魔法少女リリカルなのはdestroy ~死神様の言う通り~   作:敗者

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折れない心

「起きたみたいだな。」

 

見計らったかように真琴は二人に声を掛ける。

 

「あんたが私達を助けてくれたのかい?」

 

少し警戒し睨みを訊かせるが、フェイトがそれを止めさせ真琴に謝る。

 

「アルフ、駄目だよ?すみません…せっかく助けて頂いたのに、失礼しました。」

 

「気にしないで、それよりお腹空いてない?」

 

「「ぐううぅぅぅう~~~…」」

 

「あははは、少し遅いけどお昼の用意したから来てくれるかな」

 

二人は顔を赤くし、真琴に着いていく。

 

「あ、マスター。お二人共連れてきて頂きありがとうございます。さ、冷めない内に食べましょう」

 

もう限界なのかアルフは椅子に座り、勢い良く料理を食べ始める。

 

「あ、アルフまだ頂きますも言ってないのに!行儀が悪いよ?」

 

「うんまあーーい!!フェイト、これ凄く美味しいよ!」

 

このクリームパスタはよくかーさんが作ってくれたとてもシンプルな、けどそれ故にとても美味しい一品だ。ベーコンを炒め、塩コショウで味付けし、そこにキノコをいれる。ソースは炒めた所に牛乳、生クリーム、卵、そしてパルメザンチーズを入れてよく混ぜたものだ。もしこれを不味いといったヤツは誰であろうと八つ裂きにするに違いない。

 

「そんなにお腹空いてたのか。凄い勢い。俺もお腹空いてるし食べようか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~~♪凄く旨かった。助かったよ~」

 

「ご飯まで頂いて本当にありがとうございました。あの、何かお手伝いとかすることがあるなら、言ってください。出来ることなら何でもしますから」

 

二人は真琴に感謝して、お礼を言う。

 

「口にあって良かったよ。それじゃあ聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

 

さて、本題に入るか。

 

「?はい、答えられることなら大丈夫です。」

 

 

「君達二人は、どうしてジュエルシードを集めてる?」

 

フェイトは驚き、それと同時にアルフも警戒モードに入る。

 

「あなたはさっきの…!」

 

「そんなに警戒しなくても何もしないから大丈夫だよ。後ここを壊されちゃたまらないから魔法は控えて欲しい。」

 

そうは言ったものの警戒は解く気は無いようだ。ラグは何時でも戦闘が出来るように結界を張る。

 

「まあこんな雰囲気じゃ話すことも出来ないか……じゃあこうしよう。君達が集める理由を言ってくれたらこれをあげるよ。もう封印済み」

 

紫電をジュエルシードを取り出す。

 

「フェイト、きっと罠だ!管理局の奴等だよ!」

 

「残念ながら俺等は管理局?の人間じゃないから。安心していいよ。目的は別に無いんだ。ただこれを何に使うか教えて欲しいだけなんだ。理由によっては渡せないけど」

 

フェイトは少し考え交渉に応じる事にした。

 

「集める理由は…………」

 

「フェイト!!」

 

アルフは心配そうにフェイトに言わないようにさせる。よっぽどの理由か……

 

「話せば渡してくれるんですよね?」

 

「絶対ではない。」

 

「…………理由は詳しいことはわかりません。ただお母さんが持ってきて欲しいって言ったから。だから私はジュエルシードを集めてます」

 

この子の母親が?こんな危ないものを集めて欲しいだと?

 

「約束です。ジュエルシードを渡してください。」

 

真琴はジュエルシードをフェイトに渡すと、キョトンとした顔をする。

 

「え?いいんですか?」

 

「約束は守るよ。理由話してくれたしね。」

 

「そうですか……料理はありがとうございました。本当に美味しかったです。それでは私達はこれで。」

 

「ああ、どういたしまして。後、ここら辺で変な魔力の二人を見たことないか?黒いフードを深く被った奴等なんだけど。俺が君と戦った時の格好に少し似てるんだけど」

 

「すみません。見たことないです。」

 

どうやら知らないようだ。だとするともうこの鳴海市には居ないのだろうか? 

 

「わかった。けど見たら絶対に闘ったりはしないでくれよ?それがジュエルシードに関わっていても。」

 

そして一つ息を整えてこう付け足す。

「殺されるぞ?」

 

辺りに悪寒を走らせるような気迫を飛ばすと、フェイト達は背筋が凍る様な感覚に縛られた。

 

真琴は一応忠告しておくがそれでもフェイトは戦うだろう。

 

「……失礼します。」

 

バリアジャケットを展開して一礼すると何処かへ飛び去ってしまった。

 

「…………忠告を聞いてくれると嬉しいんだけど。」

 

「マスター?」

 

一体どんな理由で集めているのか全く想像がつかなかった。もし、人を生き返らせるとか、過去に戻りたいとかそんな下らない理由でアレを使うのならば俺は全力で止める。過去になんて戻れないし、死んだ人も生き返ったりしない……

 

「食器、片付けるか。」

 

食器をシンクに運ぶ。ソルも残りの食器を運び洗い始める。自分の部屋に戻ると横になり少し眠ることにした。

 

 

 

 

 

「……は、…………のは!…………なのは!起きて!!」

 

「ふぇ?」

 

「大丈夫?」

 

体を起こし目の前にいるフェレットに目を向ける。

 

「ユーノ、君?」

 

「良かった、気が付いたみたいだね。」

 

「私、どうして?……あ。」

 

思い出した。私はあの子とジュエルシードを取り合っているところに、あの人が来てそれで負けたんだ。でもどうして家に居るのか分からない。 

 

「君が落とされた後、あの子の使い魔が来てアイツに挑んだんだけど、二人もやられちゃったんだ。その後、アイツからもう一人の女の人が出てきて、なのはをここまで運んだんだよ。」

 

なんとなくわかったけど、いまいちユーノ君の言うことが分からなかった。あの人から女の人が出てきた?

 

「もしかして、ユニゾンデバイス?」

 

「そう言うことだ。でも理由が分からない。ジュエルシードに奪う事ならわかるけど、どうして君をここまで運んだんだろ。君の家を知っていたみたいだけど。」

 

 

なのはも知り合いではないと思うが、ひょっとしたら……

 

 

 

「けど、君が無事で良かったよ。けど気を付けないと。またアイツが来ないとも限らない。」

 

「うん。でもちょっと知ってる声立ったような気がするの」

 

もしかしたら、彼が生きているかもしれない。テレビでは行方不明になっているけど、まだ遺体が発見されていないらしい。あの爆発でと思うと不安に刈られる。

 

「君の友達、早く見つかればいいね。」

 

「うん。…………真琴くん……」

 

この前の謎の爆発で行方不明になってしまった思い人の名前を言う。

 

「とりあえず今日は疲れただろうから、もう休もう。明後日は温泉旅行があるんだから」

 

「わかったの。じゃあお風呂に入ってくるね。ユーノ君は一緒に入る?」

 

なのははいつものように誘ってみるが。

 

「いいいいい、いいよ僕は後で士郎さんと入るから!!」

 

何故か慌てて拒絶する。そんなに私と入るのが嫌なのかな。

 

 

お風呂から出て、ベッドに入り眠り込む。

 

きっと明日こそは真琴くんが見つかりますように…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し眠るつもりが朝まで寝てしまった。真琴は朝の鍛練のため、パジャマから普段着に着替えて境内に行き、紫電で素振りを始める。

 

「…198、199、200!よし、次」

 

まだ体が成長期だと思い、余り無理してやらない方がいいと考え、素振りは少な目にしておく。紫電の中にあるデータを応用した剣技を見て、それを流れで振ってみるが、体が全然追い付いてくれないみたいだ。

 

「マスター、調子はどうですか?もしアドバイスが必要な時は言ってくださいね。それと、無茶しすぎて体を壊さないように。技の中には体を破壊しかねない技だってあるんですから。」

 

「これのことか?」

とっさにやった真琴の一連の流れはまさに危険度、難易度が高いものであった。

 

 

 

「マスター!?その技は余り使わないでください。斬撃を八回に分け、その八回ごとに五回の斬撃を飛ばす。いわば剣の舞い。その技を使うときは必ず私とユニゾンしている状態で使ってください。それと今のマスターですと一週間に二回だけです。出来るだけ私がフィードバックしますから、約束、ですからね?」

 

確かに、型を流しただけで体が軋むみたいだ。多用は禁物ってことか。一応紫電の中の技はほとんど覚えてみたが後一つ、確かに命を削りそうな技もあった。とりあえずこの辺りで今日の鍛練終わりにするか。

 

「ふぅ、明日はジュエルシード探しにいく。いいか?」

 

「わかりました。マスター、シャワーでも浴びたらどうですか?汗臭いとなのはさんに嫌われますよ?」

 

最近ラグも色々なジョークを言ってくるようになってきた。ユニゾンデバイスってもう一人の人にしか見えないんだよな。他には一体どんな事が出来るんだろうと思う時がある。後、マスターって言うのは直らないのだろうか。まだ少し恥ずかしいんだけど。

 

「わかった。それじゃあシャワー浴びてくるから。」

 

 

 

 

 

 

今日はどの辺りを探そうかな……

 

ジュエルシードの反応は近くには無さそうだし、ちょっと遠出してみるか。

 

紫電から微弱な魔力波を飛ばし、レーダーの様に張り巡らせる。そこから小さな魔力の塊を山沿いの方から感じ大体の位置を探る。

 

「あっちか。確かに向こうには温泉宿があったような……ん?アレって、フェイトとアルフ?ということは向こうも見つけたってことか。少し付けてみるか」

 

 

そういって魔力は探られないように最小限まで抑え、上昇して上から見張る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのはー、すずかー、早く来なさいよー!!温泉に入ろー!」

 

「アリサちゃん、そんなに走ると転んじゃうよ~」

 

今日は三人とお父さんと一緒に温泉旅行に来ています。本当だったらここに真琴くんが居たのに……けど、きっと生きてる。だから今日こそは絶対に見つけるの!

 

 

「待って~アリサちゃん、すずかちゃんー」

 

お風呂場に行き、着替えて湯船に浸かる。そこで三人は真琴の話を持ち出した。きっと思っていることは皆一緒だろう。

 

「ねぇ、なのは達は真琴のこと、どう思ってた?」

 

アリサが切り出すとそれにすずかは答える。

 

「私は、、真琴くんのことが好き……私は真琴くんに助けてもらった事がたくさんあるの。なのはちゃんやアリサちゃんがケンカしてるときも、いつもそれを止めに入ったり、少し重い荷物を持っていたときも代わりに運んでくれて……私には出来ない事を助けてくれて、そういう優しい所に引かれたんだと思う」

 

 

すずかは話終わると恥ずかしかったのか顔を赤くし湯船に顔を隠そうとするがすぐに飛び出てくる。

 

それを聞いたアリサも自分の胸の内を開ける。

 

「私も!私も…真琴の事がすき!アイツとバカみたいにはしゃいで、間違ったことをした時はちゃんと叱ってくれるアイツが好きなのよ!!なのはは聞くまでも無いけど、どうなのよ!」

 

 

私は、、、家族皆の仲が悪くなったとき、真琴くんは赤の他人なのに私と家族と仲直りする為に、私の想いを伝えるため背中を押してくれた。お陰でお母さん達に自分の想いをしっかり伝えるとこが出来た。そしてどんなに失敗しても励ましてくれて、手伝ってくれて、一緒に笑ってくれたそんな真琴くんが……

 

「好き……私は真琴くんが好きなの。だから絶対に見つける!」

 

その言葉を聞いた二人は笑っていた。

 

「真琴のヤツ、女の子三人ががこんなに好きでいるんだから、死んでたら承知しないんだからね!」

 

気持ちが一つになり、お互いを認め合い、更に友情を深めた三人だった。

 

少しした後、念話でユーノ君が慌てた様子で伝えてくる。

 

 

『なのは!!ジュエルシードだ!今あの子達が封印しようとしてるんだ、急いで来てくれ!!』

 

『うん、わかった!!』

 

 

「じゃあそろそろ出よっか♪」

 

上機嫌なアリサが切り出し温泉から上がることにする。

 

「ゴメンね二人とも。ちょっと用事出来たから少し行ってくるね?」

 

「またぁ~?最近なのはそういうの多くなってきてるよ。何か会ったの?」

 

「なにか困ってることあったら言ってね?出来ることは何でもするから 」

 

二人が心配してくれるが、魔法少女になっているなんて言えないので心配させないよう言葉を濁す。

 

「大丈夫なの。ちょっとした用事だから。じゃあ行ってくるねー」

 

二人に嘘をついている事に胸を痛めるが今はジュエルシードが先だ。ユーノ君の所に早く行かなくちゃ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイト!このジュエルシード、無意識に願いを叶えさせてる。早くしないとこのネコ死んじゃうよ!!」

 

「わかってる、けどどうしたらいいの?」

 

今ジュエルシードを目の前に苦戦を強いられている。理由は生きたネコに寄生し願いを叶えさせているからだ。威力を間違えれば殺してしまうということもあり得なくない。

 

「でもこのままじゃこっちがやられちまうよ!」

 

もう一か八かで高威力の魔法をやろう。もしかしたらジュエルシードを鎮めることが出来るかも知れない。

 

「アルフ、少し離れて。」

 

「わかった!」

 

ネコにバインドを掛け、そして雲に魔力を通わせる。段々と雲が黒くなり雷が精製されていく。

 

「サンダーレイジ!!」

 

 

 

 

 

 

 

上空で真琴はフェイト達が戦っている様子を伺う。

 

ジュエルシードを封印しようとしているみたいだが、手間取ってるそうだ。多分ネコを殺さないようにしているんだろう。

 

「俺が混じってやるのも良いかも知れないが、嫌われてるからな…。ここで更に関係を悪化させるのも良くないし。」

 

今近くになのはの魔力を感じる。ここで鉢合わせるのは余り良くない。きっとあのフェレットが伝えたんだろう。折角なのは達が温泉を楽しんでんのに、ここでもジュエルシードを探させてるのか。あの毛むくじゃら、後で締めよう。

 

どう毛むくじゃらを料理しようか考えている内に、いつの間にかフェイトは雷を形成していた。きっとそのまま落とすつもりだろう。

 

「おいおい、あれば不味いと思うんだが!」

 

かなりの魔力を感じる。無詠唱魔法であそこまで威力が出せる事に驚きを感じた。アレが当たれば間違いなくジュエルシードを鎮圧することが出来るだろう。しかしその場合ネコが生きていれるか心配になる。いざとなればアレを防御した後、一気に封印すればいいが。今はなのはを信じることにした。

 

「なのは、早く来てくれ!

 

 

 

 

「ディバイン、バスターーーー!!」

 

 

桜色の砲撃がフェイトを包み込む。不意を突かれたフェイトは防御することなく直撃し、そのせいで溜めていた魔力が四散する。

 

「きゃあ!」

 

「フェイト!!……アイツ!」

アルフは砲撃が飛んできた方向を睨む。

 

 

「私は貴方が何をしたいのかわからない。話してくれないかな?もう二度とこんな思いはしたくないの……伝えられない気持ちはどうすることも出来ない。けどまだ伝えられるなら私は諦めない。」

 

「何をいってるの?」

 

「まずは名前から教えて貰えないかな?」

 

 

思う事はただ一つ、諦めない心。

大切な人にこの思いを伝えるために、白い少女は進化する。

 

 





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