能力は原作のものと、枕にした本の内容を理解できる程度の能力。転生なんだから、まあね?
生まれは捏造。
「あ、どうも」
そんな言葉で僕は生まれ変わった。なんだかよくわからない、赤い腹の上で。皆が皆、驚きの顔をしている。先ほどの言葉が発音できていれば、それについて驚いているのか。それ以外であれば、僕の下にある赤い腹の正体に関わるものだろう。前世はなくなったので、今回を大事にしていくとするか。
「あっえっ」
「閉じ込めろ!死にたいのか!?」
「お父様!?」
「生まれてすぐに親を殺し、更には言葉を喋る赤ん坊が、安全なわけがないだろう!!」
じゃあ殺せよ…どうやら、言葉に驚いて赤い腹にも関係がある話らしかった。僕はどうやら閉じ込められるらしい。冗談じゃない!精一杯暴れるものの、閉じ込められてしまった。さて、僕の名前とかを確認しよう。前世は漫画ばっか読んでた人。今回は…えと、名前…あ、もしかして、ない?そうか。命名される前からここにいるんだから、ないか。鏡に姿が映らないのを見るに、人ではない。多分、妖とか、吸血鬼。自分でも羽があるのがわかるので、吸血鬼に違いない。その羽が異質なことを除けば。
「…水晶みたいだな…」
「フランドール」
「ん、それが名前?」
「お前は忌み子だ。それを受け止めて生きろ」
「あ、殺さないんだ」
「飯はくれてやる。代わりに、そこから出るな。」
なんとも冷たい親だ。死んでるのではないか。ま、吸血鬼か。
「じゃ、魔法が書いてあるやつくれ」
「…可愛げのないやつめ」
なんともな声で一冊が入って来る。魔法は人の夢でもあるんだから、食べなくても寝なくても良いものはあるだろう。ま、人の夢と書いて儚いとも言うが。…しかし、困ったな。僕の前世と、今回では言語が違うらしい。つまり、この魔導書を一切読めないと言うこと。しかしだ。親の声ははっきり聞き取れたし、意味もわかる。これは一体どう言うことなんだ?
「…言語の壁を越えられる魔法をまず探すことからか」
父親らしき人物か、召使いに言う。赤ん坊だから上手い具合に寝かせてくれとも。おい、マジックハンドってお前な。今何時代?もしかしなくても、未来に転生してきた?未来に貴族いるの??…首元に、魔導書を置く。こう言う時は迷信とかを信じる。枕のように敷けば理解できるとか、夢に出てくるとか。
「案外わかるものなんだ」
もしかしたら、本当に未来かもしれない。本と人にチップがあり、それで情報を受け取っている。正しく、貴族は勉強要らずの時代。ちなみに僕が枕にした魔導書の内容は、成長にまつわるものだった。…僕にかけちゃえ。
「おお、おお?…おおっ!?」
鏡に姿が映らないのでわからないが、うーん。目線からして、人間なら15年くらい進んだのかな。吸血鬼なら…わからないからいいか。まあそれくらいの成長を赤ん坊からしましたよと。…羽は変わらないんだ。じゃあ、んー。もしや吸血鬼ではない?
「胸…ないな」
僕の体、貧相というか、なんというか。この魔法、健康に育った結果だろ。脂肪が胸にたまらないのはやはりそう言うことなのか。
「…いやでも、女だし」
仕方ない。魔法弄ることに意識を向けて、体のことは忘れよう。というか顔とかってどうやって知ればいいんだろう。鏡に映らないって不便…あ、今服着てない。使用人に素肌を晒し、似合う服をもってこいと命令する。…おい、何で固まるの。…あ、裸だからか。フランドールであることを伝え、もう一度要求。
「産まれてすぐに?あり得ない!」
父親らしきものがそう言ってすぐに認めたのを見るに、わかる人にはわかるような成長をしているらしい。ちなみに、姉がいるらしい。こちらは生まれて30年ほどは経つとか。ふーむ、んー。多種族、よくわからん。
「未来にしろ過去にしろ、関係ないのはそうか」
なんなら異世界ということも。いや、それであっても、中世風なのか、近代風なのかがわからなければ意味もないか。
「…めんどーい」
冬眠魔法とかはないのか。…ないだろうな。100年単位で眠れば、それこそ良さそうな物だが。仕立ててもらった服を着て、うーんとやはり首を傾げる。服を着てもなお、姿見には何も映らない。服さえも。どうやら僕は本当に僕を知ることができないらしい。そんなことは捨て置き。枕代わりの本が理解できたので、その最大本数を調べていこうと思う。まずは十冊から。
「本当に可愛げのない娘だ。忌み嫌われるならまだしも、厚かましく、暴れることを脅迫に要求するとは」
しらなーい。早速寝ますか。寝て起きて何冊分わかるかを見ておかなきゃ能力の限界値がわからないしな。
「…全て理解した気がする」
試しに、『初級解読魔法 お試し問題付き』と言う本だ。初級解読魔法を使い、読み進める。…オマケに他国の言語がわかるようになった。有能、君有能だよ。あ、でも文章が難解だからわかりづらいな。
「でも使えることがわかるのは楽しいなぁ」
「フランドール」
呼ばれた。僕を呼ぶなんて、父親ではない。召使いも呼び捨てはないだろうし、誰だろうか。
「はいはーい…ん?」
一瞬見失って、下を見る。少し白すぎる髪の毛、幼い顔で、それに見合った身長。多分子供。それに、羽らしい羽もある。その上、確かこの子は、僕が生まれた時にそばにいた子だ。
「えっ…だ、誰?」
「…僕はフランドールだけど…」
レミリア「お父様!ふ、フランドールが、フランドールが、大人になっていたわ!」
お父様「才能ありありじゃん。怖」