AMORED CORE fourth end (4シリーズ非公認)   作:赤髪のTOMO

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そこからさらに約1ヶ月後、ACのガレージに足を運んだ彼の目の前には彼の設計した専用機体『ジャパニーズ・ブレッド』が佇んでいた。


Episode4 “〈開戦〉 アメリカ・カナダ国境線防衛”

コード名[078]機体名『ジャパニーズ・ブレッド』…近中距離戦を想定した機動戦主体の中量二脚機体。中距離からの射撃戦や近距離でのブレード使用を想定しており、ノーマルとは思えないほどに耐久性も高い。難易度の高い入力を要求されるQBを簡易的にした機構「SQS」や展開型オーバードブースターなど新しい試みも試されている。

 

 

彼は自分が設計した機体をどこか嬉しく、どこか虚しさを思わせる表情でボッーーーとただ眺めていた。

そこへ突然息を切らした相棒が駆け込んで来た。

 

「隊長!大変です!今すぐ一緒に来てください!企業の連中が、、、!!」

 

隊長、、、彼はその聞き慣れない言葉に一瞬動揺した。北海道基地にも部隊と呼べるほど十分なAC戦力が揃った事で、彼はそこの隊長に任命されたのだが、彼は今まで覚えていなかった。

彼は今まで以上に焦って走る相棒の後を不安な気持ちで追いかけた。何故かいつもより早く息が切れてしまう。

しかし、それも次の瞬間には吹き飛ぶ事になる。

 

誰もが予測し得なかった驚愕のニュースに彼も驚きを隠せなかった。

 

「なッッッ!企業が国家に宣戦布告だと!!」

 

 

6大企業…超巨大兵器会社の総称。ローゼンタール、イクバール、レイレナード、BFF、GA、インテリオルの六つの企業を指す。彼らは国家とテロリスト達に兵器を売り付ける事で強大な力を身につけ、遂に疲弊し切った国家に見切りをつけ戦争を起こしたのである。

 

 

 

それから4日、彼のところに自衛隊からの依頼が舞い込む。

 

《ミッションの内容を説明します。》

 

ブリーフィングの画面に日本の国旗が写った。綺麗な声をした女性が話を進める。

 

《今回の目標はアメリカのカナダ国境線駐屯部隊の防衛です。》

 

新たに国境線付近の地図が表示され

 

《現在、既にカナダは崩壊してしまったという報告を受けており、企業が我々の同盟国アメリカに侵攻するのも時間の問題であり、この作戦は非常に重要です。》

《さらに、企業の新型ACと思われる機体も確認されています。十分に注意してください。》

 

「(新型か、、、)」

 

何故か今までに無い妙な危機感を覚えた。

 

《アメリカ軍が回収した、偵察機と未確認ACの交戦記録を送ります。十分に活用して、あらゆる問題に対処してください。》

 

全ての画像が閉じ、国旗がまた写る。

 

《とても危険な作戦ですが、自衛隊はあなたの活躍を期待しています。幸運を。》

 

BRFが終了し、代わりに敵新型ACとの交戦記録が表示される。

 

その機体はスタイリッシュな流線型フレームでレーザーブレードとマシンガンを装備した、真っ白な中量二脚だった。

 

 

気が付いた時には、彼はAC用対Gスーツを着用して、棺桶のように狭いACコクピットに座って揺られていた。

ヘルメットに取り付けられたゴーグルを通して、目の前に広がる景色が薄暗いコンテナの中である事が分かった。どうやらヘリで運ばれている最中のようだ。

 

相棒が彼の緊張をほぐすかのように話しかける。

 

《ここも寒そうですね。雪が降ってますよ!》

 

ヘリのカメラ越しに見える景色に、相棒は幼い子供のように興奮していた。彼も外の景色は見えないものの、つられて微笑んでしまった。

 

《そろそろ切り離します!準備して下さい。》

 

「いつでもOKだ。」

 

〈ガコン!!!〉

 

そうして真っ白な世界に一人の赤き鴉が放たれた。

 

《こちらはアメリカ軍だ!あなたが『ジャパニーズ・ブレッド』か。救援、感謝する。》

 

翻訳機能で素早く翻訳された合成音声を聞いて、それに答える。

 

「こちらこそ、よろしく頼む!」

 

吹雪がさらに強くなり、カメラ機能が制限される。

ここまで吹雪が強いのは、人類の罪がもたらした気候変動によるものだろう。彼はこの猛吹雪は予測していなかったが、経験で補う事は出来そうだった。

 

〈ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!〉

 

《ウワーーーーッ!》

 

銃声と叫び声の後どこかで爆発が起こる。

 

《クッソが!!なんだコイツは!うおっ、、》

 

《ッッッ!!退却だ〜〜!全機後退!》

 

目の前にあるビルとビルの間の吹雪から、次から次へと戦闘車両やノーマルACが吐き出され、ブースターを吹かしたと思われる光だけが縦横無尽に飛び交っていた。

 

「(目の前に、、、いる!!!)」

 

彼は真剣な表情をしているものの、いくつもの経験を重ねたその腕は震えが止まらなかった。

 

〈ズシン!、ズシン!、、、〉

 

足音が段々彼の方に近づいてくる。彼は背中に装備したレーザーキャノンを展開しいつでも迎撃出来る様に準備していた。

 

そして、複眼機能を持つACの赤く点灯したカメラアイだけが吹雪の中うっすらと浮び上がった。

 

「来た!!!」

 

〈ザシーーン!!ダンッ!ダンッ!ダンッ!、、、〉

 

〈ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!、、、〉

 

レーザーキャノンとアサルトライフルの一斉射が新型ACを襲うが、ヤツはお返しとばかりに二丁のマシンガンの弾を飛ばす。彼は建物を利用しながら銃弾を回避し距離をとる。

 

敵機は血のように赤い鬼の様だった。建物で出来た死角から攻撃を繰り出し敵を翻弄する。彼を中心に四方八方にばら撒かれる銃弾を最小限の被弾で掻い潜る。

 

この二機はハイレベルな機動戦を展開し、APを削り合う光景はまさに互角の戦いであった。

 

《重金属元素反応ッ!!決して無理はしないで!》

 

相棒の口から思わず言葉が出てしまう。

 

戦いは激しさを増し、彼の表情はどんどん険しくなる、が何故か口角も上がる。彼はひたすら戦いに没頭していた。

 

《オービエ!撤退だ。APが30%を切っているぞ!今お前を失うわけには行かない。》

 

新型ACにどこからか通信が入る。

 

《チッ!ヤツは本当にノーマルか!?ッッ少しの油断が、、身を滅ぼすというのかッ!!!》

 

新型ACはQBで反転、オーバードブーストを起動し音速で去っていった。

 

「ハア、、、ハア、、、ハア、、、」

 

彼の機体は気付けばAPが30%ほどしか残っておらず、装甲は銃痕だらけだった。

 

その時、彼らはまだ知らなかった。“ネクスト”と“ノーマル”の圧倒的な力の差を。

 

《敵戦力、作戦領域から撤退。ミッション完了です。お疲れ様でした。迎えを送りますね。》

 

疲労困憊な彼は相棒の優しい言葉すらもまともに聞けずに眠ってしまった。




【ミッション〈アメリカ軍駐屯部隊防衛〉報告書】

先日、我々北海道基地の精鋭ノーマルAC『ジャパニーズ・ブレッド』が新型ACと市街地戦を行った。
作戦領域内は気候変動による猛吹雪が観測。視界不良状態での戦闘を余儀なくされた。
敵新型ACから重金属原子反応の検知を確認。『ジャパニーズ・ブレッド』の戦闘記録の解析結果から、恐らくバリアの一種として使用しているモノと考察できる。その後、低濃度ではあるが、作戦エリアに原因不明の汚染が確認され、何らかの形でこれが関わっていると考えられる。コジマ粒子の可能性大。確定情報なし。
昨日、例の赤いACが再び姿を表した。結果、アメリカ軍駐屯部隊は壊滅。防衛線の後退を余儀なくされた。
我々がBRFで確認した白いACは、その後どの戦闘にも姿を現していない。推論ではあるが、ACのテスト中に偶然アメリカ軍偵察部隊と出くわした可能性もあり。明確な情報源なし。

執筆者:相棒
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