僕はフランドール   作:覚め

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美鈴「おおきくなりましたね」
咲夜「チッ」
美鈴「!?」
フランドール「もう抜かされちゃったわねぇ」
咲夜「はい!フランドール様や皆様がご飯を運んで来てくれたお陰です!」
美鈴「!?!?」


適度にがんばる。

「あぇっ」

 

「おっと」

 

「んー…あら、咲夜」

 

「あ、フランドール様。お久しぶりです」

 

「そんなに大きい紙束持ってて何してるの?」

 

「事務仕事です。私、最近メイドとして働くことになりましたので!」

 

頑張れと言って去る。そういえば、咲夜に背を越えられていたな。僕も、そんなに背が小さい気はしないけど。おかしいな、そんなに咲夜から目を離していただろうか。んー、わかんない。そもそもあの子は本当に人間なのか。そこも分かってないからなぁ。あの子、人間と同じ食べ物で満足はするのだけれども。

 

「はぁー。全員変に成長しちゃって」

 

「成長するのも無理ないわ。」

 

「姉さん」

 

「だって…貴女、ざっと二百年は図書館で寝てたのよ」

 

「衝撃の事実すぎるな?」

 

なんとも、下手なツッコミみたいなのをしてしまった。おかしいな…図書館で大量の魔導書を枕にして眠ったのは覚えてる。覚えてるんだけど、うーん。そんなに長く寝てたならパチュリーも起こすと思ったんだけど。ていうか、だからか。体を動かすだけでもうバキバキ言うのは。いやしかし。僕そんなに寝てたのかぁ

 

「…はぁ。自覚なし、ね」

 

「どういうこと?」

 

「私の予想だけど。枕にした本の内容がわかるのは、フランドールの能力。便利な能力だけど。本の数か、ページの数か、情報量か。そのどれかによって睡眠時間が変わるわ」

 

そんな能力だったんだ、僕。なら多分、本の数だね。今までにない量の本だったし。よくあの高さから落ちなかったものだ。でもおかげで、魔力の扱い方は基礎から応用まで身に付いた。ただし、使い方と魔法を覚えただけで、経験はゼロだけど。

 

「どう、驚いた?私だって、フランドールの姉として相応しくなるようにしてるのよ。」

 

「…となると、だなぁ。うーん。なんで咲夜はそれだけ長い間生きてるの?」

 

「本人曰く、時を止めてるらしいわ」

 

「時を止める」

 

「生まれた時から使えたみたいよ。その気になれば、フランドールがどれだけ長く寝てても外から見たら一瞬、なんてことも出来るみたい。」

 

「なにそれしらなーい」

 

「そりゃ、教える時間がなかったもの。フランドールの役に立ちたいから、咲夜はせっせと能力を強化してたのよ。今度褒めてあげて」

 

「拗ねられたら敵わないわ」

 

僕自身、咲夜にはかなり甘い‥と思う。美鈴や姉さんと比べれば、の話にはなるが。それでもまあ、うん。咲夜って拗ねるかな、とは思っちゃったけどね。あの子、僕か姉さんかで言えば、多分姉さんに懐いてると思うけど。僕のことどう思ってるのかなぁ。

 

「美鈴」

 

「はーい…って!フランドール様!?お、起きていられたのですか!?」

 

「ついさっきね。まるで…というか、そのまま浦島太郎よ」

 

「フランドール様ぁ!」

 

「美鈴」

 

「お久しぶりです!どれほどの魔法を覚えたのですか!?貴女がいない間の紅魔館はもう、退屈で退屈で…!」

 

「美鈴、ちょっと、聞いてる?」

 

「は、はい!えと、それで、要件は?」

 

「フランドールの体を整えてあげて。200年も眠ってたんだから簡易的な検査もよろしく」

 

「はい!フランドール様、背中をこちらへ」

 

背中を向け、美鈴の手が触れる。そこを起点に、ぽわぽわと暖かい流れが身体に伝わる。あー、きもちい。下手したら、もう一回眠りそう。魔導書を枕にするなよ。かならず200年は寝る。寝させたくないなら刺激を…つねるか。あ、皮膚千切れた。

 

「うーん。少し身体が固まっているだけで、特には。体が固まってること以外には問題はなく…休眠状態みたいなものなのかな?」

 

「僕も、寝ている僕の状態を確認したことはないし…」

 

「咲夜」

 

「はい」

 

「うわ、いつのまに」

 

どうやら、咲夜は時を止めることによって呼ばれた瞬間に出現できるようになった。パチュリーは…そういや、図書館から出てくる時に見たな。寝てたことは覚えてる。珍しく寝てたから、ほんとに覚えてる。少なくとも僕は見たことない。ということを姉さんに聞くと。

 

「あー…多分、貴女を助けようと調べてたりしたから。それじゃない?」

 

「…申し訳ないなー」

 

「それも含めて報告しといてね。私は嫌よ。割と無茶振りして機嫌悪いし」

 

「私も…」

 

「美鈴も?」

 

「はい。実はこの前、強化魔法を受けてかなり無茶を」

 

「具体的には」

 

「紅魔館の…その、屋根を八割程度壊しまして」

 

「あちゃー」

 

と言うわけで図書館へ。パチュリーはどこだったか。彷徨っていると、何やら変な人影が。パチュリーにしては…うーん、なんというか。少し背が高いか。猫背のパチュリーにあの姿勢は厳しいだろうし。となれば、使い魔とか?僕が枕にした本の中にもあったし。それ以外だったら、妖精とか。僕が雇っていた妖精は今どこにいるのやら。

 

「…わ、ぱ、パチュリー様〜!」

 

「何ようるさい…」

 

「あ、あの!ずっと寝てた吸血鬼が、姿を!」

 

「フランドール?ああ、知ってるわよ」

 

「そうじゃなくて!来たんですって!」

 

「…は?」

 

というわけで。謝罪のようなものをしにきた。どうやら、使い魔は本当にいたらしい。うーん、うーん。お詫びに面白い魔法の組み合わせを思いついたから、それでも見せようかな。

 

「面白い魔法?」

 

「ええ、かなり面白いの。種族そのものが変わるレベルで面白いわ」

 

「そんなもの、あり得るわけないでしょ。」

 

「じゃ、やるわね…っ」

 

頭を増やし、統合する。頭はデカくなって、それぞれの器官も増える。口、目、鼻、耳、脳。胴体以外で同じことが起きて、まあ統合はしないけど、手足がそれぞれ六本に。安定性抜群。

 

「この姿だと、太陽の下に出ても大丈夫なのよ。皮膚が焼けても直ぐに再生するのよ」

 

「…なんて姿…」




やったぜ、異形化。魔法の真髄って異形化だと思ってます。
尚、フランドールからはどれくらい変わってるのかはわからない。
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