終焉の大乱闘 〜ファイターたちの戦い〜   作:ホミキ

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昨日から投稿できない日に、活動報告から次話と次章の進捗状況を書き始めました。
良かったらそちらも見てください!


帰る方法

マリオ「う…」

 

鈍く重い痛みが全身を包み込む中、マリオはゆっくりと瞼を押し上げた。普段、目を覚ます時は朝の陽光が容赦なく目に飛び込んできて、なかなか瞼を開けられないものだ。しかし今回は違った。薄暗い空間に身を置いているせいか、意外にもすんなりと目を開くことができた。まだ意識が朦朧とする中、マリオは自身の皮膚が何か冷たくひんやりとしたものに触れているのを感じた。それは石造りの床だろうか。ゴツゴツとした感触が手のひらに伝わり、湿った空気が鼻腔をくすぐる。ゆっくりと上体を起こし、周囲を見渡すと、視界に映るのは薄暗い石壁と鉄格子だった。

 

マリオ「ここは…牢獄?!」

 

視界が徐々に鮮明になり、頭が回り始めると同時に、状況の異常さに気づき始めた。自分がやったことといえば、ただ戦って負けただけだ。拘束される理由などどこにもない。これは明らかに監禁だ。そして、もう一つ重大な事実に気づく。

 

マリオ「パワーアップアイテムがない…!」

 

当然のように頼りにしていた最大の武器、パワーアップアイテムが一つも見当たらない。ポケットを探っても、オーバーオールの中を探っても、何も出てこない。間違いなく、これは誰かの意図的な仕業だと確信した。アイテムを奪われた事実は、マリオの心に冷たい不安を植え付けた。

 

だが、自身の危機よりも先に、ある人物の顔が脳裏に浮かんだ。

 

マリオ「ルイージ…!」

 

弟、ルイージのことが頭をよぎる。自分と同じ目に遭っているのかもしれない。それとも、もっと酷い状況に置かれているのではないか。ルイージの明るい笑顔が一瞬頭を過ぎり、すぐに不安に塗りつぶされる。

 

マリオ「こうしちゃいられない、早くここから出ないと!」

 

いてもたってもいられなくなったマリオは、勢いよく立ち上がり、腕を力一杯引き絞った。そして、全身の力を込めて目の前の鉄格子を殴りつけた。

 

マリオ「…っっっ!!」

 

だが、返ってきたのは鉄の硬さと冷たさ、そして拳を貫く鋭い痛みだけだった。あまりの痛さに思わず顔を歪め、反射的に手をぶんぶんと振って痛みを紛らわせようとする。鉄格子には傷一つなく、ただマリオの拳が赤く腫れ上がるだけだった。

 

マリオ「スーパーキノコさえあれば、こんな檻壊せるのに…」

 

ないものを嘆いても仕方ないとわかっていながら、つい口からこぼれてしまう言葉。痛みが徐々に引くのを待ちながら、マリオは冷たい石床にゆっくりと腰を下ろし、あぐらをかいた。深呼吸を一つして、心を落ち着かせる。

 

マリオ「しかたない、とりあえずどうするか考えよう」

 

マリオは再び立ち上がった。鉄格子に手をかけて、牢屋の外を見渡してみることにした。目の前に広がるのは、薄暗く湿った空間だった。牢屋は全部で四つ、二つずつ対になって配置されており、奥には細長い通路が続いている。石壁には苔が薄く生え、時折水滴がぽたりと落ちる音が響く。現状、捕まっているのは自分だけだ。まだ戦いが続いているのだろうか。通常なら警備員が目を光らせているはずだが、辺りを見回しても人の気配は一切ない。静寂が牢屋全体を包み込んでいた。

 

マリオ「ダメもとで助けを呼んでみるか?」

 

どうせ来るのは警備員だけだろうと半ば諦めつつも、念のため試してみることにした。肩をゆっくりと回し、凝りをほぐす。のけぞりながら大きく息を吸い込み、胸いっぱいに空気を溜めた。そして、勢いよく鉄格子にしがみつき、ありったけの力を振り絞って叫んだ。

 

マリオ「誰か!!助けてぇぇぇぇええっ!!!!!!!」

 

喉が震えるほどの大声が牢屋に響き渡るが、石壁に反響することなく、ただ虚しく虚空へと消えていく。叫び終わった後の無音が耳に刺さり、妙な虚しさが胸を締め付けた。何も起きず、誰かが来る気配もない。静寂が再び戻ってくるだけだった。

 

マリオ「そりゃそうだよな…」

 

ため息をつき、再び石床に腰を下ろした。冷たい床が体温を奪い、肩がわずかに震える。そんな時、遠くからかすかに騒がしい声が聞こえてきた。最初は耳鳴りかと思ったが、音は徐々に大きくなり、近づいてくる。幻聴ではない。マリオは急いで鉄格子にしがみつき、顔をできる限り外に突き出して通路の奥を覗き込んだ。すると、複数の足音が石床を叩く音が聞こえてきた。そして、その音の正体が姿を現し、自分の叫びが無駄ではなかったことを知る。

 

部屋に駆け込んできたのは、二足歩行で服を着た狐と、筋骨隆々な体躯に赤いヘルメットをかぶった大男、そして彼らを追う複数の剣を持った兵士たちだった。狐の毛皮は栗色で、動きに合わせてわずかに揺れ、鋭い目がマリオを捉えた瞬間、迷わずこちらへ走ってきた。牢屋の前に素早くしゃがみ込むと、手に握られた鍵束を取り出し、鍵穴に差し込み始めた。鍵はそれぞれ形が異なり、錆びたものから新しいものまで混ざっている。狐は急いで正しい鍵を探していた。

 

マリオ「君は一体…?」

 

狐「話は後です!今は逃げることだけを考えて!」

 

焦った声と共に、狐の手が鍵を一つずつ試す。ガチャリと音が鳴り、ついに鉄格子の扉が開いた。マリオは即座に飛び出し、自由を手に入れた瞬間、心臓が激しく鼓動する。だが、通路を進む間もなく、追ってきた兵士たちが大男によって足止めされていた。牢屋は一方通行であり、出口は兵士たちによって塞がれている。まさに囲まれた状況だ。兵士たちの甲冑が擦れ合う金属音と、剣を構える鋭い気配が空気を切り裂く。

 

そんな中、狐が懐から何かを取り出した。それは紛れもなくマリオのパワーアップアイテムだった。小さな袋に詰められたその姿を見て、マリオの目が見開く。

 

マリオ「そ、それは…!」

 

狐「やっぱり、これは貴方のものですね…」

 

狐は急いでパワーアップアイテムをマリオに押し付けるように手渡した。アイテムの感触が手に戻り、わずかに希望が灯る。

 

大男「全て相手にする時間はない、早くしろ」

 

大男の低い声が響き、マリオは急いでアイテムをオーバーオールのポケットにしまった。

 

その瞬間、兵士の一人が大男目掛けて剣を振り下ろした。刃が空を切り裂く音が響くが、大男は素早くしゃがみ込み、長い足を伸ばして兵士の足を払った。バランスを崩した兵士は後ろの仲間に支えられるが、狭い通路と密集した空間では少人数の方が有利だということを大男は熟知していた。倒れた兵士の甲冑が石床にぶつかり、鈍い音を立てる。

 

狐も戦いに加わり、剣を構える兵士たちに臆することなく、俊敏な動きで懐に飛び込んだ。軽快な身のこなしでバク宙をしながら兵士を高く蹴り上げた。足裏から伝わる衝撃が兵士の剣をへし折り、金属片が床に散らばるほどの威力だった。

 

マリオ(こいつら…強い…でも数が多すぎる…このままじゃダメだ)

 

マリオは頭をフル回転させた。考えに考え抜き、目の前の状況を打破する方法を探す。兵士たちの数は増える一方で、このままだと数に負けるのも時間の問題だと。そして、ふとあることに気づいた。密室で最も有効なアイテムを自分が持っていることを。

 

マリオは急いでオーバーオールのポケットから黒い花を取り出した。両手で力強く握りつぶすと、花から黒い粉が舞い上がり、マリオの服が一瞬にして漆黒に染まった。

 

フォックス「…!その姿は…?」

 

マリオ「痛いの嫌ならしゃがんでてっ!」

 

疑問を抱く二人を無視し、マリオはユーモアを交えて指示を出した。軽く手を上にかざすと、掌から黒いボールが現れた。表面がわずかに光を反射し、不気味なまでの存在感を放つ。

 

マリオはボールを兵士に直接投げるのではなく、少し斜めに地面に叩きつけるように投げた。ボールは石床に激しくぶつかり、跳ね返って最初の兵士の顔面に直撃。鈍い音と共に兵士が仰け反り、兜が床に転がる。ボールの勢いは止まらず、天井にぶつかり、次の兵士の頭上へと落ちた。そしてまた反射し、部屋中を跳ね回り始めた。壁以外では軌道を変えず、予測不能な動きで兵士たちを次々と薙ぎ倒していく。剣を振り上げようとした兵士、盾を構えた兵士、逃げ惑う兵士――誰もがボールの餌食となり、甲冑の破片や剣の欠片が床に散乱した。やがて、部屋に入っていた兵士たちは一人残らず倒れ、静寂が再び訪れた。

 

この黒い花はボールフラワーだ。使用するとボールマリオに変身し、一定時間、壁以外では軌道を変えずに進み続けるボールを生成できる。狭い空間ではまさに無敵の武器だった。

 

マリオ(やっぱり!この狭い場所ではボールが役に立つと思ったんだよなー!)

 

少しの達成感に浸りながら、マリオは満足げに息をついた。倒れた兵士たちの間に立ち、黒い服が薄暗い光の中で際立つ。

 

だが、その時、横から大男の声が響いた。

 

大男「愉悦に浸ってる所悪いが、加勢が来る」

 

遠くから新たな足音と甲冑の音が近づいてくる。まだ戦いは終わっていないのだ。

 

マリオ「あぁ、ごめん」

 

我に返り、マリオは姿勢を正した。

 

狐「とにかく今は走りましょう」

 

狐の言葉に頷き、三人は通路の奥へと走り出した。

 

3人は息も絶え絶えになりながら走り続け、いつの間にか暗い牢獄から外の世界へと出ていた。夕暮れの澄んだ空気が肺に染み渡り、久しぶりの自由を実感させる。それでも彼らは立ち止まることなく、追手を撒くために荒れた地形を駆け抜けていった。乾いた土が足音を吸収し、時折転がる小石が唯一の音を立てる。

 

彼らの背後からは時折追手の怒号が木霊するが、迷路のような起伏に富んだ地形を巧みに利用し、3人は追手を完全に振り切ることに成功していた。やがて声も足音も聞こえなくなり、周囲には荒野の静寂だけが広がっていた。

 

大男「ひとまず、落ち着いたようだな」

 

その声には疲労と安堵が混ざり合っていた。彼は近くにあった岩に背中を押し付け、体重を預けるようにして腰を下ろした。その仕草を見て、残りの二人も緊張の糸が切れたかのように岩場に座り込んだ。呼吸が整うまでしばらく沈黙が流れる。

 

マリオは汗で湿った前髪を拭いながら、顔には感謝の表情が浮かんでいる。

 

マリオ「助けてくれてありがとう。僕はマリオ。君たちは?」

 

マリオの問いかけに、狐のような姿をした男が応じた。

 

フォックス「俺はフォックス・マクラウド。コーネリア星系の遊撃隊、スターフォックスのリーダーをやっています。普段は宇宙船アーウィンのパイロットとして活動していました。」

 

フォックスは簡潔に自己紹介し、大柄な男の方に視線を向けた。

 

フォックス「それであそこにいる方が…」

 

言いかけたところで、大柄な男が立ち上がり、堂々とした姿勢で胸に拳を当てた。彼の筋肉質な体つきと青いボディスーツは、どこか超人的な印象を与える。

 

CF「キャプテン・ファルコンと呼んでくれ。F-ZEROグランプリのレーサーをしながら、賞金稼ぎ(バウンティーハンター)でもある。」

 

マリオは二人をじっくりと見つめ、微笑んだ。

 

マリオ「そうか、フォックスにファルコンか…よろしくな。」

 

マリオは立って歩く狐の姿を前にしても特に動揺した様子はなかった。彼の表情からは、むしろ何かを思い出しているような懐かしさが浮かんでいる。なぜならマリオは彼の元の世界で、クッパをはじめとする立って歩く巨大な亀や、話をする茸、動く雲など、ありとあらゆる不思議な生物たちと出会ってきたからだ。彼の人生においては、むしろこの程度の異形は日常だった。

 

一息ついたマリオは、ふと疑問が湧いてきたように首を傾げた。岩から少し身を乗り出し、フォックスの方へと視線を向ける。

 

マリオ「それにしても、牢屋の鍵はどこから手に入れたんだい?」

 

その問いに、フォックスは一層真剣な表情になり、耳をピンと立てた。彼の緑色の瞳が鋭く光る。

 

フォックス「渡されたんです。」

 

マリオ「渡された?」

 

マリオは眉をひそめ、さらに疑問を深めた。

 

マリオ「渡されたって、いったい誰が好き好んで牢獄の鍵を渡すなんてことをするんだい?」

 

マリオの言葉に、キャプテン・ファルコンが口を挟んできた。彼は腕を組み、低い声で説明を始めた。

 

CF「この世界の住人…メアリという名の女性からだ。」

 

マリオはさらに質問を重ねる。

 

マリオ「住人がなぜ僕らを助ける?そもそも僕らはなんでこの世界に連れてこられたんだ?」

 

マリオの声には焦りが混じっていた。

 

マリオ「あの格闘大会で敗北しただけなのに、なぜ捕らえられた?この格闘大会には何か裏の目的があるのではないのか?」

 

マリオの疑問は決して些細なものではなかった。彼は自分の世界で突如として招待状を受け取り、格闘大会に参加したものの、気づけば見知らぬ世界の牢獄に閉じ込められていた。その謎めいた状況に、誰もが疑問を抱くだろう。

 

フォックスは静かに息を吸い込み、マリオの目をまっすぐに見つめた。彼の声は冷静だったが、その言葉の重みは空気を凍りつかせるようだった。

 

フォックス「奴らの目的は戦力補強です。」

 

マリオはその言葉を聞いて、顔色が変わった。彼の青い目が恐怖で見開かれ、声が震えている。

 

マリオ「戦力補強って…まさか戦争にでも出されるっていうのか!?」

 

CF「察しがいいじゃないか、その通りだ。」

 

マリオは冷や汗を流しながら、急に立ち上がった。彼の全身が緊張で強張っている。

 

マリオ「冗談じゃない…僕だけならまだしも、大切な弟もこの世界に来ているんだ…!こうしちゃいられない!」

 

マリオが突然身を翻し、来た方向へ走り出そうとしたとき、キャプテン・ファルコンが彼の腕を掴んだ。

 

CF「おい…どこへ行く?」

 

マリオ「牢獄に戻るんだ…!もしかしたら弟が取り残されているかもしれない…!」

 

マリオの瞳には決意が燃えていた。しかしフォックスが冷静な口調で制止する。彼はマリオの前に立ち、両手を肩に置いた。

 

フォックス「落ち着いてください、マリオさん。俺達が探索した範囲では、貴方の弟らしき人物は見つかりませんでした。」

 

マリオ「かといってまだ戦っている最中だっただけかもしれないだろ?!」

 

フォックスは深く息を吐き、静かにいった。

 

フォックス「元の世界に帰るには、招待状を12枚集めなければならないんです。これが唯一の方法だとメアリさんは言っていました。」

 

マリオは混乱した表情で聞き返す。

 

マリオ「招待状って…まさかこれのことか?」

 

マリオはオーバーオールのポケットから折りたたまれた招待状を取り出した。それに対してフォックスはうなずき、キャプテン・ファルコンも確認するように頷いた。

 

CF「メアリが言うには、この世界に連れてこられたのは12人。本来であれば牢獄に入れられた全員をまとめて救出するつもりだったらしい。そして12枚の招待状を集めることで俺達は帰れるはずだった」

 

そのなんとも言えない回答にマリオは思わず食い下がった。

 

マリオ「だったら、なおさら牢獄に戻った方がいいじゃないか…!」

 

フォックスは申し訳なさそうに首を振った。彼の尻尾が不安げに揺れている。

 

フォックス「それが…何名かは既に闘技場から脱出に成功したらしいんです。メアリさんの情報によると、3人別のルートで脱出したといっていました。」

 

マリオは驚愕した。彼の表情には希望と混乱が入り混じっている。もしかしたら、ルイージもその中にいるかもしれない―そんな可能性に、彼の心臓は高鳴った。

 

CF「むしろ場所が割れているぶん、牢獄に居てくれた方がありがたいってわけだ。」

 

キャプテン・ファルコンが皮肉めいた口調で言った。

 

マリオは少し落ち着きを取り戻したようだが、まだ不安は拭えないようだった。彼は静かに問いかけた。

 

マリオ「なら…僕はこれからどうすればいいんだ?」

 

フォックス「とりあえずメアリさんと合流しましょう。彼女と脱獄後、とある場所で再会することを約束したんです。彼女なら他の脱出者についての情報も持っているかもしれません。」

 

マリオ「とある場所?」

 

マリオは小首を傾げた。

 

CF「光の町だ。」

 

キャプテン・ファルコンが割って入った。彼は立ち上がり、地平線の方を指差した。

 

CF「あの旗をまっすぐ進めばあるらしい。」

 

ファルコンの指差す方向を見てみると、遠くに小さく旗が立っていることに気づく。風に揺れる旗は、暮れなずむ空の中でかすかに光を帯びて見えた。マリオは一瞬だけ迷ったが、すぐに決意を固めた様子で立ち上がった。

 

マリオ「ならすぐにでも行こう!その町でメアリって人を待ち、情報を集めよう。」

 

マリオが張り切って前へ進み出したところで、キャプテン・ファルコンの鋭い声が差し込まれた。

 

CF「おい、あれを見ろ。」

 

ファルコンが突如口を開き、二人を制止させた。彼の視線は旗の方向に向けられている。

 

フォックスとマリオはファルコンの指す方向を見た。じっくりと目を凝らすと、地面に横たわっている数体の姿が見える。複数の兵士たち、バットを背負った子供、黄色いネズミのような生き物、そして一人の若い女性が倒れていた。周囲には何かの戦いがあったような形跡がある。マリオはそれらをじっくりと見つめていると突然ーーー

 

フォックス「メアリさん!」

 

フォックスの声が震えた。突如として焦った様子で旗に向かって走り出した。彼の動きは素早く、瞬く間に距離を縮めていく。それに続き、マリオとキャプテン・ファルコンも走り始めた。

 

顔が視認できる距離まで来たフォックスは、さらにスピードを上げる。彼の全身からは緊張と心配が滲み出ていた。

 

旗に到着したフォックスは、地面に横たわる女性の顔を見ると、何やら激しく動揺した表情を見せた。彼の耳がピクリと動き、尻尾が固まる。マリオとファルコンも彼に続いて到着し、息を切らしながら周囲を警戒した。

 

マリオは不安に駆られ、すぐにフォックスに声をかけた。

 

マリオ「どうしたんだフォックス?!まさかその子はもう…」

 

彼の声には恐れが混じっていた。

 

フォックス「いえ、彼女は生きています。呼吸も脈も正常です…ただ…」

 

フォックスは言葉を詰まらせた。

 

マリオ「じゃあ何をそんなに動揺して…」

 

マリオは彼女の顔に近づいて見て、思わず言葉を失った。なぜならば、彼女の顔には油性ペンで落書きがされていたからだ。左目にそって円が描かれ、口には髭のようなものが描かれている。辺りを見回すと、地面に横たわっている兵士たちの顔にも同様の落書きが施されていた。ある者の額には星形が、別の兵士の両頬には渦巻き模様が、さらに別の者の顔全体には奇妙な幾何学模様が描かれている。倒れた全員が一様に、意識を失った状態で何者かの悪ふざけの犠牲になっていたのだ。

 

CF「あいつの仕業だな…」

 

キャプテン・ファルコンが舌打ちした。彼の表情には怒りが浮かんでいる。

 

マリオ「あいつって誰のことだい…?」

 

マリオは混乱した様子で尋ねた。

 

CF「俺の対戦相手だった奴の仕業だ…まったく…」

 

ファルコンは嫌はため息をついた。

 

一方、フォックスはその異様な風景を見回しながら、ふと目に留まるものがあった。夕日の斜光が紙の表面に反射して、かすかに光っている。

 

フォックス「あれは!招待状じゃないか!」

 

「「!」」

 

フォックスが指さす方向を見ると、同じく横たわっているバットを持った少年と黄色いネズミのような生物の近くに、合計三枚の招待状が落ちていた。

 

フォックス「まさか…こんなに早く見つかるなんて。」フォックスは驚きの表情を浮かべた。

 

彼は慎重に招待状を拾い上げ、確認した。確かに彼らを元の世界に帰すための貴重な鍵だった。

 

CF「とにかくこの場を離れるぞ、追手が来るかもしれない。」

 

キャプテン・ファルコンが周囲を警戒しながら言った。

 

CF「この辺りで戦いがあったということは、敵の巡回もすぐに来るだろう。」

 

3人は相槌を打った。フォックスはメアリを注意深く抱え上げ、キャプテン・ファルコンはバットを持った少年を、マリオは黄色いネズミを担いだ。そして三枚の招待状を大切に保管し、彼らはまばゆい陽光の中を歩き始めた。




感想と評価よろしくお願いします!

次回はネス視点です!

キャラクター紹介

フォックス・マクラウド

銀河を守る傭兵チーム「スターフォックス」のリーダー。搭乗機「アーウィン」を自在に操り、三次元空間を縦横無尽に飛び回る。空中戦における操縦技術と判断力は、銀河でもトップクラス。冷静で任務に忠実な反面、仲間への思いやりも深い。スマブラでは白兵戦が中心だが、原作では主にアーウィンをはじめとする乗り物で戦うスタイルで、空中戦や射撃戦を得意としている。

冒険履歴
スターフォックス64
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