ダンジョンでプーサーになった転生者が女の子になった主人公と出会うのは間違っているのだろうか   作:カフェインましまし

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ワイ「悪い知らせと悪い知らせがあるがどっちから聞くか?」

読者「いや両方悪い知らせじゃねーか」

ワイ「よし、悪い知られからな。ワイは仕事が今週月末だから残業込みで凄く忙しくなる」

読者「おい聞けよ。…それで?もう一つは?」

ワイ「もう一つは…ストックがないとです」

読者「は?はぁ??ハァァァ!?!?」


ごめんちゃい♡


第5話 未知()との遭遇

 

───ダンジョン

 

ダンジョンは大まかに4つの階層で分けられている。

上層・中層・下層、そして深層。

その内上層に区別されているのは1階層から12階層で新米冒険者やレベル1はこの上層までしか潜る事はできない*1

今アル達はダンジョン入り口にある太い円筒の螺旋階段を降りてきて最初の階層である1階層の通路を歩いて進んでいる。

 

「(ここがダンジョン…最初の1階層だが地上とはすでに空気感が違う…)ベル、体調は大丈夫かい?」

 

「うん、ちょっと息が詰まる感じだけど大丈夫だよ」

 

そう返事をしてアルの後をついてくるベル。

一様ベルには万が一の場合に護身用のナイフを持たせているがあくまで気休め程度だ。

 

(まだ1階層だからダンジョンギミックや怪物の宴(モンスター・パーティー)などは基本起こる事はない。しかしいつダンジョンが牙を向けかがわからないからな…)

 

ダンジョンは生きている(・・・・・)───

 

そうエイナさんから教わった事を思い出し、警戒しながら奥へ奥へと進んでいく。

 

───ギキャッ

 

目の前に見える通路の暗闇から昔、聞いた事がある声が響いてきた。

 

「ベル、僕の後ろに」

 

「う、うん…」

 

腰の剣を抜き、ベルを護るように両手で構える。ベルもナイフをケースから取り出し身構えた。

目の前の暗闇から現れたのは、故郷の森にも住んでいた怪物、小鬼(ゴブリン)だ。

 

ギギャッキャ!!

 

ゴブリンは俺たちの姿を視認すると真っ直ぐに突っ込んできた。今俺の後ろにはベルが居る、なので避ける事は論外。ならばと、剣を右後ろに引き狙いを定める。

 

───そこ!

 

自分の剣の間合いに入ってきたと同時に横に剣を振い、ゴブリンを一線。

 

ギャァ!

 

ゴブリンの断末魔が響き、身体が引き裂かれ一瞬にして灰となる。残ったのはほんの小さな石、魔石だ。

 

「ふぅ…」

 

「すごい、すごいアル!」

 

久々の戦闘で緊張してたのか、なんも問題なく倒せて一息つくと戦闘を見ていたベルがパチパチパチと笑顔で拍手をしていた。

 

「村の麓の森以来の戦闘だったけど、なんとか倒せてよかったよ」

 

「ううん、一瞬で倒しちゃって凄かったよ!」

 

そう言って何度も褒めてくれるベル。

まるで本物の英雄譚を間近で見たようなリアクションをしているのでこうも褒めてくれると逆にむず痒い気持ちが出てきて照れるが悪くはない。

 

ギャギャギャッ!!

 

だがそんな一時はさせないと言わんとばかりに先程現れた通路からまた怪物の声が響いてくる。しかも今度は1匹ではない、複数の声だとわかる。

 

「ア、アル…」

 

「ベル、気をつけて。次が来る」

 

再び剣を構え体勢を整える。次に現れたのは先程のゴブリンと別の怪物、二足歩行の獣コボルトがこちらに向かって襲いかかってきた。

 

「次はコボルトか」

 

目視した敵を確認し、即座に剣を構える。コボルトは全部で3匹、左右真ん中と分かれてその鋭い爪と獰猛な牙を構えて襲いかかる。

 

「やぁっ!!」

 

先ずは不利側(左側)に居るコボルトに向かって一線。

続く第二撃(右側)を返す様に薙ぎ払う。一瞬にして2匹のコボルトが瞬殺されても最後の1匹は臆せずアルの方へ向かって突き進んでくる。

 

ガァッ!!

 

コボルトの右手の爪が、アルの喉を目掛けて切り裂こうとする。だが、アルは冷静に見極め、腰を落として回避する。

 

「そこっ!!」

 

剣を下から上へ斬り上げる。身体を半分に斬られたコボルトは声をあげるまでもなく絶命し、パァンと灰になりコンッと残った魔石を落とした。

 

瞬く間に3匹のコボルトを葬るアル。しかしここはダンジョン。自分の中に入ってきた冒険者(侵入者)を易々と休ませる事はしない。その証拠に───

 

ボコッ!!

 

ダンジョンの壁が崩れさり、穴が開かれる。漆黒の穴から謎の赤い光が現れ次の瞬間、穴の中から怪物(コボルト)が背後のアル目掛けて襲いかかった。

 

「アル!?」

 

ベルの叫びに、アルはすぐさま敵の気配に気付き振り向く。しかし相手はすぐ目の前にまで差し迫ってきていた。あと1秒もすればコボルトの獰猛な牙が自分の顔に食い付いてくる…そう覚悟した時───。

 

「【福音(ゴスペル)!!】」

 

聞こえてきた声がフロア一帯に響くと同時に目の前まで来ていたコボルトが風船の様にパァンっと破裂するかのごとく消え去り魔石共々塵となって弾け飛んだ。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「ベ、ベル…すまない、助かった…」

 

魔法を唱えたベルは緊張が解けたのか、その場で座り込んでしまって放心状態だった。

すぐさま駆けつけベルの安否を確認するアル。

 

「こ、これが魔法…」

 

ベルは今、生まれて初めて冒険をした(・・・・・・・・・・・・・)。オラリオに向かう時は否定的だったが内心少しワクワクしていた。故郷の村で暮らしていた時、祖父から何度と読み聞かせてもらった冒険譚。いつか自分も、と半端諦めてきた冒険が。しかも憧れの魔法が自分が使えたのだ。

 

呆然としていた表情が次第に明るく、喜びに満ちた顔にかわっていた。

 

「アル!これなら僕も、一緒に戦えるよ!!」

 

(か、可愛い…!)

 

その笑顔を満遍なく自分(アル)に向けて注ぐ。

原作でも幼く中性的な顔立ちはいろんな人を魅了していたが女の子だと威力もとい破壊力が半端なかった。

 

「あ、あぁすごく頼もしいよ」

 

「うん!そうしたら早く次に行こう!」

 

「あー、それなんだがベル…」

 

ベルは今か今かとすごく張り切っているが、ある懸念があった。

 

「今日はお試しというか、そんなには潜らない予定なんだ。それに…」

 

そう、今日はダンジョン初日でもあるため元々長いするつもりは考えてなかったのだ。本来ならもっとポーションなどを用意して万全の状態で潜るため、そしてダンジョンの性質を肌で実感するために早めに切り上げるつもりだったのだ。

 

そしてもう1つの理由が───

 

「僕、さすがにこの状態で戦うのは少しきついかな」

 

「あっ…」

 

そう、今のアルの体は全身真っ赤な液体が浴びている状態だ。

原因は言わずもがな。先程のベルがコボルトをアルの至近距離間近で魔法(ゴスペル)で弾け飛ばした結果コボルトの血が降り注いだのだ。

原作のベルくんの時みたいに潰れたトマト野郎状態だ。

 

「それに血の匂いで怪物達が集まってきてしまうのはマズいしね」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

そう言ってベルは冷静になりしゅんとなり俯いてしまった。心なしか、うさぎの耳みたいのが垂れ下がっている様にも見えた。

 

(一喜一憂な所もやっぱりベル(原作)とそっくりなんだよなぁ)

 

「うん、僕は大丈夫だよ。それに今後ベルとダンジョンで一緒に戦えばすごく頼もしいってわかったからいい事だよ」

 

「…っ!ほんと…?」

 

「あぁ、本当さ」

 

そう褒めると再び喜びに満ちた笑顔を取り戻す。やっぱりベルは笑ってくれるのが1番だと改めて思った。

 

「よし、そうと決まれば来た道を戻ろうか」

 

そう言って剣を納めて、倒した怪物の魔石を回収して帰還する。ベルは帰る中、手を握ろうとしてきたが血だらけだからとアルが遠慮するが"…だめ?"と上目遣いのお願いをされて仕方なく手を握って帰ったらしい。チョロすぎる男だ。

 

余談だが、ギルドに帰還してシャワーを借りようとエイナに会おうとしたら全身真っ赤な血だらけの姿で声をかけたせいでアルを見た瞬間とてつもない悲鳴がギルド内で響きわたりこっぴどく叱られたとかなんとか。

 

 

◇◆◇

 

 

──それから約1週間以上たった。今日もアルはダンジョンに探索する為ギルドに来ていた。

今では1〜2階層の浅い階層のみしか潜ってなかったが今回は本格的に探索する予定だ。

目的は色々あるが強くなる事は前提として、そろそろ村から持ってきている資金だけでは危ういのだ。

 

アルは原作を知っていたので村にいる頃いつかオラリオで冒険者となる為、定期的にやって来る行商人とやりくりをして資金を少しずつ貯めていた。

 

だがオラリオでは外の物価が想像していたより高くあとよく見積もって大体1週間くらいで底をつきそうな程資金が溶けていた。それに今後のベルの治療費も考えるとすぐにでも稼がないとマズいと考えダンジョンに向かっていた。

 

「よし、いつもより多めに回復薬買ったし準備はとりあえず大丈夫だな」

 

ダンジョンに潜る前に持ち物を確認していつもとは違う用心深さで受付のエイナさんに挨拶をしに向かう

 

「おはようございますエイナさん」

 

「おはようアル君。あれ今日はベルちゃんは?」

 

エイナさんがいつも一緒にいるベルが今日はいない事に気づいてアルに尋ねる

 

「はい、実はベルは今日ちょっと体調が良くなくて、ダンジョン探索は僕1人で行う予定です」

 

「えぇ!?ベルちゃんどうしたの!?」

 

そう実はベルは今日のダンジョン探索には参加していない。その理由はベルが持っている持病の発作だ

 

「そう…大丈夫なの?」

 

「はい、今は軽い息切れですんでますので。その為にも今日は4階層を目指そうと思いまして…」

 

「4階層…うん今のアル君なら問題ないと思うよ。でもここ最近5階層からは新米殺しのウォーシャドウが出現するって報告が出てきてるから、くれぐれも5階層までは降りちゃだめよ?」

 

エイナはアルの実力なら4階層までなら平気だと結論してそれ以上の探索はNGと判断してアルに忠告する。

ウォーシャドウは本来なら6階層から出現する怪物で所謂新米殺しとしての異名を持つほどの強い怪物なのだ。

 

「(なるほど…ウォーシャドウが5階層にも…これは下には行かない方がいいな)わかりました。気をつけますね」

 

そう返事をするとエイナはにこやかに笑ってアルにいってらっしゃいとエールを送り、アルはダンジョンへと移動していく。

 

 

◇◆◇

 

 

「フッ!!」

 

ギャアッ‼︎

 

ドサッと体を真っ二つに斬られ瞬く間に灰へとかわりコンッと小さな魔石が音を立てて転がる。

ダンジョンに潜って既に半日を過ぎようとしていた。

 

「ふぅ…そろそろここいらの怪物達には粗方慣れてきた感じだな」

 

4階層からはゴブリンとコボルトの他に壁を這い寄るダンジョンリザード、長い舌で冒険者の武器を奪い取るフロッグ・シューターなどの新たな怪物が出現してきたがエイナからの知識と冷静な判断で1人でも対応して怪我なく倒していき魔石をひょいひょいと拾い集めていく。

 

(1人でもいつもの時より少し多く回収できてるな…しかも心なしか魔石の大きさもほんの少し大きい)

 

なるほど、これは新米の冒険者が調子に乗って下へ下へと進んで行きたがるのもわからなくもない。

こうも順調だと自分は行けると錯覚してしまう、そこへ油断した冒険者をウォーシャドウ等の強い怪物が牙を向いて致命傷を負ってしまい最悪死んでしまうのだろう。

 

「改めて巧妙な罠だな。やはりダンジョンは生きていると考えていいかもしれないな」

 

行きは良い良い、帰りはおそろい(怖しい)とは正にこのことだ。いかに冒険者(侵入者)を効率よく仕留めるというところを考えているとしか思えないギミックだ。

そんな事を考えているアルだが自分がこのダンジョンの最深部にいずれ向かうとなるといつまでもこんなところで立ち往生してる場合ではないと考えがよぎってしまう。

 

(本来ならこんなところでいていいわけじゃない…でも俺は原作のベル(本来の主人公)が手に入れて成長促進スキルで飛躍する勢いで強くなるが俺は…)

 

そう、ダンジョン探索から1週間が経過してるがいまだに自分のステイタスは伸びてはいるがそれでもすごく伸びているとは言えなかった。

 

それもそのはず、本来のステイタスの数値はこれくらいが普通でありレベル1では伸びやすいというが良くて100いくか行かないかが普通なのだ。

 

本来のベル・クラネル はある少女との出会い(淡い恋心)で世にも珍しいレアスキルが発言して物語の主人公みたいな急成長をとげる。

 

"憧憬一途(リアリス・フレーゼ)"

 

このスキルがあってベル・クラネルは僅か半年足らずで前代未聞のレベル5へと昇華して第一級冒険者へとなっていったのだ。

 

だがアルにはその成長促進スキルは発現はしていなく他の冒険者と同じく地道にコツコツと経験値を得て行かなくてはならない。

 

「でもそれでは…」

 

間に合わない。

アルに焦りと一滴の汗が頬に垂れて落ちた。

現実を思い知らされると目を強張り握っている剣をギュッと握り締めて深く考えてしまう。

 

「いけない、無いものねだりをしてもしょうがないのはわかってる…わかっているが…」

 

それでも認めたくないと心の中で叫んでいる自分が嫌になってしまう。本来の主人公であるベルはこの世界では病弱な女の子である。なら自分が代わりに助けないと…それにベルは女の子だから本来会うアイズ・ヴァレンシュタインとは同性だから憧憬一途(惚れて発現する事)がないことはないかもしれないが恐ろしく低いだろう。

 

(…ん?アイズ・ヴァレンシュタイン(・・・・・・・・・・・・・)…?)

 

何か引っ掛かる。

いやベルが彼女に惚れてスキルが…いや違う。

そもそもなんでアイズと出会うんだっけ?

たしか…原作だとベルが5階層で探索していたら…そう厭世帰りに遭遇したミノタウロスの群れが散り散りに逃走して…確か上の階層に登っていってしまって…それで…。

 

何かを見落としていると自分の直感が囁いている。

 

「…そのロキ・ファミリアの遠征の帰りは…確か───」

 

 

───ズンッ

 

 

突然前方の通路から地響きが音と共に伝わってきた。

アルはハッと顔を上げて音が聴こえてきた方角を直視する。

 

 

───ズンッズンッズンッ!!

 

 

音は大きくなって振動は短く間隔を狭めてくるのが肌で感じ取れる。

 

(この感覚…まさか!?)

 

その感覚はアルには見覚えがあった(・・・・・・・)───

 

忘れもしない。

5年前、ベルが村のはずれの森林で迷子になった時にあわや襲われて間一髪だった時、自分がソイツと戦った事を。

 

「まさか…!こんなところで…!今日だったのか…!?」

 

 

───ズンッ!ズンッ!!ズンッ!!!

 

 

音の主が前方の通路から徐々に見えてくる。

全長約3メートル程の大きさ、アルの身長の倍はある高さで手には天然武器(ネイチャー・ウェポン)である石斧を握りしめ鼻息を荒げて獲物である冒険者(アル)を見つけて闘争本能をギラつかせていた。

 

 

ヴォォォォォォォォォ!!!!

 

 

ビリビリとアルの身体に振動の波が押し寄せてきて一瞬膝をつきそうになるが何とか両足で持ち堪えてその怪物を肉眼で確認する。

 

「───ミノタウロス!」

 

本来なら中層の15階層から出現する怪物。

否、正規の物語では5階層に探索した時に現れた怪物ミノタウロスがここ4階層(・・・・・)で遭遇するはずがないのだ。

 

 

 

しかし運命の針は本来の世界とは違う道を示し、進みはじめていたのだ。

 

 

 

 

*1
ただし、強制的ではなくあくまでギルド側の原則である




◇ダンまちコラム◆

ミノタウロス

全長3メートルの巨大な肉体で天然武器である石斧を装備した牛の怪物

本来ならば中層の15階層に出現し、レベル1の冒険者では歯には立たない。推奨レベルは2以上だがソロでも難しいとされる怪物。
正史のダンまちではロキ・ファミリアの遠征帰りに遭遇して逃げられて複数のミノタウロスが上層に上がってしまってそこに5階層で探索していたベル・クラネルが間一髪の所第一級冒険者の"剣姫"アイズ・ヴァレンシュタインに助けられレアスキルである憧憬一途(リアリス・フレーゼ)を発現して物語は進んでいく。

だがこの世界線ではアルトリウスが4階層でエンカントしてしまった。

因みアルの真のヒロインであr

??「は????今なんて???」

い、いえ別になにもいry

───文字はここから記述されていなかった。


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