AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認) 作:赤髪のTOMO
Episode1 “新時代の幕開け”
〈ピッ、、ピッ、、ピッ、、ピ、、、〉
ある病室で1人の男が眠っている。その横で1人の女性が疲れているのだろうか、座りながら眠っている。
「こ、ここはどこだ?」
男が目を覚ました。あの彼だ。どうやらあの激戦を五体満足の状態で生き残ったらしい。
それでも、彼は自分の事よりも基地に置いて行ってしまった者達の事を心配していた。
「起きたな。とりあえず無事で良かった。」
仲間の男がやって来て言った。彼女も起きて言った。
「やっと気が付いたんですね。無事で良かった、、、本当に。」
「ここは、、何処だ?何日経った?」
彼は意識がハッキリとはしておらず、まだ戸惑っていた。
彼女と仲間が端的に説明する。
「ここは日本に作られた唯一の巨大コロニーです。戦争が終わってからは1ヶ月ほど経過しています。日本を含め、全ての国家は崩壊してしまいました。」
「企業の連中、“パックスエコノミカ(経済による平和)”なんて言うスローガンを掲げて一般市民をこの住居施設『コロニー』に押し込んだんだ。」
「挙げ句の果てには食料と引き換えに労働をさせられる始末だ。」
「生き残った自衛隊は全員、ここで匿って貰っているんです。でも、それも限界があるようです。資本力が無ければ、戦力を整える事も出来ませんしね。」
「まあ、このままゆっくり余生を過ごすのもいいと思ったんだが、企業の連中には借りを返さなきゃな。」
「そうか、よく分かったよ。それで動かせる機体はあるのか?」
「ありません。私たちの機体も北海道基地から逃げる時に、企業の大部隊と戦闘になって破壊されてしまいました。他も大破してしまったモノばかりで、、、」
2人とも何だか隠しているようだった。彼がベットから出ようとして横のベットを目に入れた時、驚いた。相棒が眠っていたのだ。
「これは、どういうことだ!?」
2人は目を合わせた。
「実は動かせる機体は一機あるんです。」
「機体番号[083]ACネーム『ジャパニーズ・ブレッド』、あんた専用にアイツが設計した機体だよ。」
「最新型は[082]のはず、、、秘密裏に開発されていたのか、、、」
「ああ、アイツは自分で言うと言っていたんだが、まさかその前に自分が乗るハメになるとはな。」
「あの機体は[078]とあんたの戦闘データを元にAC戦に特化させた機体だ。」
「企業の大規模部隊との戦闘の時、こっちの戦力は圧倒的に不足していて、やむ負えなく彼があの機体で出撃したんです。」
「俺たちでも乗りこなせない、あんた専用の機体なんだ。」
「劣悪な操作性とEN負荷、サイドに5基ずつメインに6基搭載されたブースターによる馬鹿げた高速機動、終いには極端な高速チューンとそれらに見合わない高い耐久性の実現によるパイロットの高負担。」
「そりゃああんな激しい戦闘では尚更、機体に呑まれる訳だな。俺の仲間も2人逝っちまったくらいだしな。」
「(無茶して、、、)いや、俺が言える事じゃないな。」
彼は相棒を見ながら、小声でそう言った。
「どうかしました?」
彼女は相当彼を心配している様だ。
「何でも無い。回復したらシュミレーションをして機体に慣れるさ。」
1、2年後、 全員が十分回復して企業に対抗するための準備を進めていた。
「資金はどうする?戦力を整える為にも安定して暮らす為にも金は必要だ。」
今まで仲間だった男はすでに彼にとって戦友と呼べる存在だった。
「俺に考えがある。聞いてくれ。」
彼は3人とコロニーのリーダーを呼び出した。
「俺は企業に対抗する為の資金の確保方法について傭兵業をやろうと思う。」
「そして、その暁にはここで反企業組織を結成し、企業と戦うんだ。」
戦友が口を開く。
「で?何処に傭兵として雇って貰うんだ?機体は?パイロットは?」
「[083]に俺が乗って傭兵をする。雇って貰うのは[有澤重工]だ。」
「有沢はネクストを1機しか保有しておらず、提携しているGAもネクスト関連技術で他企業に遅れをとっている。」
相棒が話に入る。
「つまり、ネクストに匹敵する隊長を手中に収める事は、彼らにとって損はないという事ですね。」
「そうだ。それに上手く交渉すれば、ネクストパーツが手に入るチャンスが来るかも知れないしな。」
「コジマに手を出すのですか?」
切り出したのはコロニーの長だった。
「最終的にはそうなるかと。我々が企業に対抗するにはネクストという文字通り強大な戦力が必要となりますから。」
それ以上誰も何も言えなかった。
旧自衛隊の新型AC[083]『ジャパニーズ・ブレッド』
主人公の開発した[078]、彼とネクストとの戦闘データの2つを元に相棒によって開発された高機動戦用中量機体。
基地内でも一部の人間しか知らないほど極秘に設計され、その極端なコンセプトとネクストに近い動作を求めた故に、操作性が劣悪になり、まともなレイヴンでも気を失いかねないほどの負荷がかかってしまう。言葉通りの彼の専用機体。
自衛隊の技術が惜しみなく使われており、これを乗りこなせるほどのレイヴンであれば、ネクストと同等以上の力を引き出せる。
ほとんどのパーツが低負荷で性能が高いにも関わらず、メイン6基、サイド合計10基、バック4基にも搭載されたブースターによりEN負荷がかなり高い。さらに極端な高速チューンもされており、QBでは瞬間移動にも近い動きを実現できる。
OBも翼のような展開型ブースターを継承している。
SBを強化するために肩部にEN出力装置を埋め込んでいるため、肩が肥大化しているが、EN負荷低減とブースターの出力アップが可能となった。
[078]の頭部には独自の複眼が採用されていたが、この機体はAC同士のタイマンを前提としているため、ロック性能を高めるために2つのカメラアイが採用されている。
脚部も安定性とグリップ力を高めており、近中距離戦に向いている。
ジェネレーターも所持していたネクスト用のモノからコジマ粒子出力装置を排除したモノを搭載しており、多少の無茶な動きにも対応出来る。
武装にもハイレーザーとレーザーアサルトライフルの切り替えが可能な戦闘ライフル、正式名称『Stark(スターク)』を装備可能で、これはジェネレーターを圧迫しないよう本体にEN出力装置を内蔵している。だが、重量がかさんでしまう。
他にも、突き刺す事に特化した伸縮型のヒートブレード、正式名称『thrust(スラスト)』も装備できる。確実にコックピットを破壊するための兵装である。
背中に追加ブースターを搭載する事も可能だが、人体にかかる負荷を度外視しているため、対Gジェルにでも身を包まない限り死ぬ事になるだろう。
その尖りまくった専用機体の評価は高くなく、その異形な外見と危険性から「Daredevil(命知らず)」とも揶揄されている。
機体名と搭乗レイヴンの知名度の高さから、設計者の相棒も名を知られるようになったキッカケになる。相棒はこんな機体や突撃型射突式ブレードを設計した事から、その性格に似合わず“マッドアーキテクト”という名で呼ばれる事もある。
主人公は右腕にスターク、左腕にアサルトライフル、右背中に追尾製の高いミサイル、左背中にレーザーキャノン、左格納にスラストを装備している。
パックスエコノミカ
国家解体戦争後、6大企業によって掲げられたスローガン。
“経済による平和”などと言う意味ではあるが、実際には一般市民をコロニーに押し込み糧食を得るためだけに労働をさせ、企業支配体制を確立するというモノだった。
企業関係者や富裕層の人間が甘い蜜を吸っている最中、国家の時よりも酷い扱いを受けている市民にはすでに抗う術はなかった。