アルバイトスタッフの電脳日常   作:ヴィルヘルム星の大魔王

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明けましておめでとうございます!(大遅刻)
年明け一発目のお話をどうぞ!


新春!ホロバラ!

 

 カウントダウンライブが成功に終わり、日の出が出ずる元日。誰もが眠りに着いている頃、アルバイトスタッフの彼も夢の世界に旅立っていた。

 

 

 「おら!おら!何が災害がめでたいかだ!赤飯を食うのは不謹慎だ!赤飯寄越せだぁ?てめえみたいな下衆を救助してるんだよ自衛隊の方々はよ!不謹慎はてめえだクズ野郎!」

 

 黒いシルエットの人型数名が顔にアンチと書かれた白い人型をボコボコに蹴り飛ばしていた。

 

 その様子を遠くから眺める者が一人いた。夢の世界の主である六道理央だ。

 

 

 

 

 

 

 俺は、大盃に注がれている酒をグビグビと飲み干していた。 

 

 「くぅはぁー!この奇奇神酒(ききみき)旨え!こっそりカルデアのマイルームから引っ張ってきたけど、酒呑みサーヴァントの皆が飲みたがる理由が分かるわ〜」

 

 大盃にある酒を飲み干した後、大盃に奇奇神酒と呼ばれる御神酒を注ぎ込み、豪快に呷る。周りには、巨大な赤い瓢箪の他に酒甕や酒樽が大量に置かれていた。酒に囲まれながら呑んでいると、地響きが鳴り、地面が揺れている。そういや、やけに背中の岩が柔らかいと感じ、上を向く。顎を外すほど驚愕ならぬ実際に顎が外れた。

 

 

 「わためだよ〜」

 

 「巨大なわため富士!?」

 

 目の前には、巨大なわためが富士山のような口をしながら、此方を見ていた。わための大きな二つの双山が動かざること山の如しとばかりに存在感がデカい。これには、みこちやまつりが喜んで飛び付きそうだ。なんてオヤジな事を考えていると、上空から声が聞こえた。

 

 

 「生姜が無いからしょうがない。ハッハー!」

 

 「元旦のガンタンク!ハッハー!」 

 

 「はぁ!?二等分のルイ姉!」

 

 

 二人のルイ姉がダジャレを言いながら、上空を飛び回っていた。W型のサングラスをしてるからか、幾らかシュールである。そう考えていると、背後で刀を鞘から抜いた音を耳が拾い、思わず振り向いた。

 

 

 「茄子侍見参でござる!」

 

 「茄子食べたいでござる」

 

 「働きたくないでござる。絶対に働きたくないでござる」

 

 

 「茄子の被り物を被ったいろはが三人⋯」

 

 「四扇担当の儒烏風亭rrrrrらでんで御座います!

 って、理央さんだけお酒飲みよーはこすかよ!

 ワシもお酒ば飲みたかたい!」

 

 「五煙草担当の兎田ぺこらぺこ〜!

  てか、ぺこーらは煙草とか吸わねえぺこだよ」

 

 「六座頭担当ロボ子だよ。六座頭の役割引き受けたけどさ⋯ボクの頭がツルピカなのはヒドイよ〜。皆、ネタ擦らせすぎでしょ〜!」

 

 「元気出せ、ロボ子」

 

 頭に茄子のいろは三人組に加えて、4つの扇子を巧みに動かしながらお酒に涎垂らしているらでん、煙管片手に足を組んで野うさぎ椅子に座っているぺこらと煙草吸ってるムキムキの野うさぎ達。そして、頭がはげーぼー状態で琵琶を弾きながら泣いているロボ子等、カオスを極まった空間が形成されていた。夢の中なのでカオスなのは当たり前だが。

 

 俺は、涙ぐむロボ子を胸に抱き寄せ、頭を撫でて慰める。すると、キュッキュッキュッキュッとロボ子の頭から音が鳴り、その音からつい呟いてしまった。

 

 「天津飯?「ノンデリバカ!バカ!うわーん!」グハッ!?」

 

 気付けば、ロボ子のロケットパンチによって、吹き飛ばされていた。確かに今のは、100%此方側が悪く、デリカシーの欠片もない此方の落ち度だった。そこで意識が途絶えた。

 

 「⋯⋯ハッ!」

 

 パチリと目が覚め、視線だけ交互に動かし、ガバリと上半身を起き上がらせる。先程の内容が初夢で間違いない事に安堵し、近くに置いといた水を飲んで落ち着く。

 

 「⋯⋯一富士二鷹三茄子四扇五煙草六座頭。縁起が良い筈なのに、騒がしい初夢だったな。それになんだか頬が痛い」

 

 

 時計を見れば朝の八時五分。身支度を整え、冬用ジーパンとパーカー姿の軽装でリビングに向かう。部屋の襖を開けて、廊下を歩く。リビングの障子を開けてリビングに入ると、眼前の視界がモフモフに支配された。

 

 

 「〈理央お兄ちゃん〜!〉」

 

 碧色の瞳と目が合い、顔中を物凄い舐められている。戸惑いよりもくすぐったいという感情が心を支配していた。犬耳の獣人美少女が上に乗っかり、ひたすらに舐めていた。これだけで説明すると事案に聞こえるかもしれないが、事案ではない。

 

   

 「〈モコちゃん、美味しい?〉」

 「〈あ゙ぁん〉」

 

 桃色の瞳をした少女が舐めている少女を抱き寄せ、落ち着かせている。顔が似ていることから双子であることが窺える。

 

 目の前に現れたのは、魔界の番犬アビスガード姉妹。大晦日に他のホロメンと年越しの為にお泊まりという名のオフ凸に来た。ホロメンとのプライバシー関係?本人の意志を尊重しているから問題無いと思う。YAGOO社長も二つ返事で承諾してくれたし。

   

 「おはよう。フワモコ」

 

 「〈ハッピーニューイヤー!〉」

 「〈明けましておめでとう〉」

 

 「ああ、明けましておめでとう」

 

 フワモコに挨拶を交わすとドタバタと廊下を走る音が近付いてきた。音の正体はホロライブゲーマーズの戌神ころねである。

 

 「理央さん、明けましておめでとうだでな!

 フワモコ!今から一緒に外で遊ぶでな!」

 

 「「〈〈BAUBAU!!〉〉」」

 

 フワモコところねを玄関で見送り、炬燵に温もりながら、蜜柑を向いて、テレビを見る。敷地の庭では、外に飛び出したころねがフワモコと走り回り、おかゆが炬燵に寝転がりながらだら〜んとだらけている。愛犬の錦も専用のベットでのんびりと寝そべっている。ダラダラとした正月空間が出来上がっていた。

 

 ピロポピロポピロポピロン♪

 

 RUINから電話が掛かってきた。着信相手は、hololive DEV_ISのグループであるFLOW GLOWメンバーの輪堂 千速からだ。

 

 「もしもし、千速さん?明けましておめでとう。どうしたん?ながら運転じゃない⋯よね?ハンズフリーで通話?なら大丈夫か。え?今、バーチャル栃木県日光のいろは坂で豆腐を運びながら走り屋と勝負中!?それ何処の頭文字がDから始まるヤツ?あ、ああ。頑張ってね。事故らない様に気を付けて」

 

 ピッ♪と通話を切った。遠くで錦が聞き耳を立てて、つぶらな瞳で此方を見ていたが、気にしなくて良いと言いながら近付き、指で優しく眉間を撫でると一回首を傾げた後、クッションに顎を乗せた。

 

 落ち着いたところで、再び炬燵に足を入れる。

 

 「さて、新聞新聞。何々?DHKで電脳大学駅伝がやっているのか⋯『VS青桐』、『笑ってはいけないにじさんじ』もいいけど、今は『ホロバラ』見るか」

 

 ソファーの座面に置いてある朝刊の新聞を取り出し、番組表の記事を見る。ついでにリモコンを探していると、おかゆがリモコンを差し出してきた。軽く礼を言ってリモコンを受け取った後、蜜柑の皮を剥き、おかゆに食べさせる。

 

 「もぐもぐ⋯にゃんぎ!」

 

 「良かった。また剥いてあげるからね」

 

 リモコンで番組チャンネルをあおぎりチャンネルやにじさんじチャンネルに変更する。電脳界のテレビ番組は、ニュース番組以外はVtuberによる番組が殆どだ。

 

 『魂子先輩、こまる先輩、蝶美先輩、罰ゲームトラ〜』

 

  あおぎりチャンネルに変更すると画面内でうる虎がーるが先輩である音霊魂子、栗駒こまる、千代浦蝶美の三人に向けて、罰ゲームを宣言していた。丁度、1ゲームが終了したタイミングだったらしい。

 

 「あうち!?」

 

 「おぉう♡

 

 「イタァ!」

 

 魂子と蝶美は、エアーソフトバットで叩かれた尻を押さえて痛がり、こまるは、刺激に喘いでいた。放送事故に思うかもしれないが、あおぎり高校ではこれが通常運転である。画面の奥で他のあおぎりメンバーが大笑いしていた。

 

 

 続いて、にじさんじチャンネルにテレビのチャンネルを回す。

 

 「ブンブンブブブン!るんちょま!」

 

 「ブンブン!一匹!」

 

 ブブー!

  

 「はあ!?可笑しくないだろ!」

 

 「フッハー!

 

 「「「待て待て待て!」」」

 

 数取団ゲームで剣持が答えた数に審議タイムが入り、他の参加者は慌てて審議していた。お題を出した花畑チャイカは堪えきれずに吹き出し笑いしていた。

 

 寝転がりながら、テレビのチャンネルをカバーチャンネルに変える。テレビの画面には、絢爛な晴着に身を包んだホロメン達が映し出され、スタジオに華やかな空気を醸し出していた。

 

 

 『新年、明けましておめでとうございます!』

 

 MCのときのそらとAZKiの清楚コンビが正月番組の司会を務める。

 

 「こんそめ〜ホロバラのMCを務めます。ホロライブ0期生のときのそらと」

 

 「こんあずきー。あなたのハートをゼロゲッサー☆ホロライブ0期生のAZKiです。」

 

 挨拶を終えた後、AZKiとそらは、巧みなトーク力でホロバラ参加メンバーとフリートークを進めていく。

 

 「さてー早速、最初のコーナーにいってみよー」

 「最初は、百鬼あやめちゃんとクレイジー・オリーちゃんによる和芸『傘回し』です。どうぞ」

 

 

 

 

 

 【傘回し】

 

 「最初に余とオリーちゃんによる傘回し!オリーちゃん!準備はいい?」

 

 「〈いつでも準備OKデース!〉」

 

 「よっ!ほっ!いつもより多く回しております」

  

 「〈ほい!ほい!ほい!ほい!〉」

 

 あやめは、和傘を開いて構える。オリーは掛け声を出しながら玉や枡を投げ、あやめは落とさない様にバランスを取りながら、クルクルと傘を回転させる。次第に玉が増えていくにつれて、あやめは傘回しを早めていく。オリーは、笑顔で紙吹雪を散らす。

 

 

 「どんどん回す余〜!ありゃりゃ?」

 

 

 あやめは傘を回していると、次の瞬間、突然の重みにガクッと膝が下がるが、鬼の臀力で回転を止めずに回し続けた。何事かと不思議がっていると、傘の上から声が聞こえた。

 

 

 「〈いつもより多く目が回っておりまーす〉」

 

 「オリーちゃんも一緒に回っている余!」

 

 どうやら、テンションが上がったオリーは、勢い余って自身の頭も投げたようだ。危うく放送事故になるかと思いきや、あやめは傘を上に突き出し、得意の反射神経でボールを傘の内側でキャッチ、右足の爪先で枡をキャッチした。そして、オリーの首が本体に見事ドッキング。傘回しは成功に収まった。

 

 

 「あやめちゃん、オリーちゃん、見事な傘回しをありがとう〜!続いては、不知火フレアと白銀ノエルのヒゲダンスです!どうぞ!」

 

 

 

 

 

 【ヒゲダンス】

 

 カメラが切り替わり、【ヒゲダンス】のステージが映し出される。一昔前のポップな音楽がステージに鳴り、舞台端からハット帽を被ったスーツ姿にちょび髭のフレアとノエルが軽快なステップで登場。

 

 レイピアをスタッフから受け取るノエルと林檎、オレンジ、梨といった丸い果物を用意するフレア。

 

 (いくよ、ノエル!)

 

 (うん!)

   

 アイコンタクトでお互いの意思疎通を図り、演目がスタートした。フレアは、アンダースローでノエルに向けて梨を投げる。ノエルは、騎士としての矜持からかレイピアで完璧に梨を貫く。見事な芸当に思わずそらとAZKiも拍手した。  

 

 

 フレアは、次々と物を投げた。林檎、グレープフルーツ、オレンジ。ノエルは、外さずに連続で刺した。

 流石は、白銀聖騎士団団長。その実力は、伊達じゃない。パワー全振りの脳筋だが、剣術の腕前は、ホロメン一の実力者だ。フレアもノエルに合わせて、タイミング良く投擲している。ノエフレのコンビネーションは圧巻の一言だ。

 

 

 「〈ヒゲダンス!ヒゲダンス!〉」

 

 「〈日本の伝統芸!〉」

 

 

 炬燵に顔を突っ伏しながら、外から帰ってきてはしゃいでいるフワモコの顎を両手で優しく撫でる。錦は、ベッドのクッションで丸まりながら寝ている。

 

 「〈アウアウ〜〉」

 

 「〈とても気持ちいい〉」

 

 「おがゆ、美味いか?」

 

 「もぐもぐ〜蜜柑美味しよ〜ころさん」

 

 おかゆは、ころねが剥いた蜜柑を頬張っていた。

 あ〜おかころてぇてぇですわ。

 テレビに目を向けると、ヒゲダンスもラストスパートに入っていた。

 

 「それそれそれ〜」

 

 「よっ、ほっ、ほい!」

 

  ノエルが二本のレイピアでとうもろこし、ピーマン、牛肉、豚肉、玉葱を刺し、フレアが何処からか取り出した肉焼きセットで焼いているじゃないか。

 

 「いや、BBQやないかい」

 

 思わず、テレビにツッコミを入れた。四人からの冷たい視線が炬燵に入っていても寒気を感じさせる位に冷めきっている。

 

 

 「「どうもありがとうございました〜」」

 

 ノエルとフレアは舞台端に退場した。いや、ノエルの頬に野菜の食いかけが付いていたぞ。

 

 

 

 

 「さて次に参りましょう。現場のちょこ先生〜?」

 

 カメラの画面がそら達のいるスタジオから何処かのスタジオに切り替わった。

 

 ちょこ先生のぺぇに見惚れていると、おかゆが炬燵の中に入れた足で俺の脛を蹴り、頬をプク〜と膨らませたフワモコから頭をペシペシと叩かれる。そんな光景を露知らずな錦は、グーグーとへそ天をして寝ている。錦はカワイイな。

 

 

 

 「は〜い♡リポーターの癒月ちょこです。新年明けましておめでとうございます。私は今、第2スタジオに来ています。御覧ください。こちらでは、今から餅つきをするみたいですよ〜」

 

 「おーし!今日は一丁、餅を搗いていくぺこよ!

 アキロゼ!」

 

 「合点承知の助!ぺこちゃん師匠!」

 

 ぺこらは杵を構え、アキロゼは臼に水で濡らした手をつく。

 

 「この電脳界にどんな男がいるんだい?」

 

 「複数の女性の好意に気付いているのに、自分じゃ釣り合わないと鈍感なフリをする男がいたんですよ」

 

 「なぁ〜にぃ〜!?やっちまったぺこな!」

 

 「男は黙って」

 

 「甲斐性見せろ!」

 

 「男は黙って」

 

 「甲斐性見せろ!」

 

 「今、テレビ見てますか?」

 

 何故か寒気がしたが、大人しくテレビを見る。アキロゼとぺこらは、息の合ったコンビネーションで餅を搗いている。

 

 

 「搗くペコ!」「はい!」「ペコ!」「はい!」

 「ペコ!」「はい!」「ペコ!」「はい!」「ペコ!」 

 「はい!」「ペコ!」「はーい!」

 

 「ペコー!」

 

 「出来上がりました!」

 

 「搗き立てのお餅ぺこ!」

 

 ちょこは、アキロゼとぺこらの二人から餅を受け取り、黄粉を付けて食す。餅が程よく伸びていることから、かなり柔らかいことが理解できる。

 

 「アキロゼ様とぺこら様のお餅美味しい〜」

 

 

 「お餅美味しそうだねAZKiちゃん」

 

 「私達も後で食べたいねそらちゃん」

 

 二人は、穏やかな顔でトークしていた。

 

 

 【〇✕2択クイズ】

 

 〇✕2択クイズとは、〇✕の描かれたプレートに突撃。正解の場合は、マット。不正解の場合には、泥まみれになる。

 

 『問題,博衣こよりが目玉焼きに掛ける調味料は、ケチャップである。〇か✕か』

 

 右→✕

 左→〇

 

 「こより好きの吾輩には分かる・・・・正解は右だ!」

 

 ラプラスは走り出し、右を選択。✕と書かれた

 突撃する!

 

 飛び込んだラプラスは、ハリボテを突き破った。

 

 

 「うぉわああああ!!」

 

 空中に浮くラプラスが落ちる先は、泥水ではなく、ポフっと柔らかいマットが衝撃を受け止める。 

 

 ポフッ!ポフポフ!カサカサカサカサ!

 

 二度三度、手を動かして地面が柔らかいことを察知したラプラスは、ジタバタというよりカサカサと腕と足の両方を交互に動かし、自身の安否を確認した。

 

 「良かった!こよりー!吾輩は正解したぞー!」

 

 「不正解のプレートには、マヨネーズプールでマヨネーズ塗れになるのでした〜♪」

 

 「あ、危なかった」

 

 もし不正解だった場合の己の末路を想像し、静かに震えるラプラスであった。

 

 

 AZKiが次のコーナーへと司会を回す。

 

 

 「次はみこめっとの二人です!どうぞ!」

 

 みこめっとがカメラ内に登場する。枠外では、裏方のスタッフが熱湯風呂を準備していた。

 

 二人は、机の上に用意された箱を開け、中から現れた土鍋を注視した。すぐに理解した星街すいせいは、近くに置いてあった布巾で鍋蓋を開く。鍋の中にはグツグツと煮込まれていた具沢山のおでんが入っていた。

 

 

 「わ〜おでんだ!美味しそう。でも、ちょっと熱そうだにぇ」

 

 「みこち、おでん食べたい?食べさせてやるよ」

 

 「え〜すいちゃん良いの〜?じゃあ頼むわ」

 

 「じゃあ、先ずは竹輪」

 

 すいせいは、箸で竹輪を掴み、みこちに食べさせる。みこちは目を瞑りながらあーんと口を開ける。だが、すいせいはみこちの頬に竹輪を当て付けた。

 

 ジュッ!

 

 「あっちゅ!?

 

 予想外の熱さにみこちは、熱を逃がすように顔を激しく動かす。

 

 「おめぇ熱いだろうが!せめて熱くないのにしろわゆ!」

 

 「はいはい、白滝」

 

 「あっちゅ!あちゃああ!

 

 「はんぺんに大根」

 

 「あっちゅ!

 

 「玉子〜」

 

 湯気立った玉子をフーフーと息を吹きながら一口齧ったすいせいは、ハフハフと汗を一筋流しながら食べる。そのまま、半分の玉子をみこちに食べさせる。

 

 「う、美味いにぇ」

 

 「じゃあ、次行ってみよ〜」

 

 ここで一旦CMが入り、CMが流れた。

 

 《緑茶の味、芹沢園の頼もーお茶》

 

 《あの風呂苦手な沙花叉クロエも思わず入る!?お風呂の入浴剤にシャチロマン》

 

 《雪花ラミィも絶賛!美味さ弾ける!青龍の生麦酒》

 

 《喉越しの良い麺!パンチの効いたスープ!その美味さ獅子の如く!麺屋ぼたん》

 

 《水宮枢と轟はじめも驚きの軽さ!ランドセルは、だ・だ・堕天使の羽》

 

 

 CMが明けると、みこちは四つん這いの格好で熱湯風呂の前に待機、すいせいはみこちの後ろで両手を構えていた。

  

 「押すなよ。すいちゃん、絶対に押すなよ?」

 

 「えぇ〜?どうしようかな〜?」

 

 「押すなよ?押すなよ?」

 

 「・・・・・・・・フッ」

 

 「押せ!今押せよお前!“フッ”じゃねえよ!」

 

 四つん這いのみこちは、次第に腕と足がプルプルと震える。その様子を傍観に徹していたすいせいは、滑稽な物を見る目をしていた。やはり、みこめっとはビジネスである。

 

 「星街オメェちゃんと押しなよ!」

 

 「ほい」

 

 少し怒ったみこちが立ち上がろうとした瞬間に、すいせいは、トンッとみこちを熱湯の中に突き落とした。

 

 「アアアア!あっちゅ!あっちゅ!」

 

 みこちは、藻掻きながら熱湯風呂を脱出し、ずぶ濡れになりながら息を切らしていた。その様子をすいせいは只々静観していた。

 

 「ゼェゼェ・・・・今じゃねえだろがよ!?」

 

 「でも、温まったでしょ?温度は41度だって」

 

 「でゃまれ!」

 

 「あはははは!」

 

 すいせいは、みこちの反応を見て抱腹絶倒していた。

 

 「ここで、評論家の白上フブキさん。判定をどうぞ」

 

 「いや〜!やっぱりビジネス。やっぱみこめっとは、てぇてぇですわ」

 

 フブキは、眼鏡をクイッと動かし、『みこめっとてぇてぇ』の団扇を取り出して、みこめっとの芸を評価した。

 

 「「それや゛め゛ろ゛!」」

 

 みこめっとの二人は、フブキの下した好評価に激しい苦悶に悶えた。その様子を見たそらとAZKiは、締めの挨拶に切り出した。

 

 

 「ということで、ホロバラ如何でしたか?」

 

 「もうすぐお別れの時間になってしまいましたね。

 新春!ホロバラ!生放送を御覧の皆様、ご視聴ありがとうございました〜。2025年もホロライブをよろしくお願いします。また次回、お会いしましょう」

 

 『またね〜』

 

 番組が終了し、ニュースに切り替わったので、確認を取り、テレビの電源を切る。

 

 

 「お、そうだ。はい、お年玉」

 

 「お年玉」

 

 

 「先ずは、ころね。明けましておめでとう」

 

 「ありがとうだでな」

 

 「次にフワワとモココ。お年玉」

 

 「〈アリガトウゴザイマス〉」

 「〈アリガトゴザイマス〉」

 

 「最後におかゆ。はい、お年玉」

 

 「わ〜ありがとう〜」

 

 「錦にも」

 「ワン!」

 

 ころね達に配り終えた後、錦に3000円が入ったポチ袋と新しい紐の玩具を与えた。錦は、紐を咥え嬉しそうに尻尾を振りながらペットフェンス内にあるドッグハウスへと持ち帰った。ポチ袋の3000円は、錦のオヤツ代にしようとおもちゃ入れの側面にあるポケットに仕舞う。

 

 その頃、お年玉を受け取ったおかゆ・ころね・フワモコは、ポチ袋に入っていたお年玉の額に驚愕する。

 

 「「一万五千円!?」」

 

 「「〈諭吉、樋口一葉!〉」」

 

 「いつも頑張っているからな。少し多めに入れといた。使い過ぎには気を付けるんだぞ」

 

 「「ははー!お大尽様ー!」」

 

 (他の皆の分は、また別の時に渡すか)

 

 年末宝くじ2等当選に12月のGⅠ競馬三連単・単勝で稼いでいるから、金に困りは無い。宝くじの当選金は非課税対象だから、助かる。

 

 

 「さて、お節料理を食べるか!」

 

 「わーいお節!」

 

 お節を食べようと炬燵から立ち上がる。すると、ドンドンと呼び鈴を鳴らす音が聞こえ、それと連携したモニターが外の様子を映す。無音カメラで確認すると、ショートボブの黒髪の少女が映っていた。

 

 〈はいはい?〉

 

 「ちわーっす!明けましておめでとうっす!」

 

 玄関の引き戸を明けると、大正風の晴れ着に身を包んだスバルが挨拶してきた。

 

 「よく来たなスバル。それに皆も」

 

 「お邪魔するね理央君。筑前煮沢山作ったからお裾分けに来たよ」

 

 「お邪魔します。しぐれういです」

 

 「わーホロライブの方々が沢山おられる。お邪魔しまーす」

 

 スバルの後ろにミオしゃ、しぐれうい、春雨麗女といった競合他社に一部の個人勢といったVtuber達がワイワイガヤガヤと事務所の壁を越えて、屋敷に遊びに来た。

 

 

 その光景を見た俺は、いつも通り笑顔で招き入れた。

 

 

 




明けましておめでとうございます。
 年末年始、諸事情により小説投稿が遅れたことをお詫び申し上げます。
 2025年も『アルバイトスタッフの電脳日常』をよろしくお願いします!

次の特撮ネタ

  • トッキュウジャー
  • マジレンジャー
  • ゴーオンジャー
  • ゼンカイジャー
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