掘り当てた宝がとんでもないものだった件について。   作:怒リラン怒

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みんなキヴォトス滅ぼすのに全力なので、偶にはキヴォトスを護る守護神的なのを描きたかった。


とんでもないものを掘り当てた件について。

 

 神秘の匣庭、キヴォトス。そこに位置するとある砂漠の地――あたりのものはすべて細かな粒や砂に還り、砂漠の地面を作っていた。

 

 カラカラに乾いた土地、過去な環境には生い茂る草木やそこに住まう生物もない……もっと具体的に言えば、それはこの地に住まう()()()()()()()が原因なのだが、それに関しては今回割愛させて頂く。

 

 かつてそこにあったオアシスは干上がり、街は砂漠化に襲われ、その地にはもはや何も残されていない。そう思われていた。

 

 しかし、そこに残っているものは確かにあった。砂漠の砂に埋もれては居たが、確かにそこに居た……それは、2mほどの人形のロボット。

 

 白い身体を持ち、細身でな胴体に少し長い手足。全体的に華奢な印象を持てるが、そこには確かは力強さも存在していた。

 

 それは、どれだけ長い間そこにいたのだろうか……きっと気の遠くなるような時間この地で眠いっていたに違いない。

 

 しかし、その表面は砂にさらされていたにしては綺麗で、艷やかな装甲をしていた。それを『宝探し』と評して見つけた二人組は驚きのあまり目を見開いていた。

 

「す、凄いよホシノちゃん!大発見だよ!」

「まさか……ロボット?こんな物が眠ってたなんて……」

 

 そこにいる二人組は、この砂漠の位置している学校。アビドス高等学校の生徒である。今や二人しか居ないが……それでも、生徒なのである。

 

 名は梔子ユメと小鳥遊ホシノ。

 

 二人は、偶然見つけた宝の地図とやらを頼りに発掘作業に勤しんでいた……それなりに深い穴を掘った時、砂の中から現れたのが、この白いロボットなのである。

 

「でも、砂の中にいたにしては綺麗ですね……」

「もしかして、噂に聞くオーパーツって奴じゃないのかな!?」

「もしそうだとしたら……借金返済までぐんっと近づきますね!」

 

 普段から明るいユメは置いておいて、比較的クールなホシノも高値で売れるとされるオーパーツらしきものを目の前には気分の高揚を隠せずには居られない。

 

 そこまでしてお金が必要な理由……それは、結構単純なもので、現在アビドス高等学校には9億を超える借金を抱えているのだ。金が入り用になる訳だ。

 

 そんな借金返済の望みをかけてこうして宝探しなんてしてみたはいいものの……まさか、本当にこんな掘り出し物が見つかるとは思っていなかった。

 

「兎に角ホシノちゃん、一回持って帰ろう!」

「そうですね!」

 

 二人は意気揚々とそのロボットを運ぼうとする……だが、二人が生まれたロボットを触れようとする前に、その顔のバイザーに光が灯る。

 

 そして、独特な駆動音を上げてそっとゆっくりと身体を起き上がらせる。突然の光景に二人は一瞬唖然とするが、すぐさまホシノが前に出て愛銃を構える。

 

「わっ!?」

「ユメ先輩下がってください!」

 

 起き上がったロボットは、首を動かしてあたりを見渡す……すると、直ぐ側に居たホシノのユメを見て静かに問いかけた。

 

「俺は――誰だ?」

 

 

 

 砂漠に埋もれていたそのロボットが、自分にまつわる古い記憶を追いかけても、ついさっきとしか言葉は出てこない。

 

 随分と長い悪夢を見ていたような気分だが……。

 

 そのロボットが、目覚めて最初に目にしたのはピンクと緑髪の少女達。頭には独特な天輪を浮かべている。周りには砂の大地。

 

 自身の掌を見てみると明らかに人間ではない機械らしい掌、それに驚いてしまう。少なくとも、かつての自分はこんな機械らしい腕はしていなかったはずだ。感覚がそう訴えてくる。

 

 なぜ自分が機械になっているのか、ここが何処なのかは、何故自分がここにいるのか、自分は何者なのかすら一切わからない。

 

 そのロボットは、目の前の二人にすがるような思いで、静かに言葉を紡いだのだ。

 

「俺は――誰だ?」

「しゃべった!?」

「っ!」

 

 だが、突然動き出したオーパーツがしゃべりだしては警戒されるのもやむなし……ホシノは、銃を構えて冷徹に問いかける。

 

「お前……何者だ。」

「……わからない。俺は誰だ?」

「記憶喪失?」

「記憶喪失って……ロボットですよ?」

 

 ユメの呟きに、自分にも言い聞かせるように返すホシノ。そのロボットはそっと立ち上がり、スタスタと歩きだす……兎に角動かなければ始まらないと思ったからだ。

 

 しかし、ホシノは咄嗟にクセで声を上げる。

 

「ま、待て!止まれ!」

 

 ロボットは、その声に律儀に従い立ち止まりホシノへとそっと振り向く。

 

「何か俺に用があるのか?お前達は……俺を知っているのか?」

「い、いや。知らない!……けど、お前を見過ごすわけにも行かない!」

「まぁまぁホシノちゃん!そんな喧嘩腰じゃ向こうだって訳わかんないって!私に任せて!」

 

 そう言って、ユメはホシノとロボットの間に立つ。ホシノは何か言いたげだが、ホシノが言葉を挟む前にユメは笑顔で自己紹介を始める。

 

「私、梔子ユメ!この子は小鳥遊ホシノ!アビドス高等学校の生徒なの!」

「アビ、ドス?」

「そうそう!この辺の砂漠の自治区を保有してる学校なの!……あ、ここはキヴォトスって言っていろんな学校がある学園都市なんだぁ!……あ、そもそも学校ってわかるのかな?」

「学校……わかる。」

「そっかそっか!それでね、私達は借金返済の為に宝探しを――」

「ちょちょ!」

 

 ホシノは思わず言葉を挟み、ユメを引っ張って耳元で語りかける。

 

「ユメ先輩!相手は訳のわからないロボットですよ!?そんなにペラペラと色んなこと喋って!」

「えぇ、でも悪い人じゃなさそうだよ?」

「悪い人って言うか……そもそも人なんですかアレ!?」

「俺は……人、なのか?……いや、機械なのか?」

「ほらぁなんか変な自問自答し始めましたよ!?」

 

 ホシノのまくしたてられるユメは、うーんと軽く考え込むような様子を見せると、深く頷いてから声を上げる。

 

「よしっ!兎に角一回学校に連れ帰ってみよう!」

「えぇっ!?……確かにこのままほっておくのもできませんけど……」

 

 ホシノは少し悩んだ様子だが、ユメは「けってぇーい!」と何処かテンション高めに、そのロボットを掴んで歩きだす。

 

「ほらっ!行こっ!えっと……名前は?」

「名前……わからない。」

「そっか、じゃあ名前も考えてあげなくちゃね!」

「ちょ!置いてかないでくださいよ!」

 

 ホシノも、軽く唸り声を上げながら納得できたような出来ないような複雑な表情で、先を進む夢を追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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