転生すると二パターンありますよね。憑依して元のキャラの人格がいるやつと、完全に新しい命に転生する奴。他は知らん。そんな話です。
「そういえば、寝ている間はどんな夢を?」
「そうねぇ…悪夢、うっすら悪夢ね。その間、こっちの僕は?」
「うわ言ばっか。パチュリーからは、『私?僕?』って言葉だけらしいけど」
「けどって…何?」
「私、聞いたのよ。フランドールが『貴方はだれ』って言ってるのを」
…まるで自問自答だなぁ。ま、でももう魔導書を読むのはほとんど無いけど。だって、パチュリーの図書館の本だいたい読んだからね。というかこれ以上は流石に寝過ぎ。流石に健康面での問題が大きくなってくる。しかし、一人称が私なんて…変な夢見てんなあ。実は今のこれも夢だったり。
「そんなわけないでしょ。さっき机に手をぶつけて痛いとか言ってたでしょ」
「痛覚があるから夢じゃないっていうのは、かなり暴論だと思うわ」
「そう?」
「…少なくとも、鏡を見て異変に気づかないなら、ね」
「?」
見えているのは僕だけか。それとも姉さんも見えているのか。何度見ても僕が写っている。写らないはずの僕が、鏡越しにこちらを見ている。困ったな…意外にも自分が綺麗で驚きだ。勿論。あれが僕である確証はなく、僕と同じ動きをするからという簡単な理由からの推察である。
「…咲夜は?」
「見えません、が」
「この様子じゃ、美鈴もね。パチュリーは無理よねぇ…となると」
鏡を一枚用意させる。その鏡に思いっきり腕を突き刺す。するとどうだろうか。鏡から手が伸びて、僕の喉元を、僕の腕が突き刺した。予想通りではなかった。魔法とかあるんだから、突き刺したら鏡の中に手が入るとかを想像してたんだけど。こんな反撃があるものか。
「…っ」
「鏡の中から…フランドール様が…!?」
「ぁあら…私、こんなとこにあったのね」
「僕、なんだ」
「ダメじゃない。フランドールなんだから。衝動に身を任せないと」
咲夜を下がらせる。僕が何をしたというのか…とにかく再生。僕が出てきたことで、まあここで対戦することが確定だが…僕に僕が殺せるかな。どう見ても狂気の向こう側な顔をしているんだぞ。
「姉さんレベルじゃなきゃ、話にもならない」
「アレを慕ってるのねぇ。信じられない。私ながら」
「…殺すわよ」
「勘違いしないで。殺されるのは、貴女なのよ!!」
蹴りを受け止める。それで、少しわかった。この僕、僕より小さい。成長魔法なんか使わずに育ったような背の高さしてる。多分、姉さんと大して変わらない感じ。何度殴っても気にしないところは…嫌な奴だなぁ。風見幽香みたいな僕だ。この僕なら、多分風見幽香も楽々だっただろう。
「っ!」
「姿を変えても、意味はないの」
手のひらが丸まっていく。僕と同じ能力なら、僕は死ぬ。手のひらを蹴り上げて握り潰すのを中止させる。
「禁忌『レーヴァテイン』」
「はぁ!?」
よくわからない剣!?ちょっと切られちゃった。腕3本で止めてもまだ熱くてきつい。でも、切られても切り傷程度。これなら行けるはず。
「鏡に帰れ!」
「っ」
残った3本で殴りつける。そこから追撃。頭目掛けて腕を振り下ろす。まるで子供の喧嘩のような殴り方。でも仕方ない、僕はそれ以外だと派手に動く喧嘩しか知らない。あの僕も、紅魔館からは出てこないだろうし。
「僕の問題として、殺して良いかってところだよねぇ」
「問題ないんじゃない?」
「っ、フランドール!!」
「何が起こってるの!?」
「姉さん、パチュリー!」
「邪魔ばっか入るのねぇ」
相手の変な剣はまだ残ってるけど、これに対抗する魔法…いくつかあるけど!それでもあの剣は燃えてるからなぁ。確信が持てないので駄目だ。そのために時間を作るのも、それをやるくらいなら肉弾戦の方が早い。それに、魔法ならパチュリーだろうし。
「神槍『スピア・ザ・グングニル』」
「!?」
「ここで出さないで」
「デカい槍ねぇ。邪魔」
「は?」
姉さんの変な槍が一瞬にして潰された。その隙にパチュリーが魔法を放つ。僕もついでに魔力砲で牽制しつつ殴りに行く。姉さんも槍がこわされたので殴り合いに移行したようだ。強化魔法をかけ、さらに強く叩く。…そろそろ倒れなきゃ、やばいかもなぁ。とか思ってたら、吹き飛ばされた。
「私の知ってるレミリアより、随分と弱いわね。そこの私のせい?」
「ええ。そこのフランドールのおかげで私はここまで強くなったのよ」
「悪魔の妹でしょ?」
「自慢の妹よ」
なんと、僕を抜きにして争っている。なんともな感じだ。鏡の僕を蹴り上げ、姉さんの槍が鏡の僕を貫く。パチュリーが如何様な魔法の応用か知らないけど、フランドールを魔法で捕える。
「この魔法も…私が知るより下ね」
「それで良いの。フランドール」
鏡の僕に見えるモノを、僕の手で握る。6本の腕で思いっきり潰す。身体強化もつけて念入りに潰す。鏡の僕から血が噴き出すが、僕からは噴き出さない。つまりは鏡の僕を殺しても何もない。ならマジの全力で。ぐぐっと!
「っ」
「苦しいでしょ。味わったことないけど」
「そんなに大事に抱えてちゃ、六本の腕の利点がないわ」
「いやパチュリー、今そういうの良いから」
「神槍『スピア・ザ・グングニル』。私も、姉として妹を守らなきゃ、ね」
「なんで二人とも保護者みたいな顔してるの?」
そのままグングニルとやらが鏡の僕に刺さる。すると、手に持っていたモノが潰れそのままフランドールと一緒に破壊された。ふぅむ。
「鏡の僕強い」
「鏡の中の私、いるのかしら」
「鏡の中はこっちの私たちより強いみたいだし、強くなりたければ良いんじゃない?」
「…フランドール。早くその異形化解きなさい」
フランドール「なにこいつしらん」
パチュリー「鏡の中の世界?存在するわけないでしょ」
レミリア「存在したら楽しそうじゃない?」