AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認)   作:赤髪のTOMO

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“黒い鳥”それは自由を求め続けるレイヴンだけに受け継がれた、意思の表象。




外伝vol.2 “Inherited intention”
Chapter1 “黒い鳥”


レニカル内のノーマルAC格納庫、その中に置いてある物資納品ボックスの一つに座ったある男が、目の前の真っ黒に染められた機体を眺めていた。

 

「隊長、俺なんかで良かったんですか?」

 

彼は胸が苦しくなる思いをしながら、ボソッと呟いた。20代ほどの若い男のようだ。

 

「お〜い、何でそんなとこでうずくまってんだ?みんな、あっちにいるぞ。」

 

酒を飲んで顔が赤くなった、5、60代ほどの無精髭を生やした男が近づいてくる。

彼は、自分がそんな格好をしていた事に驚いて、普通に座り、また自分の機体を眺める。

 

「懐かしいな。この真っ黒で羽が生えた様な機体を見ていると、アイツの事を思い出すな〜。」

 

オジさんが大きな独り言を言う。

アイツ、、、彼には酔っ払いが口に出したその人物に心当たりがあった。かつて、ある超弩級戦艦のAC部隊の隊長を務めていた人だ。彼もそこに所属していた経緯があり、その人を尊敬していた。

 

「あんたも隊長みたいにならない内にレイヴンを引退した方がいいんじゃないか?あんたの機体は命知らずが乗るヤツだ。イカれてるとしか思えないな。」

 

つい強めの口調で言ってしまった。

 

「まあ、俺にとっちゃレイヴンってのはな、好きに生きて、好きに死ねる職業だと思ってんだ。お前に口出しする権利はねえよ。それに今日は雨だ。引退するのは雲一つない真っ青な晴れの日って決めてる。」

 

「そうか、ハア、今俺は一人になりたいんだ。みんなの所に戻ってくれ。」

 

彼は誰から見ても分かるくらいに嫌な顔をした。

 

「アイツから託された想いに応える自信がなくて、打ちひしがれているのか?そんなんじゃ、道半ばで倒れたアイツも報われん。」

 

オジさんは彼の事などお構いなしに言う。

 

「うるさい!隊長の事は口に出すな!俺の機体を見ても何も言うな!」

 

そう言うと、彼は口をつぐんだ。

 

隊長は平和な世界と、緑豊かな故郷を取り戻したいという夢を持っていた。

しかし、国家解体戦争後、“やまと”が敵ACと遭遇した。

たまたまACの発艦エレベーターが故障して隊長しか出撃出来なかった。隊長は敵を大和から引き剥がして霧の中へ消えていった。その頃は、気候変動によって歴史的にも厚い濃霧が戦闘域を覆っていた。大和のレーダーや光学センサーは機能せず、援護するどころか、姿を追う事すら出来なかった。ただ数分後、真っ黒の装甲が一枚海を漂って戻って来た事以外は。

その後、何時間待っても彼が戻って来る事はなく、やむを得ず彼らは帰還の途についたのだった。

 

当時のブラック・バード隊はその後解散したが、隊長の機体『ブラック・バード』の機体構成は彼の功績から他のメンバーに引き継がれる事になった。

それに選ばれたのが、彼だった。

当然、その機体を受け継いだ彼が防衛部隊の隊長を務めるのは必然だった。

 

「ふん、まあ、心を整理したい時もあるよな。」

 

「ああ、分かるだろ?、、、すまないな。」

 

「まだ子供だな〜まったくよ。」

 

「何か言ったか?」

 

彼はギロッっと眼球をオジさんへ向ける。

 

「いいや〜〜なにっ、も、、、」

 

二人は何かを感じとったように見合わせた。

 

「来るな。」

 

彼は立ち上がって対Gスーツを着用するために走り始めた。

 

「ああ。」

 

〈ウィーーーン!ウィーーーン!〉

 

警告音の中、二人は再び戦場に向かっていった。

 

〈敵襲!第一戦闘配置!RAD全機出撃準備!〉

 

アナウンスが鳴り響く。

彼は急いで自分の機体の背中にあるコックピットに、滑り込む様に入って行った。

 

〈システム通常モード起動します。〉

 

彼の機体は[081]と酷似した外見を持つ最新型の[090]だった。

その真っ黒な機体は右腕部に突ライ、左腕部にレーザーブレード、両背中に3連装超高速直進性ミサイル、正式名称『ウィング』と呼ばれた武装を積んでいた。

コロニーから伸びた5つのカタパルトの内3つが敵の出現した方向に移動していく。

彼はすでにカタパルトに足を乗せて、脚部を固定していた。

 

「RAD隊長『ブラック・バード』、発進する!」

 

機体のカメラアイが綺麗な水色に光輝いていた。隊長機は緑色だったが、彼の要望でそこのみ変更された。

 

《ご武運を!》

 

その声と共に彼は勢いよく飛び出した。

 

《ザアッッ!、、、敬礼は大丈夫d、、、》

 

敬礼した時の服が擦れる音と別の誰かの声がしたのが、切れかけた通信越しに聞こえた。

RAD隊全員が戦闘可能域に集結した時、敵部隊が刻々と近づいて来ているのが見えた。そして、敵の指揮官らしき声が通信と一緒に飛んで来た。

 

《警告する!企業は貴様らが我々に対し反抗する意思があるとみなした。即刻、武装解除し、投降せよ!さもなければ、貴様らを殲滅する!繰り返す!、、、》

 

敵の指揮官の無骨な声が彼らの耳に響く。

 

「そちらこそ、我々の主権領域を侵犯している。すぐに退去してもらいたい。」

 

《チイイ、貴様らがその気なら全てを焼き尽くすまでだ。全隊攻撃開始!》

 

敵の大部隊が前進を始めた。

 

「その言葉、あなた方にそのままお返しする。よおーーし、行くぞおお!」

 

《うおーーー!》

 

戦闘が始まった。両組織の戦力には歴然とした差が存在していたが、次第にその戦力はRADに大きく傾いていった。

 

〈システム戦闘モード〉

 

「そこだ!」

 

両肩のウィングの六発のミサイルが敵ノーマルに突き刺さり、焼き尽くす。

 

〈システムスキャンモード〉

 

圧倒的な機動力で敵の弾幕をかい潜り、

 

〈システム戦闘モード〉

 

レーザーブレードで敵を鮮やかに切り裂く。それは、敵に美しさと恐怖を思わせた。

 

《消耗率70%を超えました。これ以上は危険です。》

 

《くっ、遺憾だが撤退するぞ。、、、ッチイ役立たずが!お前らなんか、敵の半分でもいいから倒して死んでくれば良かったのに!チクショウがあーーーー!》

 

そう言って、企業軍は退いて行った。

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