AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認) 作:赤髪のTOMO
5、6年後…
〈ピピピピッ!!!ピピピピッ!!!!〉
いつもと変わらぬ朝、彼は自身が何度もかけたアラームが鳴っている事にようやく気づき、それに手を伸ばした。
〈ピッッ!〉
「ん〜〜〜、もう朝か?」
彼は寝ぼけながら大きなアクビをして、身支度を整えた。
「おはようございます!」
まだ頭が起きていない状態で食堂の朝ごはんに手を付けていた彼は隣まで歩いて来た相棒に空気を読まれたかのように少々小さな挨拶をされて隣の席に座られた。
「あ〜、おはよう。」
「元気無いですね。今日来られる視察は大丈夫なんですか?」
「ん〜、あ〜、そんなのもあったな。自衛隊AC最強の小隊が来るんだっけか?」
「そうですよ。シュミレーションシステムを利用した模擬戦もするらしいですから、そんな状態じゃダメですよ。」
相棒が笑いながら言う。
「お前こそ『ホワイト・ライト』専用の射突式ブレードの設計、、まだだろ?」
「あら、それを知ってるとは、俺も名が知れてきたってことすかね?」
「しっかりやれよ。」
「はーい。」
その言葉を後に相棒と彼はそれぞれ食堂を離れた。
午後、昼食を食べ終えた彼らは視察に来る人物がどんな人間なのか想像しながら入り口の前で他の研究員と待っていた。少ししてやって来た車両から降りて来たのは、偉そうな身振りをする要人とAC用の対Gスーツを着用した4人組だった。
彼らはしばらく基地内の施設を一通り見て周っていたが、レイヴンと思われる4人組の一人が痺れを切らして彼に話しかけた。
「そろそろ戦わせろよ、、、“最強”。」
それからどうなったのか彼ははっきりとは覚えていなかったが、いつの間にかその体はシュミレーション用のACコクピットにあった。
唐突に相棒からの通信が入る。
《これから最強のAC部隊「08小隊」との模擬戦を始めますよ。機体構成や準備に不足はありますか?》
「いや、よく出来ているな。ありがとう。」
《はい!今回も僕がオペレーションを務めさせてもらいます。よろしくお願いします。》
「ああ、よろしくな。」
彼は体の力を抜いて楽な状態になる。彼は機体のセンサーが拾った音を聞き逃さないために常に音楽はかけないが、脳内で霧の中を軽快に駆けるようなイメージをさせる音楽を再生させながら自分の気持ちが高まっているのを感じていた。
《システム戦闘モード起動します》
合成音声と共にヘルメットの画面に仮想世界が映し出されて行く。
《戦闘を開始します。目的は敵部隊の撃破です。》
彼が乗った最新型の軽量二脚機体[081]をベースに両手にアサルトライフル、B-A方式を採用した事により右背中にレーザーキャノン、左背中にレーザーブレードを搭載し全身が赤黒く塗装されている機体『ジャパニーズ・ブレッド』は青白くカメラアイを発光させて一気に急加速した。
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ミサイルとグレネードの凄まじい爆発と火薬、ブーストによる激しい閃光の中彼はたった1機で高度な連携を取る4機のACを巧みに翻弄していた。
敵のほとんどは最新型の中量二脚機体[082]にそれぞれ特化した武装を施しており、リーダーの機体は[081]にEN適正の高い[082]腕部を搭載し、超近距離にも対応できる[082]頭部を採用したブレード機体『ブレーダー』を扱っていた。
彼は凄まじいまでの空間認識能力で敵の死角に飛び込み、レーザーキャノンとアサルトライフルの攻撃を一機ずつ確実に当てて行く。
《チッ!早すぎる!なんでこっちの弾は当たらないんだよ!!》
比較的動きの鈍い機体に目を付け、一斉射撃を仕掛ける。その直後、敵機は大爆発を上げる。
《3番機、撃破を確認!》
《何ですか!?あれは!あの早さはACとは思えない。》
彼の戦いを見たことがあるリーダーは咄嗟に知識を絞り出す。
《知っているぞ!あれは、、、クイックブーストだ!!》
クイックブースト(以下QB)…自衛隊の機体に搭載されているブースターを瞬間的に何回も発動させる事で瞬発力を高め、回避能力、接近能力を高める技。ベテランレイヴンの中でも極一部の人間しか知らず、EN消費が激しい代物のため、絶妙なEN管理が求められる。
“最強”は3機の弾幕を被弾を抑えながらかい潜り次の目標を決定した。“最強”は一瞬でターゲットに接近し、左腕部をブレードに持ち替えながらすれ違いざまに斬りつける。
《クソッ!!俺らの何が最強だ!!コイっ、、、》
直後、通信が途絶え機体が爆散した。
《4番機、撃破!!残り2機です。》
「(残り2機か、、、ギリギリ持つかな、、)」
そんな焦りを感じさせないほど“赤い閃光”は圧倒的な力で戦場を支配していた。
《チイッッッ!このままでは!》
《僕が囮になります!!》
2番機が“最強”に向かって弾幕を展開しながら突撃して行く。“最強”はそんな事諸共せず接近し、右腕に装備したアサルトライフルを投げつける。
《ウワアアアア!》
2番機は咄嗟に左腕に装備したブレードで投げつけられたライフルを切り飛ばす。が、その最中“最強”は機体の体制を低くしながらブレードを展開する。
〈ザアアッッッ!!!〉
2機が激しく斬り合う!2番機は突然の事態に頭の回転が追いついていなかったが、無意識にブレードを振った事で“最強”の右腕部を斬り落とした。だが、“最強”は相手のコアにブレードを突き刺した。
《すみません、、、隊長、、、》
その声と共にカメラアイから光が消えた。
〈ピーー!ピーー!ピ、、、〉
警告音を聞いて彼はエネルギーの再チャージを行っている事に気づく。
「(ふう、、残るは、、、)」
その時だった。
〈ヒュュウウーーー!!〉
横からオーバードブーストとブレードを起動した機体が勢いよく突っ込む。
《すまん!みんな!だがこれで終わりだ!!これでえッッ!》
〈ビュュウウウーーーーー!!!!〉
オーバードブースト(以下OB)…アーマードコアの強みは汎用性、独特で高い機動力、複雑な動きが出来るなど様々な点があるが、ACの速さは戦闘機などと比べると圧倒的に不足しており、その欠点を補うために装備されたのが中遠距離からの急接近、急離脱用のブースターであった。
「ッッッッ!流石にやるな!!」
彼の視界が青白い聖剣のような光でいっぱいになる。しかし、彼は相手の動きを正確に予測しコアに向けて鉄塊と化したブレードを突き刺す。両機の動きが止まる。どうやらまだ“最強”を超えるものはいないようだ。
だが、濁り水がゆっくりと流れ始めていた事にはまだ誰も気付いていなかった。