僕はフランドール   作:覚め

13 / 34
風見幽香「殺す」
フランドール「殺す」


大妖怪だぞ。はやくしろ。

「ここの花は綺麗ね」

 

「貴女の死体がもっと華を咲かせるわ」

 

思い切り横に動く。僕が先ほどまでいた場所は深く抉られていた。さて、何故僕がここに来たのか。八雲藍に言いくるめられた為である。僕はああ言う奴大嫌いだ。最も、好戦的な奴はもっと嫌いだ。日傘らしき和傘の先端からビームばかりを撃つ大妖怪を見て、しくじったことを悟る。

 

「今の避けるなんて、中々ね」

 

「中々…他に正解が?」

 

「逸らすなり、防ぐなり。出す前に潰したら、一番ね」

 

「っ!!」

 

そう言って予備動作ゼロで僕にビームを撃つのはなんなのか。大きさだけで言えば僕の魔力砲と同じ。しかし、肌感と言うやつでわかる。密度が違う。僕の魔力砲はただ出してるだけ、でもこのビームは…きっちり締めて出してるから、うん。僕の魔力じゃ、まず打ち消されて終わる。

 

「こんなところで、技術の差が出るなんて!」

 

「あらあら、魔力は初めて?」

 

「このっ!」

 

こちらも、きっちり締めて魔力を放つ。途中から締めきれず、もはや勢いだけのものだ。でもこれは…うん、だめだな。

 

「そよ風?」

 

「死ね」

 

ならば肉弾戦。腹を裂けば、顔を剥げば、どうにかならないのか。糸に縋る気持ちで腕を突き出す。爪を立てて、ちゃんと通るようにする。すると、どうだろうか。僕の爪は簡単に折れ、ただ掌底を繰り出しただけになった。もはや本能的に蹴るけど、逆に僕がその反動で飛ぶ始末。

 

「どんな体重してんの!」

 

「失礼な子ね」

 

「弾幕ごっこもないじゃない!!」

 

「あんなもの、付き合う方が馬鹿よ」

 

リズムに乗れば強くなる魔法を使う。太鼓はないけど、サイコキネシスで地面を叩けば…なんなら、僕の胸でドラミングすれば、多少なりとも乗れるだろう。試しに何発か叩く。うん、うん。少し響くけどこれくらいで良いかな。それじゃあ、今度こそ。

 

「ドンドンうるさいわね」

 

「誇り高き戦士の行う動作よ。見惚れたら?」

 

また、予備動作のないビーム。余裕を持って避けるけど、少しでもミスったらこれ強化倍率見誤って死ねるなぁ。でも、足元で適当にリズムを取っているだけで余裕ができるのはありがたいなぁ。よし、それじゃあ、今度こそ腹を貫いてみせる。どうにか抜けろ!!

 

「ふんっ」

 

「動きがわかりやすいのね。手加減?」

 

「えぇ!?」

 

ちゃんと腕を掴まれた。仕方ない、腕を壊すか。大妖怪の腕のモノを見つけて、手繰り寄せる。思いっきり握り潰す。バレたら次はないから慎重に行くとして。片手を見えない場所に動かして、握りつぶす!

 

「っ!?」

 

壊した。次、サイコキネシスと僕の掌底で動かす。どうにか動いてほしい。

 

「うらっ!!」

 

「ぁ!?」

 

良し、効いた。それじゃあ、次。先ずは逃げる。逃げないと死ぬ。何よこれ!八雲紫もこのレベルなら、ダメね。当分勝てない。年齢もあると思う。2000年だもの。流石に、ね?魔力の扱い…パチュリーにでも教えてもらうか。

 

「ちょっ!?」

 

「逃すと思うの?ここまで荒らされて?」

 

頭を掴んでキスしてやる。狙いは動揺。その後、口を離して魔力砲。掴んだ手から、口から。少しはダメージありが望ましい。サイコキネシスのドラミングも止めてるから、本当に逃げ道を探すだけの戦いになってるか??

 

「…死ぬなら生首?それとも、磔?」

 

「貴女が、生首になるのさ!!」

 

握り潰す。握り潰す!握り潰す!!

 

「っぁ!?」

 

「━っ、嘘でしょ!」

 

握り潰したのに!!なんで体の四割くらいも残ってるのよ!まあ良い、今のうちに逃げ出さなきゃ!マジで、死ぬ!八雲藍め、あいつ絶対に許さない!あいつのせいでこうなってるんだもの、慰謝料の請求してやる!でも下手したら八雲紫!…我慢するしかない?嫌だな、それ。

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

「風見幽香はどうだったかしら」

 

「バカ言わないで…あんなもん、死にたくなった時以外では戦わないわよ」

 

「でもほぼ無傷じゃない」

 

「あのね。相手が舐めてて、かつ僕が死にたくなかったから、無傷で居るの。」

 

「そう?割と余裕だったんじゃない?能力だって、もっと積極的に使えば…」

 

「あのね。全力で壊したのに四割も残ってるなんて初めてよ。」

 

遠くから轟音が何度も響いてきている。背を低くして、八雲紫の首元を掴む。轟音の正体は恐らく風見幽香。そのまま轟音のする方へと八雲紫を投げ飛ばす。これでなんとかなるだろう。というか、六割壊したのにもう戻って来れるって…どんなことしてんのほんと…

 

「さて、そろそろ帰るか」

 

紅魔館へ帰ろう。流石に、いやほんと、きつい。でもあの花は綺麗だったよなぁ。美鈴に作らせようかな。いや、自分でも作れるかな?んー、どうだろう。朝は無理だから、夜に水やりか…うーん。うーん??どうしようかな、本当に。

 

「おや、お帰りなさい」

 

「あれ、なんでここにいるの?」

 

「そりゃあ、フランドール様が出てから2年も経ちますから」

 

「えっそんなに経ってた!?」

 

「もー!レミリア様なんか、『家出だったのでは』って、大騒ぎだったんですよ!?」

 

「咲夜は?」

 

「そりゃあもう…なんて。庭に花があるじゃないですか。」

 

「あら、ほんと」

 

「植えるだけ植えて、世話は私に押し付けてきましたよ。去年のことですね」

 

「何も感じてないのね。はぁー、ま、そんなもんよね」

 

…なんだろうか、こう、少しは感傷に浸るとかあって欲しかったけど。姉さんがいるならしょうがないかぁ。僕もパチュリーに魔法の扱い方教えてもらいたいし。

 

「…風見幽香って奴と殴り合ったから、気をつけてね」

 

「えっ?」

 

「僕も殺そうとしたんだけどね。相手全然力入れてないのに、僕は全力でやって。逃げてきた」

 

「…私に勝ち目ないじゃないですか!何を気をつければ!?」




フランドール「怖かった。そうね、ベジータが調子に乗ってフリーザと殴り合い始めた時くらい怖かった」
美鈴「ふりーざ?べじーた?」
フランドール「…逃げれる確率が3%だけど、それ以外は死ぬ選択肢以外ないってこと」
美鈴「なるほど」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。