僕はフランドール   作:覚め

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M-1グランプリにて━
フランドール「僕が三人分になります!」
へカーティア「ダメーー!!」


僕たちはフランドール。

「…鏡って言っても、あれが僕の初めてだからなぁ」

 

「そういうこと言わないの」

 

ご飯を食べながら話していると、そんなことを言われた。が。正直言って白米が机に落ちてるのがダサい。そんな姉さん見たくなかった。鏡の私と戦ってた時は格好良かったのに、なー、鏡の私ー。ミラーのミー。いかん、これだとドレミの歌になる。音楽なんて好きでもないのに。

 

「美鈴、どうしたの?」

 

「━っ!」

 

少し息を切らしつつ出てきた美鈴が、僕を見るなりに殴り飛ばしてきた。ありゃ、そんなに出来損ないだったかな。ぼくとしては…かなり痛い。下手して館の外にいたらどうするんだ。危うくなくとも日に焼けて死ぬぞ。

 

「美鈴!?」

 

「お嬢様、お下がりください!」

 

「な、なんでよ?」

 

「…フランドール様、ではないですよね?」

 

「は?」

 

何を言うか。正真正銘フランドールなのだが。何か最近僕が変わったことあったか?…鏡の僕殺したことが原因?ミラーミーが原因?うっわ、ミラーミー何してくれてんの。

 

「フランドール様ではない気を感じます…何か、破綻している気です」

 

どうやら僕は、何処か破綻しているらしい。

 

「先日感じた、鏡のフランドール様と同じ気です」

 

あれ、おかしいな。僕は動いてないのに、僕が目の前に。一体なぜ。…乗っ取られた?それが正しい判断なら、僕は、多分元に戻れることは望めない。転生があるんだから、こういうこともあるよね。ま、しゃーない、ってやつで。…ん?あれ、僕の体もあるな??

 

「二つに分かれました。いつものフランドール様と、鏡のフランドール様の二つです」

 

「鏡の私じゃない。私は私よ」

 

「何それ。もう一回、私は私と戦うの?」

 

「…厳密に言えば、違う。貴女、姿を変えた時に脳も増えてるでしょ。その脳が私」

 

「じゃあ、あと一人いるの?」

 

「さあ?もう一人は、自立してるかも怪しいわ」

 

さて。完全に僕が置いていかれたわけだが。僕達の話から判断すれば、どうやら魔法の副作用…のようなもの?らしい。つまり多重人格。良いね?まあそういうわけだから。僕としては…うん。何一つ喋らない口が二つもあるなら、喋って欲しいけど。そうかぁ、僕の使う異形の魔法は分身するのかぁ

 

「どうにも、厄介だなぁ」

 

「私はフランドールを守るための頭。言い方を変えれば、一番好戦的なフランドール」

 

「僕は元のフランドールだね。オールドフランドール」

 

「私は…なんだろ?わかんない」

 

「自分の使命もわからない脳みそなんて。自律してないも同然ね」

 

「ふ、フランドールが…」

 

「増えた…!?」

 

「後!私のことを鏡の私って呼ぶのやめて。鏡の私に触発されて出てきただけの、フランドール本人!」

 

「君は?」

 

「みんな出払ったから、出てきた」

 

…なるほど。寝ている間にうなされていたのはこういうことか。確かに、脳みそ三つに増やして何か問題ないか気にはなっていた。統合しても、それはつまり統合する前があるというわけで。素材の味は出るよねって。ん?ということは、今異形の魔法を使えばこの二人はどうなる?僕の中に戻るのか、そもそも出来ないのか…

 

「出来ないわ。」

 

「だよねぇ」

 

「フランドール」

 

「何?」

 

「何、レプリカ」

 

「…美鈴に説明して」

 

「見て分かれ。部屋に戻りましょ」

 

「あ、待って僕!」

 

「私を置いていかないで〜」

 

…ようは、あの魔法の行き着く先が分裂だったらしい。とある女神の話を聞かされてもよくわからん。本の内容を理解はしても、覚えてるかどうかは別なのだ。使い方以外は完全に忘れてる。うーん、本当にわからない。僕なりに要約してみる。今は昔の、すんごい強かった女神がいた。その女神はかなり強く、古くから存在する者ほどその女神に敬意を払うのだとか。そんな女神の魔法の一つに、三体に分身するという魔法がある。らしい。

 

「つまり?」

 

「これは、私…いや、フランドールがその女神に近付きつつあるってこと」

 

「なるほど」

 

「私たちとしては、今回出てきたのは鏡のフランドールが原因。ていうか、アレ自体に大した意味はないのよ。別世界の自分が、顔を見せに来たと思って」

 

「僕が僕に説明するなんて」

 

「…わからない方が良いんじゃない?」

 

「それもそうよねぇ」

 

「どういうこと?」

 

「私達はフランドール。それだけわかってれば良いのよ」

 

「でも、呼び名がないのは辛くない?」

 

「あ、確かに」

 

「…待って。せーので言おう」

 

せーの。その掛け声の後には、僕が名前をわける方法。好戦的な僕が渾名などで決める方法。よく分からない僕が、役割に応じた名前で決める方法。うーん、よくわからない。とりあえずそれぞれの分け方で、それぞれに名前をつけようということになった。

 

「…じゃ、僕から」

 

「酷いネーミングセンスだからなぁ」

 

「フランドールの六文字を」

 

「却下」

 

「私も」

 

「なんでさ…」

 

「最悪、ンーって名前が生まれるから」

 

「じゃあ、好戦的な僕はどうなのさ」

 

「…ふん。ネーミングダサミー、略してダサミー。これが本体」

 

「えっ」

 

だ、ダサミーって言った?本体への媚とかないんだ。じゃあ新しい僕、作っちゃおうかなぁ〜!?これ少しキモイな。主に言動。僕としては君たちはいつ戻るのさって感じだけど、それ以上に本体派のリスペクトがない。本の上で寝なかったら君たち生まれてなかったんだぞ。リスペクトしろ。

 

「私が縁の下の力、略してエンチカ。何もわからないのが無能立役者、略してタテノ」

 

「アイデアは評価する。却下」

 

「はぁ!?」

 

「私、行きます。本体が生きなきゃダメなことから、ダコ」

 

「…ことまで入ってるんだ」

 

「次、好戦的な私。えーと…うん、門番のような役割から、ウモウ」

 

「文字とってるだけだよね??」

 

「それで私が、自分探しをすることから、ジサ!」

 

「どーすんだ本体。本体のネーミングセンスの問題だぞ。」

 

「…問題点、ね」




フランドールとなぜ呼ばれるのか。
→尊敬されてるから
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