アルバイトスタッフの電脳日常   作:ヴィルヘルム星の大魔王

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そらちゃん、デビュー8周年おめでとう!

更新が遅れて、大変申し訳ありません!


短編
ときのそら、祝8周年


 9月7日の朝、ホロライブ事務所内は、朝からどこか浮足立っていた。スタッフや社員が慌ただしく動き回り、準備に追われている。 

 

 なぜなら、今日はホロライブの開祖にして、電脳界の先駆者の一人ときのそらの事務所デビュー8周年を祝う特別な日だからだ。

 

 理央も他のスタッフと連携しながら、お祝いの買い出しや会場設営に奔走していた。そして、本人に気付かれないよう、そらには、「収録や撮影がないから、遅めの時間に事務所へ来てほしい」と連絡を入れていた。

 

 やがて、ロボ子さんからのときのそらが来たことの連絡を受け、二人の人物を出迎えの役目を託した。

 

 事務所の入り口の扉を開けて入ってきたそらは、受付のある広場で一息ついていた。すると、彼女の背後から星街すいせいとさくらみこが現れる。

 

「そらちゃん、いきなりだけど目隠しをお願いするにぇ!」

「え?え?すいちゃんにみこち!?ど、どうしたの?」

「いいから、いいから、目隠し目隠し」

 戸惑うそらに、みこちはいたずらっぽく笑いながら、アイマスクを差し出した。二人は、エレベーターへ彼女を誘導し、目的地へと案内した。

 「さ、中に入って。そらちゃん」

 

 みこちの言葉に従い、そらは目隠しのまま、部屋へ入室する。すると、近くに隠れていたAZKIがそっと声をかける。

 「そらちゃん、もう目隠しを外していいよ」

 そらがアイマスクを外すと、目の前に広がる光景に思わず息を呑んだ。クラッカーによる軽快な破裂音が弾け、色とりどりの風船と弾幕が飾られた部屋には、ホロメンが勢ぞろいしていた。

 『そらちゃん/そら先輩!8周年おめでとう!』

 「わあぁ!」

 驚きと感動に目を潤ませる彼女の前に、社長のYAGOOが現れ、懐から一枚の紙を取り出す。そして、静かに読み始めた。

 「ときのそらさんへ。

 貴女は、弊社ホロライブプロダクションにおいて、ホロライブの礎を築いてくれた存在です。また、自身の夢を叶えながら、後輩たちの良き先輩として、常に暖かく見守ってくださり、本当にありがとうございます。

 オーディションで貴女を一目見た時から、私にとって、全てを優しく包み込む空のような印象を受けました。事務所設立から現在に至るまで、貴女と共に歩んできた日々の中で感じた不安や葛藤、そして数えきれないほどの喜びと感動。そのすべてが、社長として活動してきた私にとって、かけがえのない思い出です。心から感謝しています。

 これからも、夢に向かって駆け抜けながら、私と共にホロライブを支えていただけたら幸いです。

    ホロライブプロダクション代表取締役社長兼CEO,YAGOO」

 YAGOOは、静かに涙を流しながら手紙を懐にしまい、一礼する。 

 その合図で、場内には拍手が鳴り響いた。続いて、ホロメンたちが一人ずつ、そらにお祝いの言葉を送り、プレゼントや花を手渡していく。

 

 0期生の同期に同僚、卒業した後輩からのプレゼントやお祝いの言葉に、そらは嬉し涙を流しながら感謝を伝えていた。そして、理央がそらの前に立ち、懐から手紙を取り出す。

 「そらちゃん、デビュー8周年おめでとう。出会った当初から仲良くしてくださり、本当にありがとう。大きな夢を叶える為に一生懸命努力を重ねていく君の姿は、私に前へ進む勇気と元気を与えてくれました。貴女は、私の希望です。これからも一人のスタッフとして影ながら支え、貴女の夢を応援していきます。誠におめでとうございます」

 「理央君、ありがとう!私も君に色々と支えてもらってるよ。これからもよろしくね!」

 

 涙ぐむそらを見た理央は、微笑みながら彼女に告げる。

 「そらちゃん、君に会わせたい特別ゲストがいるんだ」

 「特別ゲスト?誰だろう」

 理央の言葉に、そらは可愛く小首を傾げる。それを見た理央は、笑顔でゲストへの登場を促す。

 「では、前へお進みください」

 理央の言葉を合図に、ホロメンと社員がモーゼの海割りのように道を開けると、一人の人物がときのそらの前へと歩み出る。

 そらは目を見開き、思わず声を上げた。彼女の懐かしい姿に、言葉を失う。

「えーちゃん!?」

 そこに現れたのは、高校時代の同級生であり、ホロライブ創設期から裏方として彼女を支えてきた元社員の友人Aだった。

 「えへへ、そら。久しぶり」

 Aちゃんは小さく笑いながら、そらに向けて手を振る。その姿を見たそらは、驚きの余り立ち上がり、勢いよくAちゃんを抱きしめた。Aちゃんも優しくそらの背中を抱きしめ返す。周囲の人々は、二人の再会を温かい目で見守っていた。

 「そら、8年間の活動おめでとう。私は社員で、そらはタレント。お互いの立場は違ったけど、高校生の時からそらの夢を応援できて幸せだったよ。これからもホロライブを他の子たちとも盛り上げてね。大好きだよ」

 「うん…うん!私も大好きだよ!えーちゃん!」

 そらとAちゃんは、照れくさそうにはにかみ笑いをした。

 

 「さて、積もる話もあると思いますが、パーティーの準備が整いましたので、皆さま、事務所の地下に特設された宴会場へとお越しくださいませ」

 理央は、全員に向けて地下の宴会場への案内を告げた。地下に特設された宴会場の存在を初めて知ったホロメンと社員たちは、驚きを隠せなかった。勿論、理央は、YAGOOの許可の元、自身の伝手を頼りに朝から仕込んでいたのだ。

 「会場までの案内人を務めさせていただきます。春先のどかです。では、タレントの方から順番に、こちらのエスカレーターへお進みください」

 案内の春先のどかを先頭に、エスカレーターに乗ったホロメンたちは、地下の宴会場へと案内される。地下にある華美な扉を開けた先には、和洋中と様々な御馳走が並んでいた。

『うわあ~!!』

 目の前に広がる豪華な料理の数々に、ホロメンたちは目を輝かせていた。宴会場は、立食形式のビュッフェとなっており、シェフや料理人が目の前で料理を提供するライブパフォーマンスも楽しめる空間となっていた。

 

 数分後、全員に飲み物が行き渡ったのを確認すると、パーティーの進行役を務めるYAGOOがグラスを片手に立ち上がり、主役であるときのそらに声をかけた。

 

 「それでは、乾杯の音頭を主役のときのそらさん、お願いいたします」

 「はい!皆様、私のデビュー8周年へのお祝い誠にありがとうございます。ホロライブが設立されてから辛い事や悲しい事が沢山あったけど、YAGOOさんやえーちゃん、裏で支えてくれるマネージャーや社員さん、そして、一緒にホロライブを盛り上げてくれるメンバーの皆のおかげで、私は頑張ることができました。これからもよろしくお願いします!では、乾杯!」

 

 『乾杯ー!』

 そらの乾杯を合図に、パーティーが開催された。

 酒を呑んで酔う者、ブラックホールのように料理を食べる者もいて、会場は大いに盛り上がる。また、ホロメンが次々と主役である彼女の元へ円を組むように集まり、会話に花を咲かせる。

 「みんな、本当にありがとう!」

 

 そらの瞳には涙が浮かび、満面の笑みがこぼれた。盛大なお祝いを受けた彼女の顔は、まるで空の様に明るく、花が咲くような美しい笑顔だった。

 

 




そらちゃんの8周年のお知らせを見た瞬間、筆が走った。
そらちゃんがいたからこそ、ホロライブがあり、作者の心の支えです。

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