僕はフランドール   作:覚め

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月夜に浮かぶは陰



朽ちぬは黒

「…明日って、満月?」

 

「そうですね。今日の月なら、明日には」

 

満月は人をおかしくする…なんて言葉もあった。僕は満月を見上げて食べる団子が好きだけどね!!まあ月見泥棒なんてものもあるんだから、おかしくはなるか。妖精が来ることに備えた方が良いかなぁ…まて、妖精はそもそも月見泥棒を知ってるのか?あいつら美味しそうだから奪うとかやりそうだわ。

 

「フランゴーレムは便利ですね」

 

「美鈴…風呂入って寝るのが今の貴女の仕事よ」

 

「咲夜さんは?」

 

「姉さんが眠ったあとに寝てるから、まだ少し起きてるかな」

 

「へーぇ。ちなみに私今からお風呂なんで、一緒に入りませんか?」

 

「吸血鬼は流水が弱点なんだけと?」

 

こりゃ失敬、と軽く会釈をして美鈴は風呂場へと行った。ちなみにだが…ウチの風呂場は何故か男と女で別れている。女しかいない紅魔館で男の風呂場を作るのは…パチュリーがやってくれたことではあるのだが…うーん。咲夜に彼氏ができた時用、と捉えると。結婚するなら嫁入りしなさいと勧めるつもりなんだけどな。

 

「魔法の森行ってくる」

 

「こんな夜にですか?」

 

「吸血鬼は夜が活動時間よ。それじゃ」

 

目的地は霧雨魔理沙宅である。この前誘われてたから、まあいつ行っても良いだろう。文句を言われたらこっちも言い返してやる。お前も無断で侵入してるだろ、と。咲夜とパチュリーが歓迎してるからいつも追い出さないだけで。フランゴーレムの貸し出しだけはダメだ。ぜっったいに。

 

「おいおい、今来るのかよ」

 

「良いでしょ別に。それで?星空なんか見てどうしたのよ」

 

「…まあ、良いか。私の弾幕は星空を参考にしててな?」

 

「マスタースパークは花がモチーフだけどね」

 

「知ってるのか?」

 

「知ってるも何も。二回も戦わされた相手よ」

 

「そりゃ災難だったな。私は今新しい弾幕をどうにかして思いつかないかって考えてるんだよ」

 

「弾幕ねぇ…僕はいつもその場で作ってるなぁ」

 

「いつか堕ちるぜ?」

 

そもそも人間が関わらなければゴリゴリの殴り合いなんだよ、と反抗。そしたらまあ、これからの戦闘には魔理沙が加わることを宣言された。強制的に弾幕ごっこを強いられるらしい…何故だ。何故そんな、戦闘漫画のヒロインみたいなことを言うのか。魔理沙にヒロインは似合わない。負けヒロインが似合う。

 

「お前の異形化ってやつもどっかで研究したいけどな!」

 

「僕の異形化はなぁ…人間じゃ無理だね。パチュリーにも気持ち悪い術式って言われたから」

 

「そりゃ多分別の意味じゃないか?」

 

「…そう?」

 

僕としては。魔理沙の方が気持ち悪いと思うよ。マスパを人間が何回も撃つなんて、おかしいにも程がある。威力も…本物と比べると、なだけで十分ある。弾幕ごっこにもガチの戦闘にも使える魔法。いやほんとおかしいなこの人間…僕だって結構努力してここにいるのに…例えば200年眠るとか。

 

「お前の能力は良いよなあ。本の封印を解かなくても理解できるんだろ?」

 

「人間が使ったなら、まず命はないわ」

 

「そんなにか?」

 

「僕はそれで200年も眠りの姫やってたからね」

 

「なんでだ?」

 

「知らないよ。姉さん曰くだけど、本の量によって寝る時間変わるんじゃない?」

 

なんでも破壊する能力よりは随分と良い能力だとは思うけど。なんだこれと思ったら破壊する為の物でしたとか、洒落にならないし。実際それで実家潰したし。僕には大きすぎる力です。魔理沙はそんな力も楽しく使いそうだけど。羨ましい性格と頭だ。柔らかいんだろうなぁ。

 

「おいおい、吸うなよ」

 

「…吸わないわ。そんな、貧相な身体の血なんか」

 

「あー?気にしてるんだからあんま言うなよ」

 

「違う」

 

「じゃあなんだよ?」

 

「痩せ気味なのは…ね。」

 

「そっちかよ」

 

その日は異形になって魔理沙の家で朝日を待った。魔理沙に膝枕をすることにはなったが、机の上にあったクッキーが美味しいので良いこととする。これは魔理沙作ではないらしい。咲夜の味付けでもない…なら、西洋の人間か妖怪がまだいると言うことか。…いたか?そんなの。

 

「ふぁあ」

 

「フランゴーレム。部屋の片付けはどう?」

 

手を挙げて答えられる。どうやら順調らしい。本を本棚に、よくわからないものは一緒の場所に。足の踏み場もないのは流石に厳しいんだ。魔理沙に何を言われようとも知らんぷり。フランゴーレムの足の裏が黒くなっているのを見てみろ。何故ここに住んでてくしゃみが出ないのさ?

 

「慣れたからだなぁ」

 

「何言ってんのよ…寝てる間もお母さんお母さんとか言ってうるさかったのよ」

 

「なっ」

 

「親離れ出来ないくせに一人暮らしするんじゃないわよ。大人しく…ん?」

 

「わ、忘れろ!良いか!?忘れろ!!」

 

「…僕が親代わりになろうか?魔理沙ちゃんはやんちゃですね〜」

 

「ば、この!」

 

紅魔館へ帰還。魔理沙には追い出された。魔理沙の年齢を考えれば、妥当な寝言だとは思うけどなぁ。本人のプライドとかもあるんだろうけど、甘えたければ誰かに甘えて良いのよ。博麗の巫女はダメね。適当にあしらわれて終わりよ。笑うくらいあっさりとね。

 

「…フランドール様」

 

「何?」

 

「あの、目…」

 

「あー、これ?この前の宴会で覚えたのよ」

 

「そ、そう言うものですかね…?」

 

「これだと博麗大結界見えてね。便利なんだけど、星とかが薄汚れたガラス越しに見た感じだから困り物よ」

 

「結界に薄汚れたとかあるんですね」




美鈴「フランドール様の目見てるとお酒飲んだかなって思うんですよ」
フランドール「そのまま酔拳でもやってなさい」
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