生活が変わってしまって投稿ペースがかなり遅くなりました!
待ってくださった方本当にありがとうございます!
この作品を完成させることは私の夢なので絶対の絶対にエタらないことを約束します!
では続きです
ルイージ「力を貸して…?」
その声には、思考や判断はなかった。
マリオの言葉を受け止めたというより、ただ反射的に口にした“オウム返し”に過ぎなかった。
マリオ「あぁ!このままじゃあいつに勝てない…!僕達の力で何とか打開しよう!」
ルイージ「…」
燃え上がるようなマリオの闘志。
その熱は本来、仲間の心を奮い立たせる力強い光であるはずだった。
しかし今のルイージにとっては、その光はあまりにまぶしすぎた。
小さな自分の心が照らし出され、情けなさや無力さばかりが浮き彫りになっていく。
ルイージ「兄さんはすごいね…こんな状況でも最後まで諦めないなんて…」
マリオ「…?」
その言葉は、思わずこぼれた本音だった。
マリオ「まだ、諦めるような時じゃないだろ」
それを平然と口にできる兄の姿に、ルイージは自分がより一層情けなく感じた。
自分とは違い、強く、揺るがず、前を向いている。
その“違い”が、痛いほど浮き彫りになる。
ルイージ「諦めるような時じゃないって…もう無理だよ!」
感情が爆発するように、声が強くなった。
ルイージ「あいつには何をやっても効かない!ドンキーコングのパンチですら無傷だ!」
マリオ「どうしたんだよいきなり…ピンチなんてよくあったしそれを乗り越えてきたのが僕らだろ?早く力を貸せ」
ルイージ「…!」
兄の表情は、何とも言えない複雑なものだった。
困っているようにも、悩んでいるようにも、少し怒っているようにも見える——感情を読み取ることはできなかったが、確かに揺らぎがあった。
その姿を見た瞬間、ルイージの胸に後悔が走る。
——やってしまった。
兄に、ぶつける必要のない怒りをぶつけてしまった。
それは間違いなく“八つ当たり”。
兄は何も悪くないのに。
ただ優しく、支えようとしてくれただけなのに。
なのに、自分は——
その好意を信じきれず、刃のような言葉で返してしまった。
だが、もう言葉は戻らない。
一度放たれた声は、時間も気持ちも巻き戻してはくれない。
ルイージ「兄さんが僕に何を期待してるかわかんないけど、僕はただ怖くて兄さんにくっついてただけ!」
吐き出される言葉は、どれも長年積もった痛みだった。
幼い頃から胸の奥に溜め込み、声に出せなかった本音が、今になって堰を切ったようにあふれ出す。
それは“告白”というより“悲鳴”に近かった。
感情の奔流に逆らえず、ついに——
ルイージは、涙をこぼした。
ルイージ「小さなころからずっとそうさ!兄さんに助けられてばかり!行く先行く先で兄さんの足を引っ張ってばかり!今回だってそうさ…!兄さんの隣に立ちたいって思った結果が、兄さんをこんな世界に閉じ込めることだったんだ…!」
マリオ「おい…」
ルイージ「そう…僕は…僕は…役立たず…兄さんの助けになったことなんか一度もない!」
ルイージは叫んだ。
声は震え、涙に濡れて、言葉の半分は自分自身への呪いのようだった。
マリオ「ルイージ…」
マリオは心配そうな顔をして、口を紡いだあと、決意を固めるように口を開いた。
マリオ「お前は何度も僕を助けてくれたじゃないか」
ルイージ「え…?」
困惑した。
なぜなら、自分よりもはるかに前に進み続けるマリオが“同じ”だと言ってきたからだ。
信じたいのに信じられない。耳に届くはずの言葉が、自分の心では拒絶されていく。
ルイージ「気を使ってるの…?」
マリオ「違う」
ルイージ「違うことないよ…!だって僕が兄さんを助けたことなんて一度も…」
マリオ「マリオブラザーズを作った時僕が父さんに言われたこと覚えてるか…?」
ルイージ「え…」
マリオは少し遠くを見るようにして、過去を語り出した。
マリオ「あの時さ僕すごい浮かれてたんだよ、あんな上司よりもっとでかい会社作ってやるって意気込んで、車も買ってCMまで作ってさ。初めて依頼が来た時僕達ずっと抱き合ったっけ?」
ルイージ「…それがどうしたっていうの?」
マリオ「つまり…あの時父さんに褒められると思ってたんだよ。『よくやったな、流石オレの息子だ』ってな」
マリオは小さく息を吐き、視線を落とす。
その目は、過去の記憶を追いかけるように揺れていた。
マリオ「でもさ…父さんは『会社を辞めて独立するなんて考えられない』って言ったんだ」
ルイージは黙って兄を見つめる。
不満や怒りを覚えつつも、当時の兄がその言葉を受け入れざるを得なかった姿が、目の前に重なって見えた。
マリオ「なんで理解してくれないんだって不満も持ったけど…言わんとすることもわかった。だから、あの言葉まではまだ受け入れられたんだ」
そこでマリオの声色が少し低くなる。
握られた拳には、当時の痛みがまだ残っているようだった。
マリオ「でも…問題はその後だ。父さんはこう言ったよな?『気に食わないのは弟を巻き込んだこと』って…」
ルイージ「…!」
マリオ「父さんは分かってたんだ…僕が一人で踏み出すことに躊躇してたことを。覚悟が半端だったことを」
マリオはルイージの目を真っ直ぐに見据える。
その瞳には悔しさと同時に、あの頃の自分の弱さを隠さない誠実さが宿っていた。
ルイージは思わず息をのんだ。
その時の父の言葉と、マリオの痛みを今になって突きつけられて、胸の奥がざわめく。
マリオ「でもその後ルイージは僕の元に来てこう言ってくれた。巻き込まれたなんて思ってないって!その言葉が僕にとってどれだけ救いになったか!」
ルイージ「でも…もう僕の力は必要ないでしょ?」
再び俯き、かすれた声で言う。
信じたいのに信じられない。
胸の中に染みついた“劣等感”が、希望をかき消していく。
マリオ「まだわかってくれないのか?!」
ルイージ「だって!今の兄さんは僕がいなくても国を救えるじゃないか!そんな前の話をされた所で僕が必要ないのは変わらないじゃないか!」
マリオ「だから!今おまえの力が必要だって言ってるじゃないか!」
ルイージ「…!」
胸を突き刺すような兄の叫びに、ルイージは目を見開いた。
頭では否定しようとしても、心臓の奥が熱を帯びていく。
マリオ「独立するときだって、初めて冒険をしたときだって僕はお前がいなかったら踏み出せなかった!僕は一人で踏み出すことができない臆病な人間なんだ!あいつを倒す策はあるけど僕一人でやる自信がない!だから!」
マリオがルイージに向かって手をさす。
その手は、ただ“助けを求める”だけでなく、“共に立つこと”を強く願って差し出されたものだった。
マリオ「一緒にやってくれ!僕を助けてくれルイージ!!」
兄の眼差しに嘘一つ感じられなかった、その言葉がルイージの心を強く突き刺した。
ルイージ「本当に…本当に僕が協力すればどうにかなるの…?」
マリオは呆れたようにため息を吐いてから口を開いた。
マリオ「僕たち二人でいれば何とかなるだろ?」
ルイージ「!!」
ルイージ(その言葉…久しぶりに聞いた…)
この言葉は二人で冒険していた時、自分が弱音を吐いたとき決まってマリオが口にする言葉だった。
ルイージの体に力が入る、その言葉を聞くと何故だか力が湧いてくる。その言葉を聞いた後決まって物事がいい方向へ進む、その成功体験の積み重ねで反射的に暗示がかかるのか、はたまた兄の強い意志に感化された影響なのか定かではないがルイージは立ち上がった。
ルイージ「兄さん!僕は何をしたらいい!」
マリオ「ルイージ!!」
マリオの顔は感謝に包まれていた。
それをみてルイージは本当に自分に頼っているのだと確信した。
ルイージ(ありがとう兄さん…おかげで目が覚めた)
ルイージは心で強く感謝した。
するとマリオが早速自身のオーバーオールに手を入れ始める。
マリオ「これを使おうと思うんだ」」
そして取り出したそれは思わず目を細めてしまうほどの金色に光る輝きと、直接触れなくても感じるあふれんばかりのパワーを放っていた。その影響か取り出したマリオの手のひらを浮遊していた。
ルイージ「それってスーパースター!」
確かにスーパースターの力は強力だ。使用すれば数秒間だけ言葉そのままの意味で無敵になれる。だが数秒間だけだ。数秒間無敵になったところでマスターハンドが逃げに徹すればこの戦いは負ける。しかしー
マリオ「僕が囮になる!その間の事はルイージに任せたい!」
ルイージ「うん、このルイージに任せてよ!」
スーパースターには他とは違う能力がもう一つある。
阿吽の呼吸とはこのことだろう、二人は何をしたらいいのかもうわかっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マスターハンドが中央で浮かび、その少し離れた場所に、ネス、サムス、ピカチュウ、カービィそしてヨッシーが横たわっていた。
サムス「……っ」
サムス(まさか……これほど力の差があるとは……!)
サムスは自らの見積もりの甘さを悔やんだ。
彼女がこれまで戦ってきた相手は、基本的に自分よりはるかに巨大な怪物ばかりだ。二回り大きい程度など、彼女の戦場では小さすぎる。近接では全体を視界に収められず、遠距離でなければ全体像を捉えられないほどの巨躯と渡り合い、勝ち続けてきた。
今回のマスターハンドは、それらの怪物と比べればサイズははるかに小さい。しかも、たった数時間とはいえ信頼できる心強い異世界の仲間たちもいる。
ゆえにサムスは勝利を疑わなかった。
だが現実はどうだ。仲間たちと放ったエネルギー弾はまるで効かず、最大のパワーを誇るドンキーコングとキャプテン・ファルコンは腕を故障。比較的長く共にしたリンクは全身に深いダメージを負っている。
結果、サムスの確信は揺らぎ、敗北の二文字が強く意識にのしかかった。
それでも、諦めるわけにはいかない。負ければ、他の者たちは元の世界に帰れなくなる。
サムスは強い意志でマスターハンドを睨み据える。
そんな中マスターハンドはドンキーコングとキャプテン・ファルコンに身を向け、ゆっくりと言葉を発した。
マスターハンド「すまない……君たちの体に、そこまで傷をつけるつもりはなかった。招待状が消えた後すぐにも、君たちには頑張ってもらいたいからだ。これ以上の戦いは無駄だ。お互いのためにも休戦しよう」
ドンキー「上からモノを言いやがって……?! ふざけんじゃねえぞ、この野郎!!」
ファルコン「腕がなくとも足がある。まだ終わっちゃいない!」
二人はなんとか立ち上がるが、足は震え、呼吸は荒い。どう見ても腕だけの問題ではない。
マスターハンドが、ズイッと二人の眼前まで迫る。
ドンキー、ファルコン「「!!」」
軽く伸ばされた人差し指と中指で押されただけで、二人はパタリと倒れた。
マスターハンド「この程度で倒れる“足”が何になる?」
遠目にそれを見ていたサムスは確信する。
身体に刻まれた深刻なダメージと極度の疲労。
二人に、もう抵抗する力は残っていない。
サムス「……っ」
そして、二人に比べれば軽いとはいえ、自分の体にも倦怠感がべったりと張り付いているのが分かっていた。
対してマスターハンドは、白い手袋に汚れが付いた程度。
万事休す――とは、こういう状況を指すのだろう。この空間そのものと同じ、底なしの黒が胸中を覆っていく。
マスターハンド「諦めろ。もはや君たちが私に勝つ術は――」
事実そのものが口を開いたような声だった。やれることは、もうない――そう思い込んだ、その時。
マリオ「おーーーーーい!! 巨大手袋ーー!!」
背後から声。振り返った先に、マリオが立っていた。
ただ、その様子はおかしい。この絶望的な状況にもかかわらず――多少の虚勢は混じっているにせよ――明らかに声に“希望”が宿っている。
そんな彼の左手には、目のついたきらきらと輝く星があった。
マリオ「そんな余裕ぶっこいていられるのも今のうちだぞー!! これを使って、僕がお前を倒してやるーー!!」
その星がマリオの希望の源だと、サムスにはすぐ分かった。だが、同時に大きな不安も生まれる。
サムス(……! なぜ見せびらかす! 奴はきっと、それを奪いに来る!)
視線をマスターハンドへ戻す。案の定、マスターハンドは余裕げにゆっくりとマリオの方へ向き直った。
マスターハンド「この状況でよくも挑発する気になれるものだ……。それが“世界を救ってきた者”の心の強さというものかもしれないが……」
指が鳴る。
後方にいたはずのマリオが、いつの間にかマスターハンドの目前に立っていた。
マスターハンド「その星が、よほど強力なのだな」
巨手が大きく広がり、振り下ろされる。
サムス(……! まずい、潰される!!)
マリオ「……っ」
無慈悲な轟音。ズドンッ――
地面とほぼ平行になるほど、巨大な掌が叩きつけられた。
サムス(……! そんな……)
掌が山なりにならない。人間を押し潰したなら、通常は歪みが生じるはずだ。つまり――マリオは原型もなく圧潰された。
ヨッシー「マリオさん!!」
ヨッシーが叫び、勢いよく立ち上がる。
ヨッシー「よくも! よくもマリオさんを!!」
瞳に燃え上がる怒り。
サムス「落ち着け! お前が行っても状況は変わらない!」
ヨッシー「変わる変わらないじゃないんですよ! 友がやられて黙っていられるほど、スーパードラゴンは温厚じゃありませんので!!」
前傾になり、走り出そうとする。
ヨッシー「マリオさん! 仇は討ちます!!」
地面を強く蹴った、その瞬間――
ヨッシー「ぐえっ!」
サムス「……?」
ヨッシーはその場にうつ伏せで倒れていた。
ヨッシー「な、なにが起きて……私のしっぽに、なにかが……?」
しっぽの先を辿る。白い手袋。さらに辿ると緑の服、紺のオーバーオール――
ヨッシー「ルイージさん!」
ヨッシーを止めたのはルイージだった。だが、様子が違う。
サムス「気のせいか……お前、さっきより背が高くなっていないか?」
違和感は正しかった。ルイージの身長は二倍に伸び、腕の筋肉はがっしりと盛り上がっている。
ヨッシー「ルイージさん! 離してください……! マリオさんがやられてしまったんですよ!!」
ルイージ「ヨッシー。大丈夫だよ」
ヨッシー「大丈夫って……?」
ルイージは後方を指さす。
サムスはその指先を追い、振り向いた。
掌を地にべったりとつけ伏せているマスターハンドの後ろ――同じく身長が二倍になったマリオが立っていた。
マリオ「何、寝っ転がってるんだっ!」
勢いよくマスターハンドに蹴を入れる。
マスターハンド「っ!」
凄まじい一撃に、マスターハンドはそのままひっくり返る。
しばらく硬直したのち、ふわりと浮上。
マスターハンド「……おかしいな。あの攻撃を避けられた上に、このパワー……それが、その星の効果か?」
マリオ「……あぁ、そうだ! この“スーパーパワー”で君を倒してやる。覚悟しろ!」
マスターハンド「面白い。ならば力ずくで、その星を奪い取ろう」
ズイッと距離を詰め、捕食するかのように掌をがばっと広げる。
その面積なら、マリオの体を容易く包み込める。瞬きほどの速度で迫る掌――
マリオはわずかな起動を捉え、最小にして最適な力で跳ぶ。
マスターハンド「……!」
すり抜けるように飛び出したマリオ。だが、最小の力で跳んだはずなのに、想定の数倍は高く舞い上がっていた。
マリオ(……! マンマミーア! 避けたついでに手の甲を踏みつけるつもりだったのに……なんでこんなに高くジャンプしてるんだ!!)
原因は、掌の巨大な面積と速度が生む風圧――
この刹那の空中時間は、危機をもたらす。
マスターハンドが握り拳を作り、空のマリオへ振り抜く。
直撃――のはずだった。
マスターハンド「……?!」
拳を通り抜けた先に、マリオの影はない。手に残る感触も、あまりに微か。
推測が成立する。攻撃の動線の反対側へ視線を跳ばすと――
五体満足で立つマリオ。わずかな緊張を宿しながらも、確かな足取り。
マスターハンド(馬鹿な。あの無防備な体勢から、私の一撃を全身で“受け流した”と?)
ビリ、と微細な衝撃が手の甲に走る。
マスターハンド(受け流しながら、踏みつけた……?)
慣性で即座に振り向けなかった。そしてその後方でスタっ着地した音がした。
マリオ「おいおい、どうした! そんなんじゃ“スーパー”な僕は倒せないぞ!」
マスターハンド「……」
しばし見据え、手のひらを振りかぶる。だがマリオは軽々と飛び越える。切り返して手の甲を薙ぐも、体を捻って反らし、回避。握り拳を上から叩きつければ、マリオは飛び込み前転で滑り抜ける。
マスターハンドの攻撃は、ことごとく空を切った。
マスターハンド(なぜだ……なぜ、これほどまでに当たらない)
理由は単純。相手がマリオだからだ。
マリオがクッパからピーチ姫を助けるとき、いつも長い旅路を強いられる。道中にはクッパの手下がひしめく。もっとも弱いとされるクリボーですら、噛みつき一発で戦闘不能に追い込む力を持っている。
では、マリオはすべてを薙ぎ払って辿り着くのか。――否。できる限り戦闘を避け、群れをかいくぐり、ひたすら敵の攻撃を“避け続けて”きたのだ。
その身体能力と経験がある以上、マスターハンドのような巨大で小回りの利かない鈍重な攻撃など、集中さえすれば難しくなかった。
マリオ「ほらほら! 早く僕に攻撃を当ててみろよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その様子を見ていたヨッシーは、ルイージに問いかけた。
ヨッシー「マリオさんが持ってるのはスーパースターですよね……? なんで早くあれを使わないんですか……?」
サムス「待て。お前もマリオも、そのスターとやらを使って今パワーアップしているんじゃないのか?」
ルイージ「いや……僕たちはスーパーキノコを食べて、力を少しだけ強化してるだけさ」
サムス「なら、あの星はなんなんだ?」
ルイージ「あれはスーパースター。使えば、短い間だけ無敵になれるんだ」
カービィ「ねぇ、“むてき”って、どれだけつよくなれるの?」
横たわっていたカービィが、のそのそと近づきながら尋ねる。
ルイージ「言葉のまんまさ。相手の攻撃は一切効かないし、逆に一撃で倒せるほどの力を得られるんだ」
カービィ「じゃあ、なんでマリオはむてきにならないの?」
ルイージは一瞬の間も置かずに答えた。
ルイージ「スーパースターには、他のパワーアップアイテムとは違う特性がある。それは――」
カービィ「それは……?」
ルイージを中心に、空気が一瞬で張り詰める。
ルイージ「同時に触れれば、“無敵の力”を分けることができる」
その瞬間、空気が震えた。
“鳥肌が立った”という表現が、これほど的確な場面もないだろう。
正確に言えば、全員が同じ生理反応を持つとは限らない。だが、ルイージのその一言は、それほどまでに希望を感じさせる響きを持っていた。
無敵。一撃必殺。そして複数人にその力を分け与えられるという特性。
絶望的な状況を打ち破るには、これ以上ないほどの切り札だった。
ヨッシー「そっか! そういえばそうでしたね! 私もマリオさんと一緒に触って、無敵になったことがありました!」
ルイージ「うん。だから今、兄さんは囮になってくれてるんだ。一人でも多くの仲間にスターパワーを与える時間を作るために」
そう言うと、ルイージは一度深く息をつき、真っ直ぐ前を見据えた。
ルイージ「だから、僕はここに来たんだ」
ピカチュウ「ピカピーカ?」
ネス「“ここに来た”って、どういうことですか?」
まだ理解が追いつかず、ピカチュウが聞き返しネスがその意図を組みルイージに聞き直す。ルイージはすぐに補足を加えた。
ルイージ「ここには5人が固まってたし、あの手から受けたダメージも少なそうだったんだ」
サムス「つまり、私達とお前ら兄弟だけでスターを使うということか?」
サムスが要約するように言うと、全員の理解がようやくひとつにまとまった。
ルイージ「ご名答」
カービィ「ねぇ、スターのパワーで“げんき”にはなれないの?」
ヨッシー「残念ながら、スターはもともと受けたダメージを回復する力までは持っていません」
数秒の静寂が流れた。
ルイージは小さくうなずき、マリオの方向を向いた。
ルイージ「よし、兄さんを呼ぶよ……」
軽く息を吸い込んだ、その瞬間――
ネス「PKライフアップ
ルイージ「!!」
ルイージの体の周囲を、白い球体がくるくると回りはじめた。
次第に身体が軽くなり、痛みや疲労がふっと消えていく。
ルイージ「体の疲れも、擦り傷も、肩のこりまで……全部の痛みが引いていく……これは、いったい……?」
ネス「僕の能力です」
振り返ると、さっきまでぐったりと横になっていた少年が、まるで何事もなかったかのように立っていた。
ルイージ「君は……エスパー少年の……」
ネス「PKライフアップ
ネスは続けて、カービィ、サムス、ピカチュウ、ヨッシーへも同じ白い光球を放つ。
ピカチュウ「ピッカチュウ!!」
サムス「これは……すごい……!」
カービィ「どこもいたくない!」
ヨッシー「前より元気になりました!」
一通りの回復を終えると、ネスはルイージに向き直った。
ネス「僕は“
カービィ「ってことは! リンクもドンキーもファルコンも、みんなげんきにできるってことだね!」
カービィの能天気な言葉は、しかし核心を突いていた。
ヨッシー「つーまーり! スターで全員をパワーアップさせて、全員でマスターハンドをボッコボコにするってことですね!!」
ネス「そういうこと! だから一旦倒れてる人たちを一か所に集めましょう!」
ルイージ「ま、待って! パワーを与える人数が増えれば、その分だけ無敵の時間が短くなるんだ!
それに、みんなを集めている間に囮の兄さんがいつまでもつか分からない!」
その言葉に、場の熱が一気に冷めた。
誰もが一瞬、現実を思い出したように沈黙する。
だが、その時。
サムス「いや――秒数は問題じゃない。全員が無敵になる、それが必要なんだ」
ルイージ「それって、どういう……?」
サムス「私に考えがある。その状況さえ作れれば、この戦況を覆せる」
ルイージ「……」
ルイージは迷っていた。
彼女の言葉に力はあったが、ほとんど会話を交わしたこともない相手を即座に信じることは難しい。
当然だった。信頼とは、戦場の即興では築けないものだからだ。
だが――
ヨッシー「ルイージさん!」
ルイージ「!」
ヨッシー「サムスさんを信じましょう!!」
信頼する者からの信頼。
その一言は、ルイージの胸の奥で何かを弾かせた。
ルイージ「……わかった! 倒れてるみんなのところに集まろう!」
その言葉が終わるや否や、ヨッシーはネスのもとへ駆け寄った。
ヨッシー「ネスさん、乗ってください!」
ネス「うん! ありがとう!」
ネスは軽やかにヨッシーの背へ飛び乗る。
ヨッシー「よーし!! まずはドンキーさんのところへ一直線ですよ!!」
その瞬間、ヨッシーの脚が地を蹴る。
風を裂くような脚力で、彼らはあっという間に駆け抜けていった。
サムス「私たちも行くぞ!」
サムスが言うと、ルイージ、ピカチュウ、カービィも力強くうなずき、ヨッシーに続けて走り出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リンク「はぁ……はぁ……」
荒い息だけが虚空に響く。
リンクは地に倒れ、仰向けのまま動けなかった。
リンク「くっ……そ……腕すら上がらない……」
巨大な掌に、全力疾走する馬のような速度で叩きつけられた。
生きている方が奇跡だ。
だが無理に動けば当然容態は悪化する、安静にしていた方が身のためだろう。
しかし、リンクの脳裏にそんな言葉はない。ただ、燃え残った意志だけが胸の奥でくすぶっていた。
リンク「誰か……来てくれ……俺は……まだ戦える……!」
その瞬間、耳をつく轟音の中から声が届いた。
フォックス「大丈夫ですかっ!?」
リンク「お前……確か……?」
フォックス「フォックス・マクラウドです! それより、ひどい怪我だ……!」
現れたのは、一匹の狐だった。
フォックス「ここで休んでいてください!」
リンク「待て……!!」
フォックス「?!」
振り返ったフォックスの目に、燃え尽きていない瞳が映る。
倒れていながらも、その奥にはまだ戦場を見据える光があった。
フォックス「待てって…その体で何をするつもりですか。あなたはもう立つことすら――!」
リンク「あぁ。だから頼みがあるんだ」
フォックス「頼み?」
リンク「俺のポーチに……ミルク入りの瓶がある。それを飲ませてくれ」
フォックス「……まさか。ミルクで折れた骨が治るなんて、言う気じゃないでしょうね?」
リンク「その通りだ…。急げ!」
フォックス「そんな冗談、聞いてる暇は――」
リンク「冗談で言ってるんじゃない…! 早くしろ!!」
フォックスは息を飲んだ。
リンクの声に滲むのは焦燥ではなく――確信。
この場には、数多の世界から招かれた戦士たちがいる。ならば、ミルクで骨が癒える世界があっても、何の不思議もない。
フォックス「……分かりました」
フォックスはしゃがみ込み、ポーチを探る。指先に触れたのは、牛の絵と「ロンロン牧場」と書かれたラベルの瓶だった。
フォックス「これですね?」
リンク「あぁ…、頼む」
コルクを引き抜く。
きゅぽん、と軽やかな音が響く。
フォックスは瓶をリンクの唇に傾けた。仰向けの体では上手く流し込めない――それでも、リンクは必死に喉を鳴らす。
そして次の瞬間。
全身に微かな震えが走った。
フォックス「……!」
リンクの腕がぴくりと動き、次第に力を取り戻していく。
やがて自ら瓶を掴み取り、ごくごくと飲み干した。
フォックス「まさか……本当に……!」
リンクは上体を起こし、最後の一滴まで飲み干すと、立ち上がった。
闇の中、ひとり凛と立つその姿は、先ほどまで瀕死だった男と同一人物とは思えなかった。
リンク「よし! これで戦える!!」
フォックスは呆然と立ち尽くす。
その即効性はもはや魔法の域だった。
フォックス(……俺の世界にも、こんなミルクがあれば……いや、俺達は戦闘機で戦う事が多いから。パイロットが回復しても意味はないか)
フォックス「すみません。俺の先入観で、あなたを疑ってしまった」
リンク「それを言うなら、俺の方こそ。怒鳴って悪かった」
短い言葉でわだかまりは溶けた。
そして――視線の先。
マリオが、たった一人でマスターハンドの猛攻をかわしていた。
リンク「おい! あいつ、一人で戦ってるのかよ!」
フォックス「俺たちも加勢しなくちゃいけませんね!」
リンク「あぁ!」
二人が地を蹴ろうとしたその瞬間――
フォックスの長い耳が、ピクリと震えた。
フォックス「……待ってください!」
リンク「どうした?」
フォックスは目を閉じ、耳を傾ける。
遠く、戦場の音に混じって、微かに声が届く。
フォックス「……誰かが……作戦を……? マリオさんが囮に……スターで無敵に……!?」
リンク「無敵!? どういうことだ!?」
フォックスの耳が捉えたのは、ルイージたちの会話だった。
やがて彼は目を見開き、ルイージたちの方角を指す。
フォックス「リンクさん! 彼らの元へ急ぎますよ!」
走り抜ける影の群れ――ルイージたちが見える。
リンク「待て! 今はあいつに加勢するのが先だろ!?」
フォックス「彼らの力で“無敵”になれるんです! 攻撃が一切効かなくなる――それなら、勝てる!」
リンク「はっ! そんな馬鹿な話――!」
フォックス「違う世界には、違う世界の常識がある! リンクさん、あなたのおかげで俺はそれを知った! 俺を信じてください!」
フォックスの叫びは真っすぐだった。
迷いのない瞳に、リンクは息を詰まらせる。
リンク「……確かにな。“自分を信じろ”って言っておいて、人を疑うなんて――らしくないな。よし!」
リンクは地を蹴った。
フォックスの背を追い、戦場を駆け抜けた。
所でドンキーコングバナンザが発売してポリーンの年齢などでマリオの時系列に大きな矛盾が生まれてしまいました。
そこでマリオの考察してるYouTuberの方がマリオとドンキーコングの時系列に関して面白い考察をしていました。
その方の考察では初代ドンキーコング(クランキーコング)と戦っていたのは現在のマリオ(ジャンプマン)とポリーン(レディ)とは別の人物、その時のポリーンつまりレディはのちのポリーンの親族であるという考察をされていました。
これだ!と思いました!
そもそもジャンプマンがマリオなら初代ドンキーコングがおじいちゃんになっているのにマリオが全く歳をとらないことになってしまうのでこの考察はかなり整合性が取れていると思いました!
なのでここでマリオとドンキーコングの時系列を変更します。
旧マリオの冒険履歴
ドンキーコング→ドンキーコングJr.→ドンキーコングGB→スーパーマリオブラザーズ→スーパーマリオブラザーズ3→マリオランド→スーパーマリオワールド→マリオランド2→マリオRPG→スーパーマリオ64
新マリオの冒険履歴
スーパーマリオブラザーズ→スーパーマリオブラザーズ3→マリオランド→スーパーマリオワールド→マリオランド2→マリオRPG→スーパーマリオ64
旧ドンキーコング冒険履歴
スーパードンキーコング→ドンキーコング64
新ドンキーコング冒険履歴
スーパードンキーコング→ドンキーコング64→ジャングルビート→リターンズ→トロピカルフリーズ→バナンザ
という事になります!
まぁ昔と設定が違う事なんて任天堂のゲームではよくありますよね!
クッパ七人衆は今は手下ですが元は息子たちという設定でしたし。
リドリーはマザーブレインに洗脳された哀れな現住生物から残虐で狡猾なスペースパイレーツの最高指揮官になりましたしね。
よくある事です!
というわけでこの小説の話に戻るのですが、これを含めて残り二話だったのですがあまりにも文章が長くなりすぎるし、読者の方を待たせると思ったのでのこの話含めて残り三話になりました!
本当は今回で戦いは終わらせたかったのですがそれは次回のお楽しみで!
頑張って投稿しますので最後までお付き合いお願いします!