僕はフランドール   作:覚め

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鬼「俺が主役やったやろがい!!」
吸血鬼「まあまあ」


月の居ぬ間に

「ぅあ?」

 

「はぁっ…ぁ…」

 

手を伸ばす。何かを裂いて飛び出す。血に塗れた身体が、僕を見つめる。どうやら毒の効果が切れたらしい。僕の周りには大量の僕。あれ、僕って三人が限度じゃないの?ラフとルーは?あの二人はどこにいる?あの二人から聞くのが一番なのに、僕が多すぎてわからない。

 

「ラフ!ルー!!」

 

「こっちだよ」

 

「うわびっくりした」

 

「ま、私だけ。どっちかわかる?」

 

「その態度はラフでしょ」

 

どうにも。僕はラフとルーを生み出して戦っていたらしい。ラフとルーに毒の効果はなかったが、ルーが矢鱈と分裂しまくったらしい。つまり、今いる大量の僕は大量のルーということ。じゃあ僕もできるのかと言えば出来ないという。ルーは自分で自分の限界を壊すのが得意な子だと、ラフから聞かされた。

 

「全部が全部、私達と同じくらいの力。その分の代償はもちろんある。ルーの場合、ルー自身の自我が消えちゃったの」

 

後ろを見ると、咲夜達。霧雨魔理沙はどうやら出てきていないが、あの場にいた者達が出てきているらしかった。はて、僕自身どうやってここまで来たのか。よくわからないなぁ

 

「ねえ、ここ、開けてみて」

 

「ここ?」

 

ラフに進められるがままに、変な壁を開ける。開けたら、大層美人な女がいた。このにおいは…人間ではない。あの赤青もおそらくはそう。赤青とこの女、どちらも人間に近しい何かである。だがこの女がなんなのか。

 

「ラフ、これは何?」

 

「ぜーんぶ話しちゃうと…あの赤青は、この姫様を守る為に働いたの。その結果が月に出てるってわけ」

 

「あら、よく分かってるのね」

 

「あの赤青は死なないわ。なら、このお姫様から説得させるしかないの」

 

「それで、私をどう説得するの?」

 

「何度でも殺すわ。その度に叫んでもらえる?」

 

「野蛮ね」

 

だがあのお姫様が赤青よら強かったら。話は別だ…が。そんなことを考えても意味はないので。初手魔力砲。そこからフランゴーレム3体で追撃。ラフが歯をくり抜き、投げつける。それ大丈夫?僕の歯に同じこと起きないよね?投げつけた歯が爆破する、それマジで良いの?食べてる間に爆発しないよね??

 

「破壊できないんだからさぁ」

 

「痛みで攻めるだけよ!!」

 

背中を思い切り叩く。これはかなり痛いはずだ。その証拠に、随分と背中を触ろうとしている。そこへ更にもう一ビンタ。痛みで攻めるならこれ以外ない。あとは縛っておくくらいしかないけど…

 

「ドンのやってることよりも丸焼きでしょ」

 

「熱っ!?」

 

「焼きながら叩いたらどうかしら」

 

「高速で回して吐かせるの!」

 

「き、鬼畜〜!」

 

何度目かのビンタで気付く。手に衣類の破片がついている。つまりこいつ…回すのを止めさせるとわかる。背中の服が破けてる…重ね着をしているからまだ肌はさらされていないがそれでも晒されていないだけ。ならばこそ、肉を抉るような力で叩きまくって火炙りするのが良かろう。

 

「っだあ!!」

 

「いつもより多く回っておりまーす!!」

 

「ゔぇっ、ぅっぁ」

 

後はどんなことをしようか。回転と火を止めさせ、今一度聞く。あの赤青を説得して異変を終わらせないですかね。僕が嫌い?それは知らない。承諾が得られなければ火を強くしていくとも言った。背中は熱く、腹は氷結魔法で冷やしてやるとも言った。これはね、お腹が本当にキツくなる。僕はそれでトイレに篭ったからわかるんだ。

 

「ぐっぅ…分かったわよ、説得してくるから、あの大量の貴女達をなんとかして」

 

「はいはーい」

 

「もうなんとかしたよ」

 

「ラフは仕事が早いね〜」

 

ラフもしまう。お姫様を担いで行き、赤青の前へ。ルーは元に戻れるだろうか。肩で息をする赤青の前に、かなり全身が赤いお姫様を置く。もしこれでいうことを聞かなかったら。無論全員殺すわけだが。死ぬまで。フランドールを増やしまくってフランゴーレムを使って全自動首捻り機を作る所存だ。

 

「永琳。もうやめよ」

 

「ひ、姫様…」

 

「そもそもここって、大きい結界の中なんですって。外からついてる蓋に、下側から蓋しても意味ないらしいわ」

 

「なんと、まあ」

 

「そ。だからもう終わり。良い刺激にもなったけと、終わらないと私が何かに目覚めそうだし。やめましょうか」

 

「…姫が、そう仰るなら」

 

「どーでも良いけど。ブレザーのウサギは助けた方が良いよ。僕結構虐めた記憶あるし」

 

「うどんげ…」

 

さて、と。適当に椅子を引っ張り座る。気付けば咲夜はいなかった。博麗の巫女はいるけど。八雲紫も。よくわからない奴も消えてた。まあ霧雨魔理沙の知り合いならそっちを見に行ったんだろう。しかし。今回の異変は何だか達成感があると思ったのに、一切ない。

 

「フランドール」

 

「何よ、姉さん」

 

「お疲れ様」

 

「…あのねえ。姿形が僕より年上なら癒されるけど。僕より年下の姿じゃん。」

 

「んなっ」

 

「僕に子供の頃に戻れって言うなら、姉さんがもっと頼り強くなってもらわないと」

 

「なんですって…!?」

 

「お、お嬢様!」

 

「魔法教えようか?パチュリーか、小悪魔か、僕。それともかけられる方がいい?」

 

「もう一度言ってみなさい!!」

 

腕が取れた。が、こちらも上半身を猛スピードで捻って緊急脱出。バタバタするのは情けないけど、手足を再生する。姉さんの弱点はそのメンタルと強さくらいかな。僕と同じくらいになれば一応強さは並ぶとは思うんだけどなぁ。

 

「僕に勝てると思ってるなら、驕りがすぎるよ」

 

「やってみなさい!!」




八雲紫「やめなさい(ガチギレ)」
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