AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認) 作:赤髪のTOMO
経済戦争は激化の一歩を辿る事になるが、いつもその渦の中には一人の傭兵の姿があった。
そして、企業はリンクス戦争からの経験を踏まえて、直接戦争となる行為はかろうじて避け続けてきた。
レニカルでは、刻々と迫り来る戦争への準備を進めていた。
「本当にやるんですか?」
相棒は相当心配しているようだった。
「勿論。我々の意思表示をするには最適な場所だからな。企業連にも許可は取れている。」
「え!?何で、、、」
「俺もよく分からんが、利用する以外に他はないしな。」
「それが成功したら、事実上の戦争状態に?」
「なるかもしれないな。でも、一度彼らの意思を見ておく必要性はある。」
【BRF室】
「これからカラードの上位リンクスが一同に会するリモート会議、通称“お茶会”に参加します。隊長、準備は大丈夫ですか?」
「ああ、いつでもOKだ。」
「では、回線、接続します。」
相棒がボタンを押すと、ある一つの会議室の、大きな机に設置された椅子の一つに座っていた。そして、そこには映像化された多数の人間が同じく座っていた。
「新参の傭兵があのマザーウィルを!?」
「間違いありませんローディー様。カラードは情報の精度を確認しています。」
「フン、、仮にもリンクス、、本来そういうモノだろう。」
「だといいがな、、、それよりもアルテリア襲撃犯はどうなっている?堂々とクレイドルの要諦を狙われ、打つ手なしとは、、、管理者の存在意義が問われるだろう。」
「その通りだ。ルールを守れないのであれば、速やかに退場してもらうより他はない。それがラインアークであれ、レイレナード辺りの亡霊であれ。」
そこには5人のリンクスが座っていた。
一人はくせ毛のオールバックの若い男で、椅子にふんぞり返っていた。首に掛けているネックレスにはどこかで見たようなエンブレムが付いていた。
その右隣は空席になっていて、さらにその右隣にローディーと呼ばれた渋みのある声の老兵が座っていた。
老兵の前には白髪の日系人の老人が座っていて、机の彼の前には杖が掛けられていた。
老人の右隣には綺麗な顔立ちをしたお嬢様のような若い女性が座っていた。とても礼儀正しく、いかにも貴族の様な優雅な振る舞いをしていた。
若い男の前にはクールな雰囲気を身に纏った美人の若い女性が座っていた。足と腕を組んで、何度も前の男を睨む様に鋭い目で見ていた。
「で?貴様は?」
若い女性が彼に話しかけた。
「あんたがウィン・D・ファンションか。なるほどね。」
「フン、、、貴様は許可を取ってこの場に来ているのか?」
若い男が彼に投げかける。
「ああ、その話なら先ほど連絡があった。彼はカラードに許可をもらっているようだ。」
白髪の老人が言う。
「マッ、所詮は一桁にも入れないリンクスだ。ここは、貴様の来る場ではない。」
若い男が皮肉を込める。
「老人達も存外不足か、、、」
「何をしに来たかぐらい、聞いてやってもいいんじゃないか?ウィンD、、、」
ローディーが彼女を説得する。
「ふん、まあ、いいだろう。」
そうして、彼に存在しないスポットライトが当てられた。
「俺はあんたら企業に刃向かうレニカルという組織を率いているが、何も喧嘩を売りに来た訳じゃない。」
「俺はただ、クレイドル体制という矛盾を抱えた延命装置を守り続ける人間が、どんな輩なのか知りたかっただけだ。」
ウィンDは冷たい目で彼を見て言った。
「矛盾を抱えただと?クレイドルは多くの弱い人々を生かすために必要な施設だ。」
すると彼は腕を組んで言った。
「弱い人々ね〜、貧しい人々や自分達にとって都合の悪い人間を地に叩き落としておいて、よく言うぜ。」
「しかも、クレイドルで地上の汚染は深刻化し、悪魔の粒子は空をも汚染しようとしている。」
彼は両手を広げてアピールする。
「俺達人間は、害虫や寄生虫の様に地球にへばりつく様に住み着いて、良い訳がないんだ。」
「企業の連中とクレイドルに住む富裕層の人間が表立って、地球に対して贖罪しなければならない。」
「貴様らが自分達を育んできた地球を見捨てるならば、我々は必ず衝突する事になるだろう。」
ウィンDが口を挟もうとする。
「彼らは戦う術もない普通の一般人だ。そんな事、できる訳がッ」
彼はものスゴイ形相でウィンDを睨みつけ、彼らに指を指して言った。
「非戦闘員だろうが、何だろうが関係ない。自分たちの落とし前は自分たちでつけるべきだろう。」
「どちらにせよ、こんな狂った世界を作った時点で、犠牲のない解決の機会なんてものはもう存在しないんだよ。」
「まあ、企業が俺達を利用するなら、犬になってやる。金が無ければ何も出来ないしな。だが、負け犬になるつもりは無い。では、失礼する。」
通信の接続が切られ、席に座っていた彼の映像は姿を消した。
彼は若い男が着けていたネックレスを思い出していた。
「あの飾り、、、どこかで見たような、、、ハッ!」
彼は大きく目を見開く。
彼の頭の中で、昨日のように鮮明な火の海の最中での死闘が思い出される。それはネックレスと同じエンブレムを肩に貼った黒いネクストが、自分に向けてライフルを突き刺そうとしていた瞬間だった。
「もしかしてッ、、、ベルリ、、、オーズ??」
「でも、彼にしては若すぎる、、、オーメルの切り札と称される天才リンクス、オッツダルヴァとは一体何者なんだ??」
彼はその頭に疑問を残しすしかなかった。