終焉の大乱闘 〜ファイターたちの戦い〜   作:ホミキ

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マスターハンドのキャラ付けは完全オリジナルです。
ヨッシーはマリオ君ベース。
カービィは小説版を参考にしています。


掌中の狂宴

リンクとサムスは戦闘態勢を整えながらも、鋭い視線で周囲を見据えていた。空気は張り詰め、いつ何が起こるかわからない緊張感が漂っている。一方、ヨッシーとカービィはまるで場違いなほど呑気な態度で、マスターハンドに向かって抗議を続けていた。

ヨッシー「ちょっとちょっと…マスターハンドさん!話が違うじゃないですか!」

 

 ヨッシーが軽い調子でまくしたてる。

 

マスターハンド「黙れ…観客の食べ物を強奪するとは、何を考えているのか理解に苦しむ。」

 

 マスターハンドの声は低く、抑えきれぬ怒りが滲み出ていた。その巨大な手のひらがわずかに震え、威圧感を放っている。

するとカービィが、まるで子供のわがままを訴えるような口調で反論した。

カービィ「だって!ぼくがご飯を食べてたらいきなり闘技場にワープさせられたんだもん!まだお腹いっぱいになってなかったのに!」

マスターハンド「限度というものがあるだろう。確かに好きな食べ物を提供すると言ったが、戦闘という本来の役目を放棄して食事に没頭し、挙句に観客を襲うとはな。」

カービィ「そんな…じゃあぼくはこれからずっとお腹すいたままってこと!?」

 

ヨッシー「腹が減っては戦はできぬって言葉を知らないのですか!」

 トカゲとピンク玉は子供のようにはしゃぎながら喚き続けていたが、マスターハンドの苛立ちは隠しようもなく、その巨大な姿が不気味に揺らめく。

マスターハンド「君たちの問題は、戦いという本分を果たさないことだ。観客が楽しむために戦うべきなのに、それを放棄する者に奉仕するつもりはない。」

  

 その言葉は鋭く、重く響いた。

 サムスが鋭い眼光でマスターハンドを睨み、口を開く。

 

サムス「それが貴様が私たちの前に現れた理由か?」

 マスターハンドはゆっくりとうなずき、声に不気味な余裕を滲ませた。

 

マスターハンド「そうだ。戦いを放棄し、食事に夢中になり、観客を襲う始末だ。主催者である私が、この大会を正しい軌道に戻すために来たまでだ。」

リンク「オレはこの大会に参加するなんて一言も言ってない!勝手に連れてきておいて制御だと?ふざけるな!」

サムス「同意だ。私には無限の食事も叶えてほしい願いもない。今すぐ元の場所に戻せ。」

 

 マスターハンドは一瞬、言葉を止めた。

その沈黙は重く、まるで空気が固まるかのようだった。巨大な手が静かに浮かび、微動だにしないその姿は威圧的で、どこか不吉な気配を放っている。リンクとサムスは無意識に身構え息を呑んだ。マスターハンドの指先がピクリと動き、闘技場全体に冷たい風が吹き抜けるような錯覚を覚える。誰もが次の言葉を待つ中、その沈黙はさらに長く続き、不安と緊張が膨れ上がった。観客席からもざわめきが消え、ただマスターハンドの存在感だけが場を支配していた。

そして、ようやくマスターハンドが口を開いた。声は低く、抑揚を抑えた不気味な響きを帯びている。

 

マスターハンド「なるほど…リンクとサムスは戦いを拒み、ヨッシーとカービィは食事に執着しているか…面白い。いい案が浮かんだ。」

リンク「何を一人で喋って…」

 

 リンクの言葉を遮るように、マスターハンドがパチンッと指を鳴らした。瞬間、その姿が消え去る。

リンク「どこへ行った!」

サムス「リンク、あそこだ!」

 

 サムスが指さす先には放送室があり、マスターハンドがアナウンサーと何やら密談を交わしている姿が見えた。

 再び指を鳴らす音が響き、マスターハンドが目の前に現れる。その動きはあまりにも突然で、まるで空間を操る不気味な力を誇示しているかのようだった。

リンク「何をしたんだ!」

マスターハンド「時期にわかる」

 

 直後、マイクからアナウンサーの声が響き渡る。

 

アナウンサー「皆さん、安心してください!この混乱は我らがマスターハンドによる余興だったようです!」

 

アナウンサー「そしてこの余興はなんと!2対2の形式で試合を始めるサプライズだったのです!!」

 

「「「「ウォォォォォォォ!」」」」

リンク「は?2対2だって?」

アナウンサー「改めて選手紹介とチーム発表!ハイラルの勇者リンクと宇宙最強の戦士サムス・アランのチーム!」

アナウンサー「対するは、何でも噛み砕くヨースター島の珍獣、ヨッシー!!」

ヨッシー「誰が珍獣ですか!私はスーパードラゴンです!」

 

ヨッシーが抗議する。

 

アナウンサー「そしてタッグを組むのは、呆れるほど平和な星プププランドから来た食いしん坊、ピンクの悪魔カービィ!!」

カービィ「悪魔だなんてひどいよ!ぼく、結構可愛い顔してるよ!」

 

カービィがむくれる。

 

呑気に騒ぐ二人に対し、マスターハンドが不気味な笑みを浮かべて語りかける。

 

マスターハンド「ヨッシー、カービィ。先ほどの無礼は許してほしい。だが、これは観客を楽しませるためだ。理解してくれ。」

 

そして間髪入れず続ける。

 

マスターハンド「ただし、君たちがチームを組み、あの二人を倒せば、先ほど以上のご馳走を用意することを約束しよう。」

二匹の目がキラリと輝く。

 

ヨッシー「豪華なご馳走!?それって本当ですか!?」

 

マスターハンド「ああ、本当だ。リクエストはあるか?楽しみがあれば戦いに精が出るだろう。」

 

カービィ「何がいいかな~ケーキにラーメン、パフェ…お寿司もいいなぁ~」

マスターハンド「ああ、なんでも用意しよう。君たちが勝利した祝いだ。まずはこの戦いに集中して観客を楽しませてくれ。」

二人はうなずき、ゆっくりとリンクとサムスの方へ向き直る。

 

カービィ「じゃあこの人たちと戦えばいいんだね!よーし、僕頑張るよ!!」

 

リンク「待て!あいつの言葉を信じるのか!」

ヨッシー「えぇ、信じますとも。実際に大量のご馳走を用意してくれたんです。それともあなたも豪華なご馳走を狙ってるんですか?」

カービィ「えぇ!そんなのダメだよ!ご馳走は僕たちのものだもん!渡すもんか!」

リンク「駄目だ…話が通じない…」

 

サムス「仕方ない。戦うぞ。」

リンクは歯を食いしばり、ハイリアの盾とマスターソードを構える。

 

リンク「くそっ!やるしかないのか!」

 

マスターハンドが不気味に笑う。

 

マスターハンド「そうだ、それでいい。武運を祈る。」

 

そして空中に浮かび、轟くような声で宣言する。

 

マスターハンド「余興とはいえ混乱させてすまなかった。お詫びに、一人ずつ食べ物を振る舞おう。」

 

指を鳴らすと、観客の手元にホットスナックや飲み物が次々と現れる。

「さらばだ。」と告げ、マスターハンドは再び指を鳴らし、姿を消した。

 

リンク「奴はあんなこともできるのか…」

 

サムス「ああ…何よりあのテレポート。あれは厄介だ。」

ヨッシー「お取込み中失礼ですが、私たち、もうお腹と背中がくっつきそうなくらいお腹すいてるんで、そろそろ戦い始めましょう。」

その声に気付き、二人は目の前の二人に意識を向ける。

 

カービィ「よーっし!僕、絶対負けないからね!!」

 

カービィの無邪気な顔に、リンクとサムスは一層の違和感と警戒心を抱く。

 

サムス「気をつけろよ、リンク。」

リンク「ああ、わかってる。」

 

アナウンサー「さぁ、改めて試合開始です!リンク&サムスVSヨッシー&カービィ!」

「3」

「2」

「1」

「GO!!!」

戦いの火蓋が、再び切られた。

 

この状況で話し合うことは無意味だと悟ったリンクは、実力行使しかないと腹を決めた。一人で複数の敵と戦う経験は豊富だ。今回はサムスという頼もしい味方がいる分、さらに心強い。複数相手の戦いにはセオリーがある。それは一刻も早く数を減らすこと。つまりーーー

 

リンク「一番弱そうな奴を叩く!」

リンクはカービィを標的に定め、全速力で駆け出した。視界の端でサムスを確認すると、彼女も同じくカービィを狙い、右手から黄色に発行する球体の光線を放っていた。

リンク「でやっ!」

 

リンクがマスターソードを振り下ろす。

 

カービィ「うわぁ!」

 

カービィが素早く身をかわし、ピンクの体がふわりと浮く。だがリンクは予測済みだ。即座に剣を振り直し、追撃の間合いを詰める。

 

カービィ「えぇぇ!何で僕だけ狙うの!?」

 

カービィの声が響くが、リンクは冷静だ。サムスのビームがカービィの動きをさらに制限し、二人の連携が小柄な敵を徐々に追い詰めていく。

だがその瞬間、リンクの視界を緑の影が遮った。

ヨッシー「2対1なんて卑怯じゃないですか?ふんっ!」

リンク「うわぁ!」

 

強烈なヘッドバットがリンクの胸を直撃し、彼は地面に叩きつけられる。自称スーパードラゴンの名は伊達じゃない。その威力にリンクは一瞬息が詰まり、脳裏に「こいつ、やばい」と警鐘が鳴った。だが倒れたままでは終われない。顔を上げると、ヨッシーが常人離れした跳躍力で宙に舞い、リンクの真上に来ていた。空中で一回転し、尻を下にした急降下が始まる。

リンク(まずい!)

 

リンクは死の恐怖を感じた。あの質量と速度――直撃すれば粉砕は免れない。咄嗟にフックショットを手にし、壁へ向けて発射。鎖が唸りを上げ、リンクの体が一気に引き寄せられる。

ヨッシーが地面に激突した瞬間、衝撃波が闘技場を揺らし、リンクは壁にしがみつきながら冷や汗を流した。

 

リンク(あんなのをまともに受けたら…骨どころか紙のようにつぶされる…)

 

ヨッシーの実力を認めざるを得ない。

だがヨッシーはケロリとした顔で立ち上がった

 

ヨッシー「いやー、おしかった!当たると思ったんですけどねぇ、失敗失敗」

 

軽口を叩く。その余裕にリンクは苛立ちと同時に戦慄を覚えた。

ヨッシー「次は外しませんよ。」

 

ヨッシーが再びリンクへ突進を開始。だがその勢いは急に失速した。

 

ヨッシー「あれ?体が引っ張られて…うわ!」

 

叫びながら後方へ吹っ飛んだ。

リンクが目を凝らすと、ヨッシーの背中に鞭のような青い光線が絡みついている。視線を辿ると、サムスが右腕を構え、冷静に光線を操っていた。

サムス「リンク!この恐竜は私がやる!お前はさっきのやつを頼む!」

 

リンク「あぁ!助かる、サムス!」

 

リンクは即座に立ち上がり、カービィへ意識を切り替えた。サムスの判断の速さと正確さに舌を巻きつつ、彼女の実力を改めて認識する。

サムスはヨッシーに向き直り、淡々と言い放つ。

 

サムス「お前の相手は私だ。」

ヨッシーは土煙の中から悠然と立ち上がり、頭を振ってサムスを見据えた。

 

ヨッシー「いいでしょう。お手合わせ願いますよ!」

 

その瞳に宿る闘志に、サムスは一瞬だけ「侮れない」と感じた。




次回はサムスの回想とヨッシーとの戦闘まで書きます!
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