ドンキー「そら、避けてみろ!」
ドンキーコングは慣性に身を任せ、体を丸めた。まるで崖から落ちてくる岩石のように、彼の巨体はまっすぐマリオに向かって転がっていく。
マリオは冷静に間合いを見計らい、ぎりぎりのタイミングで地面を蹴り上げた。ドンキーコングの体が真下に来た瞬間、マリオはその分厚い背中に思い切り足を踏みつけた。
衝撃に耐えられなかったドンキーコングは、体を伸ばしてうつ伏せに地面に叩きつけられた。鋭い痛みが走り、彼の動きが一瞬止まる。
マリオはこの好機を逃さない。勢いをつけて減速し始めたドンキーコングに向かって走り出す。
マリオ「追いついたぞ、DK!」
両手でドンキーコングの右足を掴み、自身の足を地面に突き刺した。靴と固い地面が擦れる鋭い音が闘技場に響く。
ドンキー「おい、何するつもりだ!放せこの野郎!」
ドンキーコングは焦り、もう一つの足でマリオを蹴ろうとするが、うつ伏せの状態では思うように力が入らない。
マリオは掴んだ足を軸に回転し始める。やがてドンキーコングの巨体は遠心力で持ち上げられていく。
ドンキー「お前、一体どこにそんな力が!」
マリオ「人を見た目で判断しないことだね!そーれっ!」
手を離した瞬間、ドンキーコングの体は弧を描くことなく、やや斜め上に放り投げられた。瞬きする間もなく、彼は闘技場の壁に激しくぶつかる。
マリオは投げ飛ばした後の姿勢のまま、ドンキーコングの様子を見つめていた。
マリオ「やったか…?」
その願いも虚しく、ドンキーコングはすっと立ち上がり、体に付着した砂を払い落とす。
ドンキー「ふん、今がお前の最大パワーか?」
余裕たっぷりの表情に、マリオの顔は引きつった。
心の中では、今の攻撃で倒せるとは思っていなかった。だが、何とか形勢を逆転させたいという強い意志があった。無理やりニヤリと笑い、大きく声を張り上げる。
マリオ「まさか!こんなの序の口さ!それとも何だ?実は今ので怖気ついちゃったのか?!いいからかかってこいDK!」
ドンキー「煽ってんのか…?後悔すんなよ!!」
ドンキーコングは青筋を立てて、再びマリオに向かって走り出した。
マリオは、ドンキーコングが同じ攻撃を繰り返すとは限らないと判断。相手の一瞬の動きを逃すまいと、注意深く観察を続けた。
するとドンキーコングは、先ほどとは異なる強烈なスライディングでマリオに迫ってくる。状況は酷似しているが、攻撃の角度が微妙に違っていた。
マリオ(攻撃する部位を変えただけか。同じ戦略なら、また踏みつければいい!)
マリオは高低差とスピードを計算しながら飛び上がった。だが、その瞬間ドンキーコングは鋭い笑みを浮かべた。
マリオは自分の判断が誤りだったことに気づいた。同時に、先ほどのドンキーコングと同じく自身の右足を掴まれてしまう。
マリオ「え?」
ドンキー「バーカッ!同じ失敗を二度も繰り返すと思ったか!」
マリオは容赦なく地面に叩きつけられた。抵抗しようとするが、圧倒的な腕力の前では無力だった。まるで生け捕った獣を見るような悪意に満ちた目つきで、ドンキーコングはマリオを見下ろす。
恐怖のあまり、マリオは笑うことしかできなかった。
ドンキー「さあ、さっきの仕返しだ」
マリオ「はは…お手柔らかに…」
次の瞬間、顔面に激しい衝撃が走る。額に触れると、粘り気のある温かい液体が流れていた。血だ。
ドンキー「どうだ?手加減してやったぜ」
マリオ「これが手加減…?冗談じゃないよ…」
ドンキー「まだまだだ!そらっ!」
マリオは文字通りのサンドバッグと化していた。殴られるたびに体がのけぞり、重力に従って再び拳に向かっていく。
もはや殴られていなくても痛みが走る。丸太のような腕が絶え間なく降り注ぐ。内出血は避けられない。
意識が朦朧とし始める。なんとか反撃しようと右腕を振り上げるが、空を切るだけ。抵抗しようとする体の捻りも、容赦なく封じられていく。
絶望的な状況の中、マリオの顔に何かが触れた。オレンジと赤の縁取りがある、目の付いた花。
マリオ(ファイアフラワー!)
パワーアップアイテムだ。どうやらルイージからもらったアイテムもこの世界に送られてきたようだ。しかし、現在の猛攻の中では、すぐに能力を失う可能性が高い。ファイアフラワーの最大の弱点は、一度攻撃を受けると能力が消え去ってしまうことだ。
絶体絶命。このままでは勝ち目はない。
その時、ドンキーコングはとどめを刺すかのように、マリオを空中に放り投げた。
マリオはこの瞬間を見逃さず、すかさずファイアフラワー両手ですりつぶした。
拳が命中しようとしてたその時、ドンキーコングの目前に、生物本能が震え上がるほどの恐怖の対象が現れた。
ドンキー「うわぁぁ、熱ちいいいっ!」
顔に付いた炎を必死に払い落とし、目を凝らす。
ドンキー「何だこの炎は!お前、何をしやがった…」
マリオ「簡単な話さ。僕が作り出したんだ、掌からね!」
ファイアーフラワーの影響でマリオの姿が変化していた。赤い帽子は白、青いオーバーオールは炎に包まれるように赤く染まっていた。ファイアマリオへの変身だ。
ドンキー「気取りやがって!炎が出せるようになったからって、調子にのんなよ!」
マリオ「突っ込むしか能がないのかい?」
ドンキー「うるせぇ!また掴んで粉々にしてやるぜ!」
マリオは深くしゃがみこみ、自分の身長の三倍もの高さまでジャンプした。
マリオ「どうだ!今度は手が届かないだろ!」
ドンキー「バーカッ!お前が降りる瞬間を狙えばいいだろ!」
ドンキーコングが体の向きを変えた瞬間、空中のマリオは右手を思い切り振り下ろし、相手の頭部に炎の玉を叩き込んだ。
ドンキー「あっちぇぇ!」
華麗に着地したマリオは、両手で背中めがけて攻撃を仕掛ける。
ドンキー「あちっ!くそっ!」
ドンキーコングは立ち上がり、今度は走らずにゆっくりと近づいてくる。
マリオ「近づけさせないよ!やっ!ふぅっ!」
マリオは連続してファイアボールを放つ。だが、ドンキーコングは巧みに両方をかわした。
次の瞬間、マリオは少し前に出て、右足に炎をなげる。相手が大きく右足を上げてよけるのを確認して、左の脇腹を狙った。見事に命中する。
ドンキーコングが脇腹を押さえた瞬間、マリオはその手にも炎を投げつけた。相手の注意が分散する。
その隙を逃さず、マリオはできる限りの速さで炎を放つ。顔面、首、両脇、背中、後頭部、足。ほぼすべての部位に炎が当たり、ドンキーコングはやけどを負い、もはや痛みに耐えるだけの状態になっていた。
マリオ(流れは僕に来たぞ!)
しかし、マリオは慎重だった。自分の知っているドンキーコングと似た戦い方をする相手だ。恐らく、この炎を耐えながら間合いを詰めてくる可能性が高い。
マリオは攻撃の手を緩めずに、徐々に後退を始めた。敵のリーチの三倍もの距離を確保する。
ドンキーコングは、マリオをにらみながら攻撃を躱し始めた。
ドンキー「そんな離れたら当たる攻撃も当たんねぇだろ…?近づいてこいよ!動けなくしてやるからよ…!」
マリオはニヤリと笑い返す。
マリオ「いいや、攻撃は当たる。君がへとへとになるまで、僕は狙い続けられるさ。それに、君には遠距離攻撃の手段がない。近づくしかないだろ?近づけば、また炎を浴びるだけさ」
マリオ「つまり、僕の勝ちだ!」
ドンキーコングは嘲笑うように笑った。
ドンキー「お前が馬鹿みたいに作戦を喋ってくれたおかげで、あることを思い出したぜ」
マリオ「何だって?」
マリオが問い返す前に、ドンキーコングは突如、どこからか木製のバズーカを取り出した。
ドンキー「俺にも離れて攻撃する手段があるってことをな!」
バズーカからヤシの実が、ファイアボールをはるかに上回る速さで飛来する。マリオは攻撃を中断し、回避に集中した。
最初のヤシの実はジャンプで避けられた。しかし、二発目、三発目が容赦なく追尾してくる。マリオは複数の攻撃を避ける技術を持っているため、かろうじて躱し続けた。
形勢が逆転し、今や追われる側になってしまった。
マリオ(何とか反撃の糸口を見つけないと…)
その瞬間、マリオの腹部に巨大な拳が飛んできた。まるで人間を葬るかのような衝撃だった。
マリオ「うわあああおおぉぉぉ…!!」
腹部への衝撃と同時に、人間離れした力で吹き飛ばされる。背中を強く打ち、息が詰まる。
勝利を確信したドンキーコングは、ゆっくりと近づいてくる。
マリオ(ま、まずい…奴が来る…!ファイアーボールを出さないと…!)
震える腕を何とか伸ばすも、すでに服の色がもとに戻っていた。
マリオ「そん…なっ…!」
ドンキー「小さな体で俺を追い詰めた事だけは、褒めてやるぜ」
マリオ「…!」
マリオを片手で簡単に持ち上げる。もはや抵抗する力さえ失っていた。
マリオ「マ…マンマ…ミー…」
ドンキー「じゃあな!!」
ドンキーコングの最後の一撃が、マリオを完全に動けなくした。
勝者は勝利のドラミングを叩き、雄叫びを上げた。まるで原始の力を誇示するかのように。
ドンキーコングの性格は映画を元にしてます。
祖父がクランキーコング、父がドンキーコングJr.です。
キャラクター紹介
ドンキーコング
『スーパードンキーコング』シリーズの主人公で、ジャングルに暮らす力自慢のゴリラ。元々、マリオと戦ったドンキーコング(現在のクランキーコング)の孫にあたり、現在は自らが「ドンキーコング」を名乗りながら仲間と共に冒険を繰り広げる。バナナをこよなく愛し、敵に奪われた時は全力で奪還に挑む。ディディーコングやディクシーコングといった仲間たちと共に、クレムリン軍団と戦うことが多い。
ドンキーコング冒険履歴
スーパードンキーコング→ドンキーコング64
クランキーコングは老いてるのに対して、マリオの年齢変わってないことに矛盾がそうじますが、細かいことは気にしないでください。
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