終焉の大乱闘 〜ファイターたちの戦い〜   作:ホミキ

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大変長らくお待たせいたしました!

今回は最終決戦手前まで行きますが、キリがいいところまで書こうと思ったら恐ろしいほど筆が乗ってしまい滅茶苦茶長い文章になってしまいました。



分割というものを覚えようと思います…。


それはそうとして本編をどうぞお楽しみください!!


帰れない…?

ルイージ「遂に…!着いた…!」

 

 長い階段を駆け上がり、目に映ったのは入り口と同じく、自分の背丈の何倍にも及ぶ高い扉だった。この先に何があるのか、ルイージにはわからなかったが、ただならぬ特別な場所だということは何となく理解していた。ルイージは生唾を飲み込み、門を精一杯の力で押し込んだ。ギギギと引きずるような音が鳴り響き、門は徐々に軽くなっていくのを感じた。何があるかわからないので、体力を温存するべく、自身が通れるぎりぎりの広さまで開けて、そのまま体をねじ込んだ。何とか部屋に入り込むことができたルイージは、興奮した犬のように勢いよく前方を見つめた。だが彼の目の前に広がっていたのは、思いもよらぬ光景だった。

 ルイージが予想していた会場は、決勝戦の舞台、あるいは表彰の舞台、つまりどれも華やかで明るいステージだった。しかし今目に映る光景は、華やかさとはかけ離れた、暗く密閉された空間だった。エキゾチックな模様の布やインテリアから異界感を感じ取り、馴染みのなさから不安が煽られた。そして一番目を引くのは、自分の二回りほど大きな椅子だった。その椅子には12か所の長方形の空洞がある。もう一つ目を引くのは、この薄暗い部屋を微かに照らす複数のモニターだった。そこに映し出されているのは、ルイージが二度ほど使った闘技場であり、ルイージはこの場所が運営側の部屋であることを悟った。

 

 ルイージ「へ…へへっ、部屋間違えちゃった」

 

 ルイージは反射的に足を後ろに引きずった。それに気付いた彼は本能に身を任せ、そのまま門に引き返そうと脚を後ろに回した。目に映る、少し開いた門に向かって地面を蹴り上げるルイージ。だが、直後目の前に広がっていたのは「白」だった。

 

 ルイージ「え?」

 

 その異様な景色に疑問と恐怖を抑えられず、腰の力が抜けてしまった。地面に尾てい骨付近を打ち付ける。独特な模様の布が敷かれていたため、痛みは和らいだが、痛みなど感じることができないほどアドレナリンが出ていた。まだ立つことが困難な体を何とか動かそうと、脚を地面に押し付けて腰を引きずる。そのうち力が戻ってきて、片手で地面を押し上げ、文字通り地に足をつけ、その光景に目を背けた。直後、声が聞こえた。聞いたことのある声だったので、恐る恐る声の主に目を向けるルイージ。目にしたのは先ほどと同じく白い空間だった。だが後ろを向けば広がる暗い部屋。その違和感に気づき、その白をじっと見つめると、まるで繊維のような模様があり、生き物のように動いている。ルイージはあることに気づき、その白を見上げてみると、なんとそこには自身が身に着けている手袋が自分の二回りも巨大化した、右手だけの化け物がいた。

 

 ルイージ「いやあぁぁぁぁっぁぁ!!手の化け物おぉぉぉぉぉ!!」

 

 ルイージはすぐさまそれから離れるべく足を回転させて後ろを向いたが、自分の体を指と思われるものに覆われ、そのまま握られて身動きを封じられてしまった。

 

 ルイージ「待てください!待ってください!僕はここに呼ばれただけなんです!!怪しいものじゃないです!!許してください!!」

 

 ダメもとで弁解の言葉を次々と並べていく。だがその直後、ルイージは声を聴いた。

 

 マスターハンド「落ち着け」

 

 ルイージ「え?誰?」

 

 その声は自分を落ち着かせる言葉を放っていたが、聞こえた位置が検討もつかず困惑していた。

 

 マスターハンド「私だよルイージ」

 

 ルイージ「私って言ったってどこにいるの?!」

 

 マスターハンド「ここだよ、今君を握っているものだ」

 

 ルイージ「え?」

 

 その手はルイージが落ち着いたことを確認すると、ゆっくりと地面に彼を置いた。ルイージはその手をじっと見つめて状況を確認する。それは彼に危害を加えたわけではなく、落ち着くように諭しただけだった。さらにこの聞き覚えのある声、招待状に書かれていた名前、そして目の前にいる巨大な手。ルイージはほぼ確信を持ちながらも、恐る恐る口を開いた。

 

 ルイージ「えーと、もしかしてあなたがマスターハンド?」

 

 マスターハンド「その通り、よくぞここまでたどり着いた、最強の戦士(ファイター)ルイージ」

 

 ルイージ「最強の戦士(ファイター)って…?僕が?」

 

 その巨大な手はどういう原理かわからないが宙に浮いていて、ゆっくりとこちらに近づいてきた。

 

 マスターハンド「そうだ、君は数多の世界から連れてきた12人の戦士(ファイター)の中で勝利を勝ち取ることができたんだ」

 

 ルイージは薄々自分が置かれている状況に気づき始め、恐怖は立ち去り、心地よい何かがこみ上げてきた。そしてルイージは恐怖とは別の意味で震えながら口を開く。

 

 ルイージ「てことはもしかして僕は…?!」

 

 自分の希望通りの二文字を聞く間際の緊張と不安を感じながら息を飲み込んだ。

 

 マスターハンド「優勝だ…おめでとうルイージ」

 

 ルイージにあった負の感情をすべて吹き飛ばすかのように、普段の何倍もの力で地面を蹴り上げた。

 

 ルイージ「や、やっふぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!痛っ!!」

 

 この部屋はそこまで天井が高くなく、その勢いで強く頭を打ち付けてしまった。

 

 ルイージ「いたたたた…本当に…!!本当に優勝なんだよね!!」

 

 半ば実感できていない自分もいた。なにせ今までの人生で一番になったことが一度もなかったからだ。するとマスターハンドが優しい口調で語りかけてきた。

 

 マスターハンド「さて、優勝を祝う前に約束通り願いを叶えよう」

 

 そう言われた瞬間、ルイージははっとした。

 

 ルイージ「あー!そういえばそうだった…!」

 

 その言葉を聞きマスターハンドは目を丸くした。実際に目はないのだが、この表現が近いだろう。

 

 マスターハンド「驚いたな…願いごとのためにここまで身を張ったわけではないのか…?」

 

 ルイージは照れたように右手で後頭部あたりを掻きながら話した。

 

 ルイージ「実際のところ、この大会で優勝することが目的だったんです…!優勝しといてなんですけど…最近まで自信が持てなかったから…」

 

 ルイージは明るい声に切り替えて話し始めた。  

 

 ルイージ「だからこの大会に優勝できて…僕、本当にうれしい!!」

 

 その声にはどこか安堵のようなものが混じっていた。  

 

 マスターハンド「そうかそうか…それは素晴らしいな…それはそれとして願いはどうするのだ?私は達成感を景品にするつもりで君を呼び寄せたわけではないのだぞ?」

 

 ルイージ「あーぁ!ごめんなさい!えっとんーとっ!んー!!何がいいかなぁ…願い事…願い事…」

 

 ルイージは途端に焦ったように反応を示した。頭を抱えたり、その場をうろうろしたり。それを見たマスターハンドは優しい声で語りかけてきた。

 

 マスターハンド「まぁ焦ることはない…思いついたときに私に知らせれば良い。時間はたっぷりあるのだから」

 

 ルイージ「??…お気遣いどうも」

 

 マスターハンドは変わらず優しい声で語りかけていた。だがこの時、ルイージはなぜだか不穏な空気を感じていた。

 

 ルイージ(なんだろう…別におかしなことがないのだけれど…なんか嫌な予感がする…なんでだろう、この部屋の雰囲気のせいかな?)

 

 確かにルイージの日常生活では見ない光景だが、それだけでここまで嫌な予感がするのだろうか?そんな時、マスターハンドが話しかけてきた。

 

 マスターハンド「ところでルイージよ」

 

 ルイージ「はい!なんでしょう!」

 

 いきなり湧き出た警戒心のせいで、つい体がびくっと跳ねてしまう。  

 

 マスターハンド「君に折り入って相談があるのだが」

 

 ルイージ「…相談?なに相談って?」

 

 ルイージが警戒するなか、マスターハンドはルイージに背を向けてディスプレイに指を向けた。すると複数のディスプレイが光り、映像が流れ始めた。ディスプレイは一つずつ映されているのではなく、その複数のディスプレイが一つの大きな画面として一つの映像を映し出していた。  そしてそこに映っているのは何やらくたびれた廃墟だった。思わずルイージは身構えてしまう。

 

 マスターハンド「これはなんだ」

 

 ルイージ「え?ディスプレイ??」

 

 マスターハンドは少し首を振って否定をし、間髪入れずに答える。  

 

 マスターハンド「違う、この映像に映っているのはなんだ?」

 

 ルイージ「えーと…廃墟?」

 

 マスターハンド「その通り、ではなぜ廃墟は誕生する?」

 

 ルイージ「へ?」

 

 ルイージは質問の意図がまったくわからなかった。マスターハンドが何の回答を求めているかもわからず、自分の見解を述べる。

 

 ルイージ「えーと…人に使われなくなったから…とか」

 

 マスターハンド「その通りだ」

 

 マスターハンドの声色から間違いではなさそうで、ルイージは少し安心した。

 

 マスターハンド「そう…人に使われていたのだ…」

 

 ルイージ「??」

 

 マスターハンドの声色がさらに暗くなり、うすうす感じていた不気味な空気がより一層重くなった。するとマスターハンドは人差し指を反時計回りにぐるぐると回す。すると映像が巻き戻った。巻き戻る速度はすさまじく、少なくともルイージには視認できなかった。しかし映像に異変が起こった。

 

 ルイージ(廃墟じゃなくなってる…!)

 

 最初に目に入ったのはアイスクリームを片手にはしゃいでいる小さな女の子だった。そして、にぎわう人々、石で作られた建物たち。そこに映っているのは適度な刺激でにぎわう平和そのものの町だった。いったいどうしてここから廃墟と化すのか不思議なほど、そこにあったのは何の変哲もない日常を描いていた。

 

 ルイージが不思議そうにディスプレイを見つめている横で、マスターハンドの真剣な声が割り込んできた。

 

 マスターハンド「決して目を離さずに見てほしい」

 

 ルイージ「え?」

 

 目を離すなと言われたばかりであったが、あまりにも意表を突く言葉だったのでマスターハンドの方向へ向いてしまった。しかし次の瞬間。

 

 『あああああああああ!!』

 

 ルイージ「!」

 

 映像から悲鳴…というよりも断末魔に近いものを聞き取った。そしてそこに映っていたのは巨大な黒い影から湧き出る無数の人型の化け物、そしてそれに蹂躙される町だった。

 

 『やめてええええ!』  『助けてええええええ!』  『死にたくないいいい!』

 

 ルイージ「…っ!!」

 

 最初に目に入ったのは、先ほどアイスクリームを持ってはしゃいでいた女の子が冷たい目で横たわっている姿だった。そしてその子をよそに逃げ惑う人々、建物にいる人々を襲うために建造物を破壊する怪物たち。その光景はルイージの人生で最も残酷で、まさに地獄と形容するのにふさわしいものだった。

 

 ルイージ「…っ!!もう止めて!こんなの見たくない!!」

 

 思わず目を背けた。マスターハンドは見かねたのか、ディスプレイに人差し指を下に下げてディスプレイを消した。マスターハンドは語る。

 

 マスターハンド「何故目を背けた?」

 

 ルイージ「なぜって…こんな酷い映像見続けられるわけないよ!」

 

 マスターハンド「そう…酷い映像…酷い映像なのだ」  

 

 マスターハンドの様子はどこか悲しそうな面持ちだった。

 

 マスターハンド「だがこの映像は空想でもなんでもない…この世界に起きている事実なのだ…」

 

 ルイージ「…」

 

 マスターハンド「私の願いはただ一つ…君にこの世界を救ってほしいのだ」    

 

 ルイージ「えっ」

 

 マスターハンド「勝手なことを言っているのはわかっている。だが私はこれ以上自分の民たちがこのような形で失われるのは耐えられない…どうか…この世界を助けてほしい…」

 

 ルイージ「…」

 

 心に浮かぶ感情は二つ。一人では無理だ、この数に勝てるわけないという恐怖。そしてひどすぎる、助けてあげたい、成長した僕の力でこの人達を救ってあげたいという正義感だった。要するに葛藤していた。

 

 マスターハンド「…」

 

 沈黙が長く続いた。その沈黙は無限に続くように感じた。ただそれはルイージの頭を無限に回転させた。ゆっくりと、ただゆっくりと自分の結論を考えに考えた。

 そしてついにルイージが口を開く。

 

 ルイージ「僕は…この大会で優勝することが目的って言ってたよね」

 

 マスターハンド「言ったな…それがどうかしたのか?」

 

 ルイージ「すごい個人的な話になっちゃうんだけど、僕にはマリオっていうなんでもできちゃう自慢の兄がいるんだ」

 

 マスターハンド「…」

 

 ルイージ「兄さんはすごいんだ、宇宙人に支配された国を一人で救っちゃうんだ…」

 

 マスターハンド「それは素晴らしいことだな」

  

 ルイージ「そう…素晴らしい…素晴らしくて…尊敬できて…完璧な…」

 

 ルイージは口を強くかみしめ、次の言葉を発した。

 

 ルイージ「そんな自分と差がつく兄さんを見て僕は焦ってたんだ。このまま成長もないままじゃいずれ兄さんは僕から離れていくって」

 

 ルイージ「だから修行の旅に出た…自分を鍛える旅に…兄さんと同じように…一人で国を救えるようになるスーパールイージになるために…」

 

 ルイージは少し黙り込んだ後に話し始めた。

 

 ルイージ「その依頼!受けるよ!僕がその化け物たちからこの世界を救ってみせる!」

 

 その声は決意に満ちたのか吹っ切れたのかわからないが、とにかく明るい声だった。マスターハンドは満足したような口調で話し始めた。

 

 マスターハンド「ありがとう、君の勇気に感銘すら覚える」

 

 ルイージ「そ、そこまで言われると照れくさいよ~っ」

 

 マスターハンド「君は本当に素晴らしい人間だ。兄に追いつこうと努力するその健気な心意気、私の世界を救おうと決意してくれたその勇気、私は君のような人間に出会えたことを嬉しく思うよ」

 

 ルイージ「そ、そんな…そんな褒めなくても…っ」

 

 ルイージはかなり照れ臭かった。普段から影が薄いとしか周りに言われなかったのも相まって、ここまで褒められてしまうとどうしたら良いのかわからず、ただもじもじしてしまった。そんなルイージに対してマスターハンドが微笑みながら言葉を投げかけた。

 

 マスターハンド「だが君は一つ認識に齟齬がある」

 

 ルイージ「え?」

 

 突然な指摘に戸惑った。

 

 マスターハンド「戦うのは決して君一人じゃないよ」

 

 その言葉は温かく、包み込むものであった。ルイージは緊張もあってか一種の安心感が芽生えた。

 

 ルイージ「ご、ごめんなさい!僕一人でやるなんて早とちりだったね」

 

 マスターハンド「あぁまったくだ、君にはこの世界にもともといる兵隊や光の賢者、そして君と同じように連れてきた11人の戦士(ファイター)達もいる」

 

 ルイージ「??」

 

 マスターハンド「どうした?」

 

 ルイージ「僕と同じような戦士(ファイター)が11人…??」

 

 マスターハンド「あぁ、君を含めると12人だが、それがどうした?」

 

 ルイージはこの瞬間ある違和感を覚えた。

 

 ルイージ(12…?なんか違和感がある…というより既視感?なにか…どこかで感じたんだよなぁ、12って数字…)

 

 ルイージはこの部屋を見渡した。巨大な右手をはじめとして、奥に広がるディスプレイ、ペルシャ模様の絨毯。そして12か所の長方形のくぼみがある巨大な玉座。

 

 ルイージ(あれだ!あの椅子のくぼみの数と同じ…!って待ってよ…あの形どこかで見たぞ…!)

 

 玉座には大きな変化はないが、ルイージは些細な違和感を感じていた。こういった感覚が研ぎ澄まされているのは、普段配管工の仕事をしている為だろうか。そしてルイージはある事に気がつきオーバーオールに手を突っ込む。

 

 ルイージ(そうだ、招待状だ!ということは12か所のくぼみは12人の戦士(ファイター)といわれる人たちを連れてくるために刳り抜いたもの…!)

 

 そして手を入れてオーバーオールから招待状を掴んだ…しかし取り出す前に、ある違和感を感じていた。

 

 ルイージ(なんか…感触が違う…?)

 

 その多少の違和感を感じつつ招待状を出した瞬間ー

 

 ルイージ「え?」

 

 ルイージの脳内を白一色に染めた。

 

 マスターハンド「どうしたのだ…さっきから黙り込んで?」

 

 マスターハンドが気遣うように聞いてきた。ルイージの体は再び緊張し始めたのか、小刻みに震え始めた。

 

 ルイージ「ねぇ…なんだか…」

 

 マスターハンド「…」

 

 ルイージは迷っていた。これを口にしていいのか…この疑問を口にしてしまったら自分は危ないのではないか…だがその微かな思いよりもルイージの心はこう思った。「何かの間違いだろう」と。そしてルイージはその疑問を口にしてしまった。

 

 ルイージ「この招待状…小さくなってない…??」

 

 マスターハンド「…!!」

 

 ルイージ「ひぃ!」

 

 明らかに肌で感じ取ったマスターハンドの雰囲気の変貌に体をこわばらせる。しかし口にしてしまった以上後戻りはできないと口を開く。

 

 ルイージ「それだけじゃなくて、あの椅子のくぼみも最初より小さくなってる!」

 

 不穏な様子の中、ルイージがこの思考に至ったのは以下の要素だ。まずは目を引くほど巨大な玉座に不自然な12か所のくぼみ、マスターハンドの「12名の戦士がこの世界に連れてこられた」という発言。そしてくぼみの形状が招待状と一致しているのを見て、ルイージはこう考えていた。

 

 ルイージ(きっとあの椅子で僕達をこの世界に連れてきたんだ)

 

 となると今手にしている紙切れはこの世界と元の世界を繋ぐためのものである。そして現に帰り道と思われるその紙切れが消えようとしているかのように小さくなっている。ルイージが覚えた危機感は一つ。どうにか間違いであってほしい、どうにか早とちりであってほしいと希望を込めて、ルイージはついに確信に触れた。

 

 ルイージ「この招待状が最終的に消えたらどうなるの…??僕達は元の世界に帰れるの…??」

 

 マスターハンド「…やはりだめか…」

 

 ルイージ「…!!」

 

 その言葉は実質その事実を肯定しているようなものだった。

 

 マスターハンド「君の想像通りだよ。その招待状が消えたとき、君達は二度と元の世界に帰れない」

 

 ルイージ「そんな…!どうしてこんなこと…!」

 

 そんなことを聞いたところで事態が何も変わるわけではないのだが、疑問に思ったのか活路を見いだすためなのか、ルイージはとにかく聞くしかなかった。

 

 マスターハンド「どうしてと言われたら先ほどの説明通りだ、君たちにこの世界を救ってほしいんだ」

 

 ルイージ「だからって元の世界に帰れなくするなんておかしいよ!」

 

 マスターハンド「私も可能であればそうしたいのだが、それは不可能なのだ」

 

 ルイージ「不可能って!」

 

 マスターハンドは巨大な椅子を指さして言う。

 

 マスターハンド「私は玉座を使って他の世界に自由に出入りできる。しかし私の世界に他の世界のものを持ち込むことはできなかった。だが」

 

 マスターハンドは小さくなった招待状を指さす。

 

 マスターハンド「玉座の一部を招待状へと加工して、他の世界に送りつけ、私が選んだ戦士(ファイター)が触れた瞬間に玉座の一部を回収する要領で、触れた君たちもこの世界に連れてくることができた」

 

 一息ついてからまた話し始める。

 

 マスターハンド「そして玉座は修復を始める。その招待状は君たちがもとの世界に帰るための鍵だ。だがそれが消えてしまえば、君たちが元の世界へ帰る手段を失うということだ」

 

 だがルイージはこの時、静かな活路を見いだした。ルイージはすこし希望を持ちながら言う。

 

 ルイージ「だったら僕たちを一度元の世界へ帰してよ!そうしたら招待状が消える時間がリセットされて、僕たちもこの世界に自由に出入りできる!それなら解決でしょ!」

 

 だが希望とは裏腹に、マスターハンドは体を左右に振り、否定するそぶりを見せた。

 

 マスターハンド「残念ながらそれも不可能だ。この世界を呼び出す一連の作業は連続してできなかった。可能であれば数百人は呼び寄せたかったが、12人が限界だった…私自身この作業をして相当の体力を失った。私の見立てだと次の一人を招集するには数十年ほどの時間が必要と見た…」

 

 すると途端にマスターハンドの声の威圧感が強くなった。

 

 マスターハンド「今君たちが帰ったら私の民たちはどうなる!ここ数年で闇の軍団どもに数を減らされ続けて、奴らも増え続けている!君たちを数十年待つ時間などなく、一分一秒も無駄にはできないのだ!分かるだろう、私は民たちを愛している!その民たちが今のように無残に殺される私の痛みがどれほどのものか、理解できるはずだろう!!」

 

 ルイージは震えていた。マスターハンドから感じる熱量と迫力に、それはそうであろう、自分よりも数倍も巨大な生物に迫られたら誰であろうとも恐怖や威圧感を感じてしまうのだから。するとマスターハンドは指をパチンと鳴らした。

 その瞬間、目の前に複数の兵士が現れた。

 

 兵士A「マスター、お呼びですか!」

 

 マスターハンド「あぁ、そいつを今から捕らえる。拘束を手伝ってほしい」

 

 ルイージ「!!」

 

 ルイージは途端に身構えたが、次の瞬間。

 

 ルイージ「がっ!」

 

 マスターハンドの巨大な手に体を掴まれて身動きが取れなくなってしまった。ルイージは必死に抜け出そうと試みるが、まるで岩石に挟まれてしまったかのように身動き一つとれなかった。

 ルイージはなすすべなく縄を持った兵士たちに拘束されてしまう。

 

 兵士A「マスター、彼はどうしますか?」

 

 マスターハンド「そのまま牢獄に入れておいてほしい」

 

 兵士A「承知いたしました。マスターはいかがされますか?」

 

 マスターハンド「私はこの部屋で他の戦士(ファイター)たちを待つ。そしたら再び拘束を手伝ってもらうとするよ」

 

 兵士A「はっ」

 

 そしてルイージはなすすべなく体を持ち上げられてしまった。

 

 マスターハンド「君が次に解放されるときは、君はこの世界の一員だ。その時は仲良くやろう」

 

 ルイージの体はそのまま扉を潜り抜けようとしていた。そしてルイージはある言葉をつぶやいた。

 

 ルイージ「兄さん…」

 

 ルイージははっとした。なぜこう言ってしまったのか、理由は明白だった。もはや自分がどうにもできない状況に、再び兄を頼ってしまったのだ。

 

 ルイージ(なんだ…結局僕は前と何にも変わってないんだ…)

 

 そしてルイージは諦めたように目を閉じた。

 

 重い扉がギギギと開く音がした。そしてコツコツと足音を立てながら複数の兵士たちが外へ出ていく。

 

 順当に牢屋に運ばれる自分が情けないとも思ったが、ルイージの心はどうやって逃げようというよりは、これからどう生きていこうという、元の世界に帰るという事への諦めに近い感情だった。

 だがこの状況では諦めるしかなかった。拘束は完璧で体の力が入らなかったのだ。

 

 ルイージ(あぁ、きっと僕はこのまま牢屋に入れられるんだろうな。そしたら次はあの化け物たちと戦争か…そうなったら僕は生きていられるのかな…)

 

 なんてことを考えていたその時。

 

 兵士たち「うわああああ!!」

 

 その叫び声に驚いたルイージは目を見開いた。瞬間、扉の奥からは金属音や打撃音などと強烈な争いの音が聞こえてきた。

 

 兵士A「なんだ…敵襲か!」

 

 自分のそばで見張っていた兵士も、自分をほったらかしにして一目散に扉の奥へ進んだ。

 

 しばらくすると音は止んだ。

 

 マスターハンド「何が起きているのだ…!」

 

 マスターハンドの困惑した声が背後から聞こえた瞬間、扉がガンッ!と力強い音を立てながら勢いよく開いた。

 そして扉が開いた先に待っていたのは…。

 

 フォックス「あいつがマスターハンド!!」

 

 DK「本当にでかい手が浮いてやがる!面白いが許さねぇ!!」

 

 カービィ「ごちそうを楽しみにしてたのに!!よくもだましたな!!」

 

 ヨッシー「食べ物の恨みは恐ろしいと思い知らせてやりますよ!」

 

 リンク「お前ら一旦落ち着けよ!」

 

 ピカチュウ「ピカっピカチュピー…!!」

 

 CF「作戦を忘れるな」

 

 サムス「とりあえずあれが玉座だな。距離はあまり遠くないがいけるか?」

 

 ネス「任せてください!ベースに走るので慣れてますから!!」

 

 メアリ「それじゃ作戦通り頼むわネス」

 

 倒れている兵士たちの上に立っていたのは、立ってしゃべる狐、先ほど戦ったゴリラのドンキーコング、ピンクの球体、顔なじみの恐竜ヨッシー、とんがり帽子と剣を背負った男、黄色いネズミ、ヘルメットを被った大男、オレンジ色のアーマーを身に着けた者、縞々の服と赤い帽子をかぶった子供、黒髪で右手に銃口のような装備を付けた女性、そしてーーー。

 

 マリオ「ルイージ!!」

 

 ルイージ「兄さん!」

 

 最愛の兄マリオだった。

 自分の顔を確認するや否や。

 マリオは今までにないほど顔を赤くしていて、明らかに息が荒かった。体は小刻みに震えていて、炎が灯ったようなその目線はマスターハンドに向いていた。

 

 マリオ「僕の弟に手を出したんだ…?覚悟はできているんだろうな!!」

 

 マリオ「行くぞみんな!!!」

 

 そして11人の戦士(ファイター)たちは元の世界へと帰還を果たすために最終決戦に挑むのであった。




いよいよマスターハンドとの最終決戦です!

第一章もそろそろ終わりが見えてきたので、「あともうちょっとだ!」って気持ちと「まだDXのプロットできてない…!」という焦る気持ちが混濁してます…!

第一章が完結した後しばらく投稿に空きができてしまうと思いますが、絶対に帰ってくるのでどうかお気に入り登録して待ち続けてくれたらうれしいです。



とりあえず今は第一章の完結を目指して頑張りたいと思います!


それでは一応ゲームの日記を書きます。

現在烈火の剣プレイ中でリン編が終わったところです。

暗黒竜や紋章の謎に比べてだいぶやりやすくはなったなーと思いましたが、難易度はそこまで変わっていない気がします。

ただ途中で一枚絵が挟まれて、物語への没入感が感じられた気がします。

今日エリオッド編を始めます。

それでは残りのゲーム達です。

F-ZERO FOR GAMEBOOY ADVANCE
アイスクライマー
ドクターマリオ
ファイアーエムブレム烈火の剣
ファイアーエムブレム封印の剣
ジャッジ
ライオン
スピットボール
セメントファクトリー
ファイアアタック


アニポケ
金銀編26話~金銀編108話

映画

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