AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認)   作:赤髪のTOMO

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彼らがオルカ旅団に参加した事はまだカラードには特定されておらず、彼らはいつも通りに淡々と企業の依頼をこなし続けていた。


Episode9 “真実”

「最近、企業の動きが激しさを増しているな。」

 

戦友が話す。

 

「ああ。このまま行けば、世界は汚染に飲み込まれてしまうだろうな。」

「そうすれば、俺達の住む場所も消えて無くなり、全ては無に還る…か。」

 

彼がそう言葉を吐く。

 

「そうしない為に、僕達は諦める訳には行きませんね!」

 

相棒はいつも明るい。相棒なりに俺達を心配しているようだ。

 

「ハハ、そうだな。」

 

「だが、一体彼らはこの世界をどうするつもりなのだろう?」

 

「もしかしたら、全人類を巻き込んで無理心中でもする気なのかもな。」

 

戦友がジョーク混じりに放つ。

 

「まあ、企業の老人達なら一度は考えるかも知れないが、それをクレイドルの民は黙って見ているだろうか。」

 

「企業が知られたくない事は、何も知らされていない可能性はありますね。」

 

「悪い事を企んでいる時だけはIQの数値が跳ね上がるみてえだからな、アイツらは。」

 

「彼らには何かしら現状を打開する手立てがあるのかも……いや、そんなモノが残っていたのなら何故彼らはそれをすぐに使わない?すぐに…というのも間違いだな。リンクス戦争が終わった後だ。何故彼らはそれをしなかった?」

 

「クソが長引いたから、できなかったんじゃないか?」

 

彼は目を大きく見開いた。

 

「そうだ。しなかったんじゃくて、できなかったんだ。そこに、今まで企業が動かなかった理由があるのかもしれない。」

 

「理由とは何でしょう?」

 

「……そうだな、最近特別な何かが起こらなかったか?」

 

「俺達がオルカに入った。」

 

「ラインアークで『ホワイト・グリント』と『ステイシス』が水没しました。」

 

「そうだ。何故今になってこんな事が起こったんだ!?」

 

「そりゃあ、オルカが俺達の戦力を欲しいと感じたからじゃないのか…」

 

「確かにな。だが、オルカにはネクスト10機以上と通常戦力を動かす資本力がある。そんな力があるなら、俺だったらAFが生まれる前に…企業が力を取り戻す前に決着を付ける。」

「でも、それをしなかった。」

 

「ラインアークの件は?」

 

「俺達がラインアークに依頼されなかったのは、俺達が戦う事に何かマズい問題があったんだ。」

 

「いや、『ホワイト・グリント』と『ステイシス』が戦う事に意味があったんじゃないのか?」

 

「そうだな…だとすると、例えば…戦闘データの改ざんとか。」

 

「え!?どういう事です!?」

 

「要するに、ラインアークと企業連は……」

 

「おい。それ以上は止めとけ。」

 

「えっ…ちょっ待って…」

 

「…あの戦いに例の新人を呼んだのはその為か。一定の力を持った上で真にどの企業にも属さない傭兵。彼は自分の目に起こった事しかカラードには報告しないはず。」

「彼の目さえ誤魔化す事ができれば、後はやりたい放題だ。」

 

「ハッ…つ、つまり…」

 

相棒がそう言った時、一つの通信がBRF室に入った。

 

《私はオルカ旅団・副団長メルツェルだ。》

 

《君達に教えておきたい事がある。ぜひ、我々の拠点に来て貰いたい。》

 

《場所については後ほど座標を送ろう。尚、この場所はネクストを含む全ての兵器を禁止している。それでも君達も知りたいはずだ、何故企業がこのような世界を作ったのか…その“真実”を。》

 

内容はそこまでだった。

 

「一体…何があるって言うんだ?」

 

戦友は困惑し、彼は口元に手を置いて考え込む。

 

「とにかくそこに行ってみましょう!……はっ!?」

 

相棒が座標を確認すると同時に、驚いて微動だにしなくなった。

 

「これは!?クレイドル!?」

 

彼と戦友も驚きを露わにしてしまった。

 

 

 

〈パタパタパタパタ…〉

 

一機のヘリがクレイドル13のヘリポートに着陸する。

 

「到着しました。ここがクレイドル13です。」

 

パイロットのアナウンスが彼らの耳に届く。

 

「了解。ありがとう。それから、いつでもネクストの発進が出来る用準備していてくれ。それと、危険が迫ったら我々を待たずに逃げて構わん。」

 

彼が降りる間際にそう告げる。

 

「…了解です。」

 

パイロットは息を飲み込んでそう答えた。

 

 

彼らは案内人のような人物について行く。

 

「以外と中は広いんですね。」

 

相棒は通路の隅々まで観察していた。彼と戦友は相棒そっちのけで、目の前の案内人の後ろ姿のみを見つめていた。

 

「なあ、君もオルカなんだろ?何故こんな所をオルカが持っているんだ!?知っているはずだろう?」

 

彼が案内人の男に駆け寄って話しかける。その男は彼に目を向けるが、すぐに向き直した。何も話そうとしない。

その男は真っ白な服装に身を包んだ、痩せ型の男だった。目を向けた時に少しだけ見えたネックレスが輝く。まるで天使の羽のようなネックレスを。

 

「おい、無視するんじゃねえよ。」

 

戦友がそう言った時、その男が部屋の前で足を止めた。

 

「覚悟」

 

そう言って、さっさと歩いて行ってしまった。

 

「覚悟があるならばここに入れ、というか。」

 

「全く、無口な男だ。」

 

「入りましょう。あまり、長居はしない方がいいでしょうから。」

 

「そうだな。行こう。」

 

彼が横にある扉を開く。

そこは執務室のような場所だった。右左と目を回してもきちんと整理されている。目の前には、大きなソファーが二つ、テーブルを挟み込むように置かれていて、その奥に大きなデスクと背を向けて座っている男がいた。

その男がイスを回してこちらに顔を向け、デスクに肘をついて言う。

 

「よく来てくれた。歓迎しよう。さあ、そこに座ってくれ。」

 

その右手が前のソファーを示す。

彼ら3人は無言でソファーに腰掛ける。

 

「君達には直接話しておかなければならないほど重要な事がある。それを今、説明しよう。」

 

彼はイスから立ち上がり、話し始めた。

その男は黒髪でスーツに身を包んだ、長身で細身の男だった。とても几帳面な性格のようで、服を全く気崩さないように丁寧に足を運ぶ。よほど高貴な生まれなのだろう。

 

「昔の事だ。世界が宇宙に興味を示し、積極的に宇宙開発事業を展開していた頃、新興企業であったレイレナードを除く6大企業もこの宇宙開発競争に乗り出し、金だけは有り余る彼らはすぐに覇権を握った。」

 

「宇宙開発、、、3、40年ほど前の事か。」

 

その男は身振り手振りして彼らに演説でもするかのように話続ける。

 

「その通りだ。そして、彼らは他企業の宇宙進出を妨害する為、ある兵器を開発した。」

「それが“アサルト・セル”。それらは争いの激化に伴い宇宙を覆い尽くし、作った本人達でさえ、手が出せなくなってしまった。」

「それが企業の罪。我々だけが人類を救う為、今は亡きレイレナードが構想していた“クローズ・プラン”を実行できる、いや、しなければならないのだ。」

「これが、君達に話しておきたかった事だ。」

 

彼と戦友は動揺を隠す。相棒は口を開いて驚いていた。

 

「だからか、宇宙開発を進めていた企業や組織なんかが倒産していったのは。」

 

「ああ。恐らく6大企業が裏から手を回して潰したのだろう。」

 

「クレイドルが作られたのも?」

 

「そのせいだ。今の我々に宇宙へ出る手段は一つしかない。アルテリア施設のエネルギーを衛星軌道掃射砲“エーレンベルク”に送る事だ。」

 

その男は彼から見て右側の顔を向ける。隠れている顔の左側は見えなかったが、彼には口角が上がったように見えた。彼は眉を顰める。

 

「分かった。我々レニカルも手を貸す。だが、一つだけ質問をしたい。何故クレイドルにオルカの拠点がある?」

 

彼が言い放った。

 

「存外な質問だね。君達が自分の力をつける為に傭兵として企業を利用するように、我々も企業を利用しているだけだが?」

 

その男の口の動きが早まり、瞬きも多くなった。

 

「だが、これはあり得ない。我々がそうして来たから分かる。あんたは頭がいいんだろ?企業と全面戦争をする力をオルカが持っているのかくらい分かるはず。それだけの力を掻き集めるには企業にでも深い繋がりが無ければ出来ない。一体…お前らは何者なんだ?」

 

その男の眉間に皺がよる。

 

「質問は一つだけじゃ無かったのかい?伝えたかったのはここまでだ。君達には然るべき時に働いてもらう、オルカの一員としてな。帰りたまえ。」

 

彼は鋭い目をデスクに座った男に向けながら部屋を去って行った。

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