出来てよかった
「フランドール様、朝食です!」
「ありがと」
「…」
「咲夜、ねえ咲夜ってば」
出されたのは
「えぇ!?元から食パン!?」
「美鈴は知らないでしょうけどね」
「つ、次からは!」
「あと」
「?」
「
「ああ、ラー油ですね。」
ラー油か。辛いのは良いんだよ。でも、豆乳の見た目から辛さが出てくるのはおかしくないか。僕の味覚が鋭いから?うーん。それはあり得る。人間の血を選り好みする奴もいるし。まあそんな味覚に合わせるのは無理か。でもパンを浸して食べるには美味しい。
「な、なんですか咲夜さん」
「美鈴…門番は?」
「先日ですね、フランドール様にメイドをしろと言われました!」
「えっ」
「代わりには大量のフランゴーレムがいるから安心よ」
「…伝え忘れてた」
姉さんの失態らしかった。しかし、それだけで何を動揺するのか。何かあったっけな。朝食に知らない食べ物が出てきて驚いているのかな。おかしいな、咲夜が小さい頃良く食べてたはずだけど。朝食がこれだったかは別としてだけどね。あー、炒飯以外あまり食べさせてなかったかな…
「え、あ、あ」
「咲夜どうしたの、ちょ、紅茶が溢れてるって」
「あ、すみません」
「調子でも悪いの?」
「あー。いや多分そういう話では…まあ調子が悪いのは事実か」
「よく分かってるじゃない。貴女の頭に刺すナイフが増えないことを祈るわ」
「え、門番に逆戻りってあるんですか?」
「…手っ取り早く毒でも盛れば良いのよ」
じゃあないですねと安心してどこかへ去る美鈴を見送り、フランゴーレムを呼ぶ。ベロを引っこ抜いてフランゴーレムに持たせる。処分を命じてベロを治す。普通に辛かった。我ながらよく我慢できたと思うよ。絶対顔赤くなってると思ったからね。それくらい辛かった。
「ふー…」
「フランドール…」
「まさか、美鈴を責めないように…?」
「辛くてヒーヒーするなんて恥ずかしくない?」
「…」
なんで微妙な感じになるんだか。まあ良いけど。良いけども。自室に戻ってフランゴーレムの改造…いやでもそろそろやれること尽きそうなんだよな。手を変形して凶器にしたり調理器具にしたけど、それ以上は…霧雨魔理沙のミニ八卦炉でも使わせようか。そうしたら戦力は…だめだ、館か危ない気がする。建築要員でも作るか。
「パチュリー」
「何?」
「紅魔館のちっちゃい模型の図面とかって作れる?」
「…作れないことはないけど、作ったのはもう二百年以上前のことだから…」
「お願いパチュリー!」
「いや、やらないとは言ってないのよ。それなりに時間がいるって話」
どうやら作ってくれるらしかった。ので、僕はフランゴーレムの調整に取り掛かる。もう一体フランゴーレムを作るのなら…模型だから、小さくはなるか。その模型が何分の一かで話が変わってくるけど。そこを考えてもその更に次、建築資材。…あ、これ2体必要じゃない?
「学習させる必要があるから、建築方向だけに…で、建築資材を作る方は魔力を発生させて…」
「測量を終えてきたわ。今から作る」
「ありがとパチュリー」
「フランドール様」
「美鈴は何?」
「仕事がないから落ち着かないんです!!」
「…紅茶を淹れる練習でもしときなさい」
「はい!」
パチュリーに聞いたら、凡そ600分の1と言われた。じゃあフランゴーレムも600分の…いや、無理か。狭い場所でも作業ができるようにするとなると、僕の半分くらいの身長になるか。資材の方は大きくして魔力を発生させるようにしないと。そういう魔法あったはずだけど…あー、確か命を捧げなきゃいけないんだっけ?
「妖怪も命よね」
「だからって60体も死体を連れ込まないで」
「これでようやく僕の10分の1だから嫌になるよね」
「それは貴女1人?それとも増えられる限界の話?」
「正真正銘僕1人の時かな」
僕よりも大きい、2メートルくらいのフランゴーレムが魔力を発生させ始める。うん、良い感じ。建築資材の魔法しかないけど、まあこれ以上は流石に…ね。小さいフランゴーレムも体内にスペースを開けて物を入れられるように。それこそ手の形を…とも思ったけどそもそも硬い素材にしてるので。簡単に壊しそうだし。
「よし、完成!」
「図面も出来た」
「じゃ…フランゴーレム(建築隊)、この図面通りの模型よろしく」
「…貴女、そんなの増やして何がしたいの?」
「独り立ち…いや、別荘を作ろうかなって。この模型を完璧に作れたら、まあ大体の家は作れるでしょ。」
そう言った後、美鈴が紅茶を淹れてくれた。紅茶を啜って首を傾げる。どこか中国を感じる…正確には、お茶…?いや、茶だけど。風味からして全然違う。どうしてだろう、今更日本のお茶が飲みたくなるような気がした。梅昆布茶とか。そういうのが飲みたい。でも買うには人里まで行かなければならないのか…
「和洋折衷ね」
「気付きましたか!私の持ってる茶葉で淹れたお茶と咲夜さんの持ってる茶葉で淹れたお茶を混ぜたんですよ!」
「割と好みよ」
「ちなみにお嬢様と咲夜さんからは不評でした」
「咲夜も?」
「はい…」
「完全に西洋の舌だったのね…」
これにて終わり。
変な終わり方したけど、そんなもん。