クソデカ感情持ちの旧支配者っぽい奴しか来ねぇんだけど!? 作:Orpheus@失踪主
幾億もの目が目の前にあった。怪物が、異様な獣が俺を見ていた。
そこは宇宙、幾世にも神々しく光る星々の船。だが俺には
一本の長い、長い長い触手が俺の体に巻き付き、へその緒のようにくっつく。嗚呼、知ってしまった。見てしまった。聞いてしまった。魔王の声を、魔王の喜びを、魔王の叫びを。
【我々は歓喜した。我々は嘲笑う。我々は祈った。赤子を、我々の異端を。神を粛清せんとす切り札を。
左手に持った六芒星のマークが特徴的な本が反応する。呼び声が、悪夢が俺を襲ってきたのだ。
笑うは火星の支配者、笑うは忘れられた都市の支配者、嘲笑うは化身たる者、喜ぶは、全能なる者或いは泥に塗れた豊穣の女神、眠るは、魔王だった。
【祝え。我が子の生誕を】
複数の触手が、その者を持ち上げ神々は笑う狂気に満たされたであろうその場は、歓喜に包まれた。神による悲願がその場で達成されたのだ。人の形をしたその子供が。今、
「ハァ…!ハァ…!」
目が冷めた、目が開いた。体は汗で浸り、恐怖によって布団は湿っていた。
(またか……)
頭を悩ました後、起き上がり、よく見る悪夢の原因である存在に目を合わせる。ベットの横に置いていた六芒星のマークが特徴的な古い本。名をネクロノミコン。
(嗚呼、またあの夢だ……本当に慣れない。あの形容し難い者たちを見る度に発狂しそうなのだが?)
しかし、今日はいい天気だ、清々しい程に澄み渡る青。窓を開けて吹き込む風。だけど、きっとコレは虚空に過ぎない。全能なる者の知識が俺の精神に影響しているのは確かだ。だが、俺はアイツらじゃない。人間だ。人間の身体をした化け物じゃない。否定するには、十分だ。そうだ、そうに…いや、やめよう。そんな事は重要じゃないんだから。
歯磨きをして、ご飯を作って今日も学校に行く。ソレだけ。ただソレだけ。
「いただきます_____」
少し洒落たひまわりのイラストが書かれた皿の上に乗った、スクランブルエッグに昨日切ったであろうキャベツの千切り、味噌汁と茶碗に添えられた湯気が立ちのぼる出来たてホヤホヤのご飯。洋食なのか和食なのかよく分からない朝ごはんに感動する。
テレビをつけ、今日の天気を確認する為にニュースを見る。
『まもなく、かの有名な画家、ゴッホが描いたとされる作品達がここ、日本で展示されると……』
ふ〜ん?家から近いな……そう言えば、ゴッホ……ゴッホね___。
ジャポニズムの影響を受けた画家の1人であり、生前には評価されなかった悲しき画家。そんな事を色々な人はそう口にする。アブサンと言うお酒に狂い、精神を病み、最後は自殺に走った悲劇の画家。可哀想なこった。救いなど、何処にもないだろうに。
だが、俺はゴッホという人は1つ尊敬の念を抱いている。それは俺は絵を描くのが好きなんだ。画家になりたいと思っていた。だけど良く考えると俺が書く絵は黒と黄色と青。何処か暗く度し難い何か。こんな絵を買うやつなんか何処に居るのか……、そんな未来に諦め、趣味として描いている。ただ、1人の絵描きとして。絵を描いてきた先人としてその絵は俺の心を掴んだ。だから、ゴッホと言う人を尊敬している。それだけ___。
ちなみにネクロノミコンから幾億の時空を見守る観測者が、魔王の絵を書けと。囁いて来る時がある、そんなやつは無視して絵を描くが次は銀の鍵から干渉してくる。なんだこいつら……
一応リビングに書いた絵を飾っているが……なんか、化け物が出てきそうな感じがする。だけど個人的にいい絵だとは思う。とても自己満悦に浸れる絵だ。ひまわりの花束を持つ精一杯輝く笑顔を見せる少女の絵。黄金比も考慮した良い絵であろう。え?なんでバケモノ出そうかって?なんか……急に絵が変わってそうじゃん()
「……もうこんな時間か、行くか」
絵を眺めているといつの間にか、6時過ぎほどになっていた。登校時間を考えるとそろそろ着替えなくては……さて、今日はどんな日になるかな?
テレビを消し、食洗機の中に洗い物を入れて駆け出す。部屋に戻ると、制服に着替え、ネクロノミコンと銀の鍵を手に、さっさと駆け出す。扉を開き、鍵をかけ、大事なことを確認したらそのまま出るのだ。
「行ってきます」
ドアがガチャと音を立てた瞬間、声が聞こえた。あの声だ。ヤツらの声だ。嗚呼、嫌な予感しかしない。
【我が子よ、再来せよ。満たせ、我らに
暗く淀めぐ声がした後、視界がぼやけてくる。すると、勝手にネクロノミコンが俺の手元を離れ、開かれる。
炎上したこの街で……?その意味を直ぐに知ることになった。
真っ白い修正液の様なものが世界を覆ったのだ。目の先から一つ一つの色が、色彩が
硝煙の匂いと崩れ、燃え尽きる瓦礫の山々。そして降り尽きぬ雨。少なくとも、そこに佇む青年は異質であったであろう。
「…俺の家が、燃えてる____!?」
燃え残る青い屋根、そこは正しく青年が住んでいた家で間違いなく違和感があるとすれば燃えているのにその現物は炎をものともしてなかった。
頭の中でアイディアロールが成功したのか、もしくは誘われる様に、いつもの様に鍵を開け直し、中を確認すれば燃えている壁に本来ならば自分で書いたであろう絵では無く、向日葵で顔を隠す人物が描かれた絵へと変貌していた。
召喚せよ_______。
絵に手を伸ばし、その絵を感じ取ると声が聞こえた。銀の鍵からの声だ。
【召喚せよ____】
声が聞こえた。ネクロノミコンからの啓示だ。だが、召喚せよ?何を?頭の中、言われるがままに答える上位者どもの言葉に理解できない。
そう思った事を聞いたのか、その声と共に体が操られる。それは金縛りではなく、口から空気が出るよう、当たり前だと言わんばかりに口から言葉を吐いた。我らに合わせろと言わんばかりに。
【「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」】
『「閉じよ(みたせ)。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」』
ネクロノミコンが飛び出し、パラパラと宙に浮くや否や。魔法陣が展開され、一枚の切れ端と少女が描かれた絵が燃えていく、その灰は魔法陣に吸収され、やがて彼の手に纏わりついた。
【「_______Anfang(セット)」】
『「______告げる」』
【「______告げる。」】
【『「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」』】
【『「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」』】
【『「向日葵は夢の海に溺れ、狂気の果てを示せ」』】
【『汝三大の言霊を纏う七天、 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」』】
声を響かせ、手を上げる。彼の肉体に上位者としての異変が現れたのだ。左腕に名状し難い触手のようなタトゥーが浮かび上がる。そして1つの印字が刻み込まれた。
そして顕る彼と同じ、
立ち上がれば、向日葵を差し出してきた少女が目の前に居た。
「サーヴァント・フォーリナー。見ての通り、ゴッホです……。一緒に世界を塗り替えましょうね。な、なんちゃって、ウフフ、エヘヘ……」
「……へっ!?」
理解した。理解してしまった。青年は分かってしまったのだ……自分がいる世界を嗚呼、
終わった____何もかも終わった _____。
Byネコアルクと化した投稿者。
はい、失踪主ことオルフェウスです。
この小説は自分のエゴと未熟な文章力で生み出した闇鍋みたいな物なので……次投稿する時は新年になるかな……アハハ……
前々(オリジナルのVTuberの話ぐらい?)から書き溜めていた作品を、全力で名状し難い作品に仕上げました。
(あ、他の作品も書き溜め凄いのでちゃんと投稿していきますね。特にアポカリプス君の話が……10話ぐらいあるけど気に食わないのでちゃんと描き直して投稿させていただきます。)
これからも、高評価、誤字報告など貰えると幸いです……。
(ここから疲労による怪文章です)
そして、この為にラヴクラフト全集を読み漁ったのだ……ああっ!!俺は遂にやったんだ!!やったんだア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!アハハハハハッ!!(脳内聖歌隊)
ところで、みんなはフォーリナーは好きかい?(うん!大好きさ!)僕はね〜、ゴッホちゃんが大好きさ!自虐体質もいいけど何より可愛いよね……えへへって言ってるボイスが耳を透き通るような世界観(中身は混沌めいた何か)に取り込まれるような……嗚呼、気分が良い。空が青く澄み渡っている。素晴らしいと思わないか?まるで【⠀】のように何処か共感してしまう、或いはゴッホという人物を現代に例えた様なその性格性がとてもいい。所でみんなはネモちゃん交換したよね?虚数大海戦 イマジナリ・スクランブル復刻まだっすかねぇ……あの笑顔は私の心に深く突き刺さったんだ。ノーチラス食らったほどに___。お前もフォーリナーを引かないか?ああ、我が母なる物よ、どうか、どうか豊穣を授けたまえ、星が見上げている。星が読んでいる。どうか、どうか全ての詩人達に祝福を或いは星に目を。全ての絵描き達に幸福を。
これからも人が描いたエゴを愛してもらえると嬉しい。全ての者に敬意を____。