魔法少女リリカルなのはdestroy ~死神様の言う通り~   作:敗者

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神様は何時だって不公平だ

「ここだよな…」

今日の夕方、アリサはなのはをあの剣で殺してしまうかもしれない。そうならないためにもあのデバイスの弱点を探るべく市立図書館まで来ていた。

情報がカラドボルグという名の剣であること。意外と簡単に見つけられそうだった。

 

 

確か綺麗な湖が一つだけあったよな。戦ってて余り気がつかなかったがあそこからも微弱だが魔力が籠っていた。多分ヒントはソコか………ん?あの子、、、

 

真琴が見たのは車椅子の少女だった。本棚の高さからか取れない様子で、手を必死に伸ばしているが届かないみたいだ。

 

「ん~~ッ届かへんな~、あっ」

「はい、これでよかった?」

 

少女は知らない少年から渡された本を手に取り、ちょっと困り顔で声を出した。

「あの、ありがとうございます?」

「どういたしまして。他に取る本はある?」

 

少女はここでなにかを思ったのか笑顔になる。

「それなら……」

 

 

 

「ホンマありがとな~。前々から取れなかった本が幾つかあって、凄い気になってたんです。」

机の上には本の山が出来ていて少女はこれを全部読む気らしい。

「困った時はお互い様だからね。」

「そう言ってもらえると助かります~。でも私なんかじゃ誰も助けられないと思いますけどね。」

「そんなことないよ。きっと君にしか出来ない事があるはずだから、その時まで誰かに助けてもらえばいいと思うよ?」

それを聞いた少女からは笑いが溢れる。

「あはは、なんやのそれ。でも気が楽にできます~。えっと、私は八神はやて。君は?」

「俺は影月真琴。あと敬語じゃなくて大丈夫だよ、歳も同じ位だと思うしね。」

「わかった。それなら普通に喋らせてもらうわ。ここには頻繁に来てるから見かけたら声かけてな?」

少女、八神はやては真琴がまた来たときにはお喋りをする約束をした。

「余り見ないけど、なんか探し物でもあるん?」

「そうだね、ちょっと剣について探しに来たんだ。」

「剣?それなら有名な剣なら幾つか知ってるよ?」

「ほんと?「カラドボルグ」っていう剣知らないかな?」

 

はやては少し難しそうな顔をしてそして解ったらしく一つの本に手を掛ける。

「多分この剣やと思う。カラドボルグ別名「エクスカリバー」」

「エクスカリバー?あの伝説の?」

「そうや、余り知られて無いけどエクスカリバーっていう名前が付いたのはアーサー王がある湖から引き抜いてから何度か使った後に付いた名前なんやで?」

 

「それは知らなかった。けど何ではやてはそんなに詳しいんだ?」

 

「いや、実はな、昔の伝説とか偉い人とか調べんのすきなんよ。その時代の歴史なんかがよくわかるしな~。あ、あとは料理も好きやねん。」

 

「料理も出来るのか、はやては何でも出来そうだな。」

 

「何でもはできへん、出来ることだけや。」

 

 

「おーい、はーやーてー、遅れてごめーん!…あれ?誰この人?」

すると大声を上げながらはやての名前を呼ぶ少女が近づいてくる。ここ図書館なんだけど……

 

「おー、ユナちゃん待っとったよー。」

「ごめんって、それよりこの人は?」

 

「うんとな、さっき届かなかった本取ってくれた親切な人。」

「ほえ~、こんにちは。私、逢坂ユナっていいます。ユナちゃんって呼んでね」

はやてとはまた違った雰囲気の子だ。髪はオレンジ色でポニーテールになっている。特徴的とも言えるのは右目に白の眼帯をしてかなり目立っている。

 

「ん、俺は影月真琴。こっちも真琴でいいよ。よろしく、ユナ」

 

「ちゃん」

 

「え?」

 

「だーかーら、ユ・ナ・ちゃ・ん!」

 

「……ああ、わかった。ユナ…ちゃん」

 

「うん!よろしい。それで?何してたの?」

「いやな、真琴くんが知りたかった情報をうちの家に来る条件で教えてあげてたんよ。」

「ちょっと待て。いつそんなこと言った」

 

「えー!はやて、男の子を家に呼んだの!?一つ屋根の下で男女が二人っきりって。何するつもりよ~」

 

「もう、言わせんといてユナちゃん♪そんなの決まってるやろ~」

 

なんで女の子二人集まるだけでこんなにも会話が弾むんだ……っというか、

「はやて、独り暮らしなのか?」

 

「そうや、お母さんとお父さんも事故で死んでもうてな、この足もその時に怪我したっちゅう訳やな。」

 

「…なんか、すまん。」

 

「いやいやいや、気にせんといて?これでも親戚の人に助けてもらって病院でも仲のいい先生もおるし、余り不自由はないよ?」

 

きっとこの子も辛い経験してきたんだろな。親を失った子供は必要以上に強くあろうとしてしまう。はやてだってもっと両親と一緒に居たかっただろう。

 

「今ではユナちゃんも居るし、大満足や♪」

不意に見せたその笑顔にドキッとしてしまう。

 

「真琴くん、今はやての笑顔にドキッとしたでしょ?」

それを見たユナは悪戯の笑みを浮かべ真琴を弄る。

「駄目だぞー?はやては私だからね~」

はやての背後に回り後ろから抱き締める形で真琴に見せつけ、はやては顔を赤くして暴れまわる。

 

「止めてやー、人前で恥ずかしいやろ!?」

「あーー、可愛いな~はやては♪」

「うっとしいわ!?」

「二人は仲が凄くいいんだな」

その言葉を聞いた二人は互いに顔を合わせそして

「「当たり前や(ね)」」

と微笑んだ。

 

 

「今日はありがとう。知りたい事もわかったから今日はもう帰るよ。」

 

「そうか?残念やな~、また会えたらお話しような?基本的にはここにおるから」

「ねえ?はやての家いかないの?」

「ユナちゃん、冗談や…」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人と別れ家に帰る頃にはお昼の12時を過ぎてきた。いよいよ時間も無くなってきたが、図書館で得た知識というのはアリサの使っている武器が最強の剣と言うぐらいだ。

要は対策のしようがないことに変わりはなかった。

 

「マスター、お昼の準備が出来ました。」

「ああ、わかった。」

「マスター、アリサさんの事でお話があるのですが」

「なにかわかった?」

「はい。アリサさんが使われていた固有結界なのですが、あれは一種の舞台設定の様なもので使っている本人は当然ですがその場にいたマスターにもある条件をクリアできれば恩恵を受けられると思われます。その条件は解りませんがあの剣が関係しているのは間違いありません。」

 

なるほど、だが条件がわからない今、真っ正面から挑むしかないはずだ。

 

「ラグ、行く時にはユニゾンしておこう。何が起こるかわからないから。それと此方も下準備を済ませよう。きっと戦う場所は学校の近くのはずだ。結界をなるべく強力なヤツを展開したいから周辺に魔方陣を築こう。」

 

「わかりました。それでは早速学校の方へ向かいます。」

 

「頼んだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユニゾン、イン」

 

結界を張り紫電・村正を構えてアリサを待っていると結界内になのはが入ってくるのを確認する。事前になのはにはジュエルシードがあると嘘の報告をし、結界の指定したポイントに移動してもらった。そこでは前手に入れておいたジュエルシードを仕込み暴走させる手筈になっている。

 

 

 

 

 

「……アリサ」

 

「やっぱり邪魔するのね、真琴」

 

そこには既にバリアジャケットを着ているアリサがいた。アリサも真琴の容姿が変わっていることを指摘する。

 

「それが本当の力って訳ね。」

アリサは睨みを効かし、

「最後に忠告するわよ。真琴は殺しはしないけど当分動けない様に体を壊すわね?安心して、なのはを殺したら直ぐに治すから。ラミアさんが凄い治癒魔法をかけてくれるらしいから。」

 

きっとラミアの着いた嘘なんだろう。凄い治癒魔法?ある意味一瞬で楽にされちまうわ。

「忠告ありがとう。けどアリサにはここから先に通す訳には行かないんだ。」

 

「そう。あくまでなのはを庇うのね……

だったら、、、

 

 

目を冷まさせてあげるっ!!

 

 

 

神の明かりよこの身を照せ、迷いの子羊に光の加護をッ!カラドボルグ!!」

 

アリサの叫びと共に辺りの景色が草原へと変わる。

「いくわよ!ハァ!!」

「フッ!」

雄叫びとともに互いの剣がぶつかりあい火花を散らす。

 

「迅雷衝破斬・双覇ッ!」

「ドラゴン・バスター!」

 

真琴は二つの斬撃を放つも互いの魔力弾がぶつかり合い激しく爆炎を巻き上げる。

真琴は爆炎を利用してアリサに近づき紫電を振るうがカラドボルグで弾き飛ばされる。

「ラグ!」

『穿つ物は焔、突き立てるは鬼火、満たす物は魂!』

「呪装簡易、炎天。最初から飛ばしていくぞ!」

完全に呪装化せず武器のみに力を纏わせ、アリサに肉薄する。

「ちょっと!?」

肉薄した状態から連撃を叩き込むが全てを防ぎこまれてしまう。

「上等じゃない!こっちだって全力でやらせてもらうから!」

そう叫ぶとアリサは泉の中心に向かって手にしていた武器を投げ入れてしまう。

「アクティブジェネレート、エクス、カリバー!」

 

泉から光が放たれ、黄金の剣が現れるとそのままアリサの手元に収まる。その剣を手にしたアリサからは収まりきれない程の魔力を撒き散らす。

 

「はああああ!」

エクスカリバーを地面に打ち付け地割れを起こしながら真琴に衝撃波を繰り出すが真琴は瞬間移動でアリサの背後に周り回避し、そのまま蹴りつける。

 

「大きい技ほど隙はでかくなるモノだアリサ!」

「え?きゃぁ!」

アリサはとっさにエクスカリバーを手前に出しダメージを軽減させる。

ギャイン!

「なによ、これッ!いつの間に!」

「さっき仕掛けておいたバインド。そしてこれはオマケだ!」

 

真琴は更に両足首にまでバインドを仕掛ける。

「な、な、な、何すんのよヘンタイ!」

「へ、変態!?なんもしねー「なにもしないの!?それはアタシに魅力がないってこと!?」あーもー!じゃあどうすればいいんだよ!」

「真琴のバカーーー!!!!」

アリサは意図も容易く壊し、バインドから逃れる。

 

「これから逃れられるかしら?コメットドラゴン!」

アリサの背後の空間から幾つもの機械ユニットを召喚し真琴に襲い掛かる。

鬼篝(おにかがり)!」

村正を振り払うと小さな火の粉を撒き散らしユニットを幾つか撃破する。

「ちっ!」

残ったユニットから魔弾が放たれるも真琴はシールドを張り防ぎ切る。

「邪魔だぁ!」

雄叫びを上げ、残りのユニットも切り落とし破壊。

 

「もうめんどくさい!!これで終わらせてあげる!!『全てを切り伏せる輝きを!』」

 

『マスター!アリサさんの魔力が急上昇していきます!このままでは体が持たないかと!』

 

「く、無茶ばっかりしやがって!!ラグ、セット!」

 

「エクスカリバー!全力全開、ビッグバン(神の一撃)!!」

「吹き飛べ!ディストリビューレーター!!」

互いの魔力砲はぶつかり合い凄まじい爆発を生み、辺り一面を吹き飛ばす。真琴は咄嗟に障壁を張り防御するも、アリサはダメージを負い衝撃により草原へと投げ出される。

「はぁ、はぁ、アリサ!」

「っく、近寄らないで!」

アリサはヨロヨロと起き上がりエクスカリバーを構え直す。

 

「もう止めるんだアリサ!なのはを殺した所でアリサには何にも残らない!人殺しなる必要は無いんだよ!」

「五月蝿い!!」

 

「何でなのはなの?学校でも真琴はなのはばかり構ってばっかでちっともアタシを見てくれない……!家だって近かったし、何よりいつもいつもいつもいつもずっと楽しそうだった!!」

 

「そんなことねーよ!アリサだって大切な友達だ!すずかだってなのはだって皆大切な友達だろ!?なのはだけを特別扱いしたことなんて無い筈だ!!」

 

「じゃあなんで、なんで真琴が生きてる事をなのはは知ってたのよ!なのはが貴方のお母さんを殺したからでしょ!そんななのはを!真琴はッッ!」

 

バチン!!

 

真琴はアリサに駆け寄り頬を力一杯叩き、そして優しく抱き付く。

「…どうしちまったんだよ。いつも四人仲良くやってたじゃねーか。友達を信用してくれ。いつもの大好きなアリサに戻ってくれよ。歪んでいるお前はもう見たくないんだ……」

真琴の言葉と共にアリサは瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。

「うぐっ、ひっぐ、羨ましいかったのよ……真琴の隣にはいつもなのはがいた。それでも必死にアピールして貴方の隣にいつか立てる事を願って。それであたしは魔法を知って、同じ目線になれた事が凄く嬉しかったの。けどそこにはまたなのはがいて、アタシにはなのはにはきっと勝てないんだなって思っちゃった。だから嫉妬して、自分の中で蔑んで、もう戻れないとこまで来ちゃってたのよ…」

 

「まだ戻れる!お前を騙したやつを俺が懲らしめてやるから、また何時もの四人で遊ぼう。な?」

 

「うん、うん!」

 

 

 

 

 

 

「感動の仲直りかしら?良かったわね~アリサちゃん」

 

「!!てめー…」

「ラミア、さん……」

 

 

今までの戦いを見ていたであろうラミアはふてぶてしく笑っていた。

「でもいいの~?またあの子に取られちゃうんじゃない?」

「……ラミアさん、私もういいんです。貴方が話したことが全部本当だったとしても、きっとそれは真琴が決めること何だと思います!」

 

「………………あっそ、じゃあ使い物にならなくなったアンタなんか要らないわ。」

ラミアは空間から何かの装置を取りだしそれを稼働させる。

「ッッあ!!?ぐ、あああああッ!!!」

「アリサ!、アリサに何をした!!」

 

「なに、要らなくなったオモチャを片付けてる所よ。だってそのコアを与えたのはアタシ達なのよ?要らなくなったら邪魔になるだけだからね、細工を施しておいたの。」

 

そう説明している間にもアリサは苦悶の表情を浮かべ泣き叫んでいた。

「ま、こ、、とッ!ああぁあ!!」

「今すぐそれを止めろ!!」

 

「それじゃバイバ~イ♪ア・リ・サ・ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、こ、と、ありがと…」

 

何故かその言葉で理解してしまった。

その言葉が最後になってしまうのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリ、パンッッッッッッッ!!!!さ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

プシャーーーーーーーーーーーーーーー………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っう!!」

真琴は今の今まで目の前にいた少女を見つめていたが何が起こったか理解してしまうと共に強烈な吐き気を催す。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、」

『そんな、酷すぎる……』

 

 

 

 

「ふふふふ、あーはっははははっはっはは!!最高に派手に吹っ飛んじゃったのね!心臓だけ破裂するって聞いてたけど、まさか上半身ごと破裂させるなんて、すんごいもの見れちゃったわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

プツン

 

 

 

真琴の中で何かが切れた音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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