ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□1~3

 □1 植物星系 首都惑星グリン グリンシティー 議事堂

 

 

 

 ここは植物星系の首都惑星グリンにあるグリンシティー。

 植物星人が中心となって住む植物星系だが一部の惑星では他の種族とお入植実験も行われていた。

 グリンシティーの議事堂には今、様々な宇宙人が来ていた。

 この星には普段なら植物系の宇宙人しか来ないのだが、今回は植物星系で星間連合の臨時総会が行われる事になり様々な星系の大使が来ていた。

 ハルカ星人、チャモチャ星人、トカイトカイ星人、キングダム星移民ロボット、ワンニャン星人、ピリカ星大使のゲンブ、極小サイズの火星人(ドラえもんとのび太が作った)、近年加入が認められた銀河漂流船団議長のマズーラ、地球から脱出した天上連邦代表であるヘブ長官。

 更には銀河の秩序の為に行動するバードマンの本部であるバード星と王政を掲げて中立の立場を維持するマール星からもオブザーバーとして大使が参加していた。

 議事堂の中で一段高くなっている議長席には地球出身と言う異色の経歴を持つキー坊が座っていた。

 近年キー坊は植物星大使と星間連合の議員を兼任して今回の臨時総会を主導していた。

 

キー坊大使「お集りの皆さん。これより星間連合の会議を始めます。今回の会議では我々、星間連合から皆さんに報告すべき事が」

 

 その時、爆発音と悲鳴が響くと同時に無数の足音がドアを開いて足早に議事堂に乗り込んで来る。

 全身を覆う防護服を着ていたが人型なのは明らかだった。

 

キー坊大使「君達は!?」

 

 キー坊の問いに答える事無く防護服を着た集団は次々と周囲に何かを投げて行く。

 投げられた先では次々と小型だが爆発が起こって行く。

 異変を察知した警備員たちが現れて銃撃を加えて行くが防護服を着た集団は怯む事無く爆弾を投げ続けている。

 

キー坊大使「!!」

 

 遂に爆発によって議事堂の柱が崩れてキー坊を圧し潰してしまった。

 現場は逃げ惑う人々で混乱の極みに達していた。

 それでも警備員達は逃亡を始めた防護服を着た集団を追い駆けていた。

 すると防護服を着た集団の前方にピンク色のガスが現れて防護服を着た集団は躊躇う事無くガスの中に飛び込んで行く。

 

植物星警備員1「逃がすな!」

 

 警備員1が持っていた銃が遂に防護服の一人に当たる。

 

防護服「!?」

 

 撃ち所が悪かったのか防護服の一人はそのまま倒れて動かなくなった。

 ピンク色のガスが晴れると同時に防護服を着た集団はいなくなっていた。

 

植物星警備員2「こいつらは一体?」

 

 相手の素性を知る為に警備員の一人が倒れた防護服の頭を覆うカバーを取ろうと試みた。

 だが警備員2が何かする前に防護服のカバーは取れて素顔が露わになった。

 

植物星警備員1「ひっヒューマンタイプだ!?だが・・・・・」

 

 惑星連合加盟惑星や非加盟惑星を含めてもヒューマンタイプ=人間型は珍しく無かった。

 

植物星警備員2「何処の星から来てこんな事を・・・・・」

 

 困惑する警備員達を余所に一人の人物が近付いて来る。

 

天上連邦ヘブ長官「これは・・・・・。まさか」

 

 ヘブ長官は眼鏡越しにも驚きの表情を見せていた。

 

警備員1「あなたは彼らが何者か知っているのですか?」

 

天上連邦ヘブ長官「はい。彼らは地上人です!地球に住む地上人です!」

 

 防護服を脱がされた姿は確かにかつて天上連邦で囚われた密猟者の一人だった。

 

 

□2 某所 

 

 

 部屋の中には椅子に拘束された1人の少年がいた。

 その前には銃を持った1人の少年がいる。

 銃を持った少年は嫌らしい笑みを浮かべていた。

 その様子から分かる事は銃を持った少年は椅子に拘束された少年より優位な立場にいると言う事だった。

 銃を持った少年はその立場を自覚した上で楽しむ様子さえ見せていた。

 

??1「これで分かっただろう?君はボク達の提案を断れない」

 

少年「・・・・・・・・」

 

??1「ボク達の言う事を聞くのが最も賢い選択だよ」

 

少年「くっ・・・・・・」

 

 悔し気に顔を歪める少年を??1は愉快そうに見ていた。

 

??1「悔しがる事は無いよ。君がボクに従うのは必然だったんだから」

 

 

 

□3 地球 日本 練馬区 月見台近辺 空き地

 

 

 夏休み後半の空き地にはジャイアン=剛田武と源静香が二人で話していた。

 小学6年生になった野比のび太は何の気は無しに友人と会う為に空き地へ来た。

 

のび太「みんなー」

 

静香「のび太さん!」

 

ジャイアン「おう!のび太」

 

のび太「あれ?スネ夫はいないの?」

 

ジャイアン「それが家に行ったんだけど誰もいないんだよ」

 

のび太「ふーん。どうせまたパパやママと出かけたんじゃない?」

 

ジャイアン「それにしちゃ変だな。昨日、遊ぶ約束をしたんだよ」

 

静香「約束を忘れるなんてスネ夫さんらしくないわね」

 

ジャイアン「ああ。用事があればアイツは必ず連絡して来るからな」

 

のび太「それもそっか」

 

スネ夫「みんなー!」

 

 そこへ骨川スネ夫が慌てた様子で走って空き地に入って来た。

 

ジャイアン「スネ夫?どうしたんだよ?そんなに慌てて」

 

スネ夫「さっき裏山の奥でとんでもない物を見つけたんだ!」

 

ジャイアン「何を見つけたんだよ?」

 

スネ夫「墜落したUFOだよ!」

 

全員「UFO!?」

 

ジャイアン「そんなバカな!?」

 

のび太「本当だったら大変な事だよ!?」

 

スネ夫「何言ってんだよ?僕らはそんな経験を幾度もしたじゃないか!」

 

 スネ夫の言葉で3人の脳裏にはこれまでに25回も繰り広げた冒険の記憶が過る。

 

静香「そうよ。私達はドラちゃんと一緒に色々な冒険をしたわ」

 

スネ夫「そうだよ。それにあのUFOは見覚えがあるんだ」

 

ジャイアン「UFOに見覚えなんかあるのかよ?」

 

スネ夫「僕の記憶が正しければあれは天上連邦のUFOだよ!」

 

のび太「え!?じゃあもしかして」

 

静香「裏山に来たのならパルパルさんが来たのかも知れないわ」

 

ジャイアン「よーし。じゃあ探しに行こうぜ」

 

スネ夫「のび太はドラえもんに知らせてくれ!」

 

のび太「分かった!」

 

スネ夫「みんな!こっちだ!」

 

 のび太はドラえもんに知らせる為に自宅へ戻ろうとした。

 ジャイアンと静香はスネ夫に付いて裏山へと向かった。

 スネ夫は人の少ない裏山の奥の方へと向かって行く。

 

ジャイアン「UFOはどこにあるんだ?」

 

スネ夫「確かこっちだ!」

 

静香「見て!」

 

 静香の指差す方向に墜落した天上人のUFOがあった。

 薄い煙は上がっているが音は殆どしていない。

 3人は煙の上がっているUFOにゆっくりと近付いて周囲を見渡した。

 

スネ夫「とりあえず火が燃え広がる事はなさそうだね」

 

ジャイアン「けど乗っていた人は何処にいるんだ?」

 

静香「ハッチが開いているから近くにいるのかも知れないわ」

 

ジャイアン「おい!あれ!」

 

 言いながらジャイアンが駆け出した方向にスネ夫と静香も後を追った。

 そこには天上連邦でドラえもん達と交流したパルパルの姿だった。

 

パルパル「うぅ・・・・・・」

 

静香「パルパルさん!しっかりして」

 

パルパル「その声は静香さん・・・・・。に・・・」

 

静香「えっ?」

 

パルパル「逃げて・・・・・」

 

 そこへ無数の足音が響く。

 

 

□3 地球 日本 練馬区 月見台近辺 野比家 居間

 

 

 野比家の居間でドラえもんはタイムテレビでドラミと定期連絡をしていた。

 

ドラミ「お兄ちゃん。それで■■■テ・・の調子は?」

 

 タイムテレビはドラミの映像は映し出すも声は途切れ途切れだった。

 

ドラえもん「やっぱりダメだなあ。音声が繋がらないよ」

 

ドラミ「・・ぱり買い替■■■が・・・・」

 

 どうやらドラミにはドラえもんの声は届いているらしい。

 

ドラえもん「このタイムテレビも中古だったしなあ。ドラミ。明日未来に行って買い替える事にするから」

 

ドラミ「お兄・・・」

 

ドラえもんはタイムテレビの未来との通話を切るとタイムテレビを四次元ポケットに閉まった。

 

ドラえもん「アイツは心配性だからなあ。どうせ特に大事件も起きないだろうし・・・・・。こんな日はどら焼きに限るなあ」

 

 四次元ポケットからどら焼きを出しながらテレビを付けるドラえもん。

 

ドラえもん「やっぱりどら焼きは美味しいなあ」

 

 どら焼きを食べながらテレビを見るドラえもん。

 テレビではニュース番組が放送され世界各地で紛争が多発していると報道されている。

 東南アジアでも紛争が拡大して戦争となる可能性をニュースキャスターは危惧していた。

 場合によっては日本も戦争に巻き込まれる可能性もあった。

 

ドラえもん(この時代はまだ色々な地域で紛争が絶えないなあ・・・・・)

 

 そこへ大きな足音が響いて来る。

 

ドラえもん「ん?またのび太君がいじめられたのかな?6年生になったのに」

 

のび太「ドラえもーん!」

 

ドラえもん「何だい?のび太君。また何かあったのかい?」

 

のび太「スネ夫が裏山で天上人のUFOが墜落したって言うんだ!」

 

ドラえもん「何だって!?」

 

 天上人と言う単語を聞いてドラえもんの顔色が一変する。

 今までの冒険の中で本気で地上を滅ぼそうとした相手だと言う事をよく理解していた。

 可能性未来の中でノア計画を本当に行ったあの天上人が再び現れたと言う事は十分に脅威と言えた。

 

ドラえもん「でもどうして天上人が?彼らは植物星系の衛星に移り住んだって聞いたけど」

 

のび太「とにかく裏山に急ごう!どこでもドアを出して!」

 

ドラえもん「待った!」

 

 そう言ってドラえもんはどこでもドアを出さなかった。

 

のび太「どうしたの!?速く裏山にいかないと静香ちゃん達が待っているよ」

 

ドラえもん「のび太君。変だと思わないのかい?一度この星を出て行った天上人が再び地球に来ている事に」

 

のび太「何でさ!?」

 

ドラえもん「考えてみてよ。彼らは地球環境が再生したら帰って来るって言ったんだよ。でもあれからまだ1年も経ってないじゃないか。それに・・・・・」

 

のび太「それに?」

 

ドラえもん「ニュースを見てごらんよ。また各地で紛争が始まったよ。今度はアジア圏だから日本に飛び火するかも知れない。天上人が帰って来るには程遠い状況だよ」

 

のび太「じゃあどういう事なのさ」

 

ドラえもん「それは天上人にしか分からないよ。とにかく行くのはいいけど慎重に行こう。きっとよく無い事が起こったのは確かだからね」

 

のび太「うん。じゃあ行こう!」

 

 のび太とドラえもんは玄関に出た。

 

ドラえもん「いきなり裏山に行くのはマズいからどこでもドアで学校に出よう」

 

のび太「うん!」

 

ドラえもん「それと嫌な予感がするからこれを渡しておくよ」

 

 そう言ってドラえもんは空気ピストルをのび太に渡した。

 

のび太「こんなのいる?」

 

ドラえもん「念の為だよ。また故障するのはゴメンだからね。それとこれも・・・・・と」

 

 ドラえもんは天上連邦に赴いた際に落雷を発する装置に攻撃されて故障した事があったからだ。

 のび太とドラえもんは一旦、どこでもドアで学校の裏手に出た。

 そこには直ぐに裏山へと通じる道がある。

 

ドラえもん「それでUFOは何処に墜落したんだい?」

 

のび太「確かスネ夫は裏山の奥だって」

 

ドラえもん「タケコプターで行くと見落とすかも知れない。ここからは歩いて行こう」

 

のび太「えー!?そんな事言わずにタケコプターを使おうよー」

 

ドラえもん「足は何のために付いてるの!速く行かないと置いて行くよ!」

 

 ドラえもんは駆け足で進んで行く。

 

のび太「待ってよ!ドラえもーん!」

 

 それにのび太は後を付いて行く。

 二人は裏山の奥の方へ進んで行く。

 

ドラえもん「誰にも見られて無いならこっちだと思うんだけどな・・・・・」

 

のび太「今の所、何もないみたいだけど」

 

ドラえもん「ん?足跡があるからこっちみたいだね」

 

 3人分の足跡を見つけてドラえもんとのび太はその方向に向かって行く。

 

ドラえもん「あっアレは!?」

 

 ドラえもんの視線の先には墜落したUFOがありのび太にも見えた。

 

のび太「スネ夫の言った事は本当だったんだ!?」

 

ドラえもん「待ってのび太君!みんなの姿が無い!」

 

のび太「えっ?」

 

ドラえもん「もしかしたら・・・・・」

 

 ドラえもんの言葉が終わらない内に周囲から特徴的なヘルメットと飛行可能な羽根の生えた制服を着た天上人が銃を持って周囲から5人出て来た!

 

ドラえもん「やっぱり!?」

 

のび太「伏せて!」

 

 ドラえもんが伏せると同時にのび太はドラえもんの石頭に左手を掛けてジャンプして身体を浮かべると同時に全身をひねりながら空気ピストルで天上人を5人撃ち落とした。

 天上人達は反撃する暇もなくのび太に倒されていた。

 

のび太「ハアハア・・・・・」

 

ドラえもん「一体何がどうなってるんだろう?」

 

??「やはり報告通りだったか」

 

のび太、ドラえもん「!?」

 

 突然響いた新たな声に驚いた二人。

 

??「こっちだ。速く来た方が良いよ。仲間が心配ならね」

 

のび太「ドラえもん!」

 

ドラえもん「急ごう!」

 

 のび太とドラえもんが声のする墜落したUFOの方向へ向かうとそこには気絶して拘束された静香、スネ夫、ジャイアン、パルパルの姿があった。

 その前には一人の天上人が立っていた。

 

のび太「みんな!」

 

ドラえもん「お前は何者だ!」

 

 天上人は気絶している4人に銃を突きつけ不敵な笑みを浮かべている。

 

??「ふっふっふっふ。久しぶりだねえ。野比君」

 

のび太「えっ!?君は誰だい!?」

 

??「声だけじゃ分からないか」

 

 そう言って天上人はヘルメットを取った。

 

のび太「きっ君は!?」

 

??「久しぶりだねえ。野比君」

 

のび太「ズル木!」

 

ドラえもん「誰!?」

 

 ズル木はドラえもんが未来に定期健診に向かっている間に転校して来たのび太達の同級生だった。

 その時期、のび太はドラミちゃんの世話になっておりドラミちゃんしかズル木と面識は無かった。

 ドラえもんが戻って来た時には両親の仕事の都合で再び転校してズル木はこの街を去って行ったのだ。

 

??=ズル木「ふふふふ。そのあだ名。懐かしいね。ボクには木鳥高夫と言う立派な名前があるのにねえ。まあ君じゃあだ名しか覚えられないか」

 

のび太「どうして君が・・・・・」

 

ズル木「簡単だよ。ボクは地上人じゃない。天上人なんだから」

 

のび太「えっ!?」

 

ズル木「ボクらみたいに地上人を監視する役割の天上人もいると言う事だよ。君みたいに頭が弱いヤツに分かりやすく言うならスパイさ」

 

のび太「何の為にそんな」

 

ズル木「地上の監視の為さ。我々天上人が管理しているからこそ地上人は絶滅する事も無かったんだから。その為に僕は転校を繰り返していたんだから」

 

ドラえもん「君は何が目的なんだ!?」

 

ズル木「簡単だよ。ボクは裏切り者の天上人を捕らえに来ただけ。それを君達が首を突っ込んだんだ。だからこのまま立ち去ってくれないかな?そうしたら君達二人は助けてあげるよ」

 

のび太「そんな事、出来る訳ないじゃないか!」

 

ズル木「そうだよね。君はそう言うヤツだと報告は受けてるよ。だからこうしないか?」

 

 ズル木はそう言いながら手にした銃を4人から離した。

 

ズル木「ボクの得意な早撃ち勝負をしよう。君が勝ったら彼らを解放しよう!」

 

のび太「分かった!」

 

ドラえもん「のび太君!」

 

のび太「大丈夫だよ!ドラえもん!」

 

 のび太はズル木の前に向かう。

 二人は既に構えをしている。

 

のび太「・・・・・・・・・」

 

ズル木「・・・・・・・・・」

 

ドラえもん(おかしい。このズル木君はのび太君の射撃の腕を知らないんだろうか?本当に知らないで受けているのかな?)

 

 二人が構えてどれ位の時間が経過したのか。

 

のび太「!!」

 

ズル木「!!」

 

 二人の銃撃は同じタイミングに聞こえていた。

 だがドラえもんには僅かにのび太の方が速かった事に気付いていた。

 

ズル木「・・・・・・・」

 

 倒れ込むズル木。

 

ドラえもん「のび太君!!」

 

のび太「やられた・・・・・」

 

 何とのび太も脇腹を押さえて片膝を付いた。

 のび太の脇腹には何かが高速で移動して服が千切れた跡があった。

 

??2「やっぱり君の射撃は驚異的だよ。のび太君」

 

 UFOの影から新たな声が響くと同時に相手は姿を見せる。

 

のび太「君は」

 

ドラえもん「どうして!?」

 

??2「僕も天上人になったからだよ。のび太君。ドラえもん君」

 

のび太 ドラえもん「出木杉君!?」

 

 

 

 




植物星の首都惑星の名前のみ、のび太と緑の巨人伝より拝借しています。
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