終焉の大乱闘 〜ファイターたちの戦い〜   作:ホミキ

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本当は決着まで書こうと思ったんですが、筆が乗っちゃって長くなりそうなので前半と後半に分けます!

活動報告の方で次の話の進捗も報告してるのでよければ見てください!


ルイージVSドンキーコング

6つの世界から集結した12人の戦士(ファイター)が最強を決める闘技大会「大乱闘スマッシュブラザーズ」。優勝者には名誉と一つだけ願いを叶える権利が与えられるという。その招待状を握りしめた緑の帽子と青いオーバーオールが特徴の男、ルイージは既に一回戦を勝ち抜き、次なる対戦相手を待っていた。

 

ルイージ「ふぅ...」

 

ルイージは額の汗を拭いながら呟いた。

 

ルイージ「一回戦はパワーアップアイテムをうまく使えたから何とかなったけど、あと何試合勝ち進めば優勝なんだろう...」

 

闘技場の待機室で独り言を呟きながら、ルイージは次の試合の開始を告げる扉の前に立った。遠くからアナウンサーの声が響き渡り、二回戦の始まりを告げている。彼は大きく深呼吸をし、昔から兄から教わった緊張を和らげるおまじないを実行した—手のひらに「人」の字を三回書いて飲み込む仕草。

 

アナウンサー「さぁ選手の入場です!」

 

アナウンサーの声が闘技場中に響き渡った。

どれだけ落ち着こうとしても止まらない緊張。それでもルイージは気休めのおまじないで心を落ち着かせようと、重たい闘技場の扉を押し開いた。

 

「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」

 

観客の熱狂的な歓声が彼を迎えた。ルイージはこの熱気を全身で感じながら、対戦相手を待った。

 

ルイージ(次は誰が相手なんだろう...まさか、ここで兄さんと当たったりして!)

 

もしそうなら嬉しいことだ。マリオとなら、真剣勝負でも楽しめる。ルイージは期待を胸に向かい側の扉を見つめた。

ギィィ...と重い音を立てながら、ゆっくりと開く扉。ルイージは思わず息を呑んだ。

そこには、巨大なゴリラの姿があった。

 

ルイージ「へ...?」

 

ルイージの声は震えていた。

 

DK「おいおい、俺の相手はまた小さな奴かよ」

 

ゴリラは胸を叩きながら嘲笑した。

 

ルイージ(う、嘘でしょ...あんな大きいのと戦わなきゃいけないの...!)

 

ルイージは前回の狐との戦いから、対戦相手は自分と同じような体格の者ばかりだと思い込んでいた。しかしこの巨大なゴリラは、どんなに鍛えた人間でも到底及ばない圧倒的な体格を持っていた。

 

アナウンサー「対する選手は!ジャングルの王者、ドンキーコング!!」

 

アナウンサーが高らかに宣言した。

 

ルイージ「え、ドンキーコングだって!?」

 

ルイージはその名前に聞き覚えがあった。

ドンキーコング—それは兄のマリオが昔飼っていたゴリラの名だった。故郷のジャングルに戻したという話を聞いていたが、まさかここで対戦することになるとは。

ルイージの脚が震え、自然と腰が引けていた。そりゃそうだ—普通の人間がゴリラと素手で戦おうなど考えもしない。

 

DK「おいおい!そんなへっぴり腰じゃつまらねぇぞ!」

 

ドンキーコングが胸を張って挑発した。

 

DK「みんなを楽しませる戦いをしようじゃねぇか!」

 

ルイージは胸に手を当て、ゆっくりと呼吸を整えた。そして思い出した—兄とともに何度も戦った、あの巨大な亀、クッパのことを。

 

ルイージ「...クッパの方がもっと大きかった」

 

小さく、しかし確かな声で言った。

 

ルイージ「僕はそいつに何度も勝ってきたんだ...」

 

勇気を振り絞り、真っ直ぐドンキーコングを見据えた。まっすぐな青い瞳には、もはや迷いはなかった。

 

ルイージ「絶対に勝つからね!」

 

意気込むルイージに、ドンキーコングは獲物を見つけた獣のように不敵な笑みを浮かべた。

 

アナウンサー「それでは始めましょう!」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「GO!!」

 

戦いの火ぶたが切られた。

ドンキーコングは地を揺るがすような足音と共に、ルイージに向かって一直線に突進してきた。

 

ルイージ(うわぁ...!いきなり真正面から来た!)

 

覚悟を決めたとはいえ、岩のような肉体が迫ってくると本能的に身震いする。しかしルイージは冷静さを保ち、オーバーオールのポケットを素早く探った。

 

ルイージ(そういう勝負なら...これだ!)

 

ルイージは一枚の羽を取り出し、首元に装着した。すると羽は黄金色に輝き、次の瞬間にはマントへと変化してバサッと風を孕んだ。

 

DK「お前らチビは変身するのが得意だな!」

 

ドンキーコングは嘲笑うように吠えた。

巨大なゴリラの射程圏内にルイージが入る。ドンキーコングは丸太のような腕で破壊的なパンチを繰り出した—直撃すれば確実に重傷は免れない一撃だ。

 

DK「は??」

 

しかし、ドンキーコングの表情が一変した。ルイージを狙っていたはずの拳が、なぜか自分の顔の前にあった。

 

DK「ぶぅぅううう!!」

 

自身の拳で体が宙に浮き、地面に背中を強打する。ドンキーコングが痛みに呻く間、ルイージは安堵の息を漏らした。

 

ルイージ(よし、うまくいった!さすがスーパーマント!)

 

先ほどの交錯では、ドンキーコングの猛烈な一撃に対し、ルイージはマントをひらりと翻した。その瞬間、パンチの威力はマントに流れ、その反動でカウンターが決まったのだ。

 

ルイージ(体勢が崩れた今がチャンス!)

 

ルイージの次の行動は既に決まっていた。彼は兄マリオと同様、鍛え抜かれた脚力で大きく跳躍した。その高さはマリオをも凌ぐもので、ルイージが兄に唯一勝る特技だった。

 

ルイージ(このまま頭をふんずける!)

 

重力に身を任せ、ルイージはドンキーコングの頭めがけて落下していった...はずだった。

視界に入ったのは、毛むくじゃらの剛腕。それはまるでルイージの体を捕獲しようと伸びてきていた。

 

ルイージ「ひぃいいっ!」

 

ルイージは間一髪で身体をひねり、空中でかわした。

 

DK「チィッ!まだまだ!」

 

軽い舌打ちが聞こえたかと思うと、再び巨大な腕が伸びてきた。

 

ルイージ(まずい...!このままじゃ掴まれる!奴の手に捕まったら一巻の終わりだよ...!)

 

この腕力には到底かなわないと、ルイージは本能的に察していた。

 

DK「空中じゃ身動きとれねぇだろ!掴んでぼこぼこにしてやる!」

 

ドンキーコングは確実な捕獲を確信したが、その腕はむなしく空気を切るだけだった。

 

DK「は?」

 

困惑したドンキーコングが再び視線を向けると、そこには脚でマントを挟み、ふわりと空中に漂うルイージの姿があった。

 

DK「ふん!二度も俺の腕から逃げられたとしても、三度目はないぞ!」

 

ドンキーコングは顔をしかめながら唸った。

 

そう、結局ルイージは攻撃を必死にかわし続けているだけ。振り出しに戻っただけで、脅威はまだ目の前に立ちはだかっている。ドンキーコングが再び地面を蹴り上げれば事態は解決するはずだ。

 

DK「おまえの小細工もこれまでだぜ!」

 

ドンキーコングは唸った。

彼はルイージが飛び続けられなくなるタイミングを辛抱強く待った。

 

DK「…」

 

たった一秒。普段はあっという間に過ぎるこの一秒が、戦場では永遠のように感じられる。戦闘中に一秒でも油断すれば、致命的な隙を生み出してしまう。まさに袋の鼠だ。しかし、その一瞬の中でドンキーコングは不可解な事実に気づいた。

いつまで経ってもルイージが降りてこないのだ。

 

DK「おまえ!マジで飛んでるのか!?」

 

スーパーマントの真の力は、単なるパラシュート的な滑空ではなく、完全に制御された飛行だったのだ。ルイージは宙に浮かんだまま、ドンキーコングの最大の武器である肉弾戦を完全に無効化していた。

会場は沸き立ち、観客たちはルイージに盛大な喝采を送った。だが、ある観客が小声でつぶやいた。

 

観客A「飛行技はすごいけど、あの緑の戦士(ファイター)、顔が引きつりすぎじゃない?」

 

実はスーパーマントでの飛行には、空気の抵抗を利用して体を絶えず微調整する必要があり、並外れた体力を消耗する。戦闘の緊張と激しい運動量で、ルイージの表情は自然と苦しげになっていた。

その過酷な状況の中でも、ルイージはわずかな安堵を感じていた。

 

ルイージ(よし!何とかしのげてる…でも…)

 

ルイージは新たな問題に気づき始めた。

 

ルイージ(このままだと疲れ切って、高度を維持できなくなる…そうしたらぼこぼこにされるのは時間の問題だ!)

 

攻撃を避けられたところで、それはただ逃げ続けているだけ。その間もドンキーコングは下からじっと観察し、チャンスを窺っている。

ルイージは兄ほどではないにせよ、優れた身体能力で飛び続けることはできる。しかし、攻撃を回避するだけでは勝利には繋がらない。さらに問題なのは、スーパーマントには空中から効果的に攻撃する手段がないことだった。

ルイージは決断した。

 

ルイージ(よし…!降下の勢いを利用して頭上から攻撃だ!)

 

覚悟を決めて下を向いた、その瞬間。

突如、下から勢いよくココナッツが飛来した。

ルイージは驚いて目で追うと、ココナッツは遥か上空へと打ち上げられていくのが見えた。

 

ルイージ(え…?ココナッツ?)

 

視線を戻すと、ドンキーコングが木製のバズーカを肩に構えて照準を合わせていた。

 

DK「的当ては得意中の得意だぜ!おらおら!」

 

次の瞬間、無数のココナッツが雨のように空中へと放たれた。

 

ルイージ「うそでしょ!うそでしょーっ!」

 

ルイージはマントを器用に操り、必死に体をひねってココナッツの弾幕を避け続けた。一時は停滞していた試合に再び熱が入り、観客席からは興奮の声が上がる。ルイージにとっては地獄のココナッツシャワーだ。

この危機に、ルイージは頭の中で冷静にリスク計算を始めた。

 

ルイージ(まずい…!一発でも当たれば、スーパーマントの効果がきれちゃう!)

 

パワーアップアイテム特有の弱点で、少しでも攻撃を受ければ通常の姿に戻ってしまうのだ。

 

ルイージ(もしこの高さで変身が解けたら…)

 

彼は下を見た。本能的に高所へ恐怖が蘇る。あの高さから落下したら、無傷では済まないことは明白だった。

 

ルイージ(仕方ない!一旦着地しよう!)

 

空中での危険を悟ったルイージは足でつかんでいたマントを解放し、その場で独特の回転降下を始めた。ゆっくりと安全に地面へと向かう。

 

ルイージ(うぅ…目が回る。気持ち悪い…)

 

しかし、この方法には理由があった。回転することで落下速度は軽減され安全な着地が保証され、同時にココナッツの軌道も避けられる。

この降下中は攻撃を受けないため、ルイージにとって唯一の安息時間だった。だが、観客席は妙な緊張感に包まれ始めていた。ルイージはその違和感にも気づかず、無事に地面に降り立った。

 

ルイージ(よし!仕切り直しだ!えーとあのゴリラ君はどこに…?)

 

DK「おかえり」

 

低い声が背後で響いた。

だれの声なのかはっきりしていた。きっとそこには自分を空中戦に追い込んだ張本人が立っていたのだ。

 

ルイージ「え、えっと…」

 

ルイージの体が震え始めた。この瞬間、自分の選択が重大な誤りだったことを悟る。安全に降下したものの、それがドンキーコングに絶好の機会を与えてしまったのだ。平衡感覚を失ったルイージはしりもちをつき、絶体絶命の状況に陥った。

降下中は確かに無敵だが、その速度は遅く、完全に垂直に落下してしまう。つまり着地の瞬間さえ狙えば、無力な標的になってしまう。一撃必殺の威力を誇るドンキーコングにとって、これは願ってもない好機だった。本来ならココナッツを避けながら不規則に降下し、着地時の隙を作らないよう注意すべきだったのだ。

ルイージは苦々しい笑みを浮かべた。

 

ルイージ「ただいま…」

 

DK「おらっ!!」

 

ルイージ「うわあっ!!」

 

巨大な拳が背中に深く突き刺さる。人間の体が本来耐えられるはずのない激痛が全身を走り、ルイージの体は強烈な衝撃と共に吹き飛ばされた。

 

「「「うおおおおおおおお!!」」」

 

観客席から熱狂的な歓声が沸き起こった。

ルイージは闘技場の壁にもたれかかっていた。スーパーマントはもう消え、普段の姿に戻っていた。かろうじて意識だけは保っている—変身の力が多少なりとも衝撃を和らげてくれたのだろう。

 

ルイージ「…!」

 

体に力を入れようとするが、もはや動くことすらできない。肉体は完全に限界を超えていた。

じわじわと近づいてくるドンキーコングの足音を聞きながら、ルイージは朦朧とした意識の中である考えを巡らせていた。




次回決着です!

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