マリオ「んん…僕は…眠っていたのか?」
マリオは意識が朦朧とする中、石壁に囲まれた見知らぬ部屋で我に返った。目の前には、古ぼけたペルシャ模様の壁掛けと木製の机と椅子。
それ以外には何もなかった。
マリオ「ここはどこだ…」
彼の脳裏に、直前の記憶が閃光のように駆け巡る。
あの不可解な招待状。光に包まれて消えたルイージの姿。
マリオ「ルイージ!ルイージィ!!」
叫び声は石壁に吸い込まれ、何の応答も返ってこない。背筋を這う冷たい悪寒。閉じ込められた感覚が、彼の喉を締め上げる。
すると突然かすかな音が耳に入った。
顔を上げると、突如両開きの巨大な扉が出現した。
更にその扉の奥からは、歓声のようなものが聞こえてきた。
マリオ(これは本当に格闘大会なのか…?)
ゆっくりと立ち上がり、不安に震える指先で扉に触れる。
未知からくる恐怖が内面でじわじわと湧き上がっていた。
マリオ(でも…この部屋に居続けても意味はない…)
深呼吸をし扉を押した。
轟音とともに、太陽の光がマリオの目に刺し込む。
手で目を覆いながらしばらく待つと、だんだんと目が慣れて景色が鮮明になっていった。
目の前に広がったのは、巨大な円形闘技場。まるでローマのコロッセオを彷彿とさせる、圧倒的な規模の空間。観客席は人間で埋め尽くされ、その熱狂は生々しいほどに生命力に満ちていた。
呆気にとられてる中突如、マイクの電気音が鳴り響いた。
そして次の瞬間ー
アナウンサー「さーさーお待たせいたしました!!今宵は世界中のつわものたちを集めた夢の戦い!誰が一番強いのか世界の誰もが気になったことでしょう!今日はその最強を決める戦い!世界一熱い戦いがここにあります!大乱闘スマッシュブラザーズ開幕です!!!」
マリオは凍りついた。
この実況は現実なのか、それとも彼を罠にかけるための策略なのか。直感が警告を発している。
アナウンサー「恵まれた身体能力で数多もの国を救ってきたジャンプが得意で赤い帽子と口ひげがトレードマークのこの男!!マリオ!!!」
アナウンサーの声は、まるで彼の人生を解剖するかのように冷酷だった。
そして次の瞬間。
アナウンサー「対するは、そのパワーとリーダーシップでジャングルを守り続けた、ネクタイがトレードマークのこのゴリラ!!ドンキー!!!!コングゥぅぅぅっぅ!!」
扉が轟音とともに破裂する。
地面を揺るがす四つの足音。砂埃が立ち昇る中、巨大な影が姿を現す。ドンキーコング。かつての宿敵が、今、彼の目の前に立っていた。
ドンキー「イエーイ!!みんなー!見てるー!!この俺がー!DK!ドンキーコングだああああ!!」
目の前にいるゴリラは、マリオが昔戦った初代ドンキーコングとは明らかに違っていた。目つきも、振る舞いも異なる。それでも、毛並みの色と筋骨隆々とした肉体は酷似していた。それには単純な理由があった。
このドンキーコングは、かつてのマリオの宿敵であった初代ドンキーコングの孫。血筋は同じでも、性格も能力も全く別人だったのだ。世代を超えて受け継がれた、野生の力と闘争本能。それでいて、新たな個性と生命力に満ちていた。
マリオは血縁の不思議さに戸惑いながら、目の前の巨大なゴリラを見つめた。
マリオ「君は一体誰なんだ!」
マリオの叫びは、恐怖と混乱の産物だった。
ドンキー「なんだ…!?俺を知らないのか?だったら教えてやる!俺はDKアイランドのヒーロードンキーコングだ!!」
巨大な肉体が、まるで戦いの準備をするかのようにゆっくりとポーズをとる。観客の歓声が、さらに高まっていく。
マリオは悟った。ここから逃げる術はない。
マリオ「やるしかないか…」
彼は大きく深呼吸し、ルイージへの想いを心に刻む。
マリオ「行っておくけど弟を待たせているんだ、ここで負けるつもりはない…!」
アナウンサーの声が、静寂を裂く。
アナウンサー「それでは早速マリオVSドンキーコングを始めます!」
アナウンサー「3、2、1」
そして、戦いは始まった。
次回は決着まで書きます!
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