす。続いて、寸勁で弾き飛ばす。側頭部に回し蹴り、腕を引っ張り背負い投げ、貼山靠で吹き飛ばす。

 

 「ゴッゴー!ゴギャ!?」

 

 背後から奇襲をかけてきた最後のゴーミンを裏拳で仕留める。残りは、スゴーミンのみとなった。

 

 「たかが、地球人ひとりにゴーミン共がやられただと!」

 

 「侮るなかれってな、とっておきを見せてやるよ」

 

 劣等種と侮っていた地球人に配下の全滅を受け、困惑するスゴーミン達。

 理央は、トランペット型アイテム【ラッパラッター】を取り出し、バルブ部分にレンジャーキーを挿入する。そして、ラッパラッターのマウスピースに息を吹き込む。

 

 《パーパラパー!パラパパパー!》

 

 ラッパラッターのベルから音が鳴り響き、二つの光玉が飛び出す。スゴーミンの眼前に現れたのは、レンジャーキーより実体化された黒獅子リオとゴセイナイト。

 

 突如として現れた戦士を前に、二体のスゴーミンは、エネルギー弾を放つ。だが、黒獅子リオの振り払いとゴセイナイトのレオンレイザーソードの一薙ぎで霧散する。

 

 二人は、狼狽えるスゴーミン達の隙を突いた。スゴーミン等は、臨気を纏った黒獅子リオの貫手で体を貫かれ、ゴセイナイトによる袈裟斬りで爆死した。 

 

 「⋯嘘、だろ」

 

 理央の戦闘を見た鎧は、茫然と立ち尽くす。変身していない理央の異常なまでの戦闘力。あまつさえ、自分達の世界で倒された筈である敵の所有物を彼が手にしているのだ。

 

 

 「いやーお見事!お見事!」

 

 パチパチ、と拍手の音が聞こえる。理央と鎧は、手の鳴る方へ視線を向ける。そこには、派手な姿に仮面を付けた怪人と武人を彷彿とさせる黒甲冑姿の怪人がいた。

 

 

 「誰だ、お前ら」

 

 理央は、二体の怪人に対して、名前を問い掛ける。

 怪人たちは、問いに対して丁寧に名乗りを上げた。

 

 「俺様は、別世界の宇宙にあるザンギャック帝国残党により雇われた行動隊長にして、宇宙忍郡ジャカンジャ五の槍サーガインの息子。暗黒裏七本槍・五の槍を務めるサーガインJr也」

 

 「ボキは、サタラクラとサタラクラJrの子孫にして、暗黒裏七本槍・六の槍のサタラクラ3世だよ〜ん!」

 

 彼等の所属する宇宙忍群ジャカンジャは、かつて地球にある『アレ』を手に入れる為、地球を腐らせる侵略計画を行なっていた悪の組織である。現在は、首領と全幹部が討死し、残党で構成されていた。

 

 

 「⋯要するに派遣社員が派遣先からの出張命令に赴いた感じか?」

 

 「俺達を人間の会社員みたく言うな!」

 

 「楽しく悪い事するのがボキ達のお仕事なんでね。マゲラッパ共!やっておしまい!」

 

 『ゲラッパゲラッパ、マゲマゲ』

 

 独特のステップを踏みながら現れるのは、髷を結った頭が特徴の忍者戦闘員マゲラッパ。宇宙忍群ジャカンジャの下忍だ。

 

 最前線にいたマゲラッパは、忍者刀を片手に襲い掛かってくる。理央は、迎撃しようと拳を構える。

 

 バンッ!と、一発の銃声が鳴り響き、場に静寂が訪れる。

 

 頭に銃撃を受け、倒れているマゲラッパ。

 誰がやったのかと全員が周りを見渡す。ある方向からザッザッと複数の足音が近づいてきた。

 

 「危ない所だったな」

 

 

 中央にいる男は、カトラス型の銃をクルクルと回すガンプレイを披露する。その男の赤いコートが風で靡く。理央は、男の側まで後退し、感謝の言葉を述べる。

 

 「助かりました。ありがとうございます」

 

 「ふっ、礼には及ばねえ」

 

 「ですが、ここは任せて下さい!」

 

 

 マーベラスは、理央が手にするレンジャーキーをじっと見つめる。

 

 「ゴーカイチェンジ!」

 

 《ゴーカイジャー!》

 

 黒文字のXとYが理央の身体をすり抜け、全身が変身スーツへと様変わりする。その姿は、黒いゴーカイレッドだった。彼は、ゴーカイブラックに変身した。

 

 「ええええ!?」

 

 「はぁ!?嘘でしょ!?」

 

 「まぁ、黒いですね」

 

 「知らないよ!でも、なんでレンジャーキーとモバイレーツを持ってるんだろう?」

 

 「この世界のヒーローということか」

 

 「俺達の海賊版ってことか。面白えじゃねえか!

 後れを取るわけには行かねえ!俺達も行くぞ!」

 

 マーベラス達は、横一列に並ぶ。携帯型変身機器のモバイレーツを開き、レンジャーキーを挿入する。

 

 

 『豪快チェンジ!』

 

 《ゴーカイジャー!》

 

 

 レッドとシルバー以外は、戦法に合わせて、互いの武器を交換する。ブルーとイエローは、ゴーカイサーベルの二刀流。グリーンとピンクは、ゴーカイガンの二丁拳銃スタイルだ。

 

 「さあ、派手にいくぜ!」

 

 ゴーカイレッドの号令を合図に、各々がマゲラッパの集団に突撃する。

 

 レッドは、真っ先にサーベルで斬り伏せる。次の敵を前蹴りで蹴り飛ばし、銃を連射して周囲の敵を一網打尽にする。

 彼の得意とする派手な大回りがマゲラッパたちの勢いを次々と破っていく。

 

 ブルーは、左手を背中に隠し、右片手で斬り伏せていく。剣術に優れている彼は、慣れた手付きで敵を翻弄していく。斬られたマゲラッパから大量の毛虫が溢れ、消滅した。

 

 

 イエローは、サタラクラ3世の相手をしていた。

 ゴーカイサーベルの二刀流で相手を追い詰める。

 内蔵ワイヤーを駆使して、縦横無尽の剣撃を繰り出せる。

 

 サタラクラ3世は、イエローの攻撃を避け、刺股で攻撃しようと突き掛かるも小石に躓き、パイタッチというラッキースケベを発動させた。

 

 「きゃっ!?」

 

 「あ、こりゃ失礼」

 

 「〜っ!何すんのっよ!」

 

 セクハラを受け、サタラクラ3世の金的目掛け、股間を蹴り飛ばすゴーカイイエロー。その光景に思わず、股間を押さえるマゲラッパたち。

 

 「ギャハー!?こ、こかか!?」

 

 男の痛みを受けたサタラクラ3世は、股間を押さえながら、前屈みでぴょんぴょんと跳ねる。しかし、サタラクラ3世は、余裕の笑みを浮かべ、懐からドーナツを取り出した。回復を図るのであろう。

 

 「そんな時は、お菓子を食べて回復だ!いっただきま――」

 

 『ポンデリング〜!』

 

 「あばぁ~!?」

 

 何処からともなくポンデリングの匂いを察知したフワモコ姉妹に轢かれるサタラクラ3世。衝突による衝撃で壁にめり込む。フワモコ姉妹は、サタラクラ3世から奪ったポンデリングを咥えたまま、何処かへ去ってしまった。

 

 「⋯何をしておるのだ。サタラクラ3世」

 

 「頭にヒヨコがピヨピヨピ〜」

 

 「出落ちかよ。フワモコちゃんズ」

 

 少し離れていたブラックは、マゲラッパを斬り伏せながら、フワモコ姉妹の破天荒さに唖然とする。

 壁から脱出したサタラクラ3世は、ニヤついた顔で指を鳴らす。

 

 「ボキを虚仮にしおってからに〜!この人間達には、人質になってもらいまーす」

 

 マゲラッパの集団が縄で縛られた社たちを連行してきた。どうやら、人質を使い、無力化させるようだ。

 

 「四人をどうするつもりだ!さもなくば斬る!」

 

 サタラクラ3世の人質作戦に憤慨するブラック。

 その言葉にサタラクラ3世は、あっかんべーの表情を見せる。

 

 「イーーだ!もう怒っちゃったもんね!宇宙忍法・穴落とし」

 

 印を結び、地面に掌を向けるサタラクラ3世。

 すると、地面に巨大な穴が開き、舞元達を吸い込もうとする。ブラックは、助けようと腕を伸ばすが無慈悲にも空振る。

 

 「ちょま!あやめ!竜胆!舞元さん!」

 

 「ついでにゴーカイジャーも道連れだい!」

 

 サタラクラ3世は、レッド達がいる方にも掌を向けた。空中に巨大な穴が空く。サーベルを地面に突き立て、足を踏ん張るレッド達だが、徐々に吸引力が強まり、虚しくも吸い込まれた。

 

 「マーベラス!」

 

 「ルカさん!」

 

 「鎧!」

 

 『うわああああああ!?』

 

 サタラクラ3世の宇宙忍法によって、異空間に吸い込まれたゴーカイレッド達。

 

 「そんな⋯皆が」

 

 ブラックは、異空間に閉じ込められるゴーカイレッド達の一部始終を見て、打ち拉がれる。ブルーは、嘆くブラックの肩を叩き、喝を入れる。

 

 「嘆いている暇はないぞ」

 

 「俺様の相手は、四人か。相手にとって不足なし!いざ!」

 

 サーガインJrは、双刀を抜刀し、ブラック達に斬り掛かってきた。

 

 ブラックは、サーベル片手で双剣を受け止める。銃口を頭部に狙い定めるも軽々しく避けられる。

 そして、刀の柄頭で額を殴られ、後退するブラック。ブラックに気を取られたサーガインJrの背後をピンクとグリーンが銃撃する。ブルーは、うめき声を上げたサーガインJrの隙を突くように、右左と交互に肩と脇腹を斬る。

 

 

 「四人なので、アバレンジャーでどうですか?」

 

 『ゴーカイチェンジ!』

 

 《アバレンジャー!》

 

 ブラックは、ティラノサウルスの戦士アバレッド。

 ブルーは、トリケラトプスの戦士アバレブルー。

 グリーンは、ブラキオサウルスの戦士アバレブラック。

 ピンクは、プテラノドンの戦士アバレイエローに変身した。

 

 「元気莫大!アバレッド!」

 

 ダイノガッツでやる気を溜めたアバレッド。

 右手にティラノロッドを具現化させる。

 

 「ティラノロッド!」 

 

 彼は、ティラノロッドを構え、サーガインJrに突撃する。サーガインJrが右の刀を振り翳す。

 ティラノロッドの頭部で受け止めた。ダイノガッツにより、両者の力が拮抗する。

 サーガインJrが空いた左の刀で脇腹を狙ってくるのを見越し、棒下で防ぐ。奴の腹に蹴りを入れ、後退させる。そして、ティラノロッドを突き出す。

 突き出したティラノロッドの牙がサーガインJrの腹に齧り付く。アバレッドは、そのまま持ち上げ、上空に放り投げた。敵の攻撃の隙を与えず、膝を折り曲げて跳躍し、地面に叩き落とす。

 地面に這いつくばるも歴戦の勘から直ぐに起き上がるサーガインJr。

 アバレッドは、ティラノロッドを突き立て、ソレを軸に連続回転蹴りを浴びせる。

 

 「ティラノハリケーンアタック!」

 

 複数の強脚撃を貰ったサーガインJrは、吹き飛ばされる。

 

 「ジョーさん!」

 

 「任せろ。トリケラバンカー!」

 

 アバレブルーは、トリケラトプスを模した楯トリケラバンカーを構え、地面に足を強く踏み込み、突進する。

 

 「ブルースラッシュ!」

 

 ブルーは、トリケラバンカーの角に溜まったエネルギーで一閃。攻撃を受けた敵は、右脇腹に傷を負い、煙が上がる。

 

 「アイム!」

 

 「はい!イエローフライングダガー!」

 

 アバレイエローは、空中を飛翔し、両手のプテラダガーで斬り刻む。その斬撃により、サーガインJrの双刀に刃毀れが生じ、容易く折れた。

 

 「なっ!?」

 

 「ハカセさん!」

 

 「了解!ファイヤーインフェルノ!」

 

 アバレブラックは、ダイノスラスターのダイヤルを変え、地面に突き出し、炎属性の攻撃【ファイヤーインフェルノ】を放つ。地面から出現する火柱がサーガインJrを襲い掛かり、燃やし尽くす。

 

 四人の攻撃を受けたサーガインJrは、ボロボロの状態に陥り、片膝を付く。

 

 アバレッド達は、互いの武器を連結させ、合体武器【スーパーダイノボンバー】を構える。

 サーガインJrに照準を合わせ、エネルギーを溜めていく。

 

 「必殺!」

 

 『スーパーダイノダイナマイト!』

 

 アバレッドは、トリガーを引いた。スーパーダイノボンバーの砲口から放たれるエネルギー弾が敵の身体を貫く。

 

 「俺様は、此処で敗れる運命か!くはっ、無念!」

 

 亀裂が生じた身体から電撃がバチバチと鳴り、敗北を悟ったサーガインJrは、背中から倒れる。

 そして、身体が爆発した。

 

 「マーベラスたちを信じるしかない」

 

 ジョーの言葉を聞きながらも、救うことの出来ない歯痒さに焦るブラックだった。

 ブラック達の勝利を陰で眺めていたとある人物は、

上空に手を突き出した。

 

 「超忍法・開けゴマ」

 

 その言葉を皮切りに、時空が裂け、異空間へのワープホールが発生した。その人物は、恐れを見せずにワープホールへと飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、サタラクラ3世の宇宙忍法で異空間に転送されたゴーカイレッド達。彼等は、鎖で雁字搦めにされた状態で椅子に拘束されていた。

 

 「グギギッ!くそっ!動かねえ!ちょまの方は、大丈夫か?」

 

 「社先輩⋯なんか恥ずかしいです」

 

 他と比べてルンルンだけは、チャイルドシートで拘束を受ける。ゴーカイジャーは、変身を解かれ、素顔を晒していた。

 

 「何なんですか?この空間は」

 

 「またこの場所〜!?」

 

 「⋯くそっ!」

 

 鎧は、宇宙忍者の異空間に不思議がり、ルカは二回目の空間に呆れた表情を見せる。マーベラスは、不機嫌な態度を取る。

 

 「ダーハハハ!此処は、ボキ空間!ボキが出すクイズに正解しないと出られないよ!」

 

 「さあ、始まりました!ボキ印クイズ“ヒントでピピッと!”。この空間では、クイズに全問正解すれば脱出成功!但し、一度でも間違えると罰ゲームを受けることになるよ!分かったかな?」

 

 サタラクラ3世からの説明に殆どの参加者の表情が強張る。しかし、一人だけ上の空だった。

 

 「あ。余、何も聞いとらんかった」

 

 「ズコーッ!んも〜百鬼ちゃん、ボキのお話をちゃんと聞いてよ〜。コホン、気を取り直してクイズを始めようか!」

 

 

 「第一問,朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の動物は何でしょうか?」

 

 「何処か聞いたことあるな」

 

 画面に映し出される問題文の解答に悩む一同。

 

 

 「わ、解りました!」

 

 「じゃあ、ルンルンちゃん。答えをどうぞ!」

 

 「答えは人間ですぅ」

 

 「正解ー!ちょーっと簡単過ぎたかな?それでは、第二問の前に、VTRをどうぞ!」

 

 サタラクラ3世は、画面の電源を入れ、VTRを閲覧させる。画面には、赤いヒーローが映っている。そのマスクには、V字の飾りが付け立てられていた。そこで画面が一時停止される。

 

 「問題!画面に映っている人物は誰でしょうか?」

 

 マーベラスは、自信満々に鼻を鳴らす。

 

 「簡単だ」

 

 「マーベラスと縁が深いわよね」

 

 「はい!コレはイケますよ!」

 

 赤い海賊団の船長にして、マーベラスの親代わりとなる人物だ。マーベラス達は、一斉に答えた。

 

 

 『アカレッド』

 

 「ブブー!不正解!」

 

 「何でじゃ!どう見てもアカレッドじゃろうに!」

 

 竜胆は、不正解である事に抗議する。サタラクラ3世は、チッチッチッ、と指を鳴らす。

 

 「じゃあ、正解をどうぞ!」

 

 サタラクラ3世のリモコンによって、VTRの続きが再生される。

 

 「正解は、アカレッドの変装をしたサタラクラ3世でした!ダーハハハハ!」

 

 VTRと連動して、大笑いするサタラクラ3世。捻くれた回答に全員が正当な文句を言う。

 

 「はい、罰ゲーム」

 

 サタラクラの言葉を合図に、マゲラッパ達が上から水を流す。水を被った六人と一匹は、不愉快な気持ちになる。ルカと竜胆に空バケツが被る。

 囚われたVtuberの六名は、いつものバラエティー番組とは違う理不尽なクイズにやる気が削がれていく。

 

 「んもう!これじゃ全然盛り上がらないじゃない!仕方ない!ボキのお情け特別ステージに移動しまっしょう!」

 

 指鳴らしで別空間に移動する。そこは、何処かの採掘場だった。

 

 「さて、命を懸けたボーナスステージを始め―」

 

 サタラクラ3世は、台をバシバシ叩きながら、クイズを再開しようとする。そこに、待ったが掛かる。

 

 

 「そのクイズ、ちょっと待つでござるよ!」

 

 「あららっと!?だ、誰だ!何処にいる!」

 

 「此処でござるよ」

 

 その声音に振り向くと、あやめ達の近くに

 

 「いろはちゃん!?」

 

 あやめは、この場にいる風真いろはに驚愕する。

 彼女は、事務所で収録中の筈であると思い出す。

 あやめ以外、その事を知らないマーベラス達は、突如現れた少女に困惑する。 

 

 「サタラクラ3世!ミ⋯拙者のクイズを受ける気はござらんか?」

 

 「はあ〜?ボキは、君のクイズに付き合っている暇はないの。あっち行ってよ。しっしっ!」

 

 「おやぁ?負けるのが怖いのでござるかぁ?」

 

 風真は、拒否しようとするサタラクラ3世のプライドを煽る。その煽りを真に受けたサタラクラ3世は、激昂する。

 

 「聞き捨てならないよチミ!クイズ大好きなボキを舐めないでちょ!掛かってきなさい!」

 

 「全部で三問でござるよ。いくでござる!

 パンは、パンでも足に履くパンはなんだ!」

 

 (パン系問題は豊富だからな。この場合の答えは)

 

 (ジーパンじゃな)

 

 「簡単すぎー!答えは、ジーパン!」

 

 「くぅ〜!正解!」

 

 「ヤッタ!ヤッタヤッタッタ!」

 

 なぞなぞクイズの正解に両手を上げて喜ぶサタラクラ3世。慢心しているのか喜びの舞いを披露している。

 

 「続いて、第二問でござる!一tの鉄と一tの茄子、どっちが重い?」

 

 「簡単だよ!答えは、両方重い!同じ一tだからね」

 

 「くっ!正解でござる!」

 

 「ボキはクイズの天才天才!ウハハのハ!」

 

 「いろはちゃん!アイツを喜ばせちゃってる余!」

 

 焦るあやめに対して、片目ウインクで落ち着かせるいろは。

 

 「コレが最後の問題でござる!家の玄関前でやる人が大好きな競技は、なんだ!」

 

 「簡単簡単!簡単過ぎるよ!答えは、ピンポーン!あっ⋯」

 

 サタラクラ3世が口を滑らしたと同時に、拘束が解かれる。瞬足で移動した風真は、チャキ丸でマーベラス達の椅子を破壊する。そして、サタラクラ3世に近付き、腹部を殴り上げる。

 

 

 「吹っ飛ぶでござる!」

 

 「ゲフォ!?」

 

 腹パンをお見舞いした風真は、サタラクラ3世を吹き飛ばす。吹き飛んだサタラクラ3世は、結界の天井を突き破り、異空間の外へ放り出された。

 

 

 「ん?何だ?」

 

 空間に罅割れが入り、謎の光が漏れ出す。音を立てて割れると、サタラクラ3世が吹き飛んできた。

 続いて、空間から現れるマーベラス一行。

 ブラックは、彼等の帰還に

 

 

 「天空!シノビチェンジ!」

 

 

 「緑の光弾!天空忍者シュリケンジャー!」

 

 「はぁ!?いろはがシュリケンジャー!?」 

 

 ブラックは、前回の変装対象だった社を見つめ、頭が混乱する。なぜ、シュリケンジャーが風真いろはに変装していたのか見当が付かない。しかし、戦いの邪魔にならないように、社たちを逃がす。

 

 「悔じい〜!もう許さないぞ!覚悟してちくり!」

 

 「うっさい、バーカ!」

 

 「ぐぬぬぬ!マゲラッパ!」

 

 サタラクラ3世の合図に再度出現したマゲラッパ軍団。

 

 「さあ、ド派手に行くぜ!」

 

 ブラックとレッドの二人は、同時にその言葉を口にした。

 その言葉を皮切りに、ゴーカイシルバー以外は、空中一回転の宙返りで敵の視覚を翻弄する。

 狙うは、サタラクラ3世。奴を倒さなければ、平穏は訪れない。

 

 「お前ら、コイツで行くぞ!」

 

 レッドは、ハリケンレッドのレンジャーキーを取り出す。

 

 『ゴーカイチェンジ!』

 

 《ハリケンジャー!》

 

 レッド達は、ハリケンジャーとゴウライジャー。  

 ブラックは、大江戸ハリケンレッドに変身する。

 シルバーだけは、通常形態だ。

 

 「超忍法・影の舞八連!」

 

 超忍法が発動し、サタラクラ3世を障子の空間に閉じ込める。瞬足移動でハヤテ丸、イカヅチ丸、ゴーカイスピアによる連撃の斬撃を叩き込む。そして、ハリケンレッドのハヤテ丸と大江戸ハリケンレッドの薙刀による連携攻撃で決める。

 障子を突き破り、ダメージを受けたサタラクラ3世をシュリケンジャーが追撃する。

 シュリケンズバットで抜刀の構えを見せるシュリケンジャー。空中にいるサタラクラ3世の懐へ瞬く間に入り込み、横一文字に斬る。

 

 「天空秘打・素振り斬り!」

 

 シュリケンジャーの必殺技を受け、致命傷になったサタラクラ3世は、懐を弄る。

 

 「芋長の芋羊羹を一度食べてみたかったんだよねぇ〜!むぐもぐ!むむっ!ぴっかーん!」

 

 芋長の芋羊羹を咀嚼したサタラクラ3世は、ビルを越える高さまで巨大化する。

 

 「ボキの技をお披露目しちゃうぞ!宇宙忍法・ドンガラガッシャーン!」

 

 サタラクラ3世は、両手を突き出し黒雲を呼び出す。

 黒雲から稲妻が放出され、街を襲う。

 

 この時、母衣市にあるホロライブ事務所に稲妻が着弾し、いつも通り事務所が倒壊した。

 不幸中の幸いなのか。警備員を含め無人だったことを後で知る。

 

 

 「行くぜ!」

 

 マーベラスは、【5501】の番号を入力し、ゴーカイガレオンを呼び出す。そして、シルバーも豪獣ドリルを召喚する。

 

 「海賊合体!」

 

 『完成!ゴーカイオー!』

 

 『完成!豪獣神!』

 

 ゴーカイシルバーの専用ロボ豪獣神も君臨する。

 

 ゴーカイオーは、サタラクラ3世を両腕のサーベルで

斬り付ける。息を合わせ、豪獣神は腕のドリルで攻撃する。

 

 「ぎゃははあ!?」

 

 「コイツで決めるぜ!」

 

 『レンジャーキーセット!』

 

 ハリケンジャーの大いなる力である風来丸がハリケンジャーのレンジャーキーによって、召喚される。

 

 「海賊と忍者一つとなりて、天下御免の手裏剣装備!」

 

 風来丸は、体を分解させ、ゴーカイオーと合体する。それにより、ゴーカイオーは、巨大手裏剣を構えた姿へと変貌する。

 

 『完成!ハリケンゴーカイオー!』

 

 ハリケンゴーカイオーは、手裏剣で斬りつけ、着実に傷を与える。サタラクラ3世の冷気ブレスを浴びて、後退するも速やかに必殺技を繰り出す。

 

 『レンジャーキーセット!』

 

 風来丸は、巨大手裏剣に乗り、無数の手裏剣を乱れ撃つ。豪獣神も必殺技を放つ。

 

 「必殺奥義・乱れ桜!」

 

 『ゴーカイ風雷アタック!』

 

 「豪獣トリプルドリルドリーム!」

 

 手裏剣と斬撃を浴びたサタラクラ3世にトドメのドリルが炸裂。

 

 「画面の前のチミ〜!トリはトリでも、ヒモで遊ぶトリってな〜んだ!」

 

 最期に、空へ向かってナゾナゾを披露している。

 

 「さっきの答えは、あやとりだよ〜ん!」

 

 ナゾナゾの答えを断末魔に、敗北したサタラクラ3世。こうして、地球の危機を免れたのであった。

 

 

 

 「ああー!?出遅れたー!?」

 

 その時、地上にいたブラックは、巨大戦に出遅れたことを思い出し、悔しそうに地面を叩いた。

 

 

 その後、戦闘によるゴタゴタが終わったことで変身を解いた理央は、チャイカの店へと戻る。マーベラス達は、会計を払い、他の星へ旅立つ準備をしていた。

 

 理央は、マーベラス等がいた席に置いてたサインノートを持つ。すると、ノートの隙間に付箋が挟まっていた。

 

 

 サインノートを開くと、そこには、六人全員のサインが記されていた。後片付けの際に書いたのだろう。彼等の大人として、また、海賊らしい対応に心が温かくなる。サインが描かれた裏面に一つのメッセージが記入されていた。

 

 

 『この星のカレーは美味かったぜ。

 俺達の力、使い道を誤るんじゃねえぞ。後輩』

 

 豪快な文字で書かれたメッセージには、チャイカのカレーの感想と激励の言葉が綴られていた。

 憧れた人からのメッセージに、感動で胸が一杯になり、涙が出そうになる。

 

 「ありがとう⋯ゴーカイジャー」

 

 理央は、サインノートを抱えながら、ゴーカイガレオンが飛行する青空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 後日、チャイカの喫茶店で地元新聞を見た社達は、新聞の内容にワナワナと体を震わせていた。

 

 

 「今回の件、ウチの店の認知度が上がっただけだわな」

 

 チャイカは、鼻をほじりながらテレビのチャンネルを替える。

 

 「子供たちの間でニジタウンの面白おじさんとして話題にはなったらしいけど」

 

 「カードゲームの大会で小学生の子たちからゲームおじさんって揶揄われたよ」

 

 「⋯にじさんじとしては認知されなかったな」

 

 『納得いかねぇー!!』

 

 おじさんじのイメージアップ大作戦で小学生たちに認知されたものの、にじさんじのライバーとしての認知に失敗し、絶叫するおじさん達。

  

 新聞の記事には、こんな一面が載っていた。

 

 『謎の海賊戦士!街の危機を救う』

 

 その記事の端っこに、おじさんじの記事があった。

 

 『ニジタウンの喫茶店で開かれたイベント、地域活性化への第一歩!』

 

 「駄目だこりゃ」

 

 賑やかな喧騒を余所に、窓から見える空は雲一つなく晴れていた。

 

 

 

次の特撮ネタ

  • トッキュウジャー
  • マジレンジャー
  • ゴーオンジャー
  • ゼンカイジャー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。