AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認) 作:赤髪のTOMO
数ヶ月後、街中のあるビルの、和と近未来のデザインを両立させたような真っ白な通路を彼と相棒が話しながら歩いていた。
「人は何故争い続けるのでしょうか?」
相棒はふと彼に問う。
「、、、答えは単純だよ。人間は実に利己的な生き物だからだ。どれだけ技術が進歩しようと、人間の本質は原始時代の頃と何も変わっちゃいないんだ。」
「では、隊長も同じなのですか?」
「ああ。同じさ。俺達は今を生きる者として、未来を生きる者達に少しでもマシな未来を託す為に戦っている。」
「この世界に平和や平等なんてモノは存在しない。だが、少し間だけでも戦いをやめさせる事は出来る。」
「ジェンガの様な、いつ瓦解するとも知れない平和だけが、俺達に残された唯一の選択肢なのだから。」
彼は冷静に話し続ける。
「まあ、、、その考えはよく利他的な行動と捉えれる事がほとんどだが、その根底にあるのは、“世界を守りたい”という思いだ。」
「要は、結果的に利他的な行動に至ったとしても、そこには利己的な考えが基盤にあるんだ。」
「例えば、危険に晒された仲間を助ける為に、主人公が犠牲になる様な、昔のテレビの内でよく起きる出来事にもそれは垣間見えているんだ。」
「自分が損をする結果になったとしても、“自分が大切な人を守りたい”や“無視したら気分が悪い”なんかの自分勝手な考えからその行動は起こるモノだ。」
「、、、つまり、人間が我儘な生き物であるから、相容れない思想を持つ者同士が争いを避ける事は出来ないという事ですか?」
「そうだ。心から他人の為だけに動くという事は人間の本能や欲に逆らうという事になる。それは有り得ない、人間は自分の為に生きるのだから。」
「残酷だよな。他の生物よりも優れた思考力を持ち合わせているはずなのに、自分達同士の争いも止める事が出来ず、母星を潰そうしているなんてな。」
「やはり、僕達は悔いのない用に戦うしか無いのですね。」
「ああ。そうだな。」
相棒が壁に取り付けてあるデジタルサインボードを見ていた。
「そろそろ選挙ですね。」
「コロニーの市長選だっけか?」
彼はそう言って相棒と目線を合わせた。そこにはある政治家のポスターが映し出されていた。
「どいつもこいつも信用ならないな。胡散臭い匂いしかしない。政治家ってのは時代が変わっても、変わらないもんだな。」
「まあ、一番上の立場である僕達が彼らも取り仕切れますから、大丈夫ですよ。」
「だが、万が一反乱でもされたら、統率が取れなくなる。」
「必死に入国制限をして、企業の闘争に敗れた連中や企業のスパイなんかの無法者を入れないようにしている意味がなくなってしまう。」
「我々の意見を聞き入れる人物が選ばれて欲しいですね。」
彼らが通り過ぎた後、先ほどのモニターが切り替わり、別の政治家のポスターが出された。その人物は目の下のクマと車椅子に乗った姿が特徴的だった。
彼らがネクスト格納庫に入ると、目の前には新しく組み上がった真っ白な機体が現れた。
「これがホワイト・グリントですか!?」
相棒が驚く。
「コアだけはな。それ以外は俺が自分専用に改修したオリジナルパーツになっている。」
「へえええ!あっ、これから機体色が塗られるみたいですね。」
その機体は今か今かと空を飛ぶのを待っているかのように見えた。
「そういえば、一つ気になる事があってな、、、」
彼は相棒にホワイト・グリントのコックピットの様子が写った写真を見せる。
「あれ?シートが付いてないですね??」
「ああ。そうなんだ。今はこちらで入手したモノを取り付けているんだが、おかしいと思わないか?まるで、、、最初から乗る人なんていなかったみたいだ。」
「それにコックピットの形も異様ですね。元から、何かが取り付けられていたみたいだ。」
二人共その場で考え込む。
〈ウィーーーン!ウィーーーン!、、、〉
突然警報が鳴り、アナウンスが始まった。
〈敵襲!!敵襲!!未確認の大部隊が接近しています!市民の皆さんはすぐに避難準備をしてください!〉
「管制棟に行くぞ!」
「はい!」
辺りは一気に慌ただしくなり、彼らは急いで走って行った。
【管制室】
「防衛部隊全機発進準備!」
「第1、第2、第3カタパルト移動。」
「迎撃システムの起動を確認。」
《RAD隊長『ブラック・バード』、発進する!》
「ご武運を!」
真っ黒に染まった新標準機体[090]がレールに乗り急加速して飛び立った。
彼と相棒が管制室に到着した時、彼らに気付いた管制官達は皆揃って敬礼した。
「敬礼は大丈夫だ。それよりも、ネクストを出す事はあるか?」
「まだ敵の全貌が明らかになっていませんが、恐らく通常兵器のみの大部隊と思われます。」
「我々の防衛部隊は精鋭揃いです!ネクストが出てきたって、負けません!」
「じゃなきゃ、防衛隊なんて名乗れませんからね。」
管制官は自信を持って言った。
彼は微笑みを浮かべた。
「そうか。じゃ、俺達が出る必要はない、か、、、後を頼む。行くぞ。」
彼は振り返って相棒と共に去っていった。
「勿論です !!」
管制官達は彼らの姿が見えなくなるまで敬礼を続けた。