ダンジョンでプーサーになった転生者が女の子になった主人公と出会うのは間違っているのだろうか   作:カフェインましまし

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作者「よぉ、久しぶり」

読者「…マジか(誰だお前)

いや、うんお久しぶりです



第4話 いざダンジョンへ…の前に

 

 

ヘスティアファミリアに入った翌日、教会の地下室の天井の隙間から降りそそぐ朝日で目を覚まし、身体を起こして背伸びをするアル。

 

村で暮らしていたときから早く起きるのは慣れており慣れた手つきで身支度をする。

ちなみにヘスティアとベルは同じベットで寝ていて、未だぐっすりと夢の中である。

 

階段を登り、朽ち果てている教会の裏側にでる。

周りは建物に囲まれているが丁度教会程のスペースがある裏庭にアルは田舎から持ってきた剣を両手で握り構えをとり日課である素振りを始める。

 

「───997…998…999…1000…!」

 

素振りを始めてから約1時間が過ぎようとしていた。

朝日はもう登りきり、まだ暗かった西の空は既に青空に変わっていた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

ゼウスから貰った何も変哲もない両刃剣。

いつか、来たるべき時にオラリオで冒険者になる時にと決めた5年前から日課として毎日素振り1000回を始めてやっと1時間までに短縮するまで身体が慣れてきていた。

 

(しかし…まだ足りないな…やはり鍛錬だけではどうしても限られてしまう…)

 

ゼウスからはあの日(・・・)以来、村の外にいるモンスター退治を禁止されてせめて鍛錬だけはと渋々了承をもらい、更にゼウスが使っている"弱者の剣技"もごねて教えてもらい今日までやっていたが…やはり実践に勝る物はないと改めて感じとりアルはよしと頷く。

 

「アルー」

 

自分を呼ぶ声の方向に振り向く。

そこには起きたばかりなのか目を擦りながら笑顔で手を振る守るべき人(ベル)の姿があった。

 

「おはよう、アル」

 

「おはようベル」

 

「またいつもの鍛錬ね」

 

「あぁ、やはり毎日やらないとおちつかなくてね」

 

「ご苦労様、ヘスティア様と一緒に作った朝ご飯できてるからね」

 

「うん、わかった。かるく汗を流してから向かうよ」

 

早くしないと冷めちゃうよと言葉を残し教会の中に戻っていくベル。

 

「さてと、さっさと済ませよう」

 

寂れている井戸から水を汲み、汗まみれの身体に頭から勢いよくかける。

季節は空気が冷たい冬の2月。おかげで桶の水は夏ならば気持ちがいいと言えるが、冬である今はあったまった身体を一瞬にして冷ましてしまう。オマケに北からの風が追い打ちをかけてくる始末だ。風邪を引いてはまずいとすぐにタオルで身体を拭き新しい服を着て急いで2人のいる地下へと向かっていった。

 

◇◆◇

 

冒険者ギルド

 

ここオラリオに拠点を置くファミリアがバベルの塔の地下に封印している大穴、ダンジョンに挑む際、必ず必要となる施設。

 

この冒険者ギルドに登録しないとダンジョンの中に入って探索はできないのは勿論、商売や農業や医療、繁華街等の申請もここを通さないとオラリオでやっていくことは難しい(ただし、申請しないで無許可でやっている所もあるが)

 

そんな都市の中心とも言えるギルドには冒険者達をサポートしているのはギルドスタッフ達。

日夜あらくれの冒険者達を相手にあのてこのてで連日賑わっていてる。

そんな中、冒険者の受付をしている女性が1人ため息をついていた。

 

「はぁ…」

 

「エイナ、まだ落ち込んでるの?」

 

彼女の名はエイナ・チュール。

冒険者ギルドの受付嬢スタッフで今年で5年目となるベテランのハーフエルフで主に冒険者のアドバイザーを担当してる。

 

「あ、ローズ先輩…」

 

そんなエイナに声をかけたのは同じ受付嬢の狼人(ウェアウルフ)で先輩のローズ。

 

「あのねぇ、いい加減割り切りなさい?」

 

「はい…しかし…」

 

「相手は冒険者。いつ、いなくなるかなんて日常茶飯事なんだからいつまでも気にしてるんじゃないわよ」

 

「それに、前から言ってるけどエイナは冒険者に首を突っ込みすぎよ。あれほど関わるのはやめなっていってるでしょ」

 

「うっ…そうですが…」

 

そう、冒険者は己の生命を賭けて日夜ダンジョンに挑む。それは即ちある日突然帰らぬ人となると言っても過言ではない。

それ故に冒険者には過度に関わってはいけないと言われるのはわかっているが───

 

(でも…やっぱり出来れば生き延びて欲しい…)

 

それでもエイナは自分の担当している冒険者には生きて帰ってきて欲しいと心から思ってしまう。

それが自分のエゴだとしてもだ。

 

「エイナー!次の人が来てるよー!」

 

そう考えていると受付にいるエイナの同僚から声がかかってきた。

 

「あ、うん今行くねー!」

 

そう返事をしてローズに一礼して受付で待っている冒険者の方に向かっていくと目に見えたのは───

 

「あの、すいません冒険者登録をしたいのですが」

 

はーい、とにこやかに返事をして声の主を見てみた。

初めて見る2人組の男女、1人は金髪碧眼の青年。身長はぱっと見180Cくらいで体型もしっかりしている。

もう1人は長い長髪で紅い右眼と灰色の眼のオッドアイで小柄な、まるで兎みたいな少女だ。

 

「お二人でよろしいですか?」

 

「えぇっと…はい、お願いします」

 

「そうしましたらご所属のファミリアと名前をこちらの用紙にご記入下さい」

 

エイナはすぐさま用紙とペンを渡して記入の説明をして、ほんの数秒で記入が終わり受け取った用紙を確認する。

ファミリアの名前は【ヘスティア・ファミリア】

今まで聞いたことのない、つまり新しいファミリアだ。

 

「はい、確認が取れました。お二人はどの系統のファミリアでしょうか?」

 

一様わかってはいるがこれも確認のため聞いてみる。

 

「はい、探索系のファミリアで」

 

やはり冒険者を目指すから探索系のファミリアだ。

だがしかし───

 

(この2人でダンジョンに挑むのは…)

 

エイナはこれでも5年とこの受付嬢の仕事をしてきたからわかる。

これは危ないと(・・・)

 

(男性の方はまだ大丈夫。体格はしっかりとしているし、見た感じ戦い慣れている雰囲気がでてる。だけど問題は…)

 

そうエイナが危ないと感じたのはもう1人の少女の方だ。

見てわかるように小柄で身体が細く、色白い肌が病的に見えてしまう。そして体力もさほどないと見た。

 

「えっと、アルトリウス君でいいのかな?そのベルちゃん?も一緒にダンジョンに挑む感じなのかな?」

 

「はい…やはりダメですかね?」

 

やはり彼、アルトリウスは彼女をダンジョンに挑むのは難色を示しているようだ。

ならやめたほうがいいと言おうとしたが、そんな彼の袖を強く握りしめて震えている彼女、ベル・クラネルは涙ながら彼に訴えた。

 

「アル…僕も…僕も行く…お願いっ…」

 

「ベル…」

 

「お願い…お願いだから…僕を置いてかないで…!」

 

───あぁ、だめだ。

エイナは彼女の眼を、涙ながら訴えるベルを見てしまった。今彼女を彼から引き離すことはできない。

たとえそれが非合理的だとしても、ここで今2人を割ける事はダメだと思ってしまった。

 

なら、今自分ができる事は。

 

(うん、ローズ先輩には申し訳ないですが───私やっぱり放っておけないです)

 

「───なら、二人はこの後時間取れるかな?」

 

「「えっ?」」

 

「二人共、ダンジョンは初めてだよね?ならダンジョンで起こりうる事、冒険者の知識と心構えを私が教えます」

 

そう、エイナが出来ること。

それは1秒でも多く生き残れるようにダンジョンに必要な知識と心構えを教え込むことだ。

 

「あの、いいんですか?」

 

「ええ、そのかわり私があなた方のアドバイザーとなって必ず生きて帰ってこられるようにしますので!だから安心して下さい」

 

そう伝えると2人互いに眼を合わせお願いしますと頭を下げて、すぐさま隣の応接室に案内をする。

うん、やっぱり私は冒険者達と割り切れたりは出来ない。たとえ、のめり込んでしまって後が大変だとしても、無事に生きて欲しいと思うのは間違ってはいないと信じたいから。

 

 

◇◆◇

 

 

あれからエイナさんから簡単なダンジョンの説明を教えると言われて2、3時間とみっちり知識を教えてもらった。正直言ってすごく助かった。大まかな情報は原作の知識では知っているが実際に聞いてみるとより詳しく詳細にダンジョンの知識を得られた。

 

やはりこれだけの情報を直に貰えるのはありがたいと同時に、エイナさんはすこぶる優秀な人だと改めて認識した。

 

講習の終わりに"冒険者は冒険をしちゃダメだよ"とお決まりのセリフを頂いたが、エイナさんには申し訳ないが自分はそんな事を言っている立場じゃないので約束は守れなそうだ。(ごめんなさい)

 

しかし、冒険者登録をしてくると言って出かけようとしたとき、まさかベルが自分も冒険者になると言った時は流石に驚いた。

 

俺は正直ベルが戦闘に参加するのは反対の立場だった。

原作(男性)のベルなら兎も角、この世界のベルは女性でしかも持病もちだから負担をかけたくないと考えたからだ。

 

勿論ステイタスが上がってレベルが上がれば恩恵の影響で多少だが病気の進行を遅らせることはできる。

だが、この世界のベルはあっちのベルよりも戦闘向きじゃない。

しかもいつ発作が起きてもおかしくないリスクを常に抱え込んでいる。

 

とてもじゃないがダンジョンに挑んで良いとは言い難い。

 

だからベルにはヘスティアと一緒にいて欲しいと思い残ってもらおうとした。

だが、ベルは俺が1人でギルドに向かおうとした時───

 

「僕も…行く───僕も、アルの助けになりたい───だから」

 

そういって俺の袖の服を力一杯震える手で掴んでいたベルの手を、俺は解くことができなかった。

 

「あんな顔されちゃあ、断れないよな…」

 

本当はダメだと頭の中で理解してても、あの涙を振り払う事は俺にはできない。

はぁーと小さいため息をついて改めて気持ちを切り替える。

一緒にダンジョンに挑むなら、俺がベルを護りつつ敵を倒していけば良い話だ。

 

お前が、守れ───

 

そう心に秘めて自分に言い聞かす。

そのためにも色々と準備をして不測の事態にも対応できるようにしなければならない。

 

オラリオで新調した胸当ての(アーマー)を装備し、ゼウスから譲り受けた両手剣を腰にかけ、背中にはポーション等を詰めたバックパックの中身を確認してを背負う。

 

時間は丁度、正午を周ろうとしていた。

他の冒険者達が多くなってきて賑やかさがましてきて人の波ができてきた。

 

「アルー」

 

自分の名前を呼ぶ彼女の声が聞こえ振り向く。

灰色と黒の戦闘衣(バトルドレス)に着替えたベルが手を振りながらこちらに向かってくる。

 

「お待たせ、待った?」

 

「いや、こっちも準備が出来たところだよ。それよりその服、着心地はどうだい?」

 

ベルが着ている戦闘衣(バトルドレス)はオラリオに向かう準備の時にベルの衣装だと一緒に渡された物だ。

てっきり普段着かと思っていたら蓋を開けてびっくり、その服があのアルフィアが着ていた戦闘衣(バトルドレス)と瓜二つだったのだ。

 

「うん、苦しく無いし逆にフィットしてびっくりしたよ」

 

そう言いながらスカートの裾を両手で持ち上げてクルッと1回転するベル。

その時、ベルが周り終えた瞬間にスカートがふわっと舞い上がりベルの生足が見え、上下にたゆんっと揺れるヘスティアの次に大きいベルの2つの果実を俺は見逃さなかった。

 

"""おぉ…"""

 

周囲の冒険者達(野郎共)がいっせいにベルの方向に視線を向ける。

 

───が、

 

「ベル、そろそろ行こう。今すぐ」

 

「えっちょ、ちょっとアル!?」

 

ベルの前に覆い隠すように前へと出て、ベルの手を掴み取り急かすようにダンジョンの入り口の階段に向かって歩いて行く。

 

道中"っち"っと舌打ちが聞こえてくるが俺が睨み返すとそそくさと背を向けて人混みの中へと消えて行く野郎共。

 

(邪な目でベルをみるんじゃねぇ…!)

 

ベルを引っ張ってダンジョンの階段を降りて行く。

ベルはちょっと強引に自分を連れて行くアルに驚き、同時に少し絆してくれる事に照れて喜んでいた。

 

 

 




◇ダンまちコラム◆

ベルの戦闘衣(バトルドレス)

ベルがオラリオに行くと決めた時にゼウスが荷物の中に紛れ込ませた戦闘衣
黒と灰色の落ち着いたゴシック調のロングスカート
かの静寂が使っていたとかなんとか
ちなみに静寂が使っていた戦闘衣とは違い胸元は空いておらずそのかわり身体のラインがくっきりと出やすい。

???「なんじゃ?胸元を見せたものじゃ無いじゃと?ばかもん、敢えて見せないようにすることで胸の大きさや形をはっきりとすることで生まれるエr(((福音(ゴスペル))))」
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