AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認)   作:赤髪のTOMO

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Episode6 “アナトリアの傭兵”

彼はいつもの4人と一機のネクストとノーマルを連れて、ヘリで上空を飛んでいた。

 

「まさか、[コロニーアナトリア]に行こうだなんて、、、」

 

仲間が口に出す。

 

「確か、イェルネフェルト教授率いる、AMSの研究者集団だったな。彼らがオーメル側だったのはラッキーだな。」

 

「よく許可を取れましたね。」

 

戦友と彼女が言う。相棒が口を挟む。

 

「いや、イェルネフェルト教授は3、4年ほど前に亡くなられたそうです。今は弟子のエミールという男が指導者となっているようです。」

 

「ふ〜ん、アナトリアの衰退も同時期だったな。彼らも日々生活で手一杯なのかもな。」

 

彼が窓から遠くを見ながらつぶやく。

 

「というか、僕はそれよりもあの“伝説のレイヴン”に会えるのが楽しみですね。」

 

相棒が目を輝かせる。

 

「あまり期待しない方がいいかもな、、、もうすぐ着くぞ!」

 

相棒は疑問に思いながら、一同はアナトリアに到着した。

 

「ようこそ。アナトリアコロニーへ。私の名はエミール・グスタフだ。」

 

目の前で話し始めたのは白髪混じりの中年の痩せ型の男だった。

 

「私がフィオナ・イェルネフェルトです。あなた達を歓迎します。」

 

エミールの横にいたのは金髪でショートヘアの若い女性だった。

相棒は思わず見惚れているようだった。彼は相棒の方を見やりながら思って尋ねる。

 

「(彼女はかなりの美人だし、まあ、そうなるのも分かるが、、、)あの、失礼ですが、あなたはイェルネフェルト教授の娘さんか何かなのですか?」

 

「ええ。それは私の父です。さあ、コロニーをご案内します。ついて来て下さい。」

 

彼女にはあまり元気がないように見えた。

施設内はAMS関連のモノで一杯だった。ある部屋の前で彼女が足を止めて話す。

 

「ここでAMS適性を計測出来ます。一度測ってみましょう。」

 

彼女に連れられて、全員が検査を受けた。

 

 

 

エミールとフィオナは驚いているようだった。

 

「この値は、かなり高いですね。」

 

「ああ、しかも全員が適性があるようだ。」

 

戦友はいつかの訪問の時のように待ちきれなくなって彼らに問いかける。

 

「オレ達はネクストを動かす方法が知りたいんだ。早くしてくれないか?」

 

エミールが語り始める。

 

「あなた達は全員、優秀なリンクスなれるだけの適性があります。ネクストを操縦するには、あなた方もご存じのように神経接続が必要になり、それには手術で背骨に接続装置を埋め込む必要があります。」

「手術は難易度こそ高いですが、我々なら安全に出来ますし、あなた方なら明日にでもネクストを動かせるようになるでしょう。今日はお帰りになられるか、誰か手術を受けるかはお好きにして頂いて構いません。」

 

彼らは顔を見合わせる。

 

「考える時間は必要でしょう。フィオナ、ネクストの収容ドッグを案内してあげなさい。」

 

「いいのですか?」

 

「構わん。それに本物を見てもらった方が決断しやすいだろうからね。」

 

「分かりました。みなさん、行きましょう。」

 

彼らは薄暗い大型のエレベーターに乗って地下に降りていった。途中には“Danger!!”だの“Warning!!”だの危険な言葉が並んでいて、“ネクスト”がいかに人類の手に余るモノか教えてくれるようだった。

だが、彼らは力を得る為に躊躇している余裕はなかった。

エレベーターが最深部に到着し扉が開くと、ガラス越しに真っ黒なネクストと、それを眺めている男を見つけた。

 

「オーエン!こんな所にいたの!?」

 

オーエン?聞き慣れない言葉に一同戸惑うが、彼はあれが「アナトリアの傭兵」であると確信した。そこに証拠なんてモノは必要なかった。

オーエンは振り返って彼らを見た。

 

「あんたが噂の“最強のレイヴン”だな。」

 

彼は黒髪の短髪の若い男だった。唯一見える顔は元々はイケメンのようだが、痩せこけていて目には隈があり、顔は青ざめていた。そして見えにくいがどうやら左腕は義手のようだ。

 

「あれがあなたの機体ですか?」

 

彼が尋ねる。

 

「ああ、オレの機体『ノワール』だ。」

 

「少し質問をしても?」

 

「構わないよ。オレも君に興味があるんだ。」

 

「あなたは身体的にも精神的にも疲労しているように見える。それはあなたの適性が低いからか?」

 

「ああ。その通りだよ。」

 

エミールが後ろからやって来てオーエンの代わりに答える。

 

「俺はあなたには聞いてないですよ。それに、こんな事をしてまで彼をネクストに括りつける意味はあるんですか?」

 

今度はオーエンが答える。

 

「この故郷とも呼べる存在になったアナトリアとフィオナの為にオレはネクストに乗り続けているんだ。これは俺が選んだ事なんだ、だから君まで心配しなくていいんだ。やはり君は優しい人なんだな。」

 

「しかし、、、、」

 

突然警報が鳴り響いた。フィオナが近くの壁にあった電話を手に取って連絡をとる。

 

「敵ノーマル部隊が接近中です!オーエン今すぐ、、、」

 

オーエンは既に出撃する為にその場から姿を消していた。彼もすぐに行動する。

 

「俺も『ジャパニーズ・ブレッド』で出撃する!お前らはここで待機!フィオナさんの指示に従え!」

 

そう言い残してその場から去っていった。

 

「私はオペレータールームへ行きます。あなた方も戦況を知りたくありませんか?」

 

「一緒に行こう!」

 

フィオナと一緒に彼らはオペレータールームに向かった。

 

 

 

「ハア、ハア、ハア、、、」

 

彼は2機のACが積まれたヘリに向かっていた。

 

「『ジャパニーズ・ブレッド』の発進準備だ!」

 

ヘリのパイロットが叩き起こされる。

 

「何があったんだ?」

 

彼は対Gスーツに身を包みながら言った。

 

「ここに敵勢力が接近中らしい。それを排除する!」

 

彼は素早くコックピットに入り込み機体を起動させる。

 

《システム通常モード起動します。》

 

合成音声の合図と共に機体に火が入る。

 

《こっちの機体の射出は飛ばなくても出来るからな、いつでもいいぞ!》

 

「こちらも準備完了した。合図してくれ。」

 

《了解、、、、GO!》

 

彼はヘリから勢いよく飛び出し、OBを起動して飛び立った。

 

〈ズオーーー、ドン〉

 

“赤き鴉”はゆっくりと緑の大地に降り立った。

 

〈ドオーーー、ドン〉

 

彼の横に黒いネクストも降り立った。

 

《こちらオペレーター、フィオナ・イェルネフェルトです。》

《敵勢力はMTとノーマル部隊、それから後方に大型機動兵器『クェーサー』が2機です。》

《生活可能領域に近すぎる!PAは展開出来ません!注意して!》

 

オーエンの乗る『ノワール』は、頭部がローゼンタール製のオーギル、コアと脚部がイクバール製のサラフ、腕部がレイレナード製のアリーヤで構成されている軽量二脚にダブライと背部グレネードを装備した機体だった。

 

《行くぞ!》

 

オーエンの声と共に“赤き鴉”は大きく羽ばたいた。

2人は素早く敵部隊を撃破していった。

 

〈ドオオオ!!〉

 

『クェーサー』からの砲撃が飛んでくる。幾ら彼らが強くても直撃してしまえば致命傷になってしまう。そこでオーエンから通信が入る。

 

《俺は先に『クェーサー』を片付ける。そっちは任せる。》

 

「了解!!」

 

2人は初めて会ったとは思えないほど高い連携を見せた。

『ノワール』のグレネードが火を吹き、『ジャパニーズ・ブレッド』のスラストが敵ノーマルを貫いた。

 

 

 

「ご協力感謝します。」

 

フィオナから出た言葉は感謝だった。

 

「いいや、そんな大した事はしてませんよ。」

 

彼は少し照れてしまった。すると横から彼女が脇腹に肘打ちして来た。

 

「ウッ、、、」

 

「クククッ」

 

相棒が思わず笑ってしまう。

 

「それでどうする?誰が手術を受ける?」

 

戦友が現実に引き戻す。

 

「まず、手術は受けよう。受けるのは俺と、、、と、、、だ。」

 

彼女が驚きながら言う。

 

「適性値では私の方が、、、」

 

「君はダメだ!!」

 

だが彼に却下された。理由は決して口にしなかった。

戦友は彼に向けて口角を上げて頷いた。

 

「僕はみんなより適性値も低いし経験もないからな、、、」

 

相棒は分かっていたかの様にそう言った。

 

「まだネクストを十分な数運用できるほど我々は充実していない。だから今回はこの3人が手術を受ける。」

 

オーエンは、彼らが話し合っているのをフィオナの後ろから見ていた。

 

 

 

先ほどのネクストの格納庫の前でオーエンと彼は2人きりになった。

 

「どうして彼女を選ばなかったんだ?」

 

オーエンが彼に問う。

 

「単に彼女が一番守りたい大事な人だからですかね?彼女の寿命を短くさせたく無いんです。」

 

彼は首を傾げながら答えた。

 

「そうか。そう言える人がいるのはいい事だ。大事にしろよ。」

 

そう言い残してオーエンは去っていった。オーエンは自分と彼の姿を重ねていた。

 

「(俺もあんな事を言ったんだ。ちゃんとフィオナを守らなければな。)」

 

オーエンの覚悟は、既に決まっていた。




企業解説その5



レオーネメカニカ

インテリオル・ユニオンの盟主。EN消費効率に優れたフレームパーツやレーダーを制作しているハイテク総合企業。

【所属ネクスト】

No.9:機体名:ラムダ
  リンクス名:サー・マウロスク

自意識の強烈な、ある意味で最もオリジナルらしい男。実力は確かだが、権力志向の強い潜在的危険分子でもあり、レオーネは、彼の運用に細心の注意を払っている。

No.16:機体名:シリエジオ
   リンクス名:霞スミカ

出撃機会が少なく、謎の多い女性オリジナル。その機体にはレオーネの最新鋭パーツが使用されており、実質的な、同社の最高戦力と目されている。

No.31:機体名:ブルーネクスト
   リンクス名:セーラ・アンジェリック・スメラギ

きわめて若年となる女性リンクス。レオーネの独自理論に基づくテストケースであり、一応の成功例として認知されている。

No.37:機体名:ヴェーロノーク
   リンクス名:エイプール

ごく最近登録された、レオーネの新しいリンクス。ミサイル兵器を多用し、支援機の色の濃い搭乗機体は、ネクスト同士の直接戦闘を想定していると言われている。


メリエス

レーザー技術やロケットエンジン技術に長けた企業。
特にレーザー技術に関してはリーディングカンパニーと呼べるほどであり、様々なレーザー兵器を開発している。

アルドラ

正式名称[アルブレヒト・ドライス]。アクチュエーター複雑系などに高い技術を発揮する重工業系軍事企業。
重量フレームパーツなどを製造している。また実弾兵器も生産している。

【所属ネクスト】

No.14:機体名:クリティーク
   リンクス名:シェリング

高出力のEN兵器を操る、アルドラのオリジナル。国家解体戦争以前から、レイヴンとして戦場にあった古参であり、高い機体性能に溺れることなく、堅実な戦いを展開する。

No.18:機体名:レ・ザネ・フォル
   リンクス名:スティレット

メリエス唯一となるリンクス。EN火力の最大化をテーマにしたタンクタイプの機体は、移動要塞にすら匹敵する制圧力を誇る。

No.38:機体名:ブラインドボルド
   リンクス名:ヤン

企業直属では最も新しい、アルドラのリンクス。元国軍出身という以外に、詳しい情報は分かっていないが、出撃したすべての作戦で圧倒的な戦果を収めている。
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