オネットに住むネスはプロ野球選手を目指す普通の少年だったが、ある出来事から超能力
それは、皆が寝静まった真夜中のことだった。突如、地面を揺るがすほどの轟音が響き渡り、住民たちは眠りから叩き起こされた。
町が騒然とする中、ネスのもとへ太った少年がやってきた。
彼の名はポーキー・ミンチ。隣の家に住むネスの幼なじみで、わがままで横暴なうえ、周囲に迷惑をかけてもお構いなしの困った少年だった。
ポーキー「弟のピッキーを山の中に置いてきちまった、一緒についてきてくれるだろ?」
ネスはしぶしぶポーキーについて山へ向かい、置き去りにされていたピッキーを見つけた。無事を確認したところで、せっかくだから先ほどの轟音の正体も確かめようという話になり、三人は音がしたと思われる場所へ向かった。
そこには、大きな隕石が地面を深くえぐり、半ば土に埋もれるようにめり込んでいた。周囲には押しのけられた土が盛り上がり、衝撃で砕けた岩が散らばっていた。
すると、その隕石から一匹のカブトムシが姿を現し、驚くことに人の言葉で話し始めた。
名前はブンブーン、彼曰く自分は10年後の未来からきた、この先ギーグという地獄の破壊主がこの地球を征服しに来る、そしてそれらの脅威から地球を救うのはネスを含めた4人の子供だという事。
ネスはただの野球少年、そんな恐ろしい相手と戦えるはずがない、だがブンブーンが言うにはネスには
状況を呑み込めずにいると、突如、未来からの暗殺者「スターマンの息子」が姿を現した。ブンブーンはすかさず迎え撃ち、
その光景が、ネスの中で眠っていた力を呼び覚ました。
それから始まった冒険は、ネスを大きく成長させていった。
新たな仲間との出会い、困難との戦い、そして...幼馴染の裏切り。
ポーキーは、ギーグの側についた。
かつての親友は、ネスたちの行く手を阻み続けた。
ネス(なんでだ、ポーキー...)
怒りと悲しみが、ネスの心を掻きむしる。
ネス(お前はもう、ただの迷惑な子供じゃない。完全な悪党になってしまった)
ポーキーへの怒りも悲しみも消えないまま、それでもネスは仲間たちと旅を続けた。
幾多の困難を乗り越え、八つの聖地を巡り終えた時、ネスは自身の心の世界「マジカント」へと迷い込んだ。
そこで彼は、後ろめたさから目を背けてきた記憶と向き合うことになった。
そこに現れたのは、小学校に入ったばかりの幼い自分と、上級生たちに暴力を振るわれているポーキーの姿だった。
ポーキーは太った体形を理由に上級生たちから目をつけられ、日常的に暴力を振るわれていた。
年上で、いつも兄貴面をして自分を引っ張ってくれていたポーキー。その彼が殴られ、地面にうずくまる姿を前に、幼いネスは声も出せずに立ち尽くしていた。怖さとも戸惑いともつかない感情が胸の中で入り乱れ、どうすればいいのか分からなかった。
その時、顔を上げたポーキーと目が会い、絞り出すような声で喋りかけてきた。
ポーキー「助けてくれ」
すがるような眼差しを向けられたにもかかわらず、ネスは背を向け、その場から逃げ出してしまった。
それ以来、ポーキーと顔を合わせるたびに、あの言葉と眼差しが脳裏によみがえった。
見捨ててしまったことへの後ろめたさから、ネスは次第に彼を避けるようになり、二人の間には距離が生まれていった。
やがてポーキーは、わがままになり、周囲へ横暴に振る舞うようになった。ネスはその変化に嫌悪感を抱きながら、自分が彼を避け始めた理由には目を向けようとしなかった。
今、その記憶を突きつけられ、ネスの胸に深い後悔が押し寄せた。
ネス(僕は...なんてことを...!自分が逃げ出したくせに...避けたくせに...!それなのに、悪者と決めつけて力を振るった...!)
その瞬間、ネスの中で何かが変わった。
自分の過ちを受け入れた時、地球の力が彼の中に流れ込んできた。
ネス(ポーキーに謝らなきゃ...必ず...!)
様々な冒険を経て、ネスたちはついにギーグの居場所を突き止めた。
それは、過去の世界だった。
しかし、そこへ向かうには大きな問題があった。タイムマシンは用意できたものの、人間の肉体では時を越えることができず、肉体を捨て、ロボットとなって過去へ渡るしか方法がなかった。
しかも、元の時代へ帰ることも、元の体に戻ることも、二度とできない。
それでもネスは、大切な世界と家族を守るため、仲間たちと共に過去へ向かう決意をした。
過去へ渡り、ギーグの居場所にたどり着いたネスたちの前には、生き物のように脈打つ奇妙な機械があり、その傍らには見覚えのある人物が待ち構えていた。
ポーキー「お前…ネスか?みっともない姿になったな!」
蜘蛛型の機械に乗ったポーキーだった。彼はネスたちとは違い、人間の肉体を保ったまま、この時代へ渡ってきていた。
ネス「ポーキー…!!なんで君がここに…?いや、それよりも…その後ろのやつはなんなんだ!ギーグはどこにいるんだ!!」
ポーキー「ギーグ様…いや、ギーグはこれだよ」
ポーキーは背後の機械を指さした。
彼の話によれば、ギーグは強大になりすぎた自身の力を制御できず、悪そのものと化してしまったという。今はその力を抑えるため、機械のカプセルに封じられていた。
状況に戸惑いながらも、ネスは、あの日、助けを求めるポーキーを置いて逃げ出したことを、ようやく本人に謝ろうとした。
だが、その言葉を伝えるより先に、ポーキーはギーグを解放してしまった。
ポーキー「どーだネス!ギーグのこの姿!怖いだろ?おれだって怖いよ!ギーグはもう考えることもできないし、自分が何をやっているかもわからない!自分の力で自分の人格を破壊した、とんでもない大馬鹿野郎さ!ネス、餌になれよ!ギーグの!!」
そう言い捨てると、ポーキーは蜘蛛型の機械と共に、どこかへ姿を消した。
ネス「まて!待ってくれよ!ポーキー!」
呼びかけに返事はなく、代わりにネスたちの周囲を覆い始めたのは、赤い霧のようなものだった。
ギーグはもはや原形をとどめず、その霧の中には、人間の顔を思わせる形が無数に浮かび上がっていた。顔は互いに重なり合い、絶えず歪みながら、ネスたちの視界を埋め尽くしていった。
ギーグ「ウレシイ…イタイ…キモチイ…ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
うわ言のような言葉を繰り返すギーグには、どんな
一方、ギーグが放つ攻撃は、その正体さえ分からず、防ぎようもなかった。ネスたちの金属の体は傷つき、意識までもが蝕まれていった。
追い詰められたネスたちには、もう祈るしかなかった。
誰も手を差し伸べられないはずの過去の世界で、それでも彼らは助けを求め、祈り続けた。
すると、奇跡が起きた。
冒険を通じて関わってきた世界中の人々や家族、そして別の次元からネスたちを見守っていた者たち。その思いが時代も次元も越えて結集し、ついにギーグは倒された。
直後、ネスの視界が砂嵐のように乱れ、意識は途切れた。
再び気がついた時には元の時代に戻っており、金属だった体も、元の人間の体に戻っていた。仲間たちも同じように肉体を取り戻し、無事に帰り着いていた。
どうやら、皆の思いが帰還の奇跡まで起こしてくれたらしかった。
こうして世界はギーグの脅威から救われ、ネスたちは元の日常へ戻ることができたのだった。
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ネス「元の日常なんかじゃない」
パーティーを終えて床に就いたネスは、窓越しに隣のミンチ家を見つめていた。
ネス「君だけだ、ポーキー。君だけが戻ってこなかった」
隣家では、ポーキーの両親が何事もなかったかのように暮らしていた。息子が行方知れずになったというのに、その生活には何の変化も見られなかった。
ネス(僕だって同じか……結局、誰も何もしない。自分の幸せで手いっぱいだ)
そこまで考え、ネスは唇を噛んだ。他人の薄情さを責め、それを理由に、自分も何一つ行動していないことを正当化しようとしていた。
窓から離れると、やり場のない感情をぶつけるように布団を強く殴り、そのままうつ伏せに倒れ込んだ。
ネス「くそっ……!」
その時、一通の手紙がひらりと舞い、ネスの顔のすぐ前に落ちた。
ネス「なんだこれ……なんで手紙がこんなところに?」
拾い上げた封筒を見て、ネスは先ほどの事故でトラックから無数の封筒が舞い散っていた光景を思い出した。
ネス「もしかして、あの時の……!大変だ、持ち主に届けてあげないと!えっと、住所は……」
慌てて宛先を確かめたが、そこに書かれていたのは自分の名前だった。
ネス「僕宛てだ……」
続いて差出人の欄に目を向けると、見覚えのない名前が記されていた。
ネス「マスターハンド……」
ネスは首をかしげながら封を切り、中の便箋を取り出した。
『拝啓 ネス様
あなたを大乱闘スマッシュブラザーズに招待します。
優勝者には、どんな願いもかなえて差し上げましょう』
ネス(願い……?願いを叶えるねぇ……)
どんな願いも叶えるという、あまりにも都合のいい文面が、今のネスには自分の苦しみを軽々しく扱っているように思えた。便箋を握る指に力が入り、抑えていた感情が一気にあふれ出した。
ネス「ならポーキーに会わせてみろよ!ポーキーに謝らせてみろよ!またポーキーと野球させてみろよ!!」
部屋に響いた自分の声に我に返り、ネスは深いため息をついた。
ネス「なんだ僕は……こんないたずらの手紙に……」
その瞬間、手紙が眩い光を放ち始めた。
ネス「眩しっ!」
とっさに目を閉じ、顔の前に手をかざしたが、それでもまぶたの裏が真っ白になるほどの光が押し寄せた。
やがて光が収まると、ネスはかざしていた手を下ろし、ゆっくりと目を開けた。
ネス「え……?」
そこは、見知らぬ部屋だった。
次回からネスの対戦相手が現れます、お楽しみに!
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