僕はフランドール   作:覚め

4 / 34
美鈴さんは多分、良い人だけど。
良い人だからこそ容赦はないと思う


何もせずに行きましょ

僕らは未だ歩いていた。ジパングと中国の間には船が出るはずで、やはりそれなら海沿いを歩けば良かったと後悔している。島を見てジパングだと騒いだ矢先にそれは台湾だった、なんてことはありえそうではあるのだが。地図で言えば、今は中国にすら入らないくらい、だろうか。

 

「…そこのお方」

 

「?」

 

「貴女達、人じゃありませんよね」

 

「そう。それが貴女に関係あるのかしら」

 

「いえ、関係はありません。通り魔のようなものですから」

 

見ず知らずのフードから手が伸びる。矛先は姉と従者。今は昼間だと言うのに、何故こんな好戦的な奴がいるのか。伸びる腕を足で踏みつける。姉と従者には逃げてもらうとしよう。さて、僕としてはこんなものが初めての戦いになるのだけども。前世の僕はどうだったかな。喧嘩とか、得意だったことはないのだが。

 

「いえね、申し訳ないですよ。そう思います」

 

「そう。じゃ、死んでも文句はないってこと?」

 

「や、やだなあ。私はお話がしたかったんです。」

 

そう言いながらも構えは解かないあたり。好戦的だ。僕が嫌うタイプではないのだが、敬語で構えられるとかなり嫌になる。強そうだし。

 

「私は、私より強い方を探しているんです。私の国では、人が多くても質が悪い。私より弱い者しかいなく━って、いきなりですか」

 

長ったらしい会話を聞くつもりはない。フードはそのままに、近くの日陰の場所へと逃げ込む。地形を崩し、強引にではあるが日陰を大きくする。さて、僕らのことが人間ではないと言うことがわかったのであれば、その判別方法があるはず。わかりやすく言えば、あいつも妖怪である事、だが。

 

「っと」

 

「あら」

 

「感が鋭いですね」

 

「…」

 

強いな。僕としては争い事は避けていきたいのだけど。目の前の通り魔はどうやらそうではないらしい。…まあ、一応聞いてはみるか。

 

「転生、信じてる?」

 

「転生?いえ、信じてなんかいないですよ。死んだら各々それまで。次があっても、身体を持ち越せないのなら意味はありません」

 

「そう」

 

石を二つ投げる。油断していたのか、割と容易く体を貫いた。その事実を受け入れられるまでに、急いで顔面に膝蹴り。影を出ないように、速度を落としきらないように旋回して脇腹を蹴り飛ばす。土煙が舞うけど、それでも土煙だけ。今のうちに逃げる事も考えたが、それは無理だろう。だから、少し別の路線で行くことにする。

 

「僕が勝ったら、私達に絶対服従。それが通り魔の条件」

 

「良いですよ。元よりそのつもりですし…って、ちょっと!?」

 

魔力があるならできるだろ、と魔力を放出する。指先から出すイメージでやったら、指が爛れてしまった。後、止められない。あ、止まった。ぶっつけ本番でやることではないかな。指の状態を確かめていると、通り魔が迫ってきた。迫り来る顔を蹴り上げ、口から魔力を放出。顎が外れそう。

 

「あー、あー。よし、声は出る」

 

「いった…そんな事、私にもできますよ!」

 

何に対抗してか、通り魔も魔力を放出してきた。…いや、魔力とは違うな。受け止めることはできないが、避けた場合影はどうなるか。角度をずらすくらいはできるだろうか。魔力砲を少し下からぶつける。…どうも、拮抗しているだけで変わりがないように見える。これは少しまずいか。

 

「ってりゃあ!!」

 

「っ…!」

 

仕方なく避けた。するとどうやら破壊力はなかったらしく。影は少し崩れただけで、僕は死ななかった。あー良かった。助かったー。ムカついたので、手で薙ぎ払うように魔力を放出する。どうにも僕は魔力放出に感して才能があるらしい。段々コツを掴んできた。何回か薙ぎ払うと、通り魔の悲鳴が聞こえなくなった。フードを被り、様子を見に行く。

 

「…どう?」

 

「あ、貴女…魔力尽きないんですか…?」

 

「ええ、そうよ。あのまま続けてても良かったけど、どうする?」

 

「…まさかこんな形で、参るとは」

 

そうと決まれば、さっさと姉を探す。と、通り魔がすんなりと見つけ出した。聞けばそう言うことに役立つ能力らしい。僕の破壊する能力のようなものかと聞けば、顔が青ざめていた。変な人である。

 

「い、いやぁ!まさか、そんな、私、即死するかもしれない相手に戦いを…うわぁ」

 

「さて、貴女もこのフードをかぶってもらうから」

 

「…旅の一団なんですか?」

 

「ただの放浪人。ジパング目指してるの」

 

「…あの方達も?」

 

「まあ、ね。姉さん、従者。新しい仲間だ」

 

「…通り魔なんですよね?」

 

「元です」

 

聞けば通り魔は、美鈴と言うらしい。メイリン…変な名前。でも美鈴はここら辺の人らしく。どうにもジパングへの行き方も知っているらしい。そもそもの出身地が僕らがまず目指していた場所らしい。中国…今はなんて言ったか。まあ覚えてないから良いか。

 

「こっちですよ皆さーん」

 

「はいはーい」

 

「…あの人、大丈夫なんですか?」

 

「フランドールが大丈夫と言うならそうなんでしょうね。」

 

「フランドール様は信頼されているのですね」

 

「少なくとも、私よりは大人ね。」

 

「レミリア様はお子様なんですか?」

 

「そもそも生まれた時からどこか大人っぽくはあったのよ。生まれた後に会いに行ったらもうあの姿だったから、赤ん坊の姿は似合わないわ」

 

美鈴に案内されると案外にもすんなりと進んで行った。なんとも、道案内がつくとめちゃくちゃ速い。僕としては助かるが…他の二人はどうだろうか。ここら辺の商品を買いたくはないのか。どこかで美鈴おすすめの料理屋でも尋ねて良いのだが。後、船で飢えないように人も吸いたい。

 

「…私も、実は…」

 

「決まりですね。この辺りで寝泊まりして、ご飯を食べましょうか。私、中華料理はよく作れるんですよ!」

 

「…通り魔なのに?」

 

「通り魔なのにねぇ」




と言うわけで捏造そのn。
通り魔美鈴概念。
捏造、数えてれば良かったかな。次回は船の上であんやこらします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。