なんだか、最近は好戦的な人と出会うことが多い。この人は、誰だろうか。個人?それともただ遊びに来ただけ?組織?秘密結社だったり?…はぁ。嫌だな、ちょっと。僕としては戦いとか嫌いだし。しかも、それが僕より強い奴とかそういう奴。更に言えば、勝手にキレてる奴。目の前にいる八雲紫とか。
「私のストレス発散になってくれる?」
「僕は物じゃないんだけどっ!?」
僕が生まれた時代を、前世の400年前…今が大体100年とか前…ん?あれ、わかんないや。でも大体1900年代か。うん。馬車とか、普通に現役だと思うのだけども、僕はその馬車に突撃されまくっている。
「あた、あたた」
「ふん」
魔法で異形に。そういえば、どうやったら3人に分かれることができるんだ?あーでも、一人の方がこっちの方は適してるか。よし、三百六十度全部見える。馬車を受け止めて、ちょ、何個も押し付けてこないで!?
「このっ!」
「誰が反撃なんて許したの?」
「うわっ」
物を押し返したら、腕が変な空間に吸い込まれて、そのまま空間の入り口ごと閉じ切られた。そんな襖みたいに閉める物なんだね、空間って。知らなかったよ、知る必要もなかったけど。再生はするけど、それでもきついんだから。痛いし。
「これじゃ更年期障害じゃない」
「は?今なんて言った?」
「あらこわぁい。そんな時は逃げ回らなきゃ!」
出てきて僕!ラフ、ルー!!
「よいしょ」
「よっこい」
「魔法生物…!?いや、まさか、分身?」
ルーの足を掴んで、八雲紫に投げる。姉さんと鏡の僕を見ていて気付いたのだが、別に武器を使っても良いのだ。その武器が僕なだけで、そんなに違いはないんだ。多分。恐らくね。僕の武器も作って良いんだけど、大変だし。大きい武器は嫌いだし。
「だからって自分を投げるとは」
「ふぅー…じゃ、暴れて良いってわけね!!」
「私もー!」
「僕が本体なんだけど?」
「私のストレス発散、よね?」
殴られる。僕が。八雲紫に。結構その場から離れるけど、そっちの方がいい。僕が離れれば離れるほどラフとルーの実力が出る。はず。ルーの言い分であればそのはずだ。知能が下がっていくとも言うが、それはまあ、うん。
「さて…姉さんのパチモンだけど、まあ出来は良いでしょ」
なんて言ったっけ。レーヴァティン?レーバティン?まあ、名前はどっちでも良いんだ。大事なのは中身。よし、投げよう。
「投げ方はこう?こうだったかな」
「フランドール様?」
「あら、美鈴」
「…分身して戦っておられるのですか。となれば、相手は」
「八雲紫ね。ふんっ」
思いっきり投げ飛ばす。その槍にひょいと乗って行きたいが、無理。なので、素早く走っていく。飛ぶより体力使わないし速いから良いよね。と、八雲紫に辿り着いた。槍より早く。槍に合わせるように八雲紫を誘導するか。いやでも、僕そもそも槍がどこに落ちるかわかんないわ。
「あら、本体のお帰り?ずいぶっ」
「意外と策士ね、ドン」
「僕はただ姉さんの真似しただけ。ルー!」
ルーが手のひらを丸める。そのまま感触を確かめるように何回かニギニギしたあと、思いっきり握る。強化魔法をいくつか与えて強化。更に、八雲紫に3本の棒を刺す。木の棒でも貫かれれば痛かろう。
「っぁ…このっ!」
へし折って出てきやがった。あー、全然余裕だったっぽいね。僕は痛くて暴れた挙句に取れると思うけど。
「ふんっ!」
「させないわよ」
「っ!?」
「ラフ!」
「退けー!」
ラフが八雲紫を蹴る。多少は揺らいでも、かな。レーヴァティンでどついてみるが、全然。反応しないというより、なんか、感触が変。僕が思っているよりも大きくどつけたと思ったのだけど、全然だ。
「となれば、これよね」
「ええ、そうね」
「せーの!」
「!?」
魔力砲。しかも3方向だ。顔面にモロで、ダメージなしだったら人間を盾にしながらサンドバッグの移転先を提案するしかあるまい。さて、動きはないが、どうだろうか?
「…」
「おっと」
倒れそうになる八雲紫を支える。が、体格差でちょっと受け止めきれない。もう一人に反対側を支えさせる。よし、これで十分だ、帰って寝よう。美鈴に八雲紫を任せて、そのまま寝る以外に道がないな。まあ良いか。それはそれとして、だ。美鈴に任せて良いのかな、八雲紫って。起きたら暴れ始めたりしないよね?
「美鈴、よろしく!」
「あ、ええ!?…え、わ、綺麗」
「じゃー、寝るから」
「…は、はぁ」
館の中に戻る…あれ、そういえば、どれくらい壊したっけ。見上げたら天井の二割程度が吹っ飛んでいた。あー、そうだ。寝てたら棺ごと殴り上げられて大変だったんだ。ま、そもそも壊れるように殴り上げた八雲紫が悪い。僕は悪くない。八雲藍に謝罪させた方が良いかな?
「回収だ」
「謝罪してくれる?」
「私の口ではなく、紫様の口から謝らせた方が良かろう」
「それもそうだけど。建築者からあーだこーだ言われたくないから、来てくれる?」
「…なるほど。わかった」
と言うわけでパチュリーに二人で謝りに行くことにした。驚いたな、八雲藍はこういう時に『知らん』とか言って終わりそうだけど。主人の粗相は胸張って始末するタイプの人間?汚いなあ。そういう人間なら問題ないけど。まあ主人がこれだし、まあしょうがないか。
「すいませんでした」
「材料などはこちらで用意する。後日、紫様の謝罪と共に持ってこよう」
「…ああ、だから、空があんなにも青いのね」
「姉さんが返事しないでよ」
「はあ…まあ、それで手は打つわ。」
フランドール「僕は悪くないよね!ね!?」
レミリア「それは、そうだけど」
咲夜「…呼んでくだされば、首をとりに行きましたのに」
美鈴「私も加勢はしたのになぁ」
パチュリー「次、八雲紫が出たら警報を鳴らせましょうか」